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千百二十二話 彼との出会い、思い出
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「はぁ~~~~……ガルシア」
「い、いやぁ~~~…………は、はは。すまん」
二人の会話は……自分たちの主がアラッドであると、自白したのと同じ。
しかし、エリナはドミトルとアリファの表情から、白を切ったとしても無駄だと思った。
寧ろ、戦場で信頼し合える関係を構築するのであれば、ここでまだ隠し通そうとするのは悪手だと判断。
「や、やっぱりか……はは! 意外なところで縁があるな」
「? もしや、ドミトルさんもですか」
「……お二人とも、アラッドさんと出会ったことがあるのですか?」
二人の口ぶりから、主であるアラッドとの面識がある把握し、主に関することというのもあり、非常に気になるミレアナ。
「あぁ。いやぁ~~~、あの時は本当に助かったってもんよ。なぁ、エレム!!!」
「はい……そうですね。本当に、助けてもらいました」
エレムの表情から、ただアラッドと出会って関わったという訳ではないことが窺える。
そんなエレムとしては……まだ、あまりサラッと他人に言える過去ではない。
しかし、ドミトルからすれば本当に良い思い出であるため、一切隠すことなくアラッドの身内であるエレナたちに何があったのかを伝えた。
「なるほど。雷獣との一件で」
「マジで本当に助かったよ。まさか、俺たちが狙ってた奴の他にも、成体の個体がいるなんて全く把握してなかったしな」
ドミトルたちが拠点とする街で、雷獣の目撃情報が幾つも上がっていた。
エレムや彼のパーティーメンバーたち、有望な若手も含めて討伐しようという作戦が行われていた。
「彼には、本当に多くの現実というものを教えてもらいました」
アラッドの身内であるエレナたちに対する嫌味、ではない。
エレムは、幼い頃から英雄に憧れを持つ少年だった。
そして彼はその憧れを、夢を達成すべく努力を重ね続け……英雄か否かはさておき、一般的な見解での強者に当て嵌まるほどの実力を身に付けるまで至った。
加えて、彼の全盛期はまだここではない。
十分……子供の頃に抱いた憧れに到達出来るだけの可能性を有している。
それでも…………アラッドというずば抜けた実力の持ち主に、現実を……リアルを教えられた。
本当の強者とは、どれほどの強さを持つ者を指すのか。
英雄とは……なりたいと思い、なれるものではないと。
「お陰で、今も僕はこうして生きて、少しずつですが前に進めています」
「だな……本当にアラッドには感謝しかないよ」
ドミトルとしては、いつか街に大きな被害をもたらすかもしれない存在を……冒険者ギルドすら存在を確認出来ていなかった脅威を潰してくれたこと。
更に、目を掛けていた後輩に良い意味で、現実を教えてくれたこと。
多くの意味で、ドミトルはアラッドに対して深く感謝していた。
「んで、アリファたちはアラッドとどんな縁があったんだ?」
「っ、そ、そうですね……」
ドミトルは、アラッド達との出会いを笑いながら話した。
実際に、ベテラン冒険者である彼にとって、アラッドとの出会いはこうして思い出として笑いながら語れる。
エレムとしても……まだ多少なりとも苦さは感じるが、アラッドとの出会いのお陰で成長出来ているという自覚があるため、ドミトルと同じく良き思い出として語ることが出来る。
だがしかし……アリファにとっては、二人と違ってアラッドとの出会い、思い出は……全てが終わったとしても、良い出会いだったよなと思い出して笑える内容ではない。
「あれらしいよ。自分たちの尻拭いをしてもらったんだっけ」
「ろ、ロザンネ!」
「だって、確かそんな感じだったでしょ」
「~~~~っ……はぁ~~~~、そうね。本当に、彼には世話になってしまったわ」
事情を知っているロザンネに結末を言われてしまっては、詳細を離すしかない。
