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九百九話 個人的な時間
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「圧巻……と言えば、圧巻だな」
アラッドは目の前の光景に対し、素直な感想を零した。
アラッドたちの目の前に並ぶモンスターは、闇竜を含めて総勢十五体。
「やぁ、人間たち。僕の住処にようこそ」
「人の言葉を喋れるんだな」
「あら、驚いてくれないんだ」
「これまでにお前と似た様なドラゴンと出会った事がある」
ようやく自分の元を訪れてきた人間たちが、自分が人の言葉を喋れることに驚かないところを見て、期待が外れたのかつまらなさそうな顔になる。
「へぇ~~……ってことは、やっぱり君たちがあのサラマンダーとオーガ……後、ワイバーンを討伐したんだね」
「そうだな」
「あのオーガは僕が与えた力を完全にコントロールしてたから、結構気に入ってたんだけどね~~……まっ、君たちみたいな人間と戦えば、さすがに返り討ちにされちゃうか」
気に入ってた、という言葉に嘘は感じられない。
ただ、それと同時に悲しみも感じられなかった。
それに関して、アラッドは特に思うところはなかった。
モンスター同士、利害が一致したからこそ力の付与が行われたのだと……寧ろ、関係性としてはそちらの方が理解出来る。
「それにしても、よく僕が原因だって解ったね」
「モンスターは俺たちの理解が及ばない力を持ち、行動を取ることもある。闇というのも、お前に結び付ける要因でもあったからな」
「なるほどね~~。もうちょい他にも要因があるんじゃないかって悩んでくれると思ったんだけど、そこは僕の考えが足りなかった部分だね……でも、気付くのが随分と遅かったから、これだけ色んな奴らが揃ったんだよね」
闇竜……デネブの配下には、半分から八割ほど闇の力が馴染んだ個体が計九体。
オークジェネラル、ブラックウルフ、コボルトナイト、ガーゴイル、スケルトンメイジ、ヒポグリフ、ホワイトスネーク、オーガウォーリアー、リザード。
(遅かった、か…………そうだな。これだけの数を見せられたら、こっちも遅かったと思わざるを得ない)
闇の力を自分の物にした割合で言うと、ファルが戦ったワイバーンやフローレンスたちが戦ったラバーゴートの様なモンスターが計九体。
そして……フローレンスたちが遭遇した体色が赤か黒に染まり、完全に闇の力を自分の物にした個体が五体。
全身の体色がクロに変色しているリザードマン、ハードメタルゴーレム、普通は二つ……なのに頭が三つあるオルトロス亜種、ハーピィ、グレータースケルトン。
「……そうだな。俺たちが思っていた以上に、厄介なモンスターたちを育成したみたいだな」
「僕は彼等に力を与えただけだよ。まぁ、少しアドバイスしたけどね」
「…………アンドーラ山岳以外の場所で狩りをしろ。奇襲で仕留められるなら、それが一番。あまり同じ地帯で狩りをするな……といったところか?」
「わぉ。何々、もしかして君も同じようなことをしたことがあるの?」
「もし、俺がお前の立場に立って、優秀な配下をつくるにはどうすれば良いかを考えただけだ……だからこそ、クソ恐ろしいよ」
自分たちが考えていた最悪の想定を、見事闇竜デネブは実行していた。
しかし、だからこそ……もう遅いと断言するのではなく、今ここで自分たちが気付けたと……接近出来て良かった思える。
「……君たちは、ドラゴンよりも、モンスターよりも絶対に人間の方が絶対に賢い……そう思ってるみたいだね」
「かもしれないな。でも、そう思うのは仕方ないだろう。なんせ、お前たちはわざわざ知恵を振り絞り、自分の生活を豊かにしようと、何かを本気で目指して前に進もうとしないだろ」
「ふむ……」
「仮にお前は違ったとしても、他のモンスターたちはその通りだろ。本能のままに動き、群れをつくるモンスターであれば、群れのトップになろうと動くかもしれないが、明確な計画を立ててトップになろうとする個体は殆どいないだろ」
「うん、そうだね……ふっふっふ……褒められてるのか、貶されてるのか……まぁ、両方か」
デネブはニヤニヤと笑みを浮かべながら、アラッドとの会話を続けた。
「ねぇ、君は支配とかには、興味がないのかな」
「そういった目的には興味ないな。土地を、人間を支配することに何かしらの感情を覚える人間がいることを否定するわけではないが、俺はそれよりも冒険の方に興味がある」
「ん~~~~~…………君は、そっちの金髪の子たちと違って、騎士じゃなく、冒険者なのか……そうか~~。そこの人間たちを裏切って、僕の方に付かないかと提案しようと思ったんだけど、無理そうだね」
「知らないのか? 人間が造る料理は美味いんだ。それだけでも、俺が仲間たちを……人間を裏切ってお前に付く理由はない」
「ふっふっふ、なるほどなるほど。料理、ねぇ……ところで、僕はなんとなく喋ってるんだけど、どうして僕たちを討伐しに来た君は、さっさと僕たちに襲いかからないんだい?」
「過去にお前の様に人の言葉を喋れるドラゴンと出会ったことはあるが、それでも珍しい存在ではあり、今回の様なことを考えて実行した存在が気になっていてな……物凄く個人的な理由で喋っていただけだ」
「あっはっはっはっは!!!!!! 君みたいな、人間もいるのか……そっちはそっちで、面白い存在だね」
「それはどうも」
