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第177話 離さない
「ジャァァアアアアッ!!!!!」
「ぐっ!!!!」
「おわっ!!??」
戦闘が始まってから五分以上が経過。
四人の連携、セオリーを外すタイミングなどを見極め始めた鬼竜・尖。
四肢とロングソードだけではなく、尾という絶対に人間にはない武器まで使い始め、攻勢に出始めた。
(この個体、乱れ裂きだけではなく、鋭咬牙までっ!!!!!)
既に多くの手札を公開しているミシェラ。
元から出し惜しみするような相手ではないことは解っており、戦闘中は最善と言えるタイミングでスキル技を発動していた。
にもかかわらず、鬼竜・尖の体を傷付けたのはたったの数回。
それはミシェラに限らず、他三人の攻撃も同じだった。
いくら特殊な個体と言えど、現段階では完全無欠のイレギュラーモンスターとは言えない。
ガルフたちでも十分に渡り合う、ことは出来る。
ただ……あまりにも学習能力が高かった。
(ん~~~~…………ここまでか?)
そろそろ自分が変わろうかと、イシュドが一歩足を前に出した瞬間……森が揺れた。
「うぉおおおおおおおォォォオオオオオオオオオア゛ア゛ア゛ッ!!!!!!!!」
「っ……まだ、だったか」
残念という気持ち、これからの展開に膨らむ期待。
雄叫びの主は……ガルフ。
(甘えるな!!! 命を、懸けろ!!!!!!!!)
決して、四人は全力で戦っていなかった訳ではない。
鬼竜・尖……オーガとリザードマンの融合体という非常にイレギュラーな存在を討伐するため、全力で立ち向かっていた。
ただ、四人の中に生き残りたいという気持ちが残っていた。
当然と言えば当然の気持ちであり、四人の未来を考えれば……ここで死んで良い存在ではない。
「うおらッ!!!!!!」
多少斬れたところで、知ったことか!!!!!! と言いたげな危ういカウンターを叩き込むガルフ。
結果として仕留めるには至らなかったが、鬼竜・尖の胸部を裂いた。
(ったくよぉ……熱くなり過ぎなんじゃねぇの?)
友人の熱過ぎる闘争心に、フィリップは心でツッコミつつも……顔には小さな笑みが浮かんでいた。
(平民の彼が、本当の意味で……死地に脚を踏み入れた…………今ここで踏み込まず、どうするか!!!!!!!!!)
ガルフの死を恐れない闘争心に、侍の血が感化される。
(こうなれば、多少のズレは無視すべきですわね!!!!!)
普段であれば、連携にミスが起こることを嫌う。
数の利点を活かさなければならないという彼女の意見は、決して間違っていない。
だが……ミシェラには、今自分が経っている戦場で、何を優先しなければならないのか……それを見極めるだけの感覚は持ち得ていた。
(おっほっほーーーーー。良いじゃん良いじゃん!! ガルフに釣られて、他三人も荒々しくなったんじゃねぇの?)
ガルフが吼え、戦い方を変えた。
そこから戦況が一気に変化したとは言えないが、それでも鬼竜・尖に対する堅く強いというイメージが払しょくされ、全員に活力が戻った。
(戦況がひっくり返ったとはいえねぇが、それでも向こうが攻撃すればこっちが守って、今度はこっちが攻撃して向こうが守る……良い感じにシーソーゲームになってきたな)
連携にミスが乗じれば、逆に鬼竜・尖が戦い易くなるのではと思われるが……それをフィリップという普段はちゃらんぽらん男が許さなかった。
遠距離からの雷魔法だけではなく、時には懐に迫る様な動きで常に鬼竜・尖の意識に潜り込む。
(フィリップがクソ必死になってサポートしてるお陰で、三人の荒さが残る攻めが成り立ってる……それに、あのデカパイ…………わざわざ主役になろうとしねぇのはちょっと意外だったな)
ミシェラもガルフの死を恐れぬ熱過ぎる闘争心に感化され、攻めの姿勢の荒さと強さが加わった。
だが……そんな中でも狙う部分は心臓や首、頭部といった解り易い急所ではなく、第三の武器である尻尾だった。
死角からの一撃を放った思えば、まるで後ろが見えているのかと思ってしまうほど的確に尾が攻撃を弾く。
まさに己の四肢、そしてロングソードに続く鬼竜・尖の第三の武器。
加えて、ロングソードの様に砕かれれば使えなくなるということはなく、鬼竜・尖の能力によって再生が可能。
見方によっては狙うだけ無駄と思われるかもしれないが、ミシェラはずっと観察し続けていた……自分たちの攻撃によって刻まれた切傷が再生される速さを。
(尾がなくなれば、再生するまでというリミット付きではあるが、間違いなく武器が減る。というか、切断出来れば再生出来ても痛みはあるだろうから、大きな隙が生まれるのは間違いない。けど…………斬れても、切断まではいけるか?)
