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八百八十七話 本能が恐れるのは……
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「ぃよし!!! 私が戦るわ!!!!!」
何かしらの面白さを感じたガルーレは、二人の返事を聞かずに前へ出た。
「アラッド、あれはラバーゴートだよ」
「ラバーゴート……とりあえず、山羊のモンスターだよな」
アラッドの言う通り、間違いなく山羊のモンスターである。
もっと詳細に説明すると、Cランクモンスターであり、得意な攻撃は立派な角から繰り出される突進。
「ラバーゴートは突進が得意なモンスターで…………はぁ~~~~~~。やっぱり、ガルーレならそうするよね」
スティームとしては、あまりお勧めしない対処方法。
しかし、ガルーレはスティームの予想通り、あまりお勧めできない対処方法で、ラバーゴートを対処しようとした。
その対処方法とは……真正面から素手で止めること。
「ッッッッッッッッ!!!!!!」
「うぎぎぎぎぎぎぎッ!!!!!!!!!」
グレートウルフと比べれば劣るものの、それでも立派な体躯から繰り出される突進。
見た目よりもパワーがあるガルーレではあるが、切り札を使ってない状態だと……加速距離を十分にとって突進してきたラバーゴートを止めるのは難しい。
アラッドたちはひらりと躱しながら、どんどん後方に押されていくガルーレを眺める。
「……あのまま突進を止めようと、パワーでなんとかするに一票」
「………………後ろに投げ飛ばすのに一票かな」
アラッドのノリに、スティームも軽い溜息を吐きながら乗り、自分なりの予想を口にした。
因みに従魔たちは従魔たちで話し合い、クロが主人のアラッドと同じくパワーで止めるに一票。
ファルが掴んだ角をへし折るに一票。ヴァジュラが下から顔に膝蹴りをぶちかますに一票。
割と対処方法に関して意見がバラけた。
「うぎぎぎぎぎぎぎッ!!!!!」
ガルーレの次の動きに注目が集まる中、徐々に徐々に……ラバーゴートがガルーレを前へ前へと押し込むスピードが落ちていた。
(負けるかぁああああああああああああああ!!!!!)
ガルーレは自分の戦闘スタイルは、決してパワーだけで押すゴリマッチョな野郎たちが得意なスタイルではないことを理解している。
だが……それでも力比べは好きであり、一番得意な勝負部分ではないと解っていても……アマゾネスの血が騒ぎ、突進攻撃が得意であるモンスターに対し、あえて真っ向から受け止めようという気持ちが溢れていた。
「へ、へっへっへ……それじゃあ、今度、は、私の、番!!!!!!」
「っ!?」
なんとかラバーゴートの突進を止めたガルーレ。
まだ受け止めた時の衝撃が消えてないものの……一歩……一歩、また一歩とラバーゴートを押し返していく。
押し込まれた証拠である線をなぞる様に、前へ前へと押し込んでいく。
「……アラッドの言う通り、だったね」
「だな。ただ……俺も完全に受け止めたら、その場で何かしらの攻撃を加えると思ってたんだけど……まさか、そのまま押し込まれた道をなぞって、押し返そうとするとはな」
決して早くはないが、ガルーレは一歩ずつ、着実にラバーゴートを押し返していた。
「………………ねぇ、アラッド」
「なんだ、スティーム」
「やっぱり、ガルーレってただ肉弾戦が好きで、考え無しに突っ込むタイプじゃないね」
「……ふふ、そうだな。さっきまでの対応とは一変して、割と技術的な動きをしてるんだるな」
まだアラッドたちの元まで戻ってきてないので、正確な動きは解らない。
ただ一つ、解ることはある。
それは………………わざわざ押し込まれた線に沿って押し返すというガルーレの行動に、ラバーゴートが付き合う必要はないということ。
わざわざ対抗せずとも、横に振ったり上に持ち上げたりと、やりようはある。
しかし、それが出来ない。
正確には……その行動をガルーレの素早い力加減によって封じられていた。
確かに絶妙な力加減、技術が必要な対処方法ではあるが、ガルーレは実際にラバーゴートの角を使っている為、僅かな変化から咄嗟に読み取り、なんとか反応して動きを封じていた。
なので、本人は特に技術的に割と凄いことをやってるという自覚はなかった。
「へへ、へっへっへ、もうちょい……もう少し……」
「~~~~~~~~っ!!!!!」
ラバーゴートからしても、ガルーレの行動は、割と本気で理解出来なかった。
加えて、ジッと……ジッと自分を見ている。
正面に立って角を握られているのだから、当然と言えば当然。
ギリギリ目線が交差しないものの……ラバーゴートは自分が理解しがたい行動を取る人間の顔を見るのに、若干恐怖を感じていた。
ラバーゴートも生物である以上、人間ほど深くは理解してないが……それでも、本能は解っていた。
自分が理解出来ない方法で攻めてくる相手が、一番恐ろしい。
「っ!! っ!!! っっっっ!!!!!」
だからこそ、何度も何度も頭を上下左右に動かすも、全くもって振り払えない。
「ぃよ~~~~~し」
気付いた時には、アラッドたちのところまで戻り、更に最初に激突したところまで戻っていた。
