58 / 500
第58話 理解不能な怪物
「……武器を使わないつもりか」
ダスティンはあまりイシュドの事を良く知らない。
ただ者ではないという事は本能的に解るが、どういった武器を使って戦うタイプなのか、そういった詳しい部分までは知らない。
なので、何も得物を持たずに戦おうとするイシュドが、自分たちのことを完全に嘗めているとのだと判断。
「そういうの気にする感じ? 安心してくれって。俺は狂戦士……全身狂気だからな」
構えた。
それだけでイシュドから放たれていた圧に重厚さが増加。
「ッ!!! 噂以上、ということか……では、俺が先陣を切ろう」
そう告げると、ダスティンは口にした通り、真っすぐ駆け出し……正面から自慢の大斧を振り下ろした。
「おぅおぅ、良いんじゃねぇの? その筋肉恥じない、良い一撃だぜ」
「ぐっ!!!!」
スキルの技を使用した一撃ではない。
それでもダスティンは確かに魔力を全身に纏って強化し、腕力強化のスキルも同時に発動して大斧を振り下ろした。
そんな一撃をイシュドは……左腕だけで受け止めた。
衝撃は地面にまで伝わり、振り下ろされた一撃にどれほどの威力があったのか良く解るが……イシュドにダメージらしいダメージは全くなかった。
「フッ!!!」
激闘祭の優勝者三名、全員接近戦が得意なアタッカーではあるが、三人で攻めるとなれば、アタッカーの中でも役割分担を決めなければならない。
タンク、そして強烈な一撃を加えるのがダスティンの役目。
果敢に攻め、イシュドを自由に動かせないのがクリスティールの仕事。
「っと、流石会長。速い、ねっと。ナイス狙いじゃねぇの、フィリップ」
「あっさり避けながら言われても、って感じだな~」
そして魔力を纏った斬撃刃、突きの放出という遠距離攻撃をメインにし、主に嫌がらせをするのがフィリップの役目。
「ぬぅああああッ!!!!」
「ハッ!!!!!」
三人は事前に相談していたのではなく、今この場で自分の役割を把握し、初っ端かっらエンジンをかけて挑む。
「よっ、せいっ!!」
ダスティンの大斧を受け止め、迫る氷結の乱刃を左手の手刀で対応。
「ぃよい、っしょ!!!!!!!」
一瞬だけ短剣を宙に放り、両手が塞がってる? イシュドに向かって全力のスラッシュが放たれた。
「カッッッッッ!!!!!!!!!!」
「っ!!!!???? おいおいよいよい……ま、マジかよ」
気合咆哮。
何かしらのスキルによる技を使ったのではなく、ただ腹の底から全力で一喝を行ったイシュド。
その一喝により、フィリップの放ったスラッシュは霧散。
この光景にダスティンとクリスティールの顔に衝撃が走る。
「油断、厳禁!!!」
掴んだ大斧を引き付け、腹に蹴りを入れて飛ばし、背に向けて放たれた二つの氷刃を……背中に力を入れて弾いた。
(っ!!?? た、体技の一つ……でしょうか)
中国拳法の鉄山靠……とは違うのだが、背中で衝撃を放つ、攻撃するといった点は似ているだろう。
クリスティールとしては粉々に砕かれた氷刃を無視して突っ込み、自身の役割を全うしたいところだったが……あまりにも予想外過ぎる砕かれ方をしたため、一度後方に下がって呼吸を整えた。
「ったく、ちょっと人間越え過ぎじゃないっすかね」
「私も、左手一つで砕かれるのであればまだしも、背中を使って砕かれるとは思っていませんでした」
「あれが……辺境の狂戦士、か」
腹に蹴りを入れられたダスティンは反射的に腹に土を纏わせたことで、内臓がズタボロになることはなかった。
「良いね良いね、三人共元気一杯じゃねぇか。んじゃ……今度は、こっちから攻めさせてもらうぜ!!!!」
「「「ッ!!!!」」」
相変わらず素手のイシュドが地を蹴り、三人に急接近。
攻守が逆転した……と思われるかもしれないが、既に役割が決まっている三人は乱れることなく行動し、まずはダスティンが大斧を利用してイシュドの右ストレートを食らうが……リングサイドギリギリで耐え切った。
(はっはっは!!! 防御力も合格だな!!!!!)
