スキル「糸」を手に入れた転生者。糸をバカにする奴は全員ぶっ飛ばす

Gai

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千八十四話 響き渡る混沌

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「こいつらが、上の奴らが言ってた要注意パーティーって奴か」

「えぇ、そうよ」

「こいつらをぶっ殺せば良いって事だな」

アラッドたちを前にして、なんとも大胆な発言である。

だが、その様な発言をされた当のアラッドは……至って冷静にいきなり襲撃を仕掛けてこず、堂々と目の前から現れたゴリディア帝国の者たち観察していた。

(……リーダー? の男も含めて、若いな。だが、全員油断出来ない)

男一人と、女が五人。
全員が一流の風格を持ち、アラッドたちと同じく若僧だからといって嘗めていたら、痛い目に合う。

それは間違いないのだが、アラッドは一つだけ違和感を抱いた。

(この男……どこかちぐはぐだな)

リーダーらしき男は……強い。
そう思える雰囲気を持っているが、それでもどこか他のメンバーと比べて、芯の薄さを感じる。

「てか、綺麗な奴が二人もいるじゃん。勝ったらあいつらも入れて良いんだよな」

「……まぁ、ケプトがそうしたいなら良いんじゃない」

「はぁ~~~、相変わらずですね」

「でも、それがケプトって感じだもんね~~~」

アラッドたちを倒せば、綺麗な奴が二人……つまり、フローレンスとガルーレを自分のハーレムに入れたいと口にするケプトという男。

(……やっぱり、ちぐはぐだな)

失礼だとは思いつつも、アラッドは決してケプトと呼ばれる男の顔が、イケメンと呼ばれる部類に入るとは思わなかった。

悪くはない。
だが、これまで自分が出会ってきた本当のイケてる面を持つ者たちと比べれば、数段落ちる。

(折角だ。視させてもらうか)

何を考えているのか、油断はしてなさそうだが、直ぐには攻めてこない。
そこで、アラッドは戦争が始まってからは脳に入ってくる情報量の方が邪魔だという理由で使っていなかったスキル、鑑定を使用し……ケプトを見た。

(レベルは四十を越えている。普通に強いが、スキルは………………え)

ケプトが持つスキル欄を視たアラッドは、思わず固まった。
その理由は、ケプトが持つスキルの多さ…………ではなく、あるスキルにあった。

「…………ぷっ!!! はっはっは!!!!!!!!!!!」

「「「「「「「「「「「「っ!!??」」」」」」」」」」」

突然笑い出したアラッドに驚くスティームたち。
いきなりの反応に、ケプトたちではなく従魔のクロたちも困惑の表情を浮かべる。

「は、は、あっはっは!!! お、お前は……は、はは、あっはっはっはっはっはっは!!!!!!」

ただ……高らかに笑うのではない。
敵に圧を与える訳でもなく、不敵な笑みを零すといった格好でもない。

「さすがに、お、面白過ぎる、だろ……なっはっはっはっはっはっはっは!!!!!!!!!!」

本当に、本当にただ面白いという感情が爆発し、笑っていた。

この時……現場が若干の混沌に包まれたのは、決してこの戦場だけではない。
アラッドは、狂化こそ使用していなかったものの、身体強化のスキルは発動していた。

身体強化は基本的に使用者の身体能力を強化する為……声量に関しても、若干の効果を発揮する。
そして、この時のアラッドは本気で……心の底から大爆笑しており、以前フローレンスに関してお熱なバカどもを懲らしめる時に発した怒号に負けない声で笑っていた。

それが十秒、二十秒と続き……他の戦場にまで、アラッドの本気の笑い声が届いてしまっていた。

狂気的な高笑いではなく、強者との激闘を心の底から楽しむ笑い声でもない。
ただ……本当にただ目の前で見たものを面白いと感じた時に零れる笑い声、大爆笑。
何故、そんな声が戦場で聞こえるのかと、疑問を持たざるを得なかった。

(そ、そんなスキルも、あるのか……お、面白過ぎる、だろ)

隙を晒してしまっている。
そんな事はアラッド自身も解っているが、それでも尚……面白過ぎるという感情が爆発していた。

その要因は、ケプトが持つスキル……ヒモ、であった。

「はーーー、はーーーーー…………いやぁ~~~~、すまない。随分とこう、面白いスキルを持っているな」

「ちっ、視たって訳か」

鑑定系のスキルを使われたことに気付いていない。
それだけでも、まだケプトという男が一流に届いていない証拠となる。
だが、それでもケプトが持つスキルは非常に充実しており、スキル欄だけ見ればアラッドをも越えるスーパーユーティリティーファイター。

剣技だけではなく細剣技、大剣技に弓技……ここまでならば、アラッドも一応スキルは有している。
しかし、細剣技と大剣技、球技に関してはアラッドのスキルレベルを上回っている。

それに加えて多くの属性魔法に盾技のスキルまで有しており、当然スキルレベルも一流の域に到達している。
感知系のスキルも当たり前のように持っており、まさにセンスの塊!!!! ……と思われるかもしれないが、それにはケプトが五歳の時に得たスキル……ヒモが関係していた。

「言っとくけど、俺はスキル関係無しに強ぇからな!!!」

苛立ちを含ませながら、自身の強さをアピールするかのように抜剣し、何も無い空を切る。
そこから発せられる剣圧、剣風は……決して侮れるものではなかった。
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