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少年期[1023]怪物と怪物
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(ふっふっふ……この様な怪物と戦えるとは、この上ない幸運!!)
「ゴルルゥアアアアッ!!!!」
心の中でワイズコングとの出会いに感謝するゲイル。
今現在……まだ、ゲイルは本気を出していない。
しかし、それはワイズコングも同じ。
複数の属性魔法を同時に放ち、杖を武器にして斬撃も放つ。
時折、超強烈なパンチも繰り出す。
これでもまだ、本気ではない。
(言ってみるものだな)
先日、イレースタイガーという強さだけではなく、戦い辛さも並ではないモンスターとルウナが戦った。
それを見て、ゼルートの戦闘欲に火が付いたのではないかと考えていた。
もしかしたら、少し前にイレースタイガーと戦ったにもかかわらず、ルウナが戦いたいと進言するかもしれない。
従魔という立場を考えれば、二人に譲るのが当然ではあるものの……久しぶりに現れた強敵に、ゲイルの闘争心に油と着火剤が放り込まれた。
結果、ダメもとで戦ってみたいと伝えると……なんとオッケーしてもらえた。
「フンッ!!!!!!」
「ッ!!!!!」
ついでに大地も斬り裂く斬撃を放つも、ワイズコングは幾重にも鋼鉄の壁を重ねて展開することで、なんとか耐え切ることに成功。
「セェエエエアアアアアアアッ!!!」
だが、ゲイルは即座に移動して再度斬撃波を放つ……のではなく、途中で斬撃波を止められてしまった鋼鉄の壁に対し、連続で刺突を放つ。
「っ!!!」
ワイズコングはゲイルが壁がないところから斬撃波を放つ、もしくは接近して斬撃を叩き込んでくるかと予想していたため、慌ててその場から回避した。
一度は止めたとはいえ、ゲイルが面白がって本気で突き破ろうとすれば、あっさりと壁としての役割を果たせなくなる。
「ルァアアアッ!!!!」
「受けて立とう」
慌てて回避したワイズコングは怒りを露にしながら火属性と風属性を混ぜ合わせた槍を放った。
並みのタンクが十に並んでも消し炭にされてしまう程の火力を有しており、発動までの時間などを考えると、多くの魔法使いたちが「わ、私は……私は、ゴリラ以下なのかーーーーーーーー!!!!!」といった感じで泣き叫んでしまう。
ゼルートがそんな泣き崩れる魔法使いたちの傍に居れば「大丈夫だよ。だって、ゴリラはあの見た目で森の賢者って学名? があるし」と慰める。
ただ、この世界でゴリラ系のモンスターに対し、森の賢者などといった二つ名、異名は付けられていないため、ゼルートに慰めの気持ちがあったとしても、完全に煽りと取られてしまう。
そのため、本当にその様な事態に発展すれば、戦争待ったなしである。
「破ッ!!!!!!」
そんなタンクだけではなく、ある意味魔法使いまで殺してしまう風炎槍を、ゲイルは気合一閃でスパッと切断してしまった。
「むっ!!」
見事ゲイルが切断した直後、足元から多数のアースランスが生え、あと一歩遅れていれば……少し痛いダメージが入っていた。
「良いぞッ!!! もっとお前の強さを見せてくれ!! それを、私は全て叩き斬るッ!!!!」
「ッ!! ゴルルアアアアアアッ!!!!!」
魔法、打撃、斬撃。全てを扱えるゴリラと、それらを全てぶった斬れる強さを秘めている紅のリザードマンの戦いは……まだまだ終わらない。
「ねぇ、ゼルート」
「なんだ?」
「あれ……大丈夫かしら」
今のところゲイルとワイズコングとの激闘は互角と言って良い内容である。
万が一に備えて助太刀出来るように準備しておかなきゃ!! といった心配もない。
ただ、まだまだ決着までに時間が掛かりそうであるにもかかわらず、既にかなりゲイルとワイズコングを中心とした一帯がかなり荒れ果てていた。
「大丈夫か大丈夫じゃないかって言われると……大丈夫じゃないかもな」
「そうよねぇ……」
「けどさ、アレナ。今俺たちの目の前で行われてる戦いは、Aランク魔物とそれ以上の戦闘力を持つ魔物同士の戦いなんだぜ。別に他の冒険者たちをうっかり殺したりはしてないだろうから、致し方無いってことで済むと思うぜ」