数的に有利……それだけで三人は誰かがイシュドの攻撃を抑えれば、それだけで他の誰かが攻撃に転じられる。
「うぉらっ!!!!!」
「「っ!!!???」」
両サイドから多数の魔力の刃、氷刃が迫る中、イシュドは裏拳で……拳に魔力を纏い、思いっきり宙を叩いた。
「どうしたぁあああっ!!!! まだまだ、んなもんじゃねぇだろ!!!!!!」
吼える怪獣。
それが観客たちから見たイシュドという存在である。
人学年上の優勝者が放つ大斧を軽々と受け止め、迫る氷刃を背中で破壊。
挙句の果てには気合裂帛でスラッシュを霧散させ、裏拳で宙を叩くことで魔力の刃や氷刃を粉砕。
やってることが……普通じゃない。
普通とは思えない、理解不能な存在。
(……ある意味、全力で戦ってるってことか、イシュド)
当然、全力ではない。
イシュドが全力を出して戦っていれば、今頃三人の体はボコボコのズタボロ……死んでいてもおかしくない。
ただフィリップの考えている通り、会う意味全力ではあった。
イシュドは強化系のスキルは使っていない。
先程は拳に魔力を纏ったが、それ以外の場面では体に魔力を纏わず戦っていた。
つまり、イシュドは素の状態の力を惜しまず出し、三人と戦っていた。
(ったく、こっちとしてはそういう状態で戦ってくれるのは嬉しいんだけど、観客たちの中に……どれだけ絶望した奴らがいることやら)
イシュドは相変わらずな様子で戦闘を続けており、イシュドが自分たちとの戦いで強化系のスキル、殆ど魔力を使って戦っていないという事実に全くショックを受けてない。
だがこの事実は、一般の生徒たちには……人生でトップクラスの衝撃を与えていた。
一年生の頂点に取った男の斬撃が気合裂帛だけで破壊され、二年生のトップを掴み取った大男の大斧による攻撃が素手で掴まれ、押し込めない。
三年生の……学生の頂へと上り詰めた麗しき令嬢の苛烈な斬撃を、左手一つで対応してしまう。
完成している学生たちは、一般市民たちと似た様な感想を抱いていた。
あれは、一体何なのだと。
そもそも各学年の優勝者を纏めて相手にする。
これですら、まず理解に苦しむ行為。
そして変則的な試合が始まってから既に一分以上が経過するまで……ずっと笑ったまま。
理解不能な怪物。
それが学生たちのイシュドに対する感想であった。
ダスティンはあまりイシュドの事を良く知らない。
ただ者ではないという事は本能的に解るが、どういった武器を使って戦うタイプなのか、そういった詳しい部分までは知らない。
なので、何も得物を持たずに戦おうとするイシュドが、自分たちのことを完全に嘗めているとのだと判断。
「そういうの気にする感じ? 安心してくれって。俺は狂戦士……全身狂気だからな」
構えた。
それだけでイシュドから放たれていた圧に重厚さが増加。
「ッ!!! 噂以上、ということか……では、俺が先陣を切ろう」
そう告げると、ダスティンは口にした通り、真っすぐ駆け出し……正面から自慢の大斧を振り下ろした。
「おぅおぅ、良いんじゃねぇの? その筋肉恥じない、良い一撃だぜ」
「ぐっ!!!!」
スキルの技を使用した一撃ではない。
