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第162話 どれを受ける?
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同級生から「一緒に訓練をさせてほしい!!!」という申し出を断ってから既に一週間が過ぎた。
その間、未だあまりよろしくない貴族思考が残る者たちから何かされるこちはなく、街中に繰り出しても裏の組織に属する者たちに命を狙われることもなかった。
「う~~~っす、なんか用? 会長パイセン」
そしてイシュドたちは放課後、担任の教師であるバイロンから生徒会室に向かえと伝えられ、言われた通り訓練を始める前に生徒会室へと向かった。
「えぇ、勿論あなた達に用があって呼びました」
生徒会室にはクリスティール以外にも三人の生徒会職員がおり、その内の一人……イシュドからインテリメガネパイセンと呼ばれてる生徒は軽くため息を吐いた。
「イシュド・レグラ君。その会長の呼び方、どうにかならないかね。他の学生たちが面をしたらどうする」
「相変わらずインテリメガネパイセンは面倒な事考えてるね~~~。そんな呼び方したら双剣で首チョンパされるって解ってんだから、真似する生徒はいないだろ」
「イシュド君、私はシリアルキラーではありませんよ」
本人が言う通り、クリスティールには好き好んで人を殺す趣味、短気さはない。
「さぁ、五人とも座ってください」
イシュド、ガルフ、フィリップ、ミシェラ、イブキ。
今回呼ばれたのはこの五人のみ。
夏休みが終わるまで、途中参加ではあるが共にレグラ家で過ごした第五王子、アドレスはいない。
「早速ですが、学園に依頼が届いています」
書記を担当している明るい二年生の女子生徒がテーブルに多数の依頼書を並べていく。
「は~~い! これが依頼書だよ!!!」
「…………会長パイセンたちが、俺達ならやれると思って選んだ依頼、ってことか」
「そうだよ! 勿論、私たちもちゃんと考えたよ~~~」
(……他の二年ならふざけんなって思うが、激闘祭に参加してたこの人たちなら、まぁ納得出来るか)
学生たちを束ねる組織の者たちが、冷静にしっかりと選んだ……依頼書の数は、全部で三十枚。
「……会長パイセン、これって多いのか?」
「えぇ、勿論多いですよ。確かに二年生になれば一応自由に選ぶことは権利はありますが、私たち……教師たちが制限する権利があります。まだイシュド君たちが一年生ということを考えれば、非常に広く選べる結果となりました」
「ふ~~~~~ん……」
イシュドはひとまずテーブルに並べられた依頼書を一枚ずつ確認していった。
特に五人の中でリーダーを決めている訳ではない。
ただ……五人の中で、確実に一番強いのはイシュドだった。
それは犬猿の仲であるミシェラも認めており、イシュドが一人で依頼書を確認していく姿を見ても……特に文句を口にすることはなかった。
「………………会長パイセン、もうちょい良い依頼はねぇの?」
だが、全ての依頼書を見終えた結果、イシュドが受けても良いと思える内容はなかった。
「……私たちなりに、色々と考えて選んだのですが」
「うん、そうだな。並みの一年なら死ぬような依頼がわんさかある。考えて選んだって話は信用出来るよ。けどよ……これじゃあ、俺がこいつらの子守りになるだけだろ」
イシュドの言葉通り、依頼書に記されている内容は、どれも並ではなくとも……高等部の一年生が受ければ、全滅待ったなしのものばかりである。
ただ、イシュド・レグラという人間が……傍に居ても良いと思った同級生たち。
激闘祭を越え、彼の実家で一般的に見れば地獄とも思える訓練漬けの日々を越え、自分の力にした彼らであれば……生きて帰ってこれる可能性の方が高い。
しかし、そこにイシュドという学生がいれば、非常に安全性の高い依頼になってしまう。
「イシュド・レグラ君。学生たちが受ける依頼とは、本来無事帰還出来る確率が高いものを選び、学園側も用意するものだ。冒険者たちが受ける依頼とは似て非なるものなのだよ」
「ガルフはともかく、フィリップは公爵家の人間でデカパイは侯爵家の人間、イブキは他国からの留学生だからか?」
「解っているじゃないか。私も君の力を感じ取ったからこそ、それらの依頼内容を君たちが受けることに賛同した」
三十枚の依頼書の中には……Bランクモンスターの討伐依頼も入っている。
当然の事ながら、三年生であっても受けられる生徒は限られている。
そんな依頼を、彼らはガルフたちが受けても良いと判断した。
これはイシュドだけではなく、ガルフたちの実力も冷静に下した判断だった。
「あっそ。そりゃ結構なことだが、やっぱり足りねぇよ。Bランクつっても……うちの領にいるBランクと比べればなぁ~~~~」
「っ……君は、仮に友人が死んでも構わないと言うのか」
本来であれば、Bランクモンスターの討伐は三次転職が出来るレベルに近づいた者で……ギリギリ。
三次転職を果たしていたとしても、なりたての坊やでは死ぬ可能性も十分あり得る。
「んな簡単に死ぬ鍛え方はしてねぇよ。なぁ、会長パイセン。別にAランクモンスターの討伐依頼を出してとは言わねぇけど、なんかもっと面白い依頼はねぇの?」
(((来るわけないに決まっているだろ(だろう)(でしょ)!!!)))