先を少し切断するだけでは意味がない。
根元に近い部分から切断しなければ、隙と言える隙は生まれない。
ミシェラの技量を侮っている訳ではないが、それでも実行出来る確率が高いとは思えない程……戦闘相手である鬼竜・尖の実力が高い。
「…………お、はっ!!! はっはっは!!!!!! 良いじゃん……良いじゃん良いじゃん!!! ナイスガッツじゃねぇか、デカパイ!!!!!」
イシュドの視界の先では……なんと、双剣の片方を手放し、リザードマンの尾にしがみ付くミシェラがいた。
(うっ、くっ!!!??? 解っては、いましたけど……うぐっ!!??)
敢えて躱すのではなく、尾撃による一撃受け止め、そのまましがみ付くという強硬策に出た。
当たり前だが……物凄く危険である。
地面や木々に叩きつけられれば、それだけで大ダメージとなる。
(やると、決めたからにはッ!!!!!!!!)
それでも、ミシェラはしがみ付いた尾から離れず……片手に残した双剣の刃で、第三の武器を斬り落とした。
「ぐっ!!!!」
「おわっ!!??」
戦闘が始まってから五分以上が経過。
四人の連携、セオリーを外すタイミングなどを見極め始めた鬼竜・尖。
四肢とロングソードだけではなく、尾という絶対に人間にはない武器まで使い始め、攻勢に出始めた。
(この個体、乱れ裂きだけではなく、鋭咬牙までっ!!!!!)
既に多くの手札を公開しているミシェラ。
元から出し惜しみするような相手ではないことは解っており、戦闘中は最善と言えるタイミングでスキル技を発動していた。
にもかかわらず、鬼竜・尖の体を傷付けたのはたったの数回。
それはミシェラに限らず、他三人の攻撃も同じだった。
いくら特殊な個体と言えど、現段階では完全無欠のイレギュラーモンスターとは言えない。
ガルフたちでも十分に渡り合う、ことは出来る。
ただ……あまりにも学習能力が高かった。
(ん~~~~…………ここまでか?)
そろそろ自分が変わろうかと、イシュドが一歩足を前に出した瞬間……森が揺れた。
「うぉおおおおおおおォォォオオオオオオオオオア゛ア゛ア゛ッ!!!!!!!!」
「っ……まだ、だったか」
残念という気持ち、これからの展開に膨らむ期待。
雄叫びの主は……ガルフ。
(甘えるな!!! 命を、懸けろ!!!!!!!!)
決して、四人は全力で戦っていなかった訳ではない。
鬼竜・尖……オーガとリザードマンの融合体という非常にイレギュラーな存在を討伐するため、全力で立ち向かっていた。
ただ、四人の中に生き残りたいという気持ちが残っていた。
当然と言えば当然の気持ちであり、四人の未来を考えれば……ここで死んで良い存在ではない。
「うおらッ!!!!!!」
多少斬れたところで、知ったことか!!!!!! と言いたげな危ういカウンターを叩き込むガルフ。
結果として仕留めるには至らなかったが、鬼竜・尖の胸部を裂いた。
(ったくよぉ……熱くなり過ぎなんじゃねぇの?)