それでもダスティンは確かに魔力を全身に纏って強化し、腕力強化のスキルも同時に発動して大斧を振り下ろした。
そんな一撃をイシュドは……左腕だけで受け止めた。
衝撃は地面にまで伝わり、振り下ろされた一撃にどれほどの威力があったのか良く解るが……イシュドにダメージらしいダメージは全くなかった。
「フッ!!!」
激闘祭の優勝者三名、全員接近戦が得意なアタッカーではあるが、三人で攻めるとなれば、アタッカーの中でも役割分担を決めなければならない。
タンク、そして強烈な一撃を加えるのがダスティンの役目。
果敢に攻め、イシュドを自由に動かせないのがクリスティールの仕事。
「っと、流石会長。速い、ねっと。ナイス狙いじゃねぇの、フィリップ」
「あっさり避けながら言われても、って感じだな~」
そして魔力を纏った斬撃刃、突きの放出という遠距離攻撃をメインにし、主に嫌がらせをするのがフィリップの役目。
「ぬぅああああッ!!!!」
「ハッ!!!!!」
三人は事前に相談していたのではなく、今この場で自分の役割を把握し、初っ端かっらエンジンをかけて挑む。
「よっ、せいっ!!」
ダスティンの大斧を受け止め、迫る氷結の乱刃を左手の手刀で対応。
「ぃよい、っしょ!!!!!!!」
一瞬だけ短剣を宙に放り、両手が塞がってる? イシュドに向かって全力のスラッシュが放たれた。
「カッッッッッ!!!!!!!!!!」
「っ!!!!???? おいおいよいよい……ま、マジかよ」
気合咆哮。
何かしらのスキルによる技を使ったのではなく、ただ腹の底から全力で一喝を行ったイシュド。
その一喝により、フィリップの放ったスラッシュは霧散。
この光景にダスティンとクリスティールの顔に衝撃が走る。
「油断、厳禁!!!」
掴んだ大斧を引き付け、腹に蹴りを入れて飛ばし、背に向けて放たれた二つの氷刃を……背中に力を入れて弾いた。
(っ!!?? た、体技の一つ……でしょうか)
中国拳法の鉄山靠……とは違うのだが、背中で衝撃を放つ、攻撃するといった点は似ているだろう。
クリスティールとしては粉々に砕かれた氷刃を無視して突っ込み、自身の役割を全うしたいところだったが……あまりにも予想外過ぎる砕かれ方をしたため、一度後方に下がって呼吸を整えた。
「ったく、ちょっと人間越え過ぎじゃないっすかね」
「私も、左手一つで砕かれるのであればまだしも、背中を使って砕かれるとは思っていませんでした」
「あれが……辺境の狂戦士、か」
腹に蹴りを入れられたダスティンは反射的に腹に土を纏わせたことで、内臓がズタボロになることはなかった。
「良いね良いね、三人共元気一杯じゃねぇか。んじゃ……今度は、こっちから攻めさせてもらうぜ!!!!」
「「「ッ!!!!」」」
相変わらず素手のイシュドが地を蹴り、三人に急接近。
攻守が逆転した……と思われるかもしれないが、既に役割が決まっている三人は乱れることなく行動し、まずはダスティンが大斧を利用してイシュドの右ストレートを食らうが……リングサイドギリギリで耐え切った。
(はっはっは!!! 防御力も合格だな!!!!!)
