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八百四十四話 そうじゃな~い~~~
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「違う!!! そうじゃない!!!!」
「「っ!!??」」
依頼を受けた果実の採集を終え、カルトロッサに戻るには丁度良い時間ということもあり、帰路に付いていた三人。
そこで急に「違う!!! そうじゃない!!!!」と叫んだアラッド。
傍にいた二人に驚くなというのは無理な注文であった。
「きゅ、急にどうしたんだい、アラッド」
「そうだよ~~~。採集依頼の果実は、さっき採集した果実で合ってるよ」
「違う……そうじゃないんだ」
少し前に、ハヌマーンことヴァジュラ率いるハヌーマたちに襲撃され、逃走を余儀なくされた面々とぶつかり……結果としてモヤモヤが残る結果ではなく、スッキリとした形で終わることが出来た。
その後、アラッドたちは依頼を受けては森に入って達成し、休日にはヴァジュラと手合わせしてその強さを存分に味わったりと、充実した日々を送っていた。
楽しい生活を送れてるな……そう思ったタイミングで、ある声がアラッドの脳内に浮かんだ。
違う、違う。そうじゃない……そうじゃない、と。
そこでアラッドは思い出した。
自分たちがカルトロッサに来た本来の目的を。
「スティーム、ガルーレ。俺たちがカルトロッサに来た本来の目的は、グレイスさんから教えてもらった風竜に関する情報を確かめ、存在するなら討伐することだろう」
「「…………あ」」
二人は完全に忘れてしまっていた。
少々そういったところがあるガルーレはともかく、重要な用事などは忘れないタイプであるスティームも同じく、自分たちがカルトロッサに来た本来の目的を忘れてしまっていた。
しかし、それも二人にとっては無理もない話と言えた。
スティームはハヌマーンと戦う前まではきっちりと覚えていた。
この戦闘、要件が終われば、また風竜探しを再開するのだろうと。
だが……熱かった。充実していた。己の全てを出し切った。
命懸けの戦いではあったが、それでもこれまでモンスターと行ってきた戦いの中で……最高の戦いだったと断言出来る。
そんな戦いを経験してしまい……心の何処かで、既に一仕事終えた気になっていた。
大量のハヌーマを率いるハヌマーンとの激闘……この戦い一つで武勇伝となることを考えれば、やはりスティームが風竜のこと忘れてしまっていたのは、仕方なかったと言えるだろう。
「そ、そうだったね。うん……そうだよ、ごめん。僕もすっかり忘れてたよ」
「ごめ~ん!! 私も本気で忘れてた!!! やっぱさぁ、こう……ヴァジュラとの戦いが凄く楽しかったから、なんか既に大きな仕事を終えた感があったんだよね~~」
「ウキャ? ウキャッキャッキャ!!」
何やら自分が褒められていると感じ、楽し気に笑うヴァジュラ。
ガルーレに関しては自分で口にした通り、ヴァジュラとの戦いが心の底から楽しいと感じた。
その衝撃、楽しさ、そしてハヌマーンことヴァジュラが自身の従魔になったという、これまでの冒険者人生中でベスト五には入る衝撃を体験し……完全に忘れてしまっていた。
おおよそスティームと似たよな理由ではあるが、これはこれでガルーレらしいというのが、アラッドとスティームの感想だった。
「まぁ、その気持ちは解らなくもない。だが、目的を忘れたままというのはな……うん、ダメだ」
ロッサの密林に潜んでいる……かもしれない風竜の討伐。
これに関しては誰から頼まれた訳ではない。
偶々ウィラーナの雪山に生息するグレイスと出会い、そのグレイスから得た情報を元に……ストールの様な民に被害を与えるようなクソドラゴンがクソ行動を起こす前に叩き潰す。
もしくはそこら辺の事情を利用し、風竜を誑し込もうとする存在が接近する前に、自分たちがぶっ潰しておこうというもの。
誰から依頼されたものではない。
それらの情報を提供された国王たちも、まずそういった情報を提供してくれただけで、アラッドたちは一仕事果たしてくれたと思っているため「ではそのドラゴンたちを討伐してくれ。報酬は出す」と頼んではいない。
依頼を受けていないため、これまた終わらせなければならない期限はない……そう、一応期限はない。
(いつ、その期限が来るか分からない……自分たちで決めた目的とはいえ、いきなりリミットが過ぎたと通告されるかもしれないのは……心臓に悪過ぎるな)
その期限とは……ゴリディア帝国との戦争が始まると通告されたタイミング。
まさに最悪のリミットオーバー宣告と言える。
「ウキャ?」
「私たちは元々風竜……風のドラゴンを討伐しようと思って、カルトロッサに来たんだよ」
「ホキャ~~~……ウキャッキャ!!!」
風のドラゴン。
その単語から、なんとなくこれから自分たちが戦うであろう存在が想像出来たヴァジュラは、これまた楽し気に笑う。
「……でもさ、アラッド。この街に来てから、風竜に冒険者たちが襲撃されたって話は、あまり聞かないよね」
「他の地域に移動した可能性も頭の片隅に入れておいた方が良いということか…………難しいものだな」
まだ風竜が討伐されたという話は聞いていないため、同業者たちが既に討伐したという線は低い。
