1,179 / 1,361
千百七十七話 主な理由として……
しおりを挟む
(……言っても構わないかな?)
(…………構わないだろう。多分な)
目線で会話し、リエラは今回の戦争に参加する理由に関して話し始めた。
「実は、アラッドっていう侯爵家の令息なのだけど、ラディアと同じく冒険者として活動している方と関わったことがあるの」
「っ!!?? あ、アラッドって……あの、騎士の爵位を手に入れる為だけに入学して、取れたら直ぐに卒業した、あのアラッド?」
「そういえば、そんな話をしてたような……多分、そのアラッドで合ってますね」
アラッドの場合、あの……と続く内容が複数ある。
その中でも、爵位に関する内容が出てくるのは意外だと感じたリエラ。
しかし、平民出身の冒険者たちからすれば、学園に入学出来るのは基本的に金持ちかエリートな人間というイメージが強い。
それもあって、わざわざ騎士の爵位を取る為に入学し、用が済んだら特例として即卒業するというのは、あまりにも豪快なイメージが強かった。
(あのアラッドと付き合いが…………でも、そっか。リエラさんが言う通り、アラッドは侯爵家の令息だから、他国の貴族と付き合いがあってもおかしくはないか)
(そっか。アラッドって確か貴族の令息だったもんな)
(拠点を持たず、移動するタイプの冒険者だったわね。それなら、他国で彼女たちと会っててもおかしくないわね)
何故アルバース王国の人間である彼がナルターク王国の人間である彼女たちと? という疑問は浮かぶも、冒険者たちはすっかり忘れていた情報を思い出す。
学園に入学していた……騎士の爵位を持っている。
それだけでもアラッドが貴族の令息である事を忘れなさそうではあるが、冒険者として思いっきり活動していること……加えて、割と同業者……貴族の人間とぶつかってるケースが多く、どうしても根本的な立場を忘れてしまう。
「知人の……友人の為に参加する、ってことだね」
「そうね。彼が、彼らと一緒に行動してる方たちも強いのは知っている。でも、だからといって油断出来ないのが戦争という戦場だと、経験のある方から聞いてる」
「私たちとしては暮らす国は違えど、また必ず会いたいと思っている」
「だからこそ、その思いを潰そうとする可能性を、少しでも消し去りたい」
リエラ……は一旦置いておき、ラディアとライホルトは絶対に彼と、彼女ともう一度一戦交えたいと思っている。
「……そっか。いやぁ~~、何か嬉しいね」
割と個人的な理由である。
それでも、リエラたちが語る通り、戦争という戦場はアラッドたちの様な強者であっても死んでしまう可能性が全然ある戦場。
友の為に……その理由で、他国の人間が参加してくれる。
冒険者である彼らとしては、それだけでも嬉しいものがある。
「だな。それに、あんた達みたいな人たちが参加してくれるなら、尚更な」
「そうね。戦場では頼りにさせてもらっても良いかしら」
「えぇ、勿論。けど、あなた達のことも頼らせてもらうわよ」
互いに支え合う。
それを確認出来た両者は笑い合い、もう一度頼んでいたエールが届き……再度杯を重ね合わせた。
それから数日間、予定通りリエラたちは朝から夕方まで冒険者ギルドに入り浸り、冒険者たちと得物を重ね合わせ……昼食を共に食べ、夕食も食べる。
毎回毎回違う冒険者たちと食べ、顔見知りの者たちを増やしていく。
(…………一応警戒はしていが、一人もいなかったな)
翌日、いよいよ戦争が始まる夜。
ライホルトはこれまで模擬戦、食事で関わってきた冒険者たちが、一度もリエラとラディアをナンパ……ダル絡みしてこなかったことに少々驚いていた。
(俺が思っている以上に、冒険者たちは礼儀を有しているのか? ……女性冒険者たちに失礼かもしれないが、やはり二人の容姿は頭一つか二つ抜けていた。それでもそういった声を掛けてこなかったという事は、本当にそうなのかもしれないな)
ライホルトが考え通り、リエラとラディアはそこら辺の女性冒険者たちと比べ、容姿のレベルは頭一つか二つ……人によっては三つぐらい抜けているのではと感じる。
