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九百三話 側近はどんな奴?
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「それじゃあ、行くか」
諸々の準備を終えた翌日、アラッドたちはアンドーラ山岳へ向けて出発。
時間が惜しいということもあり、アラッドはソルたちにはクロやファルの背に乗ってもらった。
自分の足で走れるという、至極真っ当なことを口にするソルたちだったが、自分たちのリーダーであるフローレンスから「お言葉に甘えさせてもらいなさい」と告げられ、渋々了承。
アラッドたち三人とフローレンス。スタミナが明確に他の騎士たちよりも多い騎士は走り、他の面子はクロたちにのってアンドーラ山岳へと向かう。
(……っ、悔しいけど、本当に……速い)
クロの背に乗っているソルとルーナと、もう一人の女性騎士。
人間が三人背負っている状態であっても、クロは三人に揺れを感じさせない様に絶妙なバランスで走り続けていた。
(………………はぁ~~~~~。話には聞いてたけど、正直羨ましいな)
ソルには、ルーナという最高の相棒がいる。
ただ、それはそれとして……クロやファルの様に背に乗って移動でき、夜は見張りを任せられる従魔に対し、憧れを感じていた。
しかし、ソルがクロの主人であるアラッドに抱いている感情を考えるに……どうすればクロたちの様な従魔を手に入れられるのか、と相談するのは不可能だった。
「アラッド、目の前にオークが二体」
「今日の昼飯だな」
そう言うと、アラッドとスティームが得物を抜き、オークたちが手に持っていた棍棒を振るう猶予を与えず……首を切断。
その場で解体は行わず、アイテムバックの中にしまい、再びアンドーラ山岳へ向けてダッシュ。
(ッ……私だって、オークなら一人で倒せる。倒せるけど……チッ!)
本人の思う通り、ソルは一人でオークを討伐出来るだけの実力を持っている。
二体や三体……四体を同時に相手することになっても、ルーナの力を借りずに一人で討伐出来る。
ただ、今さっきアラッドがオークの首を切断したほど素早く、圧倒的に……美しさ感じさせる動きで倒すことは出来ない。
どうすれば自分はあそこまで動けるようになるのか、強くなれるのかと考えている間に、アンドーラ山岳の直ぐ傍に到着。
「少し時間は速いが、昼飯にするか」
アラッドは到着するまでに討伐したオークの死体を取り出し、スティームと共に解体を行う。
二人が慣れた手つきで解体している間にガルーレたちは焼く準備を行い、数十分後にはオークの焼肉パーティーが始まっていた。
「……あの、ここまで大胆にやると、モンスターたちが匂いに釣られてやって来ませんか」
オークの焼肉を口にしながら、今回の総大将であるアラッドに質問したのは、ルーナだった。
「そうだな」
「そ、そうだなって…………あなた方にとっては、それが普通だという事ですね」
「理解してくれたようでなによりだ。勘の良い奴なら、クロたちを見つけたあたりで逃げる。クロたちの実力に気付かないバカであっても、襲ってくるならそれはそれで殺せば良い」
考えてるようで、やはり脳筋な部分があると感じたルーナ。
しかし、モンスターが襲撃してくれば、それはそれで多少の利点もあった。
「それに、血を流すタイプのモンスターなら、その血をバラまけば、そのモンスターよりも弱いモンスターは襲ってこなくなるかもしれないだろ」
「……それもそう、ですね」
ルーナは思い出した。
目の前の好きではない冒険者は、冒険者でありながら、錬金術にも精通しているある種の異端児であると。
(…………本当に、恐ろしいですね)
強さや粗暴さと、知性や知識のバランスが取れている。
理性を持ち、本能を制御してこそ人間。
しかし……人間、やはり得手不得手がある。
だが、ルーナはアラッドには得手不得手があるようには見えなかった。
「因みにですが、アラッド。闇竜は他にどういったモンスターに闇の力を付与してそうですか?」
「……闇竜が、最終的に闇を与えたモンスターをどうしようとしてるのかにもよるが、基本的には、それなりに速いモンスターに力を付与してると思う」
「速いモンスターとなると、クロの様な四足歩行の獣系モンスターでしょうか」
「個人的な意見だ。あまり当てにするなよ。後は…………思考力のあるドラゴンなら、俺たちから学んでいる事を活かしてるかもしれないな」
自分たち冒険者、騎士たちから学んで活かしている。
いったい何を活かしてるのかと何名かが首を傾げる中、直ぐにスティームがこれといった内容を思いついた。
「パーティーをつくっている、ということだね」
「可能性の一つだけどな。スピードタイプ、攻撃力が優れたパワータイプ。スピードには欠けるが、頑丈な体を持つタンクタイプ。後は……体が半分黒かったワイバーンみたいに、空中から攻めるタイプとか」
どれもこれも、アラッドの個人的な予想である。
まだそれが確定したわけではないが、それでも「モンスターがそんな細かい事まで考えてる訳ないだろ!」と反論しようと思えないからこそ、レパレスたちの表情に緊張が走る。