そして次の瞬間……ラバーゴートはいきなり浮遊感に襲われた。
何かしらの面白さを感じたガルーレは、二人の返事を聞かずに前へ出た。
「アラッド、あれはラバーゴートだよ」
「ラバーゴート……とりあえず、山羊のモンスターだよな」
アラッドの言う通り、間違いなく山羊のモンスターである。
もっと詳細に説明すると、Cランクモンスターであり、得意な攻撃は立派な角から繰り出される突進。
「ラバーゴートは突進が得意なモンスターで…………はぁ~~~~~~。やっぱり、ガルーレならそうするよね」
スティームとしては、あまりお勧めしない対処方法。
しかし、ガルーレはスティームの予想通り、あまりお勧めできない対処方法で、ラバーゴートを対処しようとした。
その対処方法とは……真正面から素手で止めること。
「ッッッッッッッッ!!!!!!」
「うぎぎぎぎぎぎぎッ!!!!!!!!!」
グレートウルフと比べれば劣るものの、それでも立派な体躯から繰り出される突進。
見た目よりもパワーがあるガルーレではあるが、切り札を使ってない状態だと……加速距離を十分にとって突進してきたラバーゴートを止めるのは難しい。
アラッドたちはひらりと躱しながら、どんどん後方に押されていくガルーレを眺める。
「……あのまま突進を止めようと、パワーでなんとかするに一票」
「………………後ろに投げ飛ばすのに一票かな」
アラッドのノリに、スティームも軽い溜息を吐きながら乗り、自分なりの予想を口にした。
因みに従魔たちは従魔たちで話し合い、クロが主人のアラッドと同じくパワーで止めるに一票。
ファルが掴んだ角をへし折るに一票。ヴァジュラが下から顔に膝蹴りをぶちかますに一票。
割と対処方法に関して意見がバラけた。
「うぎぎぎぎぎぎぎッ!!!!!」
ガルーレの次の動きに注目が集まる中、徐々に徐々に……ラバーゴートがガルーレを前へ前へと押し込むスピードが落ちていた。
(負けるかぁああああああああああああああ!!!!!)
ガルーレは自分の戦闘スタイルは、決してパワーだけで押すゴリマッチョな野郎たちが得意なスタイルではないことを理解している。
だが……それでも力比べは好きであり、一番得意な勝負部分ではないと解っていても……アマゾネスの血が騒ぎ、突進攻撃が得意であるモンスターに対し、あえて真っ向から受け止めようという気持ちが溢れていた。
「へ、へっへっへ……それじゃあ、今度、は、私の、番!!!!!!」
「っ!?」
なんとかラバーゴートの突進を止めたガルーレ。
まだ受け止めた時の衝撃が消えてないものの……一歩……一歩、また一歩とラバーゴートを押し返していく。
押し込まれた証拠である線をなぞる様に、前へ前へと押し込んでいく。
「……アラッドの言う通り、だったね」
「だな。ただ……俺も完全に受け止めたら、その場で何かしらの攻撃を加えると思ってたんだけど……まさか、そのまま押し込まれた道をなぞって、押し返そうとするとはな」
決して早くはないが、ガルーレは一歩ずつ、着実にラバーゴートを押し返していた。
「………………ねぇ、アラッド」
「なんだ、スティーム」
「やっぱり、ガルーレってただ肉弾戦が好きで、考え無しに突っ込むタイプじゃないね」
「……ふふ、そうだな。さっきまでの対応とは一変して、割と技術的な動きをしてるんだるな」
まだアラッドたちの元まで戻ってきてないので、正確な動きは解らない。
ただ一つ、解ることはある。
それは………………わざわざ押し込まれた線に沿って押し返すというガルーレの行動に、ラバーゴートが付き合う必要はないということ。
わざわざ対抗せずとも、横に振ったり上に持ち上げたりと、やりようはある。
しかし、それが出来ない。
正確には……その行動をガルーレの素早い力加減によって封じられていた。
確かに絶妙な力加減、技術が必要な対処方法ではあるが、ガルーレは実際にラバーゴートの角を使っている為、僅かな変化から咄嗟に読み取り、なんとか反応して動きを封じていた。
なので、本人は特に技術的に割と凄いことをやってるという自覚はなかった。
「へへ、へっへっへ、もうちょい……もう少し……」
「~~~~~~~~っ!!!!!」
ラバーゴートからしても、ガルーレの行動は、割と本気で理解出来なかった。
加えて、ジッと……ジッと自分を見ている。
正面に立って角を握られているのだから、当然と言えば当然。
ギリギリ目線が交差しないものの……ラバーゴートは自分が理解しがたい行動を取る人間の顔を見るのに、若干恐怖を感じていた。
ラバーゴートも生物である以上、人間ほど深くは理解してないが……それでも、本能は解っていた。
自分が理解出来ない方法で攻めてくる相手が、一番恐ろしい。
「っ!! っ!!! っっっっ!!!!!」
だからこそ、何度も何度も頭を上下左右に動かすも、全くもって振り払えない。
「ぃよ~~~~~し」
気付いた時には、アラッドたちのところまで戻り、更に最初に激突したところまで戻っていた。
そして次の瞬間……ラバーゴートはいきなり浮遊感に襲われた。
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