役員三人は、心の中で盛大にツッコんだ。
戦闘職を志す貴族の令息、令嬢は強い。
それはある程度の常識ではあるが、それでも限度がある。
稀に……本当に稀に、常識という概念を粉々に砕き潰す者は現れるが……それでも、Bランクをソロで討伐するのが限度である。
その稀な存在に該当しうる学生……クリスティールは目を閉じて少し考え込んだ後……一つの書類を取り出し、テーブルの上に置いた。
「こちらは、調査系の依頼書です」
「調査系? 討伐系じゃなくて、か?」
「その通りです。基本的には討伐系よりも評価に繋がりにくい依頼ですが、場合によっては討伐系以上の評価に繋がる依頼です」
「ほ~~~~ん。んで、こいつを出してなかった理由は?」
「……個人的な、勘です」
「個人的な勘ねぇ………………まっ、会長パイセンの勘なら、全く信用出来ねぇとは言えねぇかな」
そう言いながらイシュドは新たな依頼書に書かれてある内容を読み……そして、薄っすらと口端を吊り上げた。
その間、未だあまりよろしくない貴族思考が残る者たちから何かされるこちはなく、街中に繰り出しても裏の組織に属する者たちに命を狙われることもなかった。
「う~~~っす、なんか用? 会長パイセン」
そしてイシュドたちは放課後、担任の教師であるバイロンから生徒会室に向かえと伝えられ、言われた通り訓練を始める前に生徒会室へと向かった。
「えぇ、勿論あなた達に用があって呼びました」
生徒会室にはクリスティール以外にも三人の生徒会職員がおり、その内の一人……イシュドからインテリメガネパイセンと呼ばれてる生徒は軽くため息を吐いた。
「イシュド・レグラ君。その会長の呼び方、どうにかならないかね。他の学生たちが面をしたらどうする」
「相変わらずインテリメガネパイセンは面倒な事考えてるね~~~。そんな呼び方したら双剣で首チョンパされるって解ってんだから、真似する生徒はいないだろ」
「イシュド君、私はシリアルキラーではありませんよ」
本人が言う通り、クリスティールには好き好んで人を殺す趣味、短気さはない。
「さぁ、五人とも座ってください」
イシュド、ガルフ、フィリップ、ミシェラ、イブキ。
今回呼ばれたのはこの五人のみ。
夏休みが終わるまで、途中参加ではあるが共にレグラ家で過ごした第五王子、アドレスはいない。
「早速ですが、学園に依頼が届いています」
書記を担当している明るい二年生の女子生徒がテーブルに多数の依頼書を並べていく。
「は~~い! これが依頼書だよ!!!」
「…………会長パイセンたちが、俺達ならやれると思って選んだ依頼、ってことか」
「そうだよ! 勿論、私たちもちゃんと考えたよ~~~」
(……他の二年ならふざけんなって思うが、激闘祭に参加してたこの人たちなら、まぁ納得出来るか)
学生たちを束ねる組織の者たちが、冷静にしっかりと選んだ……依頼書の数は、全部で三十枚。
「……会長パイセン、これって多いのか?」
「えぇ、勿論多いですよ。確かに二年生になれば一応自由に選ぶことは権利はありますが、私たち……教師たちが制限する権利があります。まだイシュド君たちが一年生ということを考えれば、非常に広く選べる結果となりました」
「ふ~~~~~ん……」
イシュドはひとまずテーブルに並べられた依頼書を一枚ずつ確認していった。
特に五人の中でリーダーを決めている訳ではない。
ただ……五人の中で、確実に一番強いのはイシュドだった。
それは犬猿の仲であるミシェラも認めており、イシュドが一人で依頼書を確認していく姿を見ても……特に文句を口にすることはなかった。