「そう、ね…………そうよね。怪物と怪物の戦いだもの。仕方ないわよね」
この時、アレナは完全に諦めの境地に達していた。
「ゴルルゥアアアアッ!!!!」
心の中でワイズコングとの出会いに感謝するゲイル。
今現在……まだ、ゲイルは本気を出していない。
しかし、それはワイズコングも同じ。
複数の属性魔法を同時に放ち、杖を武器にして斬撃も放つ。
時折、超強烈なパンチも繰り出す。
これでもまだ、本気ではない。
(言ってみるものだな)
先日、イレースタイガーという強さだけではなく、戦い辛さも並ではないモンスターとルウナが戦った。
それを見て、ゼルートの戦闘欲に火が付いたのではないかと考えていた。
もしかしたら、少し前にイレースタイガーと戦ったにもかかわらず、ルウナが戦いたいと進言するかもしれない。
従魔という立場を考えれば、二人に譲るのが当然ではあるものの……久しぶりに現れた強敵に、ゲイルの闘争心に油と着火剤が放り込まれた。
結果、ダメもとで戦ってみたいと伝えると……なんとオッケーしてもらえた。
「フンッ!!!!!!」
「ッ!!!!!」
ついでに大地も斬り裂く斬撃を放つも、ワイズコングは幾重にも鋼鉄の壁を重ねて展開することで、なんとか耐え切ることに成功。
「セェエエエアアアアアアアッ!!!」
だが、ゲイルは即座に移動して再度斬撃波を放つ……のではなく、途中で斬撃波を止められてしまった鋼鉄の壁に対し、連続で刺突を放つ。
「っ!!!」
ワイズコングはゲイルが壁がないところから斬撃波を放つ、もしくは接近して斬撃を叩き込んでくるかと予想していたため、慌ててその場から回避した。
一度は止めたとはいえ、ゲイルが面白がって本気で突き破ろうとすれば、あっさりと壁としての役割を果たせなくなる。
「ルァアアアッ!!!!」
「受けて立とう」
慌てて回避したワイズコングは怒りを露にしながら火属性と風属性を混ぜ合わせた槍を放った。
並みのタンクが十に並んでも消し炭にされてしまう程の火力を有しており、発動までの時間などを考えると、多くの魔法使いたちが「わ、私は……私は、ゴリラ以下なのかーーーーーーーー!!!!!」といった感じで泣き叫んでしまう。
ゼルートがそんな泣き崩れる魔法使いたちの傍に居れば「大丈夫だよ。だって、ゴリラはあの見た目で森の賢者って学名? があるし」と慰める。
ただ、この世界でゴリラ系のモンスターに対し、森の賢者などといった二つ名、異名は付けられていないため、ゼルートに慰めの気持ちがあったとしても、完全に煽りと取られてしまう。
そのため、本当にその様な事態に発展すれば、戦争待ったなしである。
「破ッ!!!!!!」
そんなタンクだけではなく、ある意味魔法使いまで殺してしまう風炎槍を、ゲイルは気合一閃でスパッと切断してしまった。
「むっ!!」
見事ゲイルが切断した直後、足元から多数のアースランスが生え、あと一歩遅れていれば……少し痛いダメージが入っていた。
「良いぞッ!!! もっとお前の強さを見せてくれ!! それを、私は全て叩き斬るッ!!!!」
「ッ!! ゴルルアアアアアアッ!!!!!」
魔法、打撃、斬撃。全てを扱えるゴリラと、それらを全てぶった斬れる強さを秘めている紅のリザードマンの戦いは……まだまだ終わらない。
「ねぇ、ゼルート」
「なんだ?」
「あれ……大丈夫かしら」
今のところゲイルとワイズコングとの激闘は互角と言って良い内容である。
万が一に備えて助太刀出来るように準備しておかなきゃ!! といった心配もない。
ただ、まだまだ決着までに時間が掛かりそうであるにもかかわらず、既にかなりゲイルとワイズコングを中心とした一帯がかなり荒れ果てていた。
「大丈夫か大丈夫じゃないかって言われると……大丈夫じゃないかもな」
「そうよねぇ……」
「けどさ、アレナ。今俺たちの目の前で行われてる戦いは、Aランク魔物とそれ以上の戦闘力を持つ魔物同士の戦いなんだぜ。別に他の冒険者たちをうっかり殺したりはしてないだろうから、致し方無いってことで済むと思うぜ」
「そう、ね…………そうよね。怪物と怪物の戦いだもの。仕方ないわよね」
この時、アレナは完全に諦めの境地に達していた。
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