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十八話 つい……隙だらけだったから
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五対一で戦う、なんてことは良くあることなので、クランドにとってそこまでビビる状況ではなかった。
(クランド様が多数のモンスターに襲われることなど、今まであったか?)
二体から三体ぐらいなら記憶に残っているが、五体のモンスターを一度に相手していた記憶は……騎士の頭にはなかった。
当然、リーゼの記憶にはない。
クランドの言葉についてあまり追及出来ずにいると、数十分後……騎士たちとしては、あまり戦って欲しくないモンスターが現れた。
そして騎士たちとは反対に、クランドの目は輝いていた。
「ブフーーー……」
遭遇してしまったモンスターは、オーク。
豚の人型モンスターでおり、性欲旺盛
まだそこまで女性らしいスタイルを持たないリーゼに対し、既に興奮している。
「クランド」
「分かってる。リーゼと一緒に戦うから」
「……分かりました。ただ、危ないと思ったら手を出しますからね」
「えぇ、その時は頼みます」
たとえリーゼと一緒に戦うとしても、本音を言えば……まだDランクモンスターと戦って欲しくないというのが、騎士たちの本音。
「リーゼ、援護射撃は頼んだ」
「任せてください」
「よし……カバディ」
クランドはキャントによる身体能力の上昇、そして身体強化と脚力強化のスキルを発動。
まだ自身のレベルあまり高くなく、体が大きくないのは重々承知している。
なので、スピード重視でオークに打撃をぶち込んでいくと決めた。
「カバディ」
「ブモォアアアッ!!!」
大きな木の棍棒を片手で振り回すオークだが、殆ど毎日騎士やリーゼと手合わせしているため、非常に攻撃の軌道は読みやすい。
バックステップで棍棒を回避し、再度加速してリバーに良い一撃をぶち込む。
「ッ!? ブモォオオッ!!!」
「カバディ」
脚力を活かし、もう一度攻撃を軽やかに躱すクランドだが、棍棒が空を切る音に、かなりの恐怖を感じていた。
(避けられるけど、食らえば……吹き飛ぶか?)
筋トレも毎日欠かしていないが、それでもクランドの体はまだ完成していない。
オークはDランクモンスターの中でもパワーが高く、ジャストタイミングでフルスイングを食らえば、いくらクランドでも大きく吹き飛ばされる。
棍棒に魔力を纏われていれば、ガードしても骨に罅は入る。
「カバディ」
一撃一撃に恐怖は感じるが、果敢に攻めるオーク。
「ファイヤーアロー!!!」
しかし、今回の戦いは一人で戦っている訳ではなく、リーゼと一緒に戦っている。
二対一という状況でも、キャントによる身体能力向上の効果を適応される。
これは既に訓練で実証済み。
リーゼは六本の火矢を放ち、オークの腕や腹に命中させる。
前衛ではクランドが好きなように動いているが、毎日行っているクランドとの訓練の成果を発揮し、一発もクランドに当てることはない。
「ッ……ブモモモモモモッ!!!!!」
先に潰したいクランドに集中できない。
オークはクランドよりもリーゼの方が面倒だと感じ、先に潰そうと決めた。
「単語おいおい、寂しいだろ」
「ブバっ!?」
既に身体強化を使用しており、決して遅くない脚力を考えれば、リーゼとの距離は直ぐに埋まる。
だが、クランドは足を延ばし、リーゼに向かうオークを転倒させる。
「「「ぶふっ」」」
この展開に、周囲の警戒と二人に危機が訪れないか警戒している騎士たちは、同時に小さく噴き出した。
「カバディ」
冷静にキャントを行いながら、拳に岩を纏い、丸見えな背中に向かって連続パンチ。
「っ! ブ、ィ!?」
「……しまった」
クランドはこれ幸いと思い、背骨を中心に狙った。
身体強化によって防御力も向上しているが、岩を纏ったクランドの拳は防げず……背骨はバキバキに砕かれた。
「まっ、仕方ないよな」
背骨が砕かれたことで、オークは意識はあれど、まともに動けない状態。
長く苦しめるのは良しとしない為、岩を解除し、魔力の刃で介錯するクランド。
早速血抜きと解体を始めるクランドは、途中で物凄く騎士やオルアがたちを心配させるような頼みごとをした。
「今度から、オークとかも一人で相手して良いですか?」
「っ!?」
「クランド様、それはやはり駄目です」
リーゼはギョッとした表情をし、騎士たちは即座に駄目だと告げた。
確かにクランドには一人でDランクモンスターを倒したという実績はあるが、それはそれ、これはこれ。
戦うのは構わないが、誰かと一緒にというのが基本。
とはいっても、今回の戦いっぷりを考えると、騎士たちも心配ではあるが、クランド一人でも戦えるのでは?
そう思う者も少なくない。
「……でも、今日の戦いはあっさり終わったじゃないですか。リーゼのサポートがあったからではありますけど」
リーゼのサポートが戦況を大きく動かす働きとなったが、クランドの最硬最強パンチが、身体強化を使ったオークに効いているのも事実。
クランドとしては、今回のバトルはリーゼの後方支援があったことで、非常に戦いやすかった。
それは非常に有難いことなのだが、強敵と戦いたいクランドにとっては、少々不満な部分でもある。
(もっと大きくなるのを待つしかないのか)
肩を落としながら解体作業を行うクランドだったが、騎士たちは一応……一応、今回の件を細かく当主のオルガに伝えた。
(クランド様が多数のモンスターに襲われることなど、今まであったか?)
