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千百七十二話 脅迫令嬢
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SIDE リエラ、ラディア、ライホルト
(はぁ~~~、本当に許可を取ってくるとは……こいつのアッシュに対する思いを甘くみていたな)
大剣を背負い、移動する大男の名はライホルト・ギュレリック。
ナルターク王国に所属する騎士であり、侯爵家の令息でもある。
そんな彼は現在、リエラ・カルバトラという同じく侯爵家の令嬢であり、まだ騎士になったばかりの新米女性騎士とラディア・クレスターという伯爵家の令嬢でありながら、冒険者として活動している女性と共に行動していた。
その理由は……アルバース王国とゴリディア帝国が戦争するので、アルバース王国側の戦力として参加するため。
「~~~♪」
(こいつ……いったいどうやって団長たちを説得したのだ)
個人的にアラッド、アッシュたちの味方をしたい……その気持ちは、ライホルトも解る。
共に過ごした期間は短かったものの、それでもライホルトは彼らのことを友だと思っている。
ただ、それでも他国の戦争に参加するのは容易に許可されることではない。
ライホルトは所属している騎士団の時期団長候補として期待されている人物。
リエラに関しても、新米ではあるものの学園に在籍していた時点で、在籍している学園以外の学び舎も含め、一番の実力を有してる。
当然、所属している騎士団としても、未来のエースとして大切に育てたい。
ラディアは伯爵家の令嬢だとしても、冒険者として活動してるから問題無い……という訳ではない。
確かに現在冒険者として活動しているが、ラディアも冒険者として将来を有望視されている……というより、実力でも実績でも有望株であることが既に確定している。
そのため、冒険者ギルドとしては彼女が死ぬ可能性のある他国との戦争に参加してほしくない。
無論、冒険者というモンスターや山賊と戦い、ダンジョンに潜ったりするような職業の者たちにとっては、普段から死と隣り合わせの環境と言えなくもない。
ルーキーの頃から頭一つか二つ抜けていたとはいえ、これまでに何度か死にかけており、死線を潜り抜けてきたのは三度や五度程度ではない。
冒険者ギルドも……いつかは、彼女に殆ど死ぬような依頼を頼まなければならない時がくるかもしれない。
しかし……それでも、他国の為に死んでほしくない。
ぶっちゃけて言うと、それが冒険者ギルドとしての本音である。
「…………リエラ」
「? なにかしら、ライホルト」
「団長たちをどのようにして納得させたのだ」
答えてくれるかは解らない。
それでも、とりあえず尋ねたかった。
「別に難しい事はしてないわ。もし許可してくれないなら、何が何でも騎士を引退して冒険者として活動するって伝えただけよ」
(…………きょ、脅迫だ)
ライホルトが心の内で呟いた通り、文字通り脅迫である。
リエラはそこら辺の平民ではなく、侯爵家の令嬢。
そんな事させるか!!!!! と、権力でどうにかこうにか縛りつけることは出来ない。
「……そんな事をしても、実家が止めるだろう」
「止めるなら、親子の縁を切っても構わないと伝えといたのよ」
(み、身内にまで脅迫を…………なんと恐ろしい女だ)
リエラと実家であるカルバトラ公爵家の仲は悪くない。
寧ろ、両親との仲は貴族という存在を考えれば、非常に良好な仲と言える。
だからこそ、可愛い娘が他国の戦争に首をツッコもうとしていれば、当然止めようとする。
(……心中お察しします、カルバトラ侯爵)
大きな溜息を吐きながら、今度はラディアに話を移す。
「ラディア……お前は冒険者ギルドの方から何か言われなかったのか?」
「……正直なところ、言われたわ。止めてくれと」
冒険者ギルドという組織に所属はしていればど、冒険者とは自由を表す存在。
組織からの命で冒険者の動きを縛ることは……原則的に出来ない。
今回の場合は特に、確かに他国と他国間で起こる問題ではあるが、戦争に参加することは決して悪い事ではない。
理由としても、友人の為にとなれば……一般的な考えを持つ者としては、その精神を褒めなければならない。
ただ、冒険者ギルドとしては非常に死の危険性がある他国での戦いに参加してほしくなかった。
「でも、リエラがなんとかしてくれた」
「……はっ!!!!????」
思わず素っ頓狂な声を零すライホルト。
直ぐに視線を脅迫令嬢に向けると、リエラはライホルトにグーサインを返した。
「お前……………………はぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」
この人、ライホルトは生まれてから一番ではないかと思えるほど長い溜息を吐いた。
冒険者ギルドがラディアを止めようとした理由は、至って単純。
確かに……彼女は強い。
実力があるだけではなく、実績も複数ある。
間違いなく有望株であり、これからまだまだ強くなる。
ただ…………現時点で、誰が最強の戦闘者かと決める議題の候補としては上がらない。
冒険者として活動を始めて~以内などでの議論であればまだしも、全ての冒険者を含めた議論では、まず上がらない。
戦争となればBランクの冒険者だけではなく、Aランクの冒険者……それと同等の実力を持つ騎士たちが参戦する可能性は大いにある。
だからこそ、冒険者ギルドはラディアに思い留まるよう、全力で説得しようとした。
(…………関係者として、帰って来たら頭を下げるべきか)