良きスタイルを持つ女性冒険者たちにそこら辺も負けておらず、邪な気持ちが大き過ぎずとも声を掛けてしまうのが解るもの。
二人が持つ高貴な雰囲気気付いても、勇気のある者、自分に自信がある男性であれば声を掛けてもおかしくない。
だが、そういった眼で見てしまう者はいれど、本当にナンパする人物は今日までに一人もいなかった。
「……そういった意味でも、本当に背中を預けられそうだな」
安心感の籠った言葉を零し、そっと目を閉じる。
確かに……野郎たちは、本当に二人に声を掛けなかった。
ただ、それはライホルトの予想以上に礼儀を有している訳ではなく……初日の夜に、自分たちと同じ冒険者として活動している……あのアラッドと交流のあると知れ渡ったから。
貴族の令息だから、侯爵家の出身であるから出来る事かもしれないが、アラッドは相手が貴族の人間であっても気に入らないことがあれば、真っ向からぶつかる。
そして……これは冒険者たちの間では確固たる証拠や証言はないものの、彼は王族の人間とも関りを持つと噂されている。
そのため、二人が侯爵家……伯爵家の人間だという情報も加わり、ナンパする野郎は一人も現れなかった。
(…………構わないだろう。多分な)
目線で会話し、リエラは今回の戦争に参加する理由に関して話し始めた。
「実は、アラッドっていう侯爵家の令息なのだけど、ラディアと同じく冒険者として活動している方と関わったことがあるの」
「っ!!?? あ、アラッドって……あの、騎士の爵位を手に入れる為だけに入学して、取れたら直ぐに卒業した、あのアラッド?」
「そういえば、そんな話をしてたような……多分、そのアラッドで合ってますね」
アラッドの場合、あの……と続く内容が複数ある。
その中でも、爵位に関する内容が出てくるのは意外だと感じたリエラ。
しかし、平民出身の冒険者たちからすれば、学園に入学出来るのは基本的に金持ちかエリートな人間というイメージが強い。
それもあって、わざわざ騎士の爵位を取る為に入学し、用が済んだら特例として即卒業するというのは、あまりにも豪快なイメージが強かった。
(あのアラッドと付き合いが…………でも、そっか。リエラさんが言う通り、アラッドは侯爵家の令息だから、他国の貴族と付き合いがあってもおかしくはないか)
(そっか。アラッドって確か貴族の令息だったもんな)
(拠点を持たず、移動するタイプの冒険者だったわね。それなら、他国で彼女たちと会っててもおかしくないわね)
何故アルバース王国の人間である彼がナルターク王国の人間である彼女たちと? という疑問は浮かぶも、冒険者たちはすっかり忘れていた情報を思い出す。
学園に入学していた……騎士の爵位を持っている。
それだけでもアラッドが貴族の令息である事を忘れなさそうではあるが、冒険者として思いっきり活動していること……加えて、割と同業者……貴族の人間とぶつかってるケースが多く、どうしても根本的な立場を忘れてしまう。
「知人の……友人の為に参加する、ってことだね」
「そうね。彼が、彼らと一緒に行動してる方たちも強いのは知っている。でも、だからといって油断出来ないのが戦争という戦場だと、経験のある方から聞いてる」
「私たちとしては暮らす国は違えど、また必ず会いたいと思っている」
「だからこそ、その思いを潰そうとする可能性を、少しでも消し去りたい」
リエラ……は一旦置いておき、ラディアとライホルトは絶対に彼と、彼女ともう一度一戦交えたいと思っている。
「……そっか。いやぁ~~、何か嬉しいね」
割と個人的な理由である。
それでも、リエラたちが語る通り、戦争という戦場はアラッドたちの様な強者であっても死んでしまう可能性が全然ある戦場。
友の為に……その理由で、他国の人間が参加してくれる。
冒険者である彼らとしては、それだけでも嬉しいものがある。
「だな。それに、あんた達みたいな人たちが参加してくれるなら、尚更な」
「そうね。戦場では頼りにさせてもらっても良いかしら」
「えぇ、勿論。けど、あなた達のことも頼らせてもらうわよ」
互いに支え合う。
それを確認出来た両者は笑い合い、もう一度頼んでいたエールが届き……再度杯を重ね合わせた。