二体から三体ぐらいなら記憶に残っているが、五体のモンスターを一度に相手していた記憶は……騎士の頭にはなかった。
当然、リーゼの記憶にはない。
クランドの言葉についてあまり追及出来ずにいると、数十分後……騎士たちとしては、あまり戦って欲しくないモンスターが現れた。
そして騎士たちとは反対に、クランドの目は輝いていた。
「ブフーーー……」
遭遇してしまったモンスターは、オーク。
豚の人型モンスターでおり、性欲旺盛
まだそこまで女性らしいスタイルを持たないリーゼに対し、既に興奮している。
「クランド」
「分かってる。リーゼと一緒に戦うから」
「……分かりました。ただ、危ないと思ったら手を出しますからね」
「えぇ、その時は頼みます」
たとえリーゼと一緒に戦うとしても、本音を言えば……まだDランクモンスターと戦って欲しくないというのが、騎士たちの本音。
「リーゼ、援護射撃は頼んだ」
「任せてください」
「よし……カバディ」
クランドはキャントによる身体能力の上昇、そして身体強化と脚力強化のスキルを発動。
まだ自身のレベルあまり高くなく、体が大きくないのは重々承知している。
なので、スピード重視でオークに打撃をぶち込んでいくと決めた。
「カバディ」
「ブモォアアアッ!!!」
大きな木の棍棒を片手で振り回すオークだが、殆ど毎日騎士やリーゼと手合わせしているため、非常に攻撃の軌道は読みやすい。
バックステップで棍棒を回避し、再度加速してリバーに良い一撃をぶち込む。
「ッ!? ブモォオオッ!!!」
「カバディ」
脚力を活かし、もう一度攻撃を軽やかに躱すクランドだが、棍棒が空を切る音に、かなりの恐怖を感じていた。
(避けられるけど、食らえば……吹き飛ぶか?)
筋トレも毎日欠かしていないが、それでもクランドの体はまだ完成していない。
オークはDランクモンスターの中でもパワーが高く、ジャストタイミングでフルスイングを食らえば、いくらクランドでも大きく吹き飛ばされる。
棍棒に魔力を纏われていれば、ガードしても骨に罅は入る。
「カバディ」
一撃一撃に恐怖は感じるが、果敢に攻めるオーク。
「ファイヤーアロー!!!」
しかし、今回の戦いは一人で戦っている訳ではなく、リーゼと一緒に戦っている。
二対一という状況でも、キャントによる身体能力向上の効果を適応される。
これは既に訓練で実証済み。
リーゼは六本の火矢を放ち、オークの腕や腹に命中させる。
前衛ではクランドが好きなように動いているが、毎日行っているクランドとの訓練の成果を発揮し、一発もクランドに当てることはない。
「ッ……ブモモモモモモッ!!!!!」
先に潰したいクランドに集中できない。
オークはクランドよりもリーゼの方が面倒だと感じ、先に潰そうと決めた。
「単語おいおい、寂しいだろ」
「ブバっ!?」
既に身体強化を使用しており、決して遅くない脚力を考えれば、リーゼとの距離は直ぐに埋まる。
だが、クランドは足を延ばし、リーゼに向かうオークを転倒させる。
「「「ぶふっ」」」
この展開に、周囲の警戒と二人に危機が訪れないか警戒している騎士たちは、同時に小さく噴き出した。
「カバディ」
冷静にキャントを行いながら、拳に岩を纏い、丸見えな背中に向かって連続パンチ。
「っ! ブ、ィ!?」
「……しまった」
クランドはこれ幸いと思い、背骨を中心に狙った。
身体強化によって防御力も向上しているが、岩を纏ったクランドの拳は防げず……背骨はバキバキに砕かれた。
「まっ、仕方ないよな」
背骨が砕かれたことで、オークは意識はあれど、まともに動けない状態。
長く苦しめるのは良しとしない為、岩を解除し、魔力の刃で介錯するクランド。
早速血抜きと解体を始めるクランドは、途中で物凄く騎士やオルアがたちを心配させるような頼みごとをした。
「今度から、オークとかも一人で相手して良いですか?」
「っ!?」
「クランド様、それはやはり駄目です」
リーゼはギョッとした表情をし、騎士たちは即座に駄目だと告げた。
確かにクランドには一人でDランクモンスターを倒したという実績はあるが、それはそれ、これはこれ。
戦うのは構わないが、誰かと一緒にというのが基本。
とはいっても、今回の戦いっぷりを考えると、騎士たちも心配ではあるが、クランド一人でも戦えるのでは?
そう思う者も少なくない。
「……でも、今日の戦いはあっさり終わったじゃないですか。リーゼのサポートがあったからではありますけど」
リーゼのサポートが戦況を大きく動かす働きとなったが、クランドの最硬最強パンチが、身体強化を使ったオークに効いているのも事実。
クランドとしては、今回のバトルはリーゼの後方支援があったことで、非常に戦いやすかった。
それは非常に有難いことなのだが、強敵と戦いたいクランドにとっては、少々不満な部分でもある。
(もっと大きくなるのを待つしかないのか)
肩を落としながら解体作業を行うクランドだったが、騎士たちは一応……一応、今回の件を細かく当主のオルガに伝えた。
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