アリファもドミトルと同じくアラッドと出会い、何が怒ったのか話した。
「そうだったのですね」
「……正直、その光景を見て……心底驚かされた。今でも、あの時の感覚を覚えてる」
アリファたちがある街に訪れた目的は、二体の火竜を討伐すること。
対して、アラッドたちもそれが目的である街に訪れていた。
結果的に……瀕死となった片方の火竜を、もう一体の火竜が喰らい、BランクからAランクへ……火竜から轟炎竜へと進化した。
Bランク火竜、二頭を討伐することを目的としてはアリファたちからすれば、想定外も想定外。
Aランクドラゴンの相手をする余裕など、ある筈がなかった。
そんな超強敵を討伐したのが、アラッドとクロであった。
「本当に強かった。あれで十五とは、とても信じられなかった」
アリファの言葉を聞いて、ガルシアたちは…………その気持ちはよく解ると言わんばかりに、苦笑いを零した。
主であるアラッドに敬意を持ち、なんならエリナなどは強く忠誠を誓っている。
ただ、アラッドを妄信して世界を、常識を知らない訳ではない。
アラッドと共に行動していれば、多くの者と関わるようになる。
そのため、エリナたち五人はしっかり一般常識を……基本的な戦闘職の、戦闘職を目指す十五歳の強さを理解している。
「あの時、討伐任務のリーダーを任されていたこともあって、少し鼻が伸びていた。けど、思いっきりへし折られた…………うん。苦くはあるけど、良い出会いだったと思ってる」
少し強がっている部分もあるが、嘘ではなかった。
それに、アリファは知っている。
アッラッドからアドバイスを受けた同僚が、あの時から今まで以上に本気で、それでいて合理的に前に進んでいるのを。
その内容を知った水蓮の幹部は、可愛い後輩になんて精進方法を教えてくれたんだと恨む者もいたが……アドバイスを求めた青年は、今も生きている。
そして、アリファと同じステージに、次期幹部候補にまで至りつつある。
その結果は、アリファたちにとって……水蓮というクランにとって、嬉しい刺激であるのは間違いなかった。
「い、いやぁ~~~…………は、はは。すまん」
二人の会話は……自分たちの主がアラッドであると、自白したのと同じ。
しかし、エリナはドミトルとアリファの表情から、白を切ったとしても無駄だと思った。
寧ろ、戦場で信頼し合える関係を構築するのであれば、ここでまだ隠し通そうとするのは悪手だと判断。
「や、やっぱりか……はは! 意外なところで縁があるな」
「? もしや、ドミトルさんもですか」
「……お二人とも、アラッドさんと出会ったことがあるのですか?」
二人の口ぶりから、主であるアラッドとの面識がある把握し、主に関することというのもあり、非常に気になるミレアナ。
「あぁ。いやぁ~~~、あの時は本当に助かったってもんよ。なぁ、エレム!!!」
「はい……そうですね。本当に、助けてもらいました」
エレムの表情から、ただアラッドと出会って関わったという訳ではないことが窺える。
そんなエレムとしては……まだ、あまりサラッと他人に言える過去ではない。
しかし、ドミトルからすれば本当に良い思い出であるため、一切隠すことなくアラッドの身内であるエレナたちに何があったのかを伝えた。
「なるほど。雷獣との一件で」
「マジで本当に助かったよ。まさか、俺たちが狙ってた奴の他にも、成体の個体がいるなんて全く把握してなかったしな」
ドミトルたちが拠点とする街で、雷獣の目撃情報が幾つも上がっていた。
エレムや彼のパーティーメンバーたち、有望な若手も含めて討伐しようという作戦が行われていた。
「彼には、本当に多くの現実というものを教えてもらいました」
アラッドの身内であるエレナたちに対する嫌味、ではない。
エレムは、幼い頃から英雄に憧れを持つ少年だった。
そして彼はその憧れを、夢を達成すべく努力を重ね続け……英雄か否かはさておき、一般的な見解での強者に当て嵌まるほどの実力を身に付けるまで至った。
