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千五十六話 来客
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どれだけ……どれだけ積み重ねても、不安というのは消えない。
一部、例外たちは存在するものの、これから挑む戦いに……普段の盗賊やモンスターとの戦闘以上に感じる恐ろしさがある。
騎士としては……そここそ、国の為に戦っていると感じられる場所かもしれないが、それでも恐ろしい場所であることに変わりはない。
だからこそ、兵士や騎士、魔術師たちは限界まで己の芯を叩き続ける。
「ふッ!! 破ッ!!!!!」
当然、その中にはアラッドの姿もあり、現在は素手でレオナと模擬戦を行っていた。
これまでと同じく三分というリミットを付けて戦い続けた結果……後数秒でリミットが来るといったタイミングで、アラッドの手刀がレオナの喉元に突き付けられた。
「うっ……ま、参りました」
「ふぅーーーー、危なかったな」
「う~~~~……解ってましたけど、アラッドさんも超強くなってますね」
「伊達に温い戦場を越えてきてないからな。とはいえ、俺がお前に勝てるのは、レオナと訓練を重ねてきた時間があるからだ」
ガルシアとレオナ。
二人とも優秀な前衛であり、間違いなく戦闘者全体で見ても上位に入る実力を有している。
そんな二人だが、今のところ兄であるガルシアの方が戦闘力は上であり、両者がこれまで繰り返してきた模擬戦でも、勝利数はガルシアの方が上回っている。
だが……アラッドもこれまで何度もレオナと模擬戦を繰り返してきたが、時折……ガルシア以上の獣としての荒々しさ、秘めてる牙といった恐ろしさを感じる。
(獣人に関して詳しくはないが……獣心の解放、とはまた違う気がする……ふふ、その時が来るのが楽しみだな)
今はまだ、体技だけの戦いでも勝てている。
とはいえ、どの模擬戦も楽に勝利を手繰り寄せてはいない。
「レオナ、次は私と戦ろ!!!」
「うん!! 戦ろ戦ろ!!!!」
(……仲良くなってるな~~~~~~)
戦闘大好きアマゾネスと、戦闘大好き虎人族。
同性で歳も近いということもあって、仲良くならない訳がなかった。
「アラッド様、少しよろしいでしょうか」
「? えぇ、大丈夫ですよ」
少し休憩しようと思っていたところに、一人の執事がアラッドに声を掛けてきた。
「実は、門の警備を担当している騎士から、アラッド様の知人だと仰る方がいまして」
「俺の知人、ですか」
「えぇ。アラッド様と同じ冒険者の方であり、幸いにもその方はその場で会わせろと騒ぐことはなく、面会が出来るようになれば冒険者ギルドに一報を送ってほしいと伝えたらしく」
「随分と冷静さを持ってる方ですね」
冒険者というのは、野蛮で乱暴者……というのは、一部には当てはまると、アラッドのこれまでの経験からそこは間違ってないと断言出来る。
だが、ベテランの冒険者たちの中には大人らしい余裕を持つ者も決して少なくない。
(……とはいえ、直ぐにパッとは浮かんでこないな)
知人と呼べる者は、確かに存在する。
ただ、わざわざ自分の元に尋ねてくる冒険者となると、直ぐには思い浮かばなかった。
「その方は、アラッド様にある事を頼んでいると。加えて、その方は鬼人族の女性で、珍しい従魔を従えています」
「ッ、あぁ……そういう事か。キャバリオンや訓練に集中してて、すっかり忘れてたな」
「……察するに、本当にアラッド様の客人ということでよろしいでしょうか」
「えぇ。そいつは俺の客人です」
そう言うと、アラッドは一先ず訓練場から出て汗を流し、屋敷から出て……冒険者ギルドへ向かった。
執事は遣いを向かわせて屋敷に呼ぶと言ったが、アラッドにとっては知人と言うより友人に近いため、その必要はないと断った。
「あっ、アラッドさん」
「どうも……すいません。ディーナという名前の鬼人族の女性冒険者は来てませんか」
冒険者ギルドに入ったアラッドは、近くにいた受付嬢に自分への尋ね人の場所を尋ねた。
「っ! ほ、本当に彼女はアラッドさんの知り合いだったんですね」
「? はい、そうですね。それで、彼女の居場所を知っていますか?」
「も、勿論です。というか、その……あちらにいらっしゃいます」
「……さっきからちらちらと声が聞こえると思ったら、そういう事か」
受付嬢が指さす方向は……訓練場。
彼女らしいと思い、アラッドは受付嬢に感謝の言葉を伝え、戦闘音が聞こえる訓練場へと向かった。
「…………随分と、暴れてるな」
訓練場に入ると、その場にいる大半の冒険者たちが自分の訓練に集中するのではなく、一対三という変則的な形で行われている模擬戦に視線を奪われていた。
(……相手は、多分Cランク、か。あの若さでCランク並みの実力があるなら、将来有望と言えるな。そんな奴らとディーナが戦ってるって事は……軽く衝突したのか?)