「………………会長パイセン、もうちょい良い依頼はねぇの?」
だが、全ての依頼書を見終えた結果、イシュドが受けても良いと思える内容はなかった。
「……私たちなりに、色々と考えて選んだのですが」
「うん、そうだな。並みの一年なら死ぬような依頼がわんさかある。考えて選んだって話は信用出来るよ。けどよ……これじゃあ、俺がこいつらの子守りになるだけだろ」
イシュドの言葉通り、依頼書に記されている内容は、どれも並ではなくとも……高等部の一年生が受ければ、全滅待ったなしのものばかりである。
ただ、イシュド・レグラという人間が……傍に居ても良いと思った同級生たち。
激闘祭を越え、彼の実家で一般的に見れば地獄とも思える訓練漬けの日々を越え、自分の力にした彼らであれば……生きて帰ってこれる可能性の方が高い。
しかし、そこにイシュドという学生がいれば、非常に安全性の高い依頼になってしまう。
「イシュド・レグラ君。学生たちが受ける依頼とは、本来無事帰還出来る確率が高いものを選び、学園側も用意するものだ。冒険者たちが受ける依頼とは似て非なるものなのだよ」
「ガルフはともかく、フィリップは公爵家の人間でデカパイは侯爵家の人間、イブキは他国からの留学生だからか?」
「解っているじゃないか。私も君の力を感じ取ったからこそ、それらの依頼内容を君たちが受けることに賛同した」
三十枚の依頼書の中には……Bランクモンスターの討伐依頼も入っている。
当然の事ながら、三年生であっても受けられる生徒は限られている。
そんな依頼を、彼らはガルフたちが受けても良いと判断した。
これはイシュドだけではなく、ガルフたちの実力も冷静に下した判断だった。
「あっそ。そりゃ結構なことだが、やっぱり足りねぇよ。Bランクつっても……うちの領にいるBランクと比べればなぁ~~~~」
「っ……君は、仮に友人が死んでも構わないと言うのか」
本来であれば、Bランクモンスターの討伐は三次転職が出来るレベルに近づいた者で……ギリギリ。
三次転職を果たしていたとしても、なりたての坊やでは死ぬ可能性も十分あり得る。
「んな簡単に死ぬ鍛え方はしてねぇよ。なぁ、会長パイセン。別にAランクモンスターの討伐依頼を出してとは言わねぇけど、なんかもっと面白い依頼はねぇの?」
(((来るわけないに決まっているだろ(だろう)(でしょ)!!!)))
役員三人は、心の中で盛大にツッコんだ。
戦闘職を志す貴族の令息、令嬢は強い。
それはある程度の常識ではあるが、それでも限度がある。
稀に……本当に稀に、常識という概念を粉々に砕き潰す者は現れるが……それでも、Bランクをソロで討伐するのが限度である。
その稀な存在に該当しうる学生……クリスティールは目を閉じて少し考え込んだ後……一つの書類を取り出し、テーブルの上に置いた。
「こちらは、調査系の依頼書です」
「調査系? 討伐系じゃなくて、か?」
「その通りです。基本的には討伐系よりも評価に繋がりにくい依頼ですが、場合によっては討伐系以上の評価に繋がる依頼です」
「ほ~~~~ん。んで、こいつを出してなかった理由は?」
「……個人的な、勘です」
「個人的な勘ねぇ………………まっ、会長パイセンの勘なら、全く信用出来ねぇとは言えねぇかな」
そう言いながらイシュドは新たな依頼書に書かれてある内容を読み……そして、薄っすらと口端を吊り上げた。
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