加えて、彼の全盛期はまだここではない。
十分……子供の頃に抱いた憧れに到達出来るだけの可能性を有している。
それでも…………アラッドというずば抜けた実力の持ち主に、現実を……リアルを教えられた。
本当の強者とは、どれほどの強さを持つ者を指すのか。
英雄とは……なりたいと思い、なれるものではないと。
「お陰で、今も僕はこうして生きて、少しずつですが前に進めています」
「だな……本当にアラッドには感謝しかないよ」
ドミトルとしては、いつか街に大きな被害をもたらすかもしれない存在を……冒険者ギルドすら存在を確認出来ていなかった脅威を潰してくれたこと。
更に、目を掛けていた後輩に良い意味で、現実を教えてくれたこと。
多くの意味で、ドミトルはアラッドに対して深く感謝していた。
「んで、アリファたちはアラッドとどんな縁があったんだ?」
「っ、そ、そうですね……」
ドミトルは、アラッド達との出会いを笑いながら話した。
実際に、ベテラン冒険者である彼にとって、アラッドとの出会いはこうして思い出として笑いながら語れる。
エレムとしても……まだ多少なりとも苦さは感じるが、アラッドとの出会いのお陰で成長出来ているという自覚があるため、ドミトルと同じく良き思い出として語ることが出来る。
だがしかし……アリファにとっては、二人と違ってアラッドとの出会い、思い出は……全てが終わったとしても、良い出会いだったよなと思い出して笑える内容ではない。
「あれらしいよ。自分たちの尻拭いをしてもらったんだっけ」
「ろ、ロザンネ!」
「だって、確かそんな感じだったでしょ」
「~~~~っ……はぁ~~~~、そうね。本当に、彼には世話になってしまったわ」
事情を知っているロザンネに結末を言われてしまっては、詳細を離すしかない。
アリファもドミトルと同じくアラッドと出会い、何が怒ったのか話した。
「そうだったのですね」
「……正直、その光景を見て……心底驚かされた。今でも、あの時の感覚を覚えてる」
アリファたちがある街に訪れた目的は、二体の火竜を討伐すること。
対して、アラッドたちもそれが目的である街に訪れていた。
結果的に……瀕死となった片方の火竜を、もう一体の火竜が喰らい、BランクからAランクへ……火竜から轟炎竜へと進化した。
Bランク火竜、二頭を討伐することを目的としてはアリファたちからすれば、想定外も想定外。
Aランクドラゴンの相手をする余裕など、ある筈がなかった。
そんな超強敵を討伐したのが、アラッドとクロであった。
「本当に強かった。あれで十五とは、とても信じられなかった」
アリファの言葉を聞いて、ガルシアたちは…………その気持ちはよく解ると言わんばかりに、苦笑いを零した。
主であるアラッドに敬意を持ち、なんならエリナなどは強く忠誠を誓っている。
ただ、アラッドを妄信して世界を、常識を知らない訳ではない。
アラッドと共に行動していれば、多くの者と関わるようになる。
そのため、エリナたち五人はしっかり一般常識を……基本的な戦闘職の、戦闘職を目指す十五歳の強さを理解している。
「あの時、討伐任務のリーダーを任されていたこともあって、少し鼻が伸びていた。けど、思いっきりへし折られた…………うん。苦くはあるけど、良い出会いだったと思ってる」
少し強がっている部分もあるが、嘘ではなかった。
それに、アリファは知っている。
アッラッドからアドバイスを受けた同僚が、あの時から今まで以上に本気で、それでいて合理的に前に進んでいるのを。
その内容を知った水蓮の幹部は、可愛い後輩になんて精進方法を教えてくれたんだと恨む者もいたが……アドバイスを求めた青年は、今も生きている。
そして、アリファと同じステージに、次期幹部候補にまで至りつつある。
その結果は、アリファたちにとって……水蓮というクランにとって、嬉しい刺激であるのは間違いなかった。
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