しかし、グレイスから教えてもらった情報は他にもあるため、いつまでもカルトロッサに滞在し続けるわけにもいかなかった。
「「っ!!??」」
依頼を受けた果実の採集を終え、カルトロッサに戻るには丁度良い時間ということもあり、帰路に付いていた三人。
そこで急に「違う!!! そうじゃない!!!!」と叫んだアラッド。
傍にいた二人に驚くなというのは無理な注文であった。
「きゅ、急にどうしたんだい、アラッド」
「そうだよ~~~。採集依頼の果実は、さっき採集した果実で合ってるよ」
「違う……そうじゃないんだ」
少し前に、ハヌマーンことヴァジュラ率いるハヌーマたちに襲撃され、逃走を余儀なくされた面々とぶつかり……結果としてモヤモヤが残る結果ではなく、スッキリとした形で終わることが出来た。
その後、アラッドたちは依頼を受けては森に入って達成し、休日にはヴァジュラと手合わせしてその強さを存分に味わったりと、充実した日々を送っていた。
楽しい生活を送れてるな……そう思ったタイミングで、ある声がアラッドの脳内に浮かんだ。
違う、違う。そうじゃない……そうじゃない、と。
そこでアラッドは思い出した。
自分たちがカルトロッサに来た本来の目的を。
「スティーム、ガルーレ。俺たちがカルトロッサに来た本来の目的は、グレイスさんから教えてもらった風竜に関する情報を確かめ、存在するなら討伐することだろう」
「「…………あ」」
二人は完全に忘れてしまっていた。
少々そういったところがあるガルーレはともかく、重要な用事などは忘れないタイプであるスティームも同じく、自分たちがカルトロッサに来た本来の目的を忘れてしまっていた。
しかし、それも二人にとっては無理もない話と言えた。
スティームはハヌマーンと戦う前まではきっちりと覚えていた。
この戦闘、要件が終われば、また風竜探しを再開するのだろうと。
だが……熱かった。充実していた。己の全てを出し切った。
命懸けの戦いではあったが、それでもこれまでモンスターと行ってきた戦いの中で……最高の戦いだったと断言出来る。
そんな戦いを経験してしまい……心の何処かで、既に一仕事終えた気になっていた。
大量のハヌーマを率いるハヌマーンとの激闘……この戦い一つで武勇伝となることを考えれば、やはりスティームが風竜のこと忘れてしまっていたのは、仕方なかったと言えるだろう。
「そ、そうだったね。うん……そうだよ、ごめん。僕もすっかり忘れてたよ」
「ごめ~ん!! 私も本気で忘れてた!!! やっぱさぁ、こう……ヴァジュラとの戦いが凄く楽しかったから、なんか既に大きな仕事を終えた感があったんだよね~~」
「ウキャ? ウキャッキャッキャ!!」
何やら自分が褒められていると感じ、楽し気に笑うヴァジュラ。
ガルーレに関しては自分で口にした通り、ヴァジュラとの戦いが心の底から楽しいと感じた。
その衝撃、楽しさ、そしてハヌマーンことヴァジュラが自身の従魔になったという、これまでの冒険者人生中でベスト五には入る衝撃を体験し……完全に忘れてしまっていた。
おおよそスティームと似たよな理由ではあるが、これはこれでガルーレらしいというのが、アラッドとスティームの感想だった。
「まぁ、その気持ちは解らなくもない。だが、目的を忘れたままというのはな……うん、ダメだ」
ロッサの密林に潜んでいる……かもしれない風竜の討伐。
これに関しては誰から頼まれた訳ではない。
偶々ウィラーナの雪山に生息するグレイスと出会い、そのグレイスから得た情報を元に……ストールの様な民に被害を与えるようなクソドラゴンがクソ行動を起こす前に叩き潰す。
もしくはそこら辺の事情を利用し、風竜を誑し込もうとする存在が接近する前に、自分たちがぶっ潰しておこうというもの。
誰から依頼されたものではない。
それらの情報を提供された国王たちも、まずそういった情報を提供してくれただけで、アラッドたちは一仕事果たしてくれたと思っているため「ではそのドラゴンたちを討伐してくれ。報酬は出す」と頼んではいない。
依頼を受けていないため、これまた終わらせなければならない期限はない……そう、一応期限はない。
(いつ、その期限が来るか分からない……自分たちで決めた目的とはいえ、いきなりリミットが過ぎたと通告されるかもしれないのは……心臓に悪過ぎるな)
その期限とは……ゴリディア帝国との戦争が始まると通告されたタイミング。
まさに最悪のリミットオーバー宣告と言える。
「ウキャ?」
「私たちは元々風竜……風のドラゴンを討伐しようと思って、カルトロッサに来たんだよ」
「ホキャ~~~……ウキャッキャ!!!」
風のドラゴン。
その単語から、なんとなくこれから自分たちが戦うであろう存在が想像出来たヴァジュラは、これまた楽し気に笑う。
「……でもさ、アラッド。この街に来てから、風竜に冒険者たちが襲撃されたって話は、あまり聞かないよね」
「他の地域に移動した可能性も頭の片隅に入れておいた方が良いということか…………難しいものだな」
まだ風竜が討伐されたという話は聞いていないため、同業者たちが既に討伐したという線は低い。
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