それから数日間、予定通りリエラたちは朝から夕方まで冒険者ギルドに入り浸り、冒険者たちと得物を重ね合わせ……昼食を共に食べ、夕食も食べる。
毎回毎回違う冒険者たちと食べ、顔見知りの者たちを増やしていく。
(…………一応警戒はしていが、一人もいなかったな)
翌日、いよいよ戦争が始まる夜。
ライホルトはこれまで模擬戦、食事で関わってきた冒険者たちが、一度もリエラとラディアをナンパ……ダル絡みしてこなかったことに少々驚いていた。
(俺が思っている以上に、冒険者たちは礼儀を有しているのか? ……女性冒険者たちに失礼かもしれないが、やはり二人の容姿は頭一つか二つ抜けていた。それでもそういった声を掛けてこなかったという事は、本当にそうなのかもしれないな)
ライホルトが考え通り、リエラとラディアはそこら辺の女性冒険者たちと比べ、容姿のレベルは頭一つか二つ……人によっては三つぐらい抜けているのではと感じる。
良きスタイルを持つ女性冒険者たちにそこら辺も負けておらず、邪な気持ちが大き過ぎずとも声を掛けてしまうのが解るもの。
二人が持つ高貴な雰囲気気付いても、勇気のある者、自分に自信がある男性であれば声を掛けてもおかしくない。
だが、そういった眼で見てしまう者はいれど、本当にナンパする人物は今日までに一人もいなかった。
「……そういった意味でも、本当に背中を預けられそうだな」
安心感の籠った言葉を零し、そっと目を閉じる。
確かに……野郎たちは、本当に二人に声を掛けなかった。
ただ、それはライホルトの予想以上に礼儀を有している訳ではなく……初日の夜に、自分たちと同じ冒険者として活動している……あのアラッドと交流のあると知れ渡ったから。
貴族の令息だから、侯爵家の出身であるから出来る事かもしれないが、アラッドは相手が貴族の人間であっても気に入らないことがあれば、真っ向からぶつかる。
そして……これは冒険者たちの間では確固たる証拠や証言はないものの、彼は王族の人間とも関りを持つと噂されている。
そのため、二人が侯爵家……伯爵家の人間だという情報も加わり、ナンパする野郎は一人も現れなかった。
365
あなたにおすすめの小説
母は何処? 父はだぁれ?
穂村満月
ファンタジー
うちは、父3人母2人妹1人の7人家族だ。
産みの母は誰だかわかるが、実父は誰だかわからない。
妹も、実妹なのか不明だ。
そんなよくわからない家族の中で暮らしていたが、ある日突然、実母がいなくなってしまった。
父たちに聞いても、母のことを教えてはくれない。
母は、どこへ行ってしまったんだろう!
というところからスタートする、
さて、実父は誰でしょう? というクイズ小説です。
変な家族に揉まれて、主人公が成長する物語でもなく、
家族とのふれあいを描くヒューマンドラマでもありません。
意味のわからない展開から、誰の子なのか想像してもらえたらいいなぁ、と思っております。
前作「死んでないのに異世界転生? 三重苦だけど頑張ります」の完結記念ssの「誰の子産むの?」のアンサーストーリーになります。
もう伏線は回収しきっているので、変なことは起きても謎は何もありません。
単体でも楽しめるように書けたらいいな、と思っておりますが、前作の設定とキャラクターが意味不明すぎて、説明するのが難しすぎました。嫁の夫をお父さんお母さん呼びするのを諦めたり、いろんな変更を行っております。設定全ては持ってこれないことを先にお詫びします。
また、先にこちらを読むと、1話目から前作のネタバレが大量に飛び出すことも、お詫び致します。
「小説家になろう」で連載していたものです。
「俺が勇者一行に?嫌です」
東稔 雨紗霧
ファンタジー
異世界に転生したけれども特にチートも無く前世の知識を生かせる訳でも無く凡庸な人間として過ごしていたある日、魔王が現れたらしい。
物見遊山がてら勇者のお披露目式に行ってみると勇者と目が合った。
は?無理
【読切短編】処刑前夜、地下牢に現れた王女は言った。「お前でなければ駄目なんだ」滅びの未来を覆す、騎士との契約