数的に有利……それだけで三人は誰かがイシュドの攻撃を抑えれば、それだけで他の誰かが攻撃に転じられる。
「うぉらっ!!!!!」
「「っ!!!???」」
両サイドから多数の魔力の刃、氷刃が迫る中、イシュドは裏拳で……拳に魔力を纏い、思いっきり宙を叩いた。
「どうしたぁあああっ!!!! まだまだ、んなもんじゃねぇだろ!!!!!!」
吼える怪獣。
それが観客たちから見たイシュドという存在である。
人学年上の優勝者が放つ大斧を軽々と受け止め、迫る氷刃を背中で破壊。
挙句の果てには気合裂帛でスラッシュを霧散させ、裏拳で宙を叩くことで魔力の刃や氷刃を粉砕。
やってることが……普通じゃない。
普通とは思えない、理解不能な存在。
(……ある意味、全力で戦ってるってことか、イシュド)
当然、全力ではない。
イシュドが全力を出して戦っていれば、今頃三人の体はボコボコのズタボロ……死んでいてもおかしくない。
ただフィリップの考えている通り、会う意味全力ではあった。
イシュドは強化系のスキルは使っていない。
先程は拳に魔力を纏ったが、それ以外の場面では体に魔力を纏わず戦っていた。
つまり、イシュドは素の状態の力を惜しまず出し、三人と戦っていた。
(ったく、こっちとしてはそういう状態で戦ってくれるのは嬉しいんだけど、観客たちの中に……どれだけ絶望した奴らがいることやら)
イシュドは相変わらずな様子で戦闘を続けており、イシュドが自分たちとの戦いで強化系のスキル、殆ど魔力を使って戦っていないという事実に全くショックを受けてない。
だがこの事実は、一般の生徒たちには……人生でトップクラスの衝撃を与えていた。
一年生の頂点に取った男の斬撃が気合裂帛だけで破壊され、二年生のトップを掴み取った大男の大斧による攻撃が素手で掴まれ、押し込めない。
三年生の……学生の頂へと上り詰めた麗しき令嬢の苛烈な斬撃を、左手一つで対応してしまう。
完成している学生たちは、一般市民たちと似た様な感想を抱いていた。
あれは、一体何なのだと。
そもそも各学年の優勝者を纏めて相手にする。
これですら、まず理解に苦しむ行為。
そして変則的な試合が始まってから既に一分以上が経過するまで……ずっと笑ったまま。
理解不能な怪物。
それが学生たちのイシュドに対する感想であった。
あなたにおすすめの小説
本の虫な転生赤ちゃんは血塗りの宰相の義愛娘~本の世界に入れる『ひみちゅのちから』でピンチの帝国を救ったら、冷酷パパに溺愛されてます
青空あかな
ファンタジー
ブラック企業に勤める本の虫でアラサーOLの星花は、突然水に突き落とされた衝撃を感じる。
藻掻くうちに、自分はなぜか赤ちゃんになっていることを理解する。
溺死寸前の彼女を助けたのは、冷徹な手腕により周囲から「血塗りの宰相」と恐れられるアイザック・リヴィエール公爵だった。
その後、熱に浮かされながら見た夢で前世を思い出し、星花は異世界の赤ちゃんに転生したことを自覚する。
目覚めた彼女は周囲の会話から、赤ちゃんの自分を川に落としたのは実の両親だと知って、強いショックを受けた。
前世の両親もいわゆる毒親であり、今世では「親」に愛されたかったと……。
リヴィエール公爵家の屋敷に連れて行かれると、星花にはとても貴重な聖属性の魔力があるとわかった。
アイザックに星花は「ステラ」と名付けられ彼の屋敷で暮らすようになる。
当のアイザックとはほとんど会わない塩対応だが、屋敷の善良な人たちに温かく育てられる。
そんなある日、精霊と冒険する絵本を読んだステラはその世界に入り込み、実際に精霊と冒険した。
ステラには「本の世界に入り込み、その本の知識や内容を実際に体験したように習得できる特別な力」があったのだ。
彼女はその力を使って、隣国との条約締結に関する通訳不在問題や皇帝陛下の病気を治す薬草探索など、様々な問題を解決する。
