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第70話 お勧めで
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「………………」
「ビビり過ぎだぞ」
「だ、だって……なんか、別世界みたいだからさ」
変装用のマジックアイテムを使用した三人は背丈こそ変わっていないが、見た目はかなり変わっていた。
「確かに、それは解らなくもねぇな」
「何度も来るようになれば、そのうち慣れるぞ」
「……そもそも、僕たちが何度も来て良いような場所なの?」
ガルフの中にも、もやもやとした言葉では言い表しにくい罪悪感があった。
「別に構わないだろ。つか、寮生活してる俺らにとっちゃ、定期的に来たい場所なんじゃないか」
「イシュドの言う通りだぜ、ガルフ。性欲は適度に発散させておかないとな」
寮生活の場合、当然だがルームメイトがいる。
一人の時を狙てであればまだしも、就寝時間にもぞもぞするのは……よっぽど無神経な者でなければ、中々致せない。
「それはそうかもしれないけど……ど、どうすれば良いの?」
「店に入ったらか? ずらっと嬢が並んでるから、好きな人を選んでお金を払って、部屋に行くだけだ。童貞か否かって……訊かれなくても、自分から童貞ですって言った方が良いらしいぞ」
「ちょ、ちょっと恥ずかしいけど、それが失敗しない方法、なの?」
「らしいぜ。っと、見えてきたな」
見えてきた……視線の先には、明らかに他の店とは外装のレベルが違う店があった。
「い、いいいいイシュド。もしかしなくても、ぁ……あのお店に、入るの?」
「そうだよ。ここまで来たんだ、逃げたら勿体ねぇだけだぜ」
「イシュドの言う通りだぜ、ガルフ」
男友達二人に引っ張られ、夜のお店に連れて行かれたガルフ。
(っ!!!!???? な、なんだ……ここ?)
まず目に飛び込んできたのは、イシュドが説明してくれていた……お店に在籍している多くの嬢たちが椅子に座って並んでいる光景。
そしてこれまで嗅いだことがない……誘惑という言葉が濃縮された匂いに包み込まれる。
「ほら、ガルフ。あのお姉さん達が番号の付いた札を持ってるだろ。気に入った人の番号を黒服の従業員に伝えるんだ」
「わ、わわわ分かった」
イシュドとフィリップは慣れた様子で相手を選ぶが……初めての場所、これから初体験ということもあり、ガルフのテンパり度はマックス状態だった。
(あちゃ~~~。こりゃ自力で選ぶのは無理そうかな)
ガルフが直ぐに決められそうではなかった為、助け舟を出すイシュド。
「すいません。こいつ、こういう店に来るっていうか、そういう事が今日初めてなんですけど、そういうのが得意人ってどの人ですかね」
「そういう事でしたか。そうですねぇ……」
声を掛けられた黒服の従業員は真剣な表情で考え……今日が色々と初めてであるガルフに、何名かの嬢を紹介。
「そ、それじゃあ」
従業員から候補を提案してもらったおかげで、ガルフも相手を決定。
「んじゃ、楽しんでこいよ、ガルフ」
ガルフの分はイシュドが支払い、三人共別々の部屋に嬢と入り、九十分ほど楽しみ続け……ほぼ同じタイミングでエントランスで再集合。
「ふぅ~~~、発散できた~~~~。んで、ガルフ。どうだったよ」
「え、えっと……なんて、言うか」
「いや、ちょっと待て。どうせなら酒を呑みながら話そうぜ」
「酒ね。それなら、良いバーを知ってるぜ」
「おっ、流石フィリップ!!」
まだ門限まで時間があるため、三人はフィリップお勧めのバーで語り合う……と言うよりも、二人がガルフの初体験に関してあれこれ訊き続けた。
「っし、そろそろ戻るとするか」
どれだけ激闘祭で優秀な成績を残したとしても、門限を破れば面倒が待っている。
三人は門限……ぎりぎりで寮に戻ることに成功し、セーフ。
「ガルフ、また行きてぇか?」
ベッドに入ってから、今日初めて大人のお店に行ったガルフに、また行きたいかと尋ねるイシュド。
イシュドとしては、いつでもウェルカムである。
「……良い体験を出来たとは思う。イシュドには凄く感謝してるけど……でも、あんまり何度も何度も行くのは……なんか、駄目かなって思いもあるんだ」
