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千百十一話 怒らせては、いけない
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「ガゥ……」
「あぁ、大丈夫だ、クロ」
二日目の夕方頃、その日の終戦を告げる鐘の音が響き渡り、アラッドたちはサルトに戻っていた。
アラッドは……昨日よりも、遥かに消耗していた。
私情を挟んだとはいえ、ケプトとの戦いも決して楽ではなく、その後の対五十人戦。
戦力が一気に投下されたことで、体力も精神力も擦り減る。
そして、同じく大きく疲労を重ねたメンバーたちを回復させるために、クロと共に少しの間戦い続けた。
同じ冒険者だけではなく騎士魔術師たちも導入される中、アラッドは狂化のオンオフを上手く調整しながら、なんとか戦い終えた。
「いやぁ~~~、今日も疲れたね~~~」
そんな中、ヴァジュラの肩に乗って移動するガルーレは、いつも通りの声を零していた。
彼女だけが疲れていないという訳ではない、無理にペイル・サーベルスを発動して無茶な戦いを繰り返すことはしていない。
ただ、切り札を温存するような戦い方を続ける中で、集中力が普段よりも跳ね上がっていた。
結果……それはそれで体力を消耗することになた。
しかし、彼女にとって激しい戦い、充実感のある戦いは、全て大好物。
戦争という場所での戦闘ではあるが、強敵との戦いを速攻で終わらせする戦いも……難易度が高く、緊張感が普段よりも増すため、どちらにしろ彼女の闘争欲を満たす結果となった。
「あぁ、そうだな」
「てかさ、うちら結構強い人たちを倒したよね」
「間違いないな」
「ゴリディア帝国がうちらを重点的に潰そうとして来るのは解るんだけど、ゴリディア帝国ってそんなに強い人が多いのかな?」
「………………さぁ、どうだろうな」
ゴリディア帝国と戦争を行うであろう事に関しては、随分と前から決まっていた。
だが、アラッドはゴリディア帝国に関して、そこまで詳しく調べていなかった。
「ゴリディア帝国が、他の国から戦力を雇っている可能性があります」
「えっ!!!!???? それって、ありなの?」
「ありかなしかで言えば、ギリギリありといったところでしょうか。冒険者に関しては、相手が人間であっても戦果を上げれば名声を高める機会になるため、他国の人間であっても今回の戦争に参加しようとする方はいるでしょう」
「あぁ~~~、それはそうなのかも……でも、騎士は参加しないんじゃないんですか?」
冒険者とは、基本的に自由を象徴する職業であり、生まれた国以外の国で冒険者活動をしていても、全く問題は無い。
他国の人間と結婚し、その後祖国と戦争を行うことになったとしても……移住した国冒険者として戦っても、なんら問題にはならない。
ただ、ガルーレの言う通り、国属する……その国に属する貴族の私兵に関しては、まず報酬を用意されても中々貸し出せない。
「…………微妙なライン、といったところでしょうか。個人的に交流があり、偶々別の国にいる騎士……一個人として参加するだけであれば、大きな問題にはならないでしょう」
フローレンスの言う通り、そこに関しては戦争を行う両国とも、見て見ぬふりをしている部分はある。
そのため、今回の戦争にアルバース王国側として、ホットル王国の騎士であるスティームの兄であるディックスが参加することが許されている。
「そうなんだ~~~……でもさ、向こうがその暗黙のルール? を守ってるって保証はないよね?」
「かもしれないな。ただ、そうなれば……全て、斬れば良いだけだ」
大きく消耗し、疲労してようと、アラッドの眼からギラつきは失われていない。
既にその日の終戦を告げる鐘の音は鳴らされた。
しかし、そういった破れば他国すら敵にしかねない愚行を起こしてでも、自分を……自分たちを殺しに来るかもしれないと、集中の糸を切らさないでいた。
「……確かに!!! うちも思いっきりぶん殴って、蹴とばせば良いだけだもんね!!!」
「そういう事だ。それに、知り合いの強者たちも参加してる」
「知り合いの…………ふふ、そうだね。そう考えると、少し心が軽くなったかな」
アラッドの言葉を聞き、スティームの頭の中に真っ先に浮かんだのはクラン、緑焔のマスター……Aランク冒険者のエルフ、ハリス。
「そうですね。ゴリディア帝国が裏で何かをしていようとも、私たちは負けません」
フローレンスも、これまでの貴族令嬢としての生活、騎士候補としての生活、騎士としての生活の中で関わってきた強者の顔を思い出す。
ただ……アラッドが頭の中に浮かんでいた人物を、スティームたちは忘れていた。
「そうだろう……それに、向こうは俺たち以外にも、戦力を集中させなければならない敵がいる」
「集中…………もしかしなくても、フールさん?」
「ん? あぁ、まぁそうだな。父さんもそのうちの一人だとは思うが……って、スティーム。もしかして忘れてるのか」
「え、えっと……」
「ふぅーーーーー。スティーム、世間一般的に、この生物だけは本気で怒らせてはいけない存在はなんだ」
人によって様々ではあるが、ここで天然を炸裂させてしまうようなスティームではない。
「……ドラゴン」
「そうだ。ドラゴンと聞いて、誰かを思い出さないか」
「あっ!!!!」
友の説明を聞き、スティームはようやく思い出し、フローレンスも過去の記憶が蘇り……ガルーレも、アラッドがどのドラゴンの事について話してるのか、なんとなく解った。