やがて、アイザックは最初は煩わしかったはずのステラの活躍と愛らしさを目の当たりにし、彼女を「娘として」大切に思うようになる。
これは赤ちゃんに転生した本好きアラサーの社畜OLが、前世の知識と本好きの力を活かして活躍した結果、冷徹な義父から溺愛される話である。
畑の隣にダンジョンが生えたので、農家兼ダンチューバーになることにした件について〜隠れ最強の元エリート、今日も野菜を育てながら配信中〜
グリゴリ
ファンタジー
木嶋蒼、35歳。表向きは田舎で農業を始めて1年目の、どこにでもいる素朴な農家だ。しかし実態は、内閣直轄の超エリート組織・ダンジョン対策庁において「特総(特別総括官)」という非公開の最高職を務める、日本最高峰の実力者である。その事実を知る者は内閣総理大臣を含む極少数のみ。家族でさえ、蒼が対策庁を早々に退庁したと信じて疑わない。
SSSランクのテイムスキルと攻撃スキル、SSランクの支援スキルと農業スキルを18歳時に鑑定され、誰もが「化け物」と称えたその実力を、蒼は今日も畑仕事に注ぎ込んでいる。農作物の品質は驚異的に高く、毎日の収穫が静かな喜びだ。少し抜けているところはあるが、それもご愛嬌——と思っていた矢先、農業開始から1年が経ったある朝、異変が起きた。
祖父母の旧宅に隣接する納屋の床に、漆黒に金の縁取りをしたゲートリングが突如出現したのだ。通常の探索者には認識すらできないそれは、蒼だけが見えるシークレットプライベートダンジョン——後に「蒼天の根」と呼ばれることになる、全100階層の特異空間だった。
恐る恐る潜ったダンジョンの第1層で、蒼は虹色に輝くベビースライム「ソル」と出会い、即座に従魔として契約。さらに探索を進める中でベビードラゴンの「ルナ」、神狼種のベビーシルバーウルフ「クロ」を仲間に加えていく。そしてダンジョン初潜入の最中、蒼の体内に「究極進化システム」が覚醒する。ダンジョン内の素材をエボリューションポイント・ショップポイント・現金へと変換し、自身や従魔、親しい者を際限なく強化・進化させるこのシステムは、ガチャ機能・ショップ機能・タスク機能まで備えた、あまりにもチートじみた代物だった。
蒼は決める。「せっかくだから配信もしよう」と。農家兼ダンチューバーという前代未聞のスタイルで探索者ライセンスを取得し、「農家のダンジョン攻略配信」を開始した彼の動画はじわじわと注目を集め始める。
そんな中、隣のダンジョンの取材にやってきたのが、C級探索者ライセンスを持つ美人記者兼ダンチューバー・藤宮詩織だった。国際探索者協会の超エリート一家に生まれながら自らの道を切り開いてきた彼女は、蒼の「農家なのになぜかとても強い」という矛盾に鋭い鑑定眼を向ける。
隠れ最強の農家配信者と、本質を見抜く美人記者。チート級の従魔たちが賑やかに囲む日常の中で、二人の距離は少しずつ縮まっていく。ダンジョン攻略・農業・配信・ガチャ・そして予期せぬ大事件——波乱と笑いと感動が交錯する、最強農家の新米配信者ライフが、今幕を開ける。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~
ヒミヤデリュージョン
ファンタジー
帝国辺境でただ静かに生き延びたいだけの少年・ヴァン。
彼に正義感はない。あるのは、母が遺したノートに記された、物理法則を応用した「高圧魔力」の理論と、徹底した費用対効果至上主義だけだ。
敵国三千の精鋭が灰燼城に迫る絶望的状況。ヴァンは剣を振るわず、心理戦と補給線攪乱だけで、たった三日で敵軍を撤退させる。
この効率的すぎる勝利は帝国の中枢に届き、彼は最高峰の帝国軍事学院への招待状を手に入れる。
「英雄になりたいわけじゃない。ただ、母の死の真相と父の秘密を知るため、生き残らなきゃならないだけだ」
