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九百二十八話 魔導派
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「フッ!! セェエエアアアッ!!!!!」
「っ!! おっと、ッ!!! フンッ!!!!」
渦雷を握り、全身に雷を纏いながら戦場を駆け、闇竜デネブを斬り裂こうとするアラッド。
渦雷の特徴として、走り続ければ走り続けるほど……加速し続ける。
非常にスピード強化に優れた効果を有しているのだが、一度走行が止まってしまうと、加速がリセットされてしまう。
なので、その特徴を殺さない様にするためには、戦闘中……ずっと走り続ける必要がある。
(ん~~~……この速さは、アラッドの特徴やスキルじゃなく、アラッドが持ってるあの雷の魔剣の能力、かな)
デネブはそれなりの巨体を有しているが、決して鈍間な鈍足竜ではない。
ストールやルストには及ばないものの、Bランクモンスターの中でも並よりも上のスピードを有している。
加えて、広い空間とはいえ、洞窟の中での移動に関して非常に慣れている。
ただ…………アラッドが初っ端から殺しにきていない。
渦雷の効果を活かす為ということもあり、ヒット&アウェイの形を取り、軽く斬りつけては離れ、高速で近づいて再び軽く斬り付け、離れていく。
(加速する力、か……ふふ、良い魔剣だな~~~)
笑みを浮かべながら、デネブは闇の壁を展開。
「ッ!!!!」
アラッドにはそのまま纏う雷の魔力を増やし、他の属性も同時に纏うことで無理矢理突破するという方法も取れたが、念の為……天井に向かって跳んだ。
そして天井を蹴り、そのまま闇竜に近づこうとしたが、そう動くことを読んでいたデネブは闇魔法、ダークランスを放っていた。
(やってくれたな)
飛来してきた闇の槍が一本だけであれば、空中で身を捻って対応することも出来た。
もう少し気付くタイミングが早ければ……糸を使ってなんとか移動しながら、渦雷の効果を継続させながら移動出来た。
しかし、気付くタイミングが遅れたアラッドが取った行動は……渦雷から放つ雷の斬撃波によって、一部のダークランスのみを破壊。
「ふふ、加速は止まったみたいだね」
「そうだな。それにしても、随分隠すのが上手いな」
魔法の発動を悟らせない。
それは魔法をメインに使って戦う者にとって、是非とも会得したい技術。
徒手格闘、もしくは接近戦用の武器を使って戦う者にとっては、動きの起こりを消す様なものであり、その技術を相手が会得していれば……非常に厄介極まりない。
「ドラゴンにしては随分と魔導派と言うべきか、ドラゴンだからこそ魔導派であってもおかしくないのか……」
「ふふ、両方じゃないのかい」
デネブは自分が直接攻撃よりも魔法による攻撃や防御が得意であると自覚しており、それを卑屈に思ってなどいない。
「そうか。なんにしても、ストールやルストとは違うな」
「暴風竜の息子たちだね。口ぶりからして、君たちに殺されたんだよね。まぁ、彼等よりは長生きしてるからね」
「年の功って奴か……クソ厄介、だな」
そう言い終えると、アラッドは再び渦雷を握りしめ、駆けだした。
魔力の起こりが読み辛いというのは非常に厄介ではあるが、アラッドであれば事前に複数の攻撃魔法を展開することで、走行を邪魔されずに済む。
(……魔力量で上をいかれてるのが、これほど面倒だと感じる、なんてな)
アラッドは侯爵家の生まれ、本人の努力もあって並の魔法使いたちよりも魔力量が多いものの、現在戦闘中に闇竜デネブと比べ……一目で自分の方が少ないと感じた。
勿論、魔力回復のポーションは十分用意している。
しかし、そう簡単にポーションを飲む余裕をデネブが与えてくれるとは思えなかった。
(俺も今のところ同じ感覚、ではあるが…………本気で攻めてはいない。でも、逃がす気はないって感じだな)
まだ、互いに探り合いの段階で。
であれば、アラッドとしても探り合いの段階で大幅に魔力を消費したくなかった。
「ふっふっふ。そんなに、走って……直ぐにバテちゃったり、しないのかい?」
「そこら辺の、冒険者とは、鍛え方が違う。お前こそ……失血多量で死ぬなんて、しょうもない死に方は、するなよ」
現在進行形で、軽く斬っては離れ、高速で近づいて再び軽く斬って繰り返してる人物が何を言ってるんだという感じではあるが、渦雷の切れ味……そしてアラッドの走行しながらも正確に対象切り裂く技術の力で、闇竜の体にはいくつもの切傷が刻まれていた。
「それは、大丈夫だよ。だって……ほら」
傷口から闇が溢れ、傷口を覆ってから数秒後、完全にアラッドが刻んだ切傷が治っていた。
「がっかり、したかい?」
「本当にすると思うか? お前みたいな、相手を……何度も斬り刻める、っていうことだろ」
「あらら……余計な事言っちゃったかな」
デネブとしては、受けた傷を治せるというのは、相手の戦闘意欲を削ぐのに丁度良い能力だと思っていた。
だが、現在対戦中のアラッドからは……戦闘意欲が萎える気配は全くなく、寧ろ笑みを……口端を吊り上げ、戦闘を楽しむ者の笑みを浮かべていた。
(ちょっと予想外、かな。でも、それならそれで……うん、戦り様はあるね)
不敵な笑みを浮かべるのはアラッドだけではなく、闇竜デネブも同じだった。
「っ!! おっと、ッ!!! フンッ!!!!」
渦雷を握り、全身に雷を纏いながら戦場を駆け、闇竜デネブを斬り裂こうとするアラッド。
渦雷の特徴として、走り続ければ走り続けるほど……加速し続ける。
非常にスピード強化に優れた効果を有しているのだが、一度走行が止まってしまうと、加速がリセットされてしまう。
なので、その特徴を殺さない様にするためには、戦闘中……ずっと走り続ける必要がある。
(ん~~~……この速さは、アラッドの特徴やスキルじゃなく、アラッドが持ってるあの雷の魔剣の能力、かな)
デネブはそれなりの巨体を有しているが、決して鈍間な鈍足竜ではない。
ストールやルストには及ばないものの、Bランクモンスターの中でも並よりも上のスピードを有している。
加えて、広い空間とはいえ、洞窟の中での移動に関して非常に慣れている。
ただ…………アラッドが初っ端から殺しにきていない。
渦雷の効果を活かす為ということもあり、ヒット&アウェイの形を取り、軽く斬りつけては離れ、高速で近づいて再び軽く斬り付け、離れていく。
(加速する力、か……ふふ、良い魔剣だな~~~)
笑みを浮かべながら、デネブは闇の壁を展開。
「ッ!!!!」
アラッドにはそのまま纏う雷の魔力を増やし、他の属性も同時に纏うことで無理矢理突破するという方法も取れたが、念の為……天井に向かって跳んだ。
そして天井を蹴り、そのまま闇竜に近づこうとしたが、そう動くことを読んでいたデネブは闇魔法、ダークランスを放っていた。
(やってくれたな)
飛来してきた闇の槍が一本だけであれば、空中で身を捻って対応することも出来た。
もう少し気付くタイミングが早ければ……糸を使ってなんとか移動しながら、渦雷の効果を継続させながら移動出来た。
しかし、気付くタイミングが遅れたアラッドが取った行動は……渦雷から放つ雷の斬撃波によって、一部のダークランスのみを破壊。
「ふふ、加速は止まったみたいだね」
「そうだな。それにしても、随分隠すのが上手いな」
魔法の発動を悟らせない。
それは魔法をメインに使って戦う者にとって、是非とも会得したい技術。
徒手格闘、もしくは接近戦用の武器を使って戦う者にとっては、動きの起こりを消す様なものであり、その技術を相手が会得していれば……非常に厄介極まりない。
「ドラゴンにしては随分と魔導派と言うべきか、ドラゴンだからこそ魔導派であってもおかしくないのか……」
「ふふ、両方じゃないのかい」
デネブは自分が直接攻撃よりも魔法による攻撃や防御が得意であると自覚しており、それを卑屈に思ってなどいない。
「そうか。なんにしても、ストールやルストとは違うな」
「暴風竜の息子たちだね。口ぶりからして、君たちに殺されたんだよね。まぁ、彼等よりは長生きしてるからね」
「年の功って奴か……クソ厄介、だな」
そう言い終えると、アラッドは再び渦雷を握りしめ、駆けだした。
魔力の起こりが読み辛いというのは非常に厄介ではあるが、アラッドであれば事前に複数の攻撃魔法を展開することで、走行を邪魔されずに済む。
(……魔力量で上をいかれてるのが、これほど面倒だと感じる、なんてな)
アラッドは侯爵家の生まれ、本人の努力もあって並の魔法使いたちよりも魔力量が多いものの、現在戦闘中に闇竜デネブと比べ……一目で自分の方が少ないと感じた。
勿論、魔力回復のポーションは十分用意している。
しかし、そう簡単にポーションを飲む余裕をデネブが与えてくれるとは思えなかった。
(俺も今のところ同じ感覚、ではあるが…………本気で攻めてはいない。でも、逃がす気はないって感じだな)
まだ、互いに探り合いの段階で。
であれば、アラッドとしても探り合いの段階で大幅に魔力を消費したくなかった。
「ふっふっふ。そんなに、走って……直ぐにバテちゃったり、しないのかい?」
「そこら辺の、冒険者とは、鍛え方が違う。お前こそ……失血多量で死ぬなんて、しょうもない死に方は、するなよ」
現在進行形で、軽く斬っては離れ、高速で近づいて再び軽く斬って繰り返してる人物が何を言ってるんだという感じではあるが、渦雷の切れ味……そしてアラッドの走行しながらも正確に対象切り裂く技術の力で、闇竜の体にはいくつもの切傷が刻まれていた。
「それは、大丈夫だよ。だって……ほら」
傷口から闇が溢れ、傷口を覆ってから数秒後、完全にアラッドが刻んだ切傷が治っていた。
「がっかり、したかい?」
「本当にすると思うか? お前みたいな、相手を……何度も斬り刻める、っていうことだろ」
「あらら……余計な事言っちゃったかな」
デネブとしては、受けた傷を治せるというのは、相手の戦闘意欲を削ぐのに丁度良い能力だと思っていた。
だが、現在対戦中のアラッドからは……戦闘意欲が萎える気配は全くなく、寧ろ笑みを……口端を吊り上げ、戦闘を楽しむ者の笑みを浮かべていた。
(ちょっと予想外、かな。でも、それならそれで……うん、戦り様はあるね)
不敵な笑みを浮かべるのはアラッドだけではなく、闇竜デネブも同じだった。
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