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千三十五話 人族ではない?
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貴族令息という立場上、よっぽど貧弱貧弱でなければ、幼少期から武芸か魔法を学ぶ。
故に、同じ時期に冒険者になった平民の者と比べた場合、戦闘力に限ればそれなりに差がある。
加えて、アラッドにはクロという相棒が、スティームにはファルという相棒がいる。
クロはAランクであり、ファルはBランクで戦闘力が高く、更には二体と索敵力が高い。
同じ時期に冒険者になった者たちからすれば、なんなんだこの理不尽な差は!!!!! と怒りを叫びたくなるのも無理はない。
「まぁ、ぶっちゃけそこは妬まれるよね~~~。私も二人と出会うまでに従魔がいる冒険者と出会ったことあるけど、妬みをしなかったけど羨ましいな~~とは思ったからね」
「ガルーレぐらいの感想の持ち主だったらいいというか、有難いんだが……世の中、そうではないからな」
「そうだね。とはいえ、もし彼らの立場に立って考えてみるとなると、その気持ちが解らなくもないからなんとも言えないんだけど……でも、僕じゃなくファルを見られてるとなると…………うん、少し思うところがあったね」
スティームは貴族の令息。
アラッドと違って何度も何度も社交界に出席していたため、腹芸や表情の観察力に関してはアラッドよりも優れている。
そんなスティームからすれば、平民の隠そうとしている本音など、隠していないのと変わりなかった。
「そういう時期もあったから、昔はそこまで気にする余裕がなかったかな」
「なるほどね~~~~……でもさ、それ以降は……アラッドと出会ってからは違う訳でしょ」
「うん、そうだよ」
「だったら、その時から今までにちょっとでも気になる人はいなかったの」
「父さんにも似た様な事を訊かれたけど、なんて言うか……気になる人はいても、恋愛的な意味で気になる人にはまだ出会ってないんだよね」
これに関しては、決して恥ずかしいから隠しているなど、中学生的なメンタルで対応してるわけではない。
「……恋愛的な意味よりも、実力とかに目が行くということか」
「そんな感じだね。深く気になったとしても、この人はどういった経験を積み重ねて強くなったんだろうってところが気にるぐらいで」
「………………」
ガルーレもその気持ちが解らなくはない分、からかえない事につまらないと感じていた。
「はぁ~~~~~。そうなるともうあれね~~~、それこそこの前アラッドが虎竜が生まれた理由に関して言ってた、種族を越えた運命的な出会い? とかがないと、スティームが恋することはないのかな~~~」
「…………」
黒歴史とも言える内容を掘り返され、今度はアラッドが沈黙してしまう。
「そうなのかも、しれないね」
自分の事ではあるが……逆に自分の事だからこそあまり解らないところがあると、冷静に分析するスティーム。
「ってなると、もしかしてスティームがそういう感情を抱くのは、人族じゃない人かもね」
「獣人族かエルフか、それともドワーフか鬼人族か竜人族か……どちらにしろ、旅を続けていれば、そういう相手と
出会える時もくるだろう」
「かな」
アラッドの言う通りなのだろうと思いつつも……今、スティームは本当にアラッドとガルーレ、従魔たちとの旅が、冒険が楽しい。
だからこそ、当分の間はそういった事に関して興味を持てるとは思えなかった。
「ねぇねぇ。そういえばさ、スティームは実家に一度帰った訳だし、アラッドも一回実家に戻る感じ?」
「むっ…………そう、だな……一応、戻ってはおきたいな」
勝てばまたいつでも会えるのだから、気にする必要はない……という訳にはいかない。
フールに関しては現在当主として活動しており、現役の騎士ではないが、当然の様に戦争となればフール自身が参戦する気満々であり、軍としても駆り出したい。
(アルバース王国に戻ったら、そのまま実家に……いや、一度王都に行って国王陛下に帰還したことを言伝でも伝えて行いとあれか)
現在は冒険者として活動しているが、自身が貴族の令息であることは忘れていないアラッド。
多少……多少面倒だとは思いながらもアルバース王国に戻った後、そのまま王都へと向かった。
「すいません」
「これはこれは、アラッド様。ご帰還したのですね」
「はい。それで、陛下に伝言を伝えてほしいのですが」
王都へ戻ってきたアラッドは列には並ばず、王都周辺で巡回を行っている騎士に声をかけ、国王への伝言を頼もうとした。
「なるほど……その、もし可能であれば、王城の方へ向かってはいただけないでしょうか」
「? もしや、王城の方で何か問題が?」
「問題といえば問題なのですが……はぁ~~~~~」
年配の騎士は、本当に申し訳ないという表情をしながら、ため息を零す。
「えっと、まずですね、フローレンス様が現在王都にいらっしゃます」
「……もしや、自分に用があると……言ってるのですか?」
「っ、その通りです。事前に伝えられていたのですね」
「まぁ、伝えられていたと言いますか……分かりました。ただ、自分が王城へ向かわなければならないのは、それだけが理由ではないですよね」