「ふ~~~~ん? まっ、それはそれで良いんじゃないのか? うちの騎士に、給料の大半をあぁいった店で消費しちまう奴がいるんだけど、そうなるよりは全然良いと思うぜ」
寧ろ、イシュドとしてはガルフほど興味深い存在が、あぁいった場所にハマり過ぎないようで安心した部分もあった。
「よぅ、ちょっと良いか」
「えっ!? あ、はい」
翌日、イシュドたちは自分たちとお茶会をしないかと提案してきた令嬢たちに、了承の返事を返し……それから三日後の昼に、三対三のお茶会が開かれた。
「何が流行とかはいまいち分からんかったから、菓子は店員のお勧めを買ってきたが、こんな感じで良かったか?」
「も、勿論です」
紅茶はお茶会を提案してきた令嬢たちが、お菓子はイシュドたちが用意することになり、イシュドは口にした通り本当に流行り云々を知らなかったため、王都で有名な店で店員のお勧めを一通り購入した。
(つっても、お茶会って何すんだろうな~~)
レグラ家の次男であるダンテと紅茶を飲みながら話し合うことは何度もあったが、女性とのお茶会はガルフだけではなく、イシュドも今日が初めてだった。
「ん? この味…………クレスタって街で採れるやつか?」
「えぇ、その通りですが……もしかして、紅茶が趣味の一つなのですか?」
令嬢達が用意した紅茶は、最上級とまではいかずとも、上級と呼べる物。
何だかんだでフィリップは公爵家の令息。
辺境の野蛮蛮族だのなんだの言われているが、イシュドも辺境伯の令息。
基本的には彼女たちよりも実家の爵位は上であるため、なんとか上等な物を用意したが……イシュドが産地を当てるとは全く予想していなかった。
「いや、俺の趣味じゃない。ただ、うちの次男……ダンテ兄さんが変わった人でな。うちの実家には似合わないタイプ……つっても、オーガぐらいなら素手で殴り殺せるから、別に似合っていないってわけじゃないか」
「あれだよね。クールな見た目でメガネをかけてて、魔法職らしい見た目をしてるんだけど、パワーも半端じゃないお兄さんだよね」
「そうなんだよな~~~。マジで魔法職に就いてるのに、杖で殴るどころか拳で殴り倒したからな……さすがに俺もあの光景はびっくりした」
レグラ家の中にも魔法職に就く者がおり、しかもその令息は魔法職に就いていながら、オーガを素手で殴り殺せるパワーを持っている。
お茶会に似合う会話かどうかはさておき、令嬢たちにとってはとても衝撃的な会話内容であるのは間違いなかった。
「ビビり過ぎだぞ」
「だ、だって……なんか、別世界みたいだからさ」
変装用のマジックアイテムを使用した三人は背丈こそ変わっていないが、見た目はかなり変わっていた。
「確かに、それは解らなくもねぇな」
「何度も来るようになれば、そのうち慣れるぞ」
「……そもそも、僕たちが何度も来て良いような場所なの?」
ガルフの中にも、もやもやとした言葉では言い表しにくい罪悪感があった。
「別に構わないだろ。つか、寮生活してる俺らにとっちゃ、定期的に来たい場所なんじゃないか」
「イシュドの言う通りだぜ、ガルフ。性欲は適度に発散させておかないとな」
寮生活の場合、当然だがルームメイトがいる。
一人の時を狙てであればまだしも、就寝時間にもぞもぞするのは……よっぽど無神経な者でなければ、中々致せない。
「それはそうかもしれないけど……ど、どうすれば良いの?」
「店に入ったらか? ずらっと嬢が並んでるから、好きな人を選んでお金を払って、部屋に行くだけだ。童貞か否かって……訊かれなくても、自分から童貞ですって言った方が良いらしいぞ」
「ちょ、ちょっと恥ずかしいけど、それが失敗しない方法、なの?」
「らしいぜ。っと、見えてきたな」
見えてきた……視線の先には、明らかに他の店とは外装のレベルが違う店があった。
「い、いいいいイシュド。もしかしなくても、ぁ……あのお店に、入るの?」
「そうだよ。ここまで来たんだ、逃げたら勿体ねぇだけだぜ」
「イシュドの言う通りだぜ、ガルフ」
男友達二人に引っ張られ、夜のお店に連れて行かれたガルフ。
(っ!!!!???? な、なんだ……ここ?)
