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八百四十二話 三者三葉の反応
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「そ、そこまで!!! 勝者、アラッド!!!!!」
審判が決着の宣言すると共に、周囲の観戦していた冒険者や、一部のギルド職員から歓声と悲鳴が上がる。
「ぃよっしゃああああ!!!!」
「さっすがアラッドだぜ!!!!!!」
「金貨何枚も賭けた甲斐があるってもんだ!!!!!」
「ありがとう、最強スーパールーキー!!!!!!!」
一人で二十人近くの先輩冒険者相手に挑むアラッドに賭けてた者たちはもろ手を上げて喜んでいた。
数だけ見れば、圧倒的に不利な状況であるアラッドに賭けた者たちは、これまでアラッドが得てきた功績が事実であればという希望に賭けており、オッズも一応アラッドの方が低かったこともあって、掛け金が金貨以上の者が殆どだった。
「はぁ~~~~、マジかよあいつら…………あぁ~~~~、クソが」
「はっはっは、解るよその気持ち」
「同じこと考えてる奴がいてくれて良かった、クソったれが。はぁ~~~……暴言を吐く気にすらならねぇぜ」
「本当にそうよね~~~。私もあっちの連中たちみたいに、アラッド君に賭けてれば良かったな~~~~」
一方、細剣士エルフたちの勝利に賭けていた者たちはがっくりと項垂れ、地面を膝に付いて落ち込む。
だが……彼等の中に、二十人近くでアラッド一人と戦った者たちのことを責める者は殆どいなかった。
最初こそ戦闘前にアラッドが口にした通り殺す気で挑む……ことはなく、あくまでこれは試合だという感情を持って挑んでいた。
しかし戦闘が始まり、たった十秒程度……刃を、剣先を、拳を振るった者たちは思い知らされた。
目の前の青年を倒すには、その必要があると。
そんな前衛組たちの感情の変化を感じ取り、後衛組もアラッドを殺すつもりでサポートを行い、攻撃魔法を叩き込んだ。
「……なんだったんだよ、あれ」
「解らねぇ……解らねぇ。解らねぇよ」
「次元が違う、って言うしか、ないのかしら」
そして今回の戦いを観ていた、賭けに参加していたのはベテラン達や冒険者として五年以上は経験してるお兄さんやお姉さんたちだけではなく、経験数だけで言えばアラッドと変わらないルーキーたちもいた。
そんなルーキーたちから見ても、そもそも数で先輩冒険者たちの方が圧倒的に有利であり、尚且つ途中から本気で殺すつもりで倒しにいった。
どう考えても……アラッドという自分たちと同じルーキーが勝てる要素は欠片もなかった。
にもかかわらず、そいつは先輩たちを全員叩きのめし、圧倒的不利な戦況であったにもかかわらず、いかにもこれが普通といった佇まいを崩さなかった。
「はぁ、はぁ…………」
「………………」
直ぐに意識を取り戻し、仲間から治癒魔法を受けてある程度回復すると、まだ息を切らしながらも、アラッドの方へと向かった。
その眼には、戦意や殺気は既に消えていた。
自分たちは序盤から直ぐに倒すつもりから殺すつもりの戦いに切り替えた。
だが、彼は結局最後まで本気であった……ただ本気の眼をしているだけで、自分たちに対して殺す気で闘ってはいなかった。
ついでに公正な立場でなければならない審判が、アラッドの勝利を宣言したこともあり、これ以上何かを口にしたり、決着の宣言を無視して戦おうとすれば……それは更に恥を晒すだけだった。
それは解っている、解っているからこそ、体が勝手にアラッドの前まで動いたものの……何を言うべきか分からず、苦虫を嚙み潰したよう顔になってしまっていた。
「っ」
「ありがとうございました。楽しい戦いが出来て、不満が解消されました」
「…………それが、君のスタンスなのだな」
「?」
「いや、なんでもない…………こちらこそ、ありがとう」
差し出された手に対し、細剣士エルフも応えて、二人は握手を交わした。
「言ったでしょう。あなた方が感じた不満自体は解ると。人間、そう簡単に合理的に判断出来ていれば、警備兵たちはいりませんから」
「ふっ、ふっふっふ。確かにそうだな……君も、過去に経験があるのか?」
「勿論ありますよ。俺だって人間ですから」
アラッドが思い出すのは糸を使って、初めて人に恥をかかせた場面。
(今思えば、あれはやる必要はなかった。上手く言葉で恥をかかせることが出来た。でも、そうしなかったのは、理解は出来るけど納得出来なかったからだろうな)
糸を使用し、バカ絡みしてきた令息のズボンを解体して下半身をパンツ一丁にさせた事件。
その事件は今でも貴族界隈に残っており、当時の子供たちが青年淑女と成長し始め……そういえばあの時に、とういった流れで思い出して話のタネになることが多い。
パーティー会場でバカ絡みをし、反撃されてパンツ一丁になってしまう。
それは当時の子供たちが大きくなったとはいえ、今でも大笑いしてしまう内容だった。
「そうか…………では、改めて俺たちの納得出来ない感情を受けて止めてくれて、感謝する」
「どういたしまして。あっ、それとまた時間があれば、今度は俺の連れたちと戦ってください。あいつらも、あなたと戦ってみたいと思っているので」