「あぁ、大丈夫だ、クロ」
二日目の夕方頃、その日の終戦を告げる鐘の音が響き渡り、アラッドたちはサルトに戻っていた。
アラッドは……昨日よりも、遥かに消耗していた。
私情を挟んだとはいえ、ケプトとの戦いも決して楽ではなく、その後の対五十人戦。
戦力が一気に投下されたことで、体力も精神力も擦り減る。
そして、同じく大きく疲労を重ねたメンバーたちを回復させるために、クロと共に少しの間戦い続けた。
同じ冒険者だけではなく騎士魔術師たちも導入される中、アラッドは狂化のオンオフを上手く調整しながら、なんとか戦い終えた。
「いやぁ~~~、今日も疲れたね~~~」
そんな中、ヴァジュラの肩に乗って移動するガルーレは、いつも通りの声を零していた。
彼女だけが疲れていないという訳ではない、無理にペイル・サーベルスを発動して無茶な戦いを繰り返すことはしていない。
ただ、切り札を温存するような戦い方を続ける中で、集中力が普段よりも跳ね上がっていた。
結果……それはそれで体力を消耗することになた。
しかし、彼女にとって激しい戦い、充実感のある戦いは、全て大好物。
戦争という場所での戦闘ではあるが、強敵との戦いを速攻で終わらせする戦いも……難易度が高く、緊張感が普段よりも増すため、どちらにしろ彼女の闘争欲を満たす結果となった。
「あぁ、そうだな」
「てかさ、うちら結構強い人たちを倒したよね」
「間違いないな」
「ゴリディア帝国がうちらを重点的に潰そうとして来るのは解るんだけど、ゴリディア帝国ってそんなに強い人が多いのかな?」
「………………さぁ、どうだろうな」
ゴリディア帝国と戦争を行うであろう事に関しては、随分と前から決まっていた。
だが、アラッドはゴリディア帝国に関して、そこまで詳しく調べていなかった。
「ゴリディア帝国が、他の国から戦力を雇っている可能性があります」
「えっ!!!!???? それって、ありなの?」
「ありかなしかで言えば、ギリギリありといったところでしょうか。冒険者に関しては、相手が人間であっても戦果を上げれば名声を高める機会になるため、他国の人間であっても今回の戦争に参加しようとする方はいるでしょう」
「あぁ~~~、それはそうなのかも……でも、騎士は参加しないんじゃないんですか?」
冒険者とは、基本的に自由を象徴する職業であり、生まれた国以外の国で冒険者活動をしていても、全く問題は無い。
他国の人間と結婚し、その後祖国と戦争を行うことになったとしても……移住した国冒険者として戦っても、なんら問題にはならない。
ただ、ガルーレの言う通り、国属する……その国に属する貴族の私兵に関しては、まず報酬を用意されても中々貸し出せない。
「…………微妙なライン、といったところでしょうか。個人的に交流があり、偶々別の国にいる騎士……一個人として参加するだけであれば、大きな問題にはならないでしょう」
フローレンスの言う通り、そこに関しては戦争を行う両国とも、見て見ぬふりをしている部分はある。
そのため、今回の戦争にアルバース王国側として、ホットル王国の騎士であるスティームの兄であるディックスが参加することが許されている。
「そうなんだ~~~……でもさ、向こうがその暗黙のルール? を守ってるって保証はないよね?」
「かもしれないな。ただ、そうなれば……全て、斬れば良いだけだ」
大きく消耗し、疲労してようと、アラッドの眼からギラつきは失われていない。
既にその日の終戦を告げる鐘の音は鳴らされた。
しかし、そういった破れば他国すら敵にしかねない愚行を起こしてでも、自分を……自分たちを殺しに来るかもしれないと、集中の糸を切らさないでいた。
「……確かに!!! うちも思いっきりぶん殴って、蹴とばせば良いだけだもんね!!!」
「そういう事だ。それに、知り合いの強者たちも参加してる」
「知り合いの…………ふふ、そうだね。そう考えると、少し心が軽くなったかな」
アラッドの言葉を聞き、スティームの頭の中に真っ先に浮かんだのはクラン、緑焔のマスター……Aランク冒険者のエルフ、ハリス。
「そうですね。ゴリディア帝国が裏で何かをしていようとも、私たちは負けません」
フローレンスも、これまでの貴族令嬢としての生活、騎士候補としての生活、騎士としての生活の中で関わってきた強者の顔を思い出す。
ただ……アラッドが頭の中に浮かんでいた人物を、スティームたちは忘れていた。
「そうだろう……それに、向こうは俺たち以外にも、戦力を集中させなければならない敵がいる」
「集中…………もしかしなくても、フールさん?」
「ん? あぁ、まぁそうだな。父さんもそのうちの一人だとは思うが……って、スティーム。もしかして忘れてるのか」
「え、えっと……」
「ふぅーーーーー。スティーム、世間一般的に、この生物だけは本気で怒らせてはいけない存在はなんだ」
人によって様々ではあるが、ここで天然を炸裂させてしまうようなスティームではない。
「……ドラゴン」
「そうだ。ドラゴンと聞いて、誰かを思い出さないか」
「あっ!!!!」
友の説明を聞き、スティームはようやく思い出し、フローレンスも過去の記憶が蘇り……ガルーレも、アラッドがどのドラゴンの事について話してるのか、なんとなく解った。
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