年配騎士はこくりと頷き、一部の若僧たちに呆れながらアラッドに是非とも王城へ向かってほしい理由を伝えた。
故に、同じ時期に冒険者になった平民の者と比べた場合、戦闘力に限ればそれなりに差がある。
加えて、アラッドにはクロという相棒が、スティームにはファルという相棒がいる。
クロはAランクであり、ファルはBランクで戦闘力が高く、更には二体と索敵力が高い。
同じ時期に冒険者になった者たちからすれば、なんなんだこの理不尽な差は!!!!! と怒りを叫びたくなるのも無理はない。
「まぁ、ぶっちゃけそこは妬まれるよね~~~。私も二人と出会うまでに従魔がいる冒険者と出会ったことあるけど、妬みをしなかったけど羨ましいな~~とは思ったからね」
「ガルーレぐらいの感想の持ち主だったらいいというか、有難いんだが……世の中、そうではないからな」
「そうだね。とはいえ、もし彼らの立場に立って考えてみるとなると、その気持ちが解らなくもないからなんとも言えないんだけど……でも、僕じゃなくファルを見られてるとなると…………うん、少し思うところがあったね」
スティームは貴族の令息。
アラッドと違って何度も何度も社交界に出席していたため、腹芸や表情の観察力に関してはアラッドよりも優れている。
そんなスティームからすれば、平民の隠そうとしている本音など、隠していないのと変わりなかった。
「そういう時期もあったから、昔はそこまで気にする余裕がなかったかな」
「なるほどね~~~~……でもさ、それ以降は……アラッドと出会ってからは違う訳でしょ」
「うん、そうだよ」
「だったら、その時から今までにちょっとでも気になる人はいなかったの」
「父さんにも似た様な事を訊かれたけど、なんて言うか……気になる人はいても、恋愛的な意味で気になる人にはまだ出会ってないんだよね」
これに関しては、決して恥ずかしいから隠しているなど、中学生的なメンタルで対応してるわけではない。
「……恋愛的な意味よりも、実力とかに目が行くということか」
「そんな感じだね。深く気になったとしても、この人はどういった経験を積み重ねて強くなったんだろうってところが気にるぐらいで」
「………………」
ガルーレもその気持ちが解らなくはない分、からかえない事につまらないと感じていた。
「はぁ~~~~~。そうなるともうあれね~~~、それこそこの前アラッドが虎竜が生まれた理由に関して言ってた、種族を越えた運命的な出会い? とかがないと、スティームが恋することはないのかな~~~」
「…………」
黒歴史とも言える内容を掘り返され、今度はアラッドが沈黙してしまう。
「そうなのかも、しれないね」
自分の事ではあるが……逆に自分の事だからこそあまり解らないところがあると、冷静に分析するスティーム。
「ってなると、もしかしてスティームがそういう感情を抱くのは、人族じゃない人かもね」
「獣人族かエルフか、それともドワーフか鬼人族か竜人族か……どちらにしろ、旅を続けていれば、そういう相手と
出会える時もくるだろう」
「かな」
アラッドの言う通りなのだろうと思いつつも……今、スティームは本当にアラッドとガルーレ、従魔たちとの旅が、冒険が楽しい。
だからこそ、当分の間はそういった事に関して興味を持てるとは思えなかった。
「ねぇねぇ。そういえばさ、スティームは実家に一度帰った訳だし、アラッドも一回実家に戻る感じ?」
「むっ…………そう、だな……一応、戻ってはおきたいな」
勝てばまたいつでも会えるのだから、気にする必要はない……という訳にはいかない。
フールに関しては現在当主として活動しており、現役の騎士ではないが、当然の様に戦争となればフール自身が参戦する気満々であり、軍としても駆り出したい。
(アルバース王国に戻ったら、そのまま実家に……いや、一度王都に行って国王陛下に帰還したことを言伝でも伝えて行いとあれか)
現在は冒険者として活動しているが、自身が貴族の令息であることは忘れていないアラッド。
多少……多少面倒だとは思いながらもアルバース王国に戻った後、そのまま王都へと向かった。
「すいません」
「これはこれは、アラッド様。ご帰還したのですね」
「はい。それで、陛下に伝言を伝えてほしいのですが」
王都へ戻ってきたアラッドは列には並ばず、王都周辺で巡回を行っている騎士に声をかけ、国王への伝言を頼もうとした。
「なるほど……その、もし可能であれば、王城の方へ向かってはいただけないでしょうか」
「? もしや、王城の方で何か問題が?」
「問題といえば問題なのですが……はぁ~~~~~」
年配の騎士は、本当に申し訳ないという表情をしながら、ため息を零す。
「えっと、まずですね、フローレンス様が現在王都にいらっしゃます」
「……もしや、自分に用があると……言ってるのですか?」
「っ、その通りです。事前に伝えられていたのですね」
「まぁ、伝えられていたと言いますか……分かりました。ただ、自分が王城へ向かわなければならないのは、それだけが理由ではないですよね」
年配騎士はこくりと頷き、一部の若僧たちに呆れながらアラッドに是非とも王城へ向かってほしい理由を伝えた。
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