「……ふふ、そうか。それは、光栄だな」
嘘ではない。
実際に刃をぶつけ合ったからこそ零れた本心だった。
審判が決着の宣言すると共に、周囲の観戦していた冒険者や、一部のギルド職員から歓声と悲鳴が上がる。
「ぃよっしゃああああ!!!!」
「さっすがアラッドだぜ!!!!!!」
「金貨何枚も賭けた甲斐があるってもんだ!!!!!」
「ありがとう、最強スーパールーキー!!!!!!!」
一人で二十人近くの先輩冒険者相手に挑むアラッドに賭けてた者たちはもろ手を上げて喜んでいた。
数だけ見れば、圧倒的に不利な状況であるアラッドに賭けた者たちは、これまでアラッドが得てきた功績が事実であればという希望に賭けており、オッズも一応アラッドの方が低かったこともあって、掛け金が金貨以上の者が殆どだった。
「はぁ~~~~、マジかよあいつら…………あぁ~~~~、クソが」
「はっはっは、解るよその気持ち」
「同じこと考えてる奴がいてくれて良かった、クソったれが。はぁ~~~……暴言を吐く気にすらならねぇぜ」
「本当にそうよね~~~。私もあっちの連中たちみたいに、アラッド君に賭けてれば良かったな~~~~」
一方、細剣士エルフたちの勝利に賭けていた者たちはがっくりと項垂れ、地面を膝に付いて落ち込む。
だが……彼等の中に、二十人近くでアラッド一人と戦った者たちのことを責める者は殆どいなかった。
最初こそ戦闘前にアラッドが口にした通り殺す気で挑む……ことはなく、あくまでこれは試合だという感情を持って挑んでいた。
しかし戦闘が始まり、たった十秒程度……刃を、剣先を、拳を振るった者たちは思い知らされた。
目の前の青年を倒すには、その必要があると。
そんな前衛組たちの感情の変化を感じ取り、後衛組もアラッドを殺すつもりでサポートを行い、攻撃魔法を叩き込んだ。
「……なんだったんだよ、あれ」
「解らねぇ……解らねぇ。解らねぇよ」
「次元が違う、って言うしか、ないのかしら」
そして今回の戦いを観ていた、賭けに参加していたのはベテラン達や冒険者として五年以上は経験してるお兄さんやお姉さんたちだけではなく、経験数だけで言えばアラッドと変わらないルーキーたちもいた。
そんなルーキーたちから見ても、そもそも数で先輩冒険者たちの方が圧倒的に有利であり、尚且つ途中から本気で殺すつもりで倒しにいった。
どう考えても……アラッドという自分たちと同じルーキーが勝てる要素は欠片もなかった。
にもかかわらず、そいつは先輩たちを全員叩きのめし、圧倒的不利な戦況であったにもかかわらず、いかにもこれが普通といった佇まいを崩さなかった。
「はぁ、はぁ…………」
「………………」
直ぐに意識を取り戻し、仲間から治癒魔法を受けてある程度回復すると、まだ息を切らしながらも、アラッドの方へと向かった。
その眼には、戦意や殺気は既に消えていた。
自分たちは序盤から直ぐに倒すつもりから殺すつもりの戦いに切り替えた。
だが、彼は結局最後まで本気であった……ただ本気の眼をしているだけで、自分たちに対して殺す気で闘ってはいなかった。
ついでに公正な立場でなければならない審判が、アラッドの勝利を宣言したこともあり、これ以上何かを口にしたり、決着の宣言を無視して戦おうとすれば……それは更に恥を晒すだけだった。
それは解っている、解っているからこそ、体が勝手にアラッドの前まで動いたものの……何を言うべきか分からず、苦虫を嚙み潰したよう顔になってしまっていた。
「っ」
「ありがとうございました。楽しい戦いが出来て、不満が解消されました」
「…………それが、君のスタンスなのだな」
「?」
「いや、なんでもない…………こちらこそ、ありがとう」
差し出された手に対し、細剣士エルフも応えて、二人は握手を交わした。
「言ったでしょう。あなた方が感じた不満自体は解ると。人間、そう簡単に合理的に判断出来ていれば、警備兵たちはいりませんから」
「ふっ、ふっふっふ。確かにそうだな……君も、過去に経験があるのか?」
「勿論ありますよ。俺だって人間ですから」
アラッドが思い出すのは糸を使って、初めて人に恥をかかせた場面。
(今思えば、あれはやる必要はなかった。上手く言葉で恥をかかせることが出来た。でも、そうしなかったのは、理解は出来るけど納得出来なかったからだろうな)
糸を使用し、バカ絡みしてきた令息のズボンを解体して下半身をパンツ一丁にさせた事件。
その事件は今でも貴族界隈に残っており、当時の子供たちが青年淑女と成長し始め……そういえばあの時に、とういった流れで思い出して話のタネになることが多い。
パーティー会場でバカ絡みをし、反撃されてパンツ一丁になってしまう。
それは当時の子供たちが大きくなったとはいえ、今でも大笑いしてしまう内容だった。
「そうか…………では、改めて俺たちの納得出来ない感情を受けて止めてくれて、感謝する」
「どういたしまして。あっ、それとまた時間があれば、今度は俺の連れたちと戦ってください。あいつらも、あなたと戦ってみたいと思っているので」
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