幸せが逃げる? そんなの知ったことか!!!! と言わんばかりの心持で、ライホルトはもう一度大きな大きな
溜息を零すのだった。
(はぁ~~~、本当に許可を取ってくるとは……こいつのアッシュに対する思いを甘くみていたな)
大剣を背負い、移動する大男の名はライホルト・ギュレリック。
ナルターク王国に所属する騎士であり、侯爵家の令息でもある。
そんな彼は現在、リエラ・カルバトラという同じく侯爵家の令嬢であり、まだ騎士になったばかりの新米女性騎士とラディア・クレスターという伯爵家の令嬢でありながら、冒険者として活動している女性と共に行動していた。
その理由は……アルバース王国とゴリディア帝国が戦争するので、アルバース王国側の戦力として参加するため。
「~~~♪」
(こいつ……いったいどうやって団長たちを説得したのだ)
個人的にアラッド、アッシュたちの味方をしたい……その気持ちは、ライホルトも解る。
共に過ごした期間は短かったものの、それでもライホルトは彼らのことを友だと思っている。
ただ、それでも他国の戦争に参加するのは容易に許可されることではない。
ライホルトは所属している騎士団の時期団長候補として期待されている人物。
リエラに関しても、新米ではあるものの学園に在籍していた時点で、在籍している学園以外の学び舎も含め、一番の実力を有してる。
当然、所属している騎士団としても、未来のエースとして大切に育てたい。
ラディアは伯爵家の令嬢だとしても、冒険者として活動してるから問題無い……という訳ではない。
確かに現在冒険者として活動しているが、ラディアも冒険者として将来を有望視されている……というより、実力でも実績でも有望株であることが既に確定している。
そのため、冒険者ギルドとしては彼女が死ぬ可能性のある他国との戦争に参加してほしくない。
無論、冒険者というモンスターや山賊と戦い、ダンジョンに潜ったりするような職業の者たちにとっては、普段から死と隣り合わせの環境と言えなくもない。
ルーキーの頃から頭一つか二つ抜けていたとはいえ、これまでに何度か死にかけており、死線を潜り抜けてきたのは三度や五度程度ではない。
冒険者ギルドも……いつかは、彼女に殆ど死ぬような依頼を頼まなければならない時がくるかもしれない。
しかし……それでも、他国の為に死んでほしくない。
ぶっちゃけて言うと、それが冒険者ギルドとしての本音である。
「…………リエラ」
「? なにかしら、ライホルト」
「団長たちをどのようにして納得させたのだ」
答えてくれるかは解らない。
それでも、とりあえず尋ねたかった。
「別に難しい事はしてないわ。もし許可してくれないなら、何が何でも騎士を引退して冒険者として活動するって伝えただけよ」
(…………きょ、脅迫だ)
ライホルトが心の内で呟いた通り、文字通り脅迫である。
リエラはそこら辺の平民ではなく、侯爵家の令嬢。
そんな事させるか!!!!! と、権力でどうにかこうにか縛りつけることは出来ない。
「……そんな事をしても、実家が止めるだろう」
「止めるなら、親子の縁を切っても構わないと伝えといたのよ」
(み、身内にまで脅迫を…………なんと恐ろしい女だ)
リエラと実家であるカルバトラ公爵家の仲は悪くない。
寧ろ、両親との仲は貴族という存在を考えれば、非常に良好な仲と言える。
だからこそ、可愛い娘が他国の戦争に首をツッコもうとしていれば、当然止めようとする。
(……心中お察しします、カルバトラ侯爵)
大きな溜息を吐きながら、今度はラディアに話を移す。
「ラディア……お前は冒険者ギルドの方から何か言われなかったのか?」
「……正直なところ、言われたわ。止めてくれと」
冒険者ギルドという組織に所属はしていればど、冒険者とは自由を表す存在。
組織からの命で冒険者の動きを縛ることは……原則的に出来ない。
今回の場合は特に、確かに他国と他国間で起こる問題ではあるが、戦争に参加することは決して悪い事ではない。
理由としても、友人の為にとなれば……一般的な考えを持つ者としては、その精神を褒めなければならない。
ただ、冒険者ギルドとしては非常に死の危険性がある他国での戦いに参加してほしくなかった。
「でも、リエラがなんとかしてくれた」
「……はっ!!!!????」
思わず素っ頓狂な声を零すライホルト。
直ぐに視線を脅迫令嬢に向けると、リエラはライホルトにグーサインを返した。
「お前……………………はぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」
この人、ライホルトは生まれてから一番ではないかと思えるほど長い溜息を吐いた。
冒険者ギルドがラディアを止めようとした理由は、至って単純。
確かに……彼女は強い。
実力があるだけではなく、実績も複数ある。
間違いなく有望株であり、これからまだまだ強くなる。
ただ…………現時点で、誰が最強の戦闘者かと決める議題の候補としては上がらない。
冒険者として活動を始めて~以内などでの議論であればまだしも、全ての冒険者を含めた議論では、まず上がらない。
戦争となればBランクの冒険者だけではなく、Aランクの冒険者……それと同等の実力を持つ騎士たちが参戦する可能性は大いにある。
だからこそ、冒険者ギルドはラディアに思い留まるよう、全力で説得しようとした。
(…………関係者として、帰って来たら頭を下げるべきか)
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溜息を零すのだった。
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