眺めているだけでは、さすがにどういった流れで一対三で戦うに至ったのかは解らない。
だが、一つだけ解ることがある。
それは……誰がどう見ても、一対三という変則的な状況であるにもかかわらず、ディーナが優勢であるという事。
一部、例外たちは存在するものの、これから挑む戦いに……普段の盗賊やモンスターとの戦闘以上に感じる恐ろしさがある。
騎士としては……そここそ、国の為に戦っていると感じられる場所かもしれないが、それでも恐ろしい場所であることに変わりはない。
だからこそ、兵士や騎士、魔術師たちは限界まで己の芯を叩き続ける。
「ふッ!! 破ッ!!!!!」
当然、その中にはアラッドの姿もあり、現在は素手でレオナと模擬戦を行っていた。
これまでと同じく三分というリミットを付けて戦い続けた結果……後数秒でリミットが来るといったタイミングで、アラッドの手刀がレオナの喉元に突き付けられた。
「うっ……ま、参りました」
「ふぅーーーー、危なかったな」
「う~~~~……解ってましたけど、アラッドさんも超強くなってますね」
「伊達に温い戦場を越えてきてないからな。とはいえ、俺がお前に勝てるのは、レオナと訓練を重ねてきた時間があるからだ」
ガルシアとレオナ。
二人とも優秀な前衛であり、間違いなく戦闘者全体で見ても上位に入る実力を有している。
そんな二人だが、今のところ兄であるガルシアの方が戦闘力は上であり、両者がこれまで繰り返してきた模擬戦でも、勝利数はガルシアの方が上回っている。
だが……アラッドもこれまで何度もレオナと模擬戦を繰り返してきたが、時折……ガルシア以上の獣としての荒々しさ、秘めてる牙といった恐ろしさを感じる。
(獣人に関して詳しくはないが……獣心の解放、とはまた違う気がする……ふふ、その時が来るのが楽しみだな)
今はまだ、体技だけの戦いでも勝てている。
とはいえ、どの模擬戦も楽に勝利を手繰り寄せてはいない。
「レオナ、次は私と戦ろ!!!」
「うん!! 戦ろ戦ろ!!!!」
(……仲良くなってるな~~~~~~)
戦闘大好きアマゾネスと、戦闘大好き虎人族。
同性で歳も近いということもあって、仲良くならない訳がなかった。
「アラッド様、少しよろしいでしょうか」
「? えぇ、大丈夫ですよ」
少し休憩しようと思っていたところに、一人の執事がアラッドに声を掛けてきた。
「実は、門の警備を担当している騎士から、アラッド様の知人だと仰る方がいまして」
「俺の知人、ですか」
「えぇ。アラッド様と同じ冒険者の方であり、幸いにもその方はその場で会わせろと騒ぐことはなく、面会が出来るようになれば冒険者ギルドに一報を送ってほしいと伝えたらしく」
「随分と冷静さを持ってる方ですね」
冒険者というのは、野蛮で乱暴者……というのは、一部には当てはまると、アラッドのこれまでの経験からそこは間違ってないと断言出来る。
だが、ベテランの冒険者たちの中には大人らしい余裕を持つ者も決して少なくない。
(……とはいえ、直ぐにパッとは浮かんでこないな)
知人と呼べる者は、確かに存在する。
ただ、わざわざ自分の元に尋ねてくる冒険者となると、直ぐには思い浮かばなかった。
「その方は、アラッド様にある事を頼んでいると。加えて、その方は鬼人族の女性で、珍しい従魔を従えています」
「ッ、あぁ……そういう事か。キャバリオンや訓練に集中してて、すっかり忘れてたな」
「……察するに、本当にアラッド様の客人ということでよろしいでしょうか」
「えぇ。そいつは俺の客人です」
そう言うと、アラッドは一先ず訓練場から出て汗を流し、屋敷から出て……冒険者ギルドへ向かった。
執事は遣いを向かわせて屋敷に呼ぶと言ったが、アラッドにとっては知人と言うより友人に近いため、その必要はないと断った。
「あっ、アラッドさん」
「どうも……すいません。ディーナという名前の鬼人族の女性冒険者は来てませんか」
冒険者ギルドに入ったアラッドは、近くにいた受付嬢に自分への尋ね人の場所を尋ねた。
「っ! ほ、本当に彼女はアラッドさんの知り合いだったんですね」
「? はい、そうですね。それで、彼女の居場所を知っていますか?」
「も、勿論です。というか、その……あちらにいらっしゃいます」
「……さっきからちらちらと声が聞こえると思ったら、そういう事か」
受付嬢が指さす方向は……訓練場。
彼女らしいと思い、アラッドは受付嬢に感謝の言葉を伝え、戦闘音が聞こえる訓練場へと向かった。
「…………随分と、暴れてるな」
訓練場に入ると、その場にいる大半の冒険者たちが自分の訓練に集中するのではなく、一対三という変則的な形で行われている模擬戦に視線を奪われていた。
(……相手は、多分Cランク、か。あの若さでCランク並みの実力があるなら、将来有望と言えるな。そんな奴らとディーナが戦ってるって事は……軽く衝突したのか?)
眺めているだけでは、さすがにどういった流れで一対三で戦うに至ったのかは解らない。
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