チートはズルくて卑怯? バカ野郎、だから使うのが楽しいんだろう!!! ゲームのやり過ぎで死んだ大学生のセカンドライフ

Gai

文字の大きさ
23 / 80

第23話 豪快に一本

しおりを挟む
(……普通に勝ってそれで終わりって思ってたんだけど……物凄い形相でこっちを見てるな)

先程の勝負、紛れもなくユウゴの勝利だった。

レンが初めから全力で倒しにいかなかったという点はあるが、それはユウゴを嘗めてたレンが悪い。
ベテラン陣はそれを良く理解しており、ユウゴがウルとパーティーを組むのは未だによろしくないと思っているが、模擬戦の勝者は紛れもなくユウゴだったと認めている。

ただ、レンと同じルーキーの中には……先程レンが転んだ要因がスキルによるものだと解っておらず、転ばなければレンの勝ちだった。
大きな声でそう発現する者もいる。

実際に転んだレンも……自分の足に違和感は確かにあったが、それでも転ばなければ自分が勝っていたという思いが強く残っている。

そんな状態では、諦めように諦められない。

(なんか口から血を出す程噛んでる? それに、血涙を流しそうな眼力だな……しょうがない。もう一度勝っておくか)

身体能力にそこまで大きく差が開いていない相手との模擬戦は、良い経験になるからもう一戦だけ戦ってあげよう。

なんて優しい思いはなく、確実に勝てる算段があるからこそ、もう一度模擬戦に勝ってあと腐れをなくそうと決めた。

「不満があるなら、もう一度だけ戦うけど……どうする。なんなら、今度は君の得意な接近戦で戦うよ」

「っ!! ユウゴ、無理する必要はないぞ」

「大丈夫、無理してませんよ。ただ、こいつの顔を見てると……模擬戦の結果に不満がある状態にしていると、夜か冒険中に後ろから刺されそうな気がするんで」

「そ、そんなことする訳ないだろ!!!!!」

さすがにそこまで腐ってはいないと叫ぶレンだが、血涙を流しそうな表情で睨まれていたユウゴからすれば、そんな言葉……はいそうですかと簡単には信じられない。

「だったら俺を親の仇みたいに睨むのは止めてくれないか。そんな顔を向けられたら、不意打ちで殺されるのかと思ってしまうぞ」

戦いを観戦していたルーキーたちは気まずそうな表情をしていたが、ベテラン達は容赦なく、ウンウンと頷いてユウゴの言葉を肯定した。

「うぐっ!」

「それで、どうするんだ?」

「ッ……やるに決まってるだろ!!!」

「よし、それじゃあ開始線に戻るぞ」

何はともあれ、もう一度模擬戦を行うことに決定。
決まりかけていた賭けの決着が無効となり、しかも今度はユウゴが接近戦で相手をすると宣言した。

レンの勝ちに賭けていた者たちはこの流れに感謝し、先程よりも大きな声でレンを応援し始めた。
応援というよりも、脅迫に近い言葉もあるが……何はともあれ、ユウゴよりは断然声援の量が多い。

(さて……早い段階で視とくか。てか……不味いな)

ユウゴは亜空間から通常のマジックポーションを取り出し、サクッと魔力を補給。

「……お前は回復しなくて良いのか?」

「へっ!!! お前みたいに貧弱じゃないんだよ!!」

「…………あっそ。後で文句言うなよ」

先程と同じ者が審判を務め、再度模擬戦が行われた。

「はぁぁあああああああッ!!!!!!」

レンは開始と同時に駆け出し、身体強化と脚力強化のスキルを同時使用。
全身に魔力を纏って更に強化し、自身が出せる最大速度でユウゴに迫る。

勿論、その速度はユウゴの最大速度よりも速い。
真っ向から対応するには、いささか分が悪いが……ユウゴのチートスキルはオートエイムやサイキックだけではない。

(なるほど、そう来る感じか)

ユウゴは魔眼の能力の一つ……未来予知を使用。

レンのまずは右手に持つ双剣から攻撃しようとしているのを……体を後ろに反らしながら躱し、右足で重さが乗った蹴りを放つ。

「がっ!? ぐ、は!!??」

「ふんっ! はっ、おらっ!!!!」

ユウゴも最初から身体強化のスキルを使用しており、最初に綺麗に入れた蹴りのダメージが抜ける前にジャブ、フック、ローキックを決め……一気に攻め続ける。

現状では確かにレンの方が速いが、先手を取られた状態になると……ユウゴの動きを読み、カウンターを決めることが出来ない。

それ程までにユウゴの素手による攻撃の繋ぎは悪くなかった。

(……まだ目が死んでない!!!)

根性で自分の攻撃を耐え、カウンターを狙って来る。
そう予測したユウゴはもう一度未来予知を使い……先程と同じく右手に持つ双剣で攻撃してくるのビジョンが脳内に浮かぶ。

「よ、せいっ!!!!」

「のわっ! がはっ!!??」

斬撃を前に進みながら躱したユウゴはレンの右腕を両手で掴み、そのまま豪快に一本背負いを決めた。

「ふんっ!!!!!」

「ッ!!!???」

そしてぶん投げられ、地面に叩きつけられたレンの顔の横を思いっきり踏みつけた。

「さっきと同じ状況……ってことで良いよな」

「ッ!!…………クソがッ!!!!!!」

ただただ吠えることだけしか出来ず、レンは涙を流し……それが決着の合図となった。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす

黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。 4年前に書いたものをリライトして載せてみます。

ダンジョンをある日見つけた結果→世界最強になってしまった

仮実谷 望
ファンタジー
いつも遊び場にしていた山である日ダンジョンを見つけた。とりあえず入ってみるがそこは未知の場所で……モンスターや宝箱などお宝やワクワクが溢れている場所だった。 そんなところで過ごしているといつの間にかステータスが伸びて伸びていつの間にか世界最強になっていた!?

隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜

桜井正宗
ファンタジー
 能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。  スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。  真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。

幼馴染パーティーから追放された冒険者~所持していたユニークスキルは限界突破でした~レベル1から始まる成り上がりストーリー

すもも太郎
ファンタジー
 この世界は個人ごとにレベルの上限が決まっていて、それが本人の資質として死ぬまで変えられません。(伝説の勇者でレベル65)  主人公テイジンは能力を封印されて生まれた。それはレベルキャップ1という特大のハンデだったが、それ故に幼馴染パーティーとの冒険によって莫大な経験値を積み上げる事が出来ていた。(ギャップボーナス最大化状態)  しかし、レベルは1から一切上がらないまま、免許の更新期限が過ぎてギルドを首になり絶望する。  命を投げ出す決意で訪れた死と再生の洞窟でテイジンの封印が解け、ユニークスキル”限界突破”を手にする。その後、自分の力を知らず知らずに発揮していき、周囲を驚かせながらも一人旅をつづけようとするが‥‥ ※1話1500文字くらいで書いております

倒した魔物が消えるのは、僕だけのスキルらしいです

桐山じゃろ
ファンタジー
日常のなんでもないタイミングで右眼の色だけ変わってしまうという特異体質のディールは、魔物に止めを刺すだけで魔物の死骸を消してしまえる能力を持っていた。世間では魔物を消せるのは聖女の魔滅魔法のみ。聖女に疎まれてパーティを追い出され、今度は魔滅魔法の使えない聖女とパーティを組むことに。瞳の力は魔物を消すだけではないことを知る頃には、ディールは世界の命運に巻き込まれていた。

S級スキル『剣聖』を授かった俺はスキルを奪われてから人生が一変しました

白崎なまず
ファンタジー
この世界の人間の多くは生まれてきたときにスキルを持っている。スキルの力は強大で、強力なスキルを持つ者が貧弱なスキルしか持たない者を支配する。 そんな世界に生まれた主人公アレスは大昔の英雄が所持していたとされるSランク『剣聖』を持っていたことが明らかになり一気に成り上がっていく。 王族になり、裕福な暮らしをし、将来は王女との結婚も約束され盤石な人生を歩むアレス。 しかし物事がうまくいっている時こそ人生の落とし穴には気付けないものだ。 突如現れた謎の老人に剣聖のスキルを奪われてしまったアレス。 スキルのおかげで手に入れた立場は当然スキルがなければ維持することが出来ない。 王族から下民へと落ちたアレスはこの世に絶望し、生きる気力を失いかけてしまう。 そんなアレスに手を差し伸べたのはとある教会のシスターだった。 Sランクスキルを失い、この世はスキルが全てじゃないと知ったアレス。 スキルがない自分でも前向きに生きていこうと冒険者の道へ進むことになったアレスだったのだが―― なんと、そんなアレスの元に剣聖のスキルが舞い戻ってきたのだ。 スキルを奪われたと王族から追放されたアレスが剣聖のスキルが戻ったことを隠しながら冒険者になるために学園に通う。 スキルの優劣がものを言う世界でのアレスと仲間たちの学園ファンタジー物語。 この作品は小説家になろうに投稿されている作品の重複投稿になります

外れギフト魔石抜き取りの奇跡!〜スライムからの黄金ルート!婚約破棄されましたのでもうお貴族様は嫌です〜

KeyBow
ファンタジー
 この世界では、数千年前に突如現れた魔物が人々の生活に脅威をもたらしている。中世を舞台にした典型的なファンタジー世界で、冒険者たちは剣と魔法を駆使してこれらの魔物と戦い、生計を立てている。  人々は15歳の誕生日に神々から加護を授かり、特別なギフトを受け取る。しかし、主人公ロイは【魔石操作】という、死んだ魔物から魔石を抜き取るという外れギフトを授かる。このギフトのために、彼は婚約者に見放され、父親に家を追放される。  運命に翻弄されながらも、ロイは冒険者ギルドの解体所部門で働き始める。そこで彼は、生きている魔物から魔石を抜き取る能力を発見し、これまでの外れギフトが実は隠された力を秘めていたことを知る。  ロイはこの新たな力を使い、自分の運命を切り開くことができるのか?外れギフトを当りギフトに変え、チートスキルを手に入れた彼の物語が始まる。

パーティーを追放されるどころか殺されかけたので、俺はあらゆる物をスキルに変える能力でやり返す

名無し
ファンタジー
 パーティー内で逆境に立たされていたセクトは、固有能力取得による逆転劇を信じていたが、信頼していた仲間に裏切られた上に崖から突き落とされてしまう。近隣で活動していたパーティーのおかげで奇跡的に一命をとりとめたセクトは、かつての仲間たちへの復讐とともに、助けてくれた者たちへの恩返しを誓うのだった。

処理中です...