無口最強の仮面メイド・シンカク、命を取引に差し出した狼耳少女・アイリ。彼は常にコスパの高い道を選び、母の遺したノートの謎、そして生まれて一度も会ったことのない父・帝国大元帥のいる帝都の闇へと踏み込んでいく。
正義も英雄も、損をするなら意味がない。合理主義が英雄譚を侵食していく、反英雄ミリタリー学園ファンタジー。
悪役令嬢にされたので婚約破棄を受け入れたら、なぜか全員困っています
かきんとう
恋愛
王城の大広間は、いつも以上に華やいでいた。
磨き上げられた床は燭台の光を反射し、色とりどりのドレスが揺れるたびに、まるで花畑が動いているかのように見える。貴族たちの笑い声、楽団の優雅な旋律、そして、ひそやかな噂話が、空気を満たしていた。
その中心に、私は立っていた。
――今日、この瞬間のために。
「エレノア・フォン・リーベルト嬢」
高らかに呼ばれた私の名に、ざわめきがぴたりと止む。
家族に忘れられていた第五王子は愛され生活を送る
りーさん
ファンタジー
アズール王国の王宮には、多くの王子や王女が住んでいる蒼星宮という宮がある。
その宮にはとある噂が広まっていた。併設されている図書館に子どもの幽霊が現れると。
そんなある日、図書館に出入りしていた第一王子は子どものような人影を見かける。
その時、父である国王にすら忘れられ、存在を知られていなかった第五王子の才覚が露になっていく。
虐げられた前王の子に転生しましたが、マイペースに規格外でいきます!
竜鳴躍
ファンタジー
気が付いたら転生していました。
でも王族なのに、離宮に閉じ込められたまま。学校も行けず、家庭教師もつけてもらえず、世話もされず。社交にも出られず。
何故なら、今の王様は急逝した先代の陛下……僕の父の弟だから。
王様夫婦には王子様がいて、その子が次期王太子として学校も行って、社交もしている。
僕は邪魔なんだよね。分かってる。
先代の王の子を大切に育てたけど、体が弱い出来損ないだからそのまま自分の子が跡を継ぎますってしたいんだよね。
そんなに頑張らなくても僕、王位なんていらないのに~。
だって、いつも誰かに見られていて、自分の好きなことできないんでしょ。
僕は僕の好きなことをやって生きていきたい。
従兄弟の王太子襲名の式典の日に、殺されちゃうことになったから、国を出ることにした僕。
だけど、みんな知らなかったんだ。
僕がいなくなったら困るってこと…。
帰ってきてくれって言われても、今更無理です。
2026.03.30 内容紹介一部修正
落ちこぼれの貴族、現地の人達を味方に付けて頑張ります!
ユーリ
ファンタジー
気がつくと、見知らぬ部屋のベッドの上で、状況が理解できず混乱していた僕は、鏡の前に立って、あることを思い出した。
ここはリュカとして生きてきた異世界で、僕は“落ちこぼれ貴族の息子”だった。しかも最悪なことに、さっき行われた絶対失敗出来ない召喚の儀で、僕だけが失敗した。
そのせいで、貴族としての評価は確実に地に落ちる。けれど、両親は超が付くほど過保護だから、家から追い出される心配は……たぶん無い。
問題は一つ。
兄様との関係が、どうしようもなく悪い。
僕は両親に甘やかされ、勉強もサボり放題。その積み重ねのせいで、兄様との距離は遠く、話しかけるだけで気まずい空気に。
このまま兄様が家督を継いだら、屋敷から追い出されるかもしれない!
追い出されないように兄様との関係を改善し、いざ追い出されても生きていけるように勉強して強くなる!……のはずが、勉強をサボっていたせいで、一般常識すら分からないところからのスタートだった。
それでも、兄様との距離を縮めようと努力しているのに、なかなか縮まらない! むしろ避けられてる気さえする!!
それでもめげずに、今日も兄様との関係修復、頑張ります!
5/9から小説になろうでも掲載中