個人的な時間はここで終わり……アラッドは渦雷を抜剣。
フローレンスたちも各々の得物を構え、闇竜デネブたちも戦意を放出しながら構えた。
アラッドは目の前の光景に対し、素直な感想を零した。
アラッドたちの目の前に並ぶモンスターは、闇竜を含めて総勢十五体。
「やぁ、人間たち。僕の住処にようこそ」
「人の言葉を喋れるんだな」
「あら、驚いてくれないんだ」
「これまでにお前と似た様なドラゴンと出会った事がある」
ようやく自分の元を訪れてきた人間たちが、自分が人の言葉を喋れることに驚かないところを見て、期待が外れたのかつまらなさそうな顔になる。
「へぇ~~……ってことは、やっぱり君たちがあのサラマンダーとオーガ……後、ワイバーンを討伐したんだね」
「そうだな」
「あのオーガは僕が与えた力を完全にコントロールしてたから、結構気に入ってたんだけどね~~……まっ、君たちみたいな人間と戦えば、さすがに返り討ちにされちゃうか」
気に入ってた、という言葉に嘘は感じられない。
ただ、それと同時に悲しみも感じられなかった。
それに関して、アラッドは特に思うところはなかった。
モンスター同士、利害が一致したからこそ力の付与が行われたのだと……寧ろ、関係性としてはそちらの方が理解出来る。
「それにしても、よく僕が原因だって解ったね」
「モンスターは俺たちの理解が及ばない力を持ち、行動を取ることもある。闇というのも、お前に結び付ける要因でもあったからな」
「なるほどね~~。もうちょい他にも要因があるんじゃないかって悩んでくれると思ったんだけど、そこは僕の考えが足りなかった部分だね……でも、気付くのが随分と遅かったから、これだけ色んな奴らが揃ったんだよね」
闇竜……デネブの配下には、半分から八割ほど闇の力が馴染んだ個体が計九体。
オークジェネラル、ブラックウルフ、コボルトナイト、ガーゴイル、スケルトンメイジ、ヒポグリフ、ホワイトスネーク、オーガウォーリアー、リザード。
(遅かった、か…………そうだな。これだけの数を見せられたら、こっちも遅かったと思わざるを得ない)
闇の力を自分の物にした割合で言うと、ファルが戦ったワイバーンやフローレンスたちが戦ったラバーゴートの様なモンスターが計九体。
そして……フローレンスたちが遭遇した体色が赤か黒に染まり、完全に闇の力を自分の物にした個体が五体。
全身の体色がクロに変色しているリザードマン、ハードメタルゴーレム、普通は二つ……なのに頭が三つあるオルトロス亜種、ハーピィ、グレータースケルトン。
「……そうだな。俺たちが思っていた以上に、厄介なモンスターたちを育成したみたいだな」
「僕は彼等に力を与えただけだよ。まぁ、少しアドバイスしたけどね」
「…………アンドーラ山岳以外の場所で狩りをしろ。奇襲で仕留められるなら、それが一番。あまり同じ地帯で狩りをするな……といったところか?」
「わぉ。何々、もしかして君も同じようなことをしたことがあるの?」
「もし、俺がお前の立場に立って、優秀な配下をつくるにはどうすれば良いかを考えただけだ……だからこそ、クソ恐ろしいよ」
自分たちが考えていた最悪の想定を、見事闇竜デネブは実行していた。
しかし、だからこそ……もう遅いと断言するのではなく、今ここで自分たちが気付けたと……接近出来て良かった思える。
「……君たちは、ドラゴンよりも、モンスターよりも絶対に人間の方が絶対に賢い……そう思ってるみたいだね」
「かもしれないな。でも、そう思うのは仕方ないだろう。なんせ、お前たちはわざわざ知恵を振り絞り、自分の生活を豊かにしようと、何かを本気で目指して前に進もうとしないだろ」
「ふむ……」
「仮にお前は違ったとしても、他のモンスターたちはその通りだろ。本能のままに動き、群れをつくるモンスターであれば、群れのトップになろうと動くかもしれないが、明確な計画を立ててトップになろうとする個体は殆どいないだろ」
「うん、そうだね……ふっふっふ……褒められてるのか、貶されてるのか……まぁ、両方か」
デネブはニヤニヤと笑みを浮かべながら、アラッドとの会話を続けた。
「ねぇ、君は支配とかには、興味がないのかな」
「そういった目的には興味ないな。土地を、人間を支配することに何かしらの感情を覚える人間がいることを否定するわけではないが、俺はそれよりも冒険の方に興味がある」
「ん~~~~~…………君は、そっちの金髪の子たちと違って、騎士じゃなく、冒険者なのか……そうか~~。そこの人間たちを裏切って、僕の方に付かないかと提案しようと思ったんだけど、無理そうだね」
「知らないのか? 人間が造る料理は美味いんだ。それだけでも、俺が仲間たちを……人間を裏切ってお前に付く理由はない」
「ふっふっふ、なるほどなるほど。料理、ねぇ……ところで、僕はなんとなく喋ってるんだけど、どうして僕たちを討伐しに来た君は、さっさと僕たちに襲いかからないんだい?」
「過去にお前の様に人の言葉を喋れるドラゴンと出会ったことはあるが、それでも珍しい存在ではあり、今回の様なことを考えて実行した存在が気になっていてな……物凄く個人的な理由で喋っていただけだ」
「あっはっはっはっは!!!!!! 君みたいな、人間もいるのか……そっちはそっちで、面白い存在だね」
「それはどうも」
個人的な時間はここで終わり……アラッドは渦雷を抜剣。
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