Lihito
ファンタジー
王国騎士団の副長ヴェルドは、無実の罪で投獄され、明日処刑される運命にあった。
腐敗した国に絶望し、静かに死を待つ夜。
地下牢に現れたのは、実権を持たない「傀儡」と噂されるイゾルデ王女。
彼女はヴェルドに仮死毒を渡し、こう告げた。
「死んで、私の影になれ」
彼女は知っていた。
この国が三年後に滅ぶこと。誰が裏切り者か。
そして——ヴェルドこそが、国を救うための唯一の「切り札」であることを。
これは、滅びの未来を知る孤独な王女と、一度死んで生まれ変わった騎士が、裏から国を救う「共犯」の物語。
【完結】勇者と国王は最悪。なので私が彼らを後悔させます。
凛 伊緒
ファンタジー
「お前はこのパーティーに相応しくない。今この場をもって、追放とする!それと、お前が持っている物は全て置いていってもらうぞ。」
「それは良いですわね、勇者様!」
勇者でありパーティーリーダーのゼイスに追放を宣言された。
隣にいる聖女メーシアも、大きく頷く。
毎日の暴行。
さらに報酬は平等に分けるはずが、いつも私だけかなり少なくされている。
最後の嫌味と言わんばかりに、今持っている物全てを奪われた。
今までの行いを、後悔させてあげる--
ユニークスキルの名前が禍々しいという理由で国外追放になった侯爵家の嫡男は世界を破壊して創り直します
かにくくり
ファンタジー
エバートン侯爵家の嫡男として生まれたルシフェルトは王国の守護神から【破壊の後の創造】という禍々しい名前のスキルを授かったという理由で王国から危険視され国外追放を言い渡されてしまう。
追放された先は王国と魔界との境にある魔獣の谷。
恐ろしい魔獣が闊歩するこの地に足を踏み入れて無事に帰った者はおらず、事実上の危険分子の排除であった。
それでもルシフェルトはスキル【破壊の後の創造】を駆使して生き延び、その過程で救った魔族の親子に誘われて小さな集落で暮らす事になる。
やがて彼の持つ力に気付いた魔王やエルフ、そして王国の思惑が複雑に絡み大戦乱へと発展していく。
鬱陶しいのでみんなぶっ壊して創り直してやります。
※小説家になろうにも投稿しています。
授かったスキルが【草】だったので家を勘当されたから悲しくてスキルに不満をぶつけたら国に恐怖が訪れて草
ラララキヲ
ファンタジー
(※[両性向け]と言いたい...)
10歳のグランは家族の見守る中でスキル鑑定を行った。グランのスキルは【草】。草一本だけを生やすスキルに親は失望しグランの為だと言ってグランを捨てた。
親を恨んだグランはどこにもぶつける事の出来ない気持ちを全て自分のスキルにぶつけた。
同時刻、グランを捨てた家族の居る王都では『謎の笑い声』が響き渡った。その笑い声に人々は恐怖し、グランを捨てた家族は……──
※確認していないので二番煎じだったらごめんなさい。急に思いついたので書きました!
※「妻」に対する暴言があります。嫌な方は御注意下さい※
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げています。
〈完結〉この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」アリサは父の後妻の言葉により、家を追い出されることとなる。
だがそれは待ち望んでいた日がやってきたでもあった。横領の罪で連座蟄居されられていた祖父の復活する日だった。
十年前、八歳の時からアリサは父と後妻により使用人として扱われてきた。
ところが自分の代わりに可愛がられてきたはずの異母妹ミュゼットまでもが、義母によって使用人に落とされてしまった。義母は自分の周囲に年頃の女が居ること自体が気に食わなかったのだ。
元々それぞれ自体は仲が悪い訳ではなかった二人は、お互い使用人の立場で二年間共に過ごすが、ミュゼットへの義母の仕打ちの酷さに、アリサは彼女を乳母のもとへ逃がす。
そして更に二年、とうとうその日が来た……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる