スキル「糸」を手に入れた転生者。糸をバカにする奴は全員ぶっ飛ばす

Gai

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千十五話 驚異の軍団

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「そ、そんな力を……持っていたの、か?」

一人の騎士がアラッドたちの方に顔を向けて尋ねると、三人は重々しく首を縦に振った。

「初めて出会うタイプのドラゴンというか、モンスターというか」

「あれだったよね~~。こう……マジで軍団? って感じだったよ」

「まさに脅威と言えた」

三人の感想を耳にし、新米騎士たちの中には青ざめてしまう者もいた。

「闇竜から力を貰ったモンスターたちは、どれぐらい強かったのかも、聞いて大丈夫か?」

「えぇ、勿論ですよ。とはいえ、俺は闇竜と戦っていたので、あまり詳しい事は語れませんが」

逃げた訳ではなく、本当に事実であるため、スティームとガルーレが答えることとなった。

「えっと……そうですね。僕の場合は、黒色リザードマンと、あっ。まず闇の力を授かった個体には、まだあまり闇の力が馴染んでいない個体と、半分程馴染んだ個体、完全に馴染んだ個体の三種類がいました」

「つまり、黒色リザードマンというのは、完全に闇竜から授かった闇の力が馴染んだ個体ってわけか」

「はい。僕の体感では、身体能力は何らBランクモンスターと変わりませんでした」

身体能力のワンランク増加。
これだけでも、闇の力がどれほど恐ろしいのか理解出来る。

「加えて、剣技の腕も並ではなく……最終的には切り札を使用してなんとか倒せましたが、黒色リザードマンは最後の最後に、暗黒剣技を体得していました」

「っ!!!!???? ま……マジでか」

「はい、マジです。本当に、なんとか勝利出来ましたが、あの黒色リザードマンが暗黒剣技を体得した時期が違えば、僕が負けてる未来も全然あり得ました」

「……スティームが、自分の爆発力も含めてそう語ってるなら、本当に恐ろしかったんだろうな」

スティームの切り札である赤雷の強さを知っているからこそ、アラッドはアラッドで再度黒色リザードマンへの興味が湧いてきた。

「次は私ね。私は…………ねぇアラッド。結局さ、私が戦ってたモンスターって、オルトロスで合ってるんだよね」

「そうだな。正確にはオルトロス亜種だが、元がオルトロスであるのは間違いない」

「ならよし! っで、私が戦ったオルトロスも闇の力が完全に馴染んでたんだけど、その影響からか、頭が三つあったんだよね」

「「「「「「「「「「……???」」」」」」」」」」

ガルーレの言葉に、多くの騎士たちが首を傾げた。

騎士たちの中には知識としてオルトロスがどういったモンスターなのか知っている者が多く、実際にオルトロスとの戦闘経験がある騎士もいる。

「えっと……ガルーレちゃん。それは錯覚とかじゃなく、か?」

「びっくりしちゃうことに、本当に頭が三つあったんですよね~~~。二つの口からは当然炎と雷を吐いてきて、もう一つの口からは闇を吐いてきたんですよ。本当にほぼケルベロスって感じでしたね~~」

なんなんだその生物は!!! と、ツッコミたい騎士たち。

しかし、本人はいたって真面目に話しており、同じ戦場で共に戦ってたであろうアラッドとスティームが何もツッコまないところから、嘘を言っている様には思えない。

「身体能力はBランクのまま? 実際にオルトロスと戦った事がないから、上がってるのか一緒なのかは解らないけど、Bランクの枠に収まってたかな。でもあれですよね~~~、首が三つもあって違う属性のブレスを放ってくるのは、マジで反則~~って感じだったな~~」

「そりゃあ、確かに反則だろって言いたくなるな」

うんうんと頷き、ガルーレの感想に賛同する騎士たち。

だが、そうなると一つ疑問が浮かびあがる。
ガルーレはいったいどのようにして、そのオルトロス亜種を討伐したのか。

騎士たちの中に、今更ガルーレの実力を疑っている者はいない。
それでも、話を聞いている限り、容易に討伐出来るモンスターの様には思えない。

「……ガルーレさんは、そのオルトロス亜種? に、どのようにして勝ったんですか」

一人の新米騎士が、意を決して尋ねた。

対して、ガルーレは一切隠すことなく真相を伝えた。

「いやぁ~~~、普通にやってたら、多分死にかけてただろうね~~。でも、良い武器を使ったお陰で上手く戦えたって感じだったんだ」

「良い武器を、ですか」

「そうそう!!!!」

「ガルーレ、珍しく謙遜してるが、そもそもお前の身体能力がなければ、あの武器を使っていても勝てないものは
勝てないだろ」

「ん~~~~、それはそうかもだけど、マジであの武器がなかったらヤバかったのは事実だしね~~~」

なんの武器の話をしてるのだろうか。
またも多くの騎士が首を傾げるが……一部の騎士は、以前耳にした情報を思い出し、答えに至っていた。

(良い武器、あの武器と名前を隠すという事は…………あの話が、噂話ではなかったということか)

人によっては、それは如何なものなのかと叫び出しそうだと思い、冷静な先輩騎士は至った答えを口に出さなかった。

「まぁ、そういった感じで、軍隊をつくれるという意味でも、恐ろしいモンスターでした」

「完全に闇の力が馴染んだ個体は計五体。半分程馴染んでいる個体は……九体程いたかと」

「あれだよね。アラッドからしても、闇竜って結構相性が悪かったよね」

「そうだな。勝ちはしたが、ドラゴンゾンビとの戦いと同じく、追い詰められたと言っても過言ではなかった」

騎士たちは、アラッドが闇竜を恐ろしいと語る意味を心の底から理解した……それと同時に、同じく恐ろしいモンスターに名が挙がった風竜を思い出す。

「あ、あの。もしかして、風竜も同じく他のモンスターに力を与えてたんですか」

「いや、風竜にはそういった力はなかった。ただ、亜竜であるワイバーンに狩りの方法を教えてたんだ」

「狩り、ですか?」

「えぇ。真正面から襲うだけじゃなく、単純に奇襲を仕掛けるだけではなく、俺たち人間の様に、モンスターであるワイバーンが狩りを行っていました」

仮にも亜竜のくせになんてビビりな野郎なんだ!!! と見下すバカは……一人もおらず、新米騎士たちも含めて全員がその恐ろしさを直ぐに理解した。
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