そんな中、諸々の可能性を語った犯人、アラッドは平然とした表情で……腹七分目ぐらいまでオークの焼肉を食べた。
諸々の準備を終えた翌日、アラッドたちはアンドーラ山岳へ向けて出発。
時間が惜しいということもあり、アラッドはソルたちにはクロやファルの背に乗ってもらった。
自分の足で走れるという、至極真っ当なことを口にするソルたちだったが、自分たちのリーダーであるフローレンスから「お言葉に甘えさせてもらいなさい」と告げられ、渋々了承。
アラッドたち三人とフローレンス。スタミナが明確に他の騎士たちよりも多い騎士は走り、他の面子はクロたちにのってアンドーラ山岳へと向かう。
(……っ、悔しいけど、本当に……速い)
クロの背に乗っているソルとルーナと、もう一人の女性騎士。
人間が三人背負っている状態であっても、クロは三人に揺れを感じさせない様に絶妙なバランスで走り続けていた。
(………………はぁ~~~~~。話には聞いてたけど、正直羨ましいな)
ソルには、ルーナという最高の相棒がいる。
ただ、それはそれとして……クロやファルの様に背に乗って移動でき、夜は見張りを任せられる従魔に対し、憧れを感じていた。
しかし、ソルがクロの主人であるアラッドに抱いている感情を考えるに……どうすればクロたちの様な従魔を手に入れられるのか、と相談するのは不可能だった。
「アラッド、目の前にオークが二体」
「今日の昼飯だな」
そう言うと、アラッドとスティームが得物を抜き、オークたちが手に持っていた棍棒を振るう猶予を与えず……首を切断。
その場で解体は行わず、アイテムバックの中にしまい、再びアンドーラ山岳へ向けてダッシュ。
(ッ……私だって、オークなら一人で倒せる。倒せるけど……チッ!)
本人の思う通り、ソルは一人でオークを討伐出来るだけの実力を持っている。
二体や三体……四体を同時に相手することになっても、ルーナの力を借りずに一人で討伐出来る。
ただ、今さっきアラッドがオークの首を切断したほど素早く、圧倒的に……美しさ感じさせる動きで倒すことは出来ない。
どうすれば自分はあそこまで動けるようになるのか、強くなれるのかと考えている間に、アンドーラ山岳の直ぐ傍に到着。
「少し時間は速いが、昼飯にするか」
アラッドは到着するまでに討伐したオークの死体を取り出し、スティームと共に解体を行う。
二人が慣れた手つきで解体している間にガルーレたちは焼く準備を行い、数十分後にはオークの焼肉パーティーが始まっていた。
「……あの、ここまで大胆にやると、モンスターたちが匂いに釣られてやって来ませんか」
オークの焼肉を口にしながら、今回の総大将であるアラッドに質問したのは、ルーナだった。
「そうだな」
「そ、そうだなって…………あなた方にとっては、それが普通だという事ですね」
「理解してくれたようでなによりだ。勘の良い奴なら、クロたちを見つけたあたりで逃げる。クロたちの実力に気付かないバカであっても、襲ってくるならそれはそれで殺せば良い」
考えてるようで、やはり脳筋な部分があると感じたルーナ。
しかし、モンスターが襲撃してくれば、それはそれで多少の利点もあった。
「それに、血を流すタイプのモンスターなら、その血をバラまけば、そのモンスターよりも弱いモンスターは襲ってこなくなるかもしれないだろ」
「……それもそう、ですね」
ルーナは思い出した。
目の前の好きではない冒険者は、冒険者でありながら、錬金術にも精通しているある種の異端児であると。
(…………本当に、恐ろしいですね)
強さや粗暴さと、知性や知識のバランスが取れている。
理性を持ち、本能を制御してこそ人間。
しかし……人間、やはり得手不得手がある。
だが、ルーナはアラッドには得手不得手があるようには見えなかった。
「因みにですが、アラッド。闇竜は他にどういったモンスターに闇の力を付与してそうですか?」
「……闇竜が、最終的に闇を与えたモンスターをどうしようとしてるのかにもよるが、基本的には、それなりに速いモンスターに力を付与してると思う」
「速いモンスターとなると、クロの様な四足歩行の獣系モンスターでしょうか」
「個人的な意見だ。あまり当てにするなよ。後は…………思考力のあるドラゴンなら、俺たちから学んでいる事を活かしてるかもしれないな」
自分たち冒険者、騎士たちから学んで活かしている。
いったい何を活かしてるのかと何名かが首を傾げる中、直ぐにスティームがこれといった内容を思いついた。
「パーティーをつくっている、ということだね」
「可能性の一つだけどな。スピードタイプ、攻撃力が優れたパワータイプ。スピードには欠けるが、頑丈な体を持つタンクタイプ。後は……体が半分黒かったワイバーンみたいに、空中から攻めるタイプとか」
どれもこれも、アラッドの個人的な予想である。
まだそれが確定したわけではないが、それでも「モンスターがそんな細かい事まで考えてる訳ないだろ!」と反論しようと思えないからこそ、レパレスたちの表情に緊張が走る。
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