友人の熱過ぎる闘争心に、フィリップは心でツッコミつつも……顔には小さな笑みが浮かんでいた。
(平民の彼が、本当の意味で……死地に脚を踏み入れた…………今ここで踏み込まず、どうするか!!!!!!!!!)
ガルフの死を恐れない闘争心に、侍の血が感化される。
(こうなれば、多少のズレは無視すべきですわね!!!!!)
普段であれば、連携にミスが起こることを嫌う。
数の利点を活かさなければならないという彼女の意見は、決して間違っていない。
だが……ミシェラには、今自分が経っている戦場で、何を優先しなければならないのか……それを見極めるだけの感覚は持ち得ていた。
(おっほっほーーーーー。良いじゃん良いじゃん!! ガルフに釣られて、他三人も荒々しくなったんじゃねぇの?)
ガルフが吼え、戦い方を変えた。
そこから戦況が一気に変化したとは言えないが、それでも鬼竜・尖に対する堅く強いというイメージが払しょくされ、全員に活力が戻った。
(戦況がひっくり返ったとはいえねぇが、それでも向こうが攻撃すればこっちが守って、今度はこっちが攻撃して向こうが守る……良い感じにシーソーゲームになってきたな)
連携にミスが乗じれば、逆に鬼竜・尖が戦い易くなるのではと思われるが……それをフィリップという普段はちゃらんぽらん男が許さなかった。
遠距離からの雷魔法だけではなく、時には懐に迫る様な動きで常に鬼竜・尖の意識に潜り込む。
(フィリップがクソ必死になってサポートしてるお陰で、三人の荒さが残る攻めが成り立ってる……それに、あのデカパイ…………わざわざ主役になろうとしねぇのはちょっと意外だったな)
ミシェラもガルフの死を恐れぬ熱過ぎる闘争心に感化され、攻めの姿勢の荒さと強さが加わった。
だが……そんな中でも狙う部分は心臓や首、頭部といった解り易い急所ではなく、第三の武器である尻尾だった。
死角からの一撃を放った思えば、まるで後ろが見えているのかと思ってしまうほど的確に尾が攻撃を弾く。
まさに己の四肢、そしてロングソードに続く鬼竜・尖の第三の武器。
加えて、ロングソードの様に砕かれれば使えなくなるということはなく、鬼竜・尖の能力によって再生が可能。
見方によっては狙うだけ無駄と思われるかもしれないが、ミシェラはずっと観察し続けていた……自分たちの攻撃によって刻まれた切傷が再生される速さを。
(尾がなくなれば、再生するまでというリミット付きではあるが、間違いなく武器が減る。というか、切断出来れば再生出来ても痛みはあるだろうから、大きな隙が生まれるのは間違いない。けど…………斬れても、切断まではいけるか?)
先を少し切断するだけでは意味がない。
根元に近い部分から切断しなければ、隙と言える隙は生まれない。
ミシェラの技量を侮っている訳ではないが、それでも実行出来る確率が高いとは思えない程……戦闘相手である鬼竜・尖の実力が高い。
「…………お、はっ!!! はっはっは!!!!!! 良いじゃん……良いじゃん良いじゃん!!! ナイスガッツじゃねぇか、デカパイ!!!!!」
イシュドの視界の先では……なんと、双剣の片方を手放し、リザードマンの尾にしがみ付くミシェラがいた。
(うっ、くっ!!!??? 解っては、いましたけど……うぐっ!!??)
敢えて躱すのではなく、尾撃による一撃受け止め、そのまましがみ付くという強硬策に出た。
当たり前だが……物凄く危険である。
地面や木々に叩きつけられれば、それだけで大ダメージとなる。
(やると、決めたからにはッ!!!!!!!!)
それでも、ミシェラはしがみ付いた尾から離れず……片手に残した双剣の刃で、第三の武器を斬り落とした。
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