まず目に飛び込んできたのは、イシュドが説明してくれていた……お店に在籍している多くの嬢たちが椅子に座って並んでいる光景。
そしてこれまで嗅いだことがない……誘惑という言葉が濃縮された匂いに包み込まれる。
「ほら、ガルフ。あのお姉さん達が番号の付いた札を持ってるだろ。気に入った人の番号を黒服の従業員に伝えるんだ」
「わ、わわわ分かった」
イシュドとフィリップは慣れた様子で相手を選ぶが……初めての場所、これから初体験ということもあり、ガルフのテンパり度はマックス状態だった。
(あちゃ~~~。こりゃ自力で選ぶのは無理そうかな)
ガルフが直ぐに決められそうではなかった為、助け舟を出すイシュド。
「すいません。こいつ、こういう店に来るっていうか、そういう事が今日初めてなんですけど、そういうのが得意人ってどの人ですかね」
「そういう事でしたか。そうですねぇ……」
声を掛けられた黒服の従業員は真剣な表情で考え……今日が色々と初めてであるガルフに、何名かの嬢を紹介。
「そ、それじゃあ」
従業員から候補を提案してもらったおかげで、ガルフも相手を決定。
「んじゃ、楽しんでこいよ、ガルフ」
ガルフの分はイシュドが支払い、三人共別々の部屋に嬢と入り、九十分ほど楽しみ続け……ほぼ同じタイミングでエントランスで再集合。
「ふぅ~~~、発散できた~~~~。んで、ガルフ。どうだったよ」
「え、えっと……なんて、言うか」
「いや、ちょっと待て。どうせなら酒を呑みながら話そうぜ」
「酒ね。それなら、良いバーを知ってるぜ」
「おっ、流石フィリップ!!」
まだ門限まで時間があるため、三人はフィリップお勧めのバーで語り合う……と言うよりも、二人がガルフの初体験に関してあれこれ訊き続けた。
「っし、そろそろ戻るとするか」
どれだけ激闘祭で優秀な成績を残したとしても、門限を破れば面倒が待っている。
三人は門限……ぎりぎりで寮に戻ることに成功し、セーフ。
「ガルフ、また行きてぇか?」
ベッドに入ってから、今日初めて大人のお店に行ったガルフに、また行きたいかと尋ねるイシュド。
イシュドとしては、いつでもウェルカムである。
「……良い体験を出来たとは思う。イシュドには凄く感謝してるけど……でも、あんまり何度も何度も行くのは……なんか、駄目かなって思いもあるんだ」
「ふ~~~~ん? まっ、それはそれで良いんじゃないのか? うちの騎士に、給料の大半をあぁいった店で消費しちまう奴がいるんだけど、そうなるよりは全然良いと思うぜ」
寧ろ、イシュドとしてはガルフほど興味深い存在が、あぁいった場所にハマり過ぎないようで安心した部分もあった。
「よぅ、ちょっと良いか」
「えっ!? あ、はい」
翌日、イシュドたちは自分たちとお茶会をしないかと提案してきた令嬢たちに、了承の返事を返し……それから三日後の昼に、三対三のお茶会が開かれた。
「何が流行とかはいまいち分からんかったから、菓子は店員のお勧めを買ってきたが、こんな感じで良かったか?」
「も、勿論です」
紅茶はお茶会を提案してきた令嬢たちが、お菓子はイシュドたちが用意することになり、イシュドは口にした通り本当に流行り云々を知らなかったため、王都で有名な店で店員のお勧めを一通り購入した。
(つっても、お茶会って何すんだろうな~~)
レグラ家の次男であるダンテと紅茶を飲みながら話し合うことは何度もあったが、女性とのお茶会はガルフだけではなく、イシュドも今日が初めてだった。
「ん? この味…………クレスタって街で採れるやつか?」
「えぇ、その通りですが……もしかして、紅茶が趣味の一つなのですか?」
令嬢達が用意した紅茶は、最上級とまではいかずとも、上級と呼べる物。
何だかんだでフィリップは公爵家の令息。
辺境の野蛮蛮族だのなんだの言われているが、イシュドも辺境伯の令息。
基本的には彼女たちよりも実家の爵位は上であるため、なんとか上等な物を用意したが……イシュドが産地を当てるとは全く予想していなかった。
「いや、俺の趣味じゃない。ただ、うちの次男……ダンテ兄さんが変わった人でな。うちの実家には似合わないタイプ……つっても、オーガぐらいなら素手で殴り殺せるから、別に似合っていないってわけじゃないか」
「あれだよね。クールな見た目でメガネをかけてて、魔法職らしい見た目をしてるんだけど、パワーも半端じゃないお兄さんだよね」
「そうなんだよな~~~。マジで魔法職に就いてるのに、杖で殴るどころか拳で殴り倒したからな……さすがに俺もあの光景はびっくりした」
レグラ家の中にも魔法職に就く者がおり、しかもその令息は魔法職に就いていながら、オーガを素手で殴り殺せるパワーを持っている。
お茶会に似合う会話かどうかはさておき、令嬢たちにとってはとても衝撃的な会話内容であるのは間違いなかった。
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