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塞がれた逃げ道
カロウスと同じく、遊撃隊に属する先輩騎士は、ラガスが兄に対する手紙に記していた内容に良い意味で様々な感情を覚えた。
ただ、ストーカー被害に対する対応策に関して、一つ問題点となるところがあった。
「対応策としては妥当な内容だと思うが、ラガス君はその部隊を作ることになった際、どれほどの費用が掛かるのかちゃんと解っているのか?」
新しい部隊を作るとなると、金貨数十枚どころか数百枚でも足りないほどの金が必要になる。
既に部隊として必要な戦力を有している者たちをスカウトする形であれば、まずその者たちとの交渉という面倒な手間が発生する。
現時点でそれ相応の技術、実力が備わっている者を雇うとなれば当然の費用、労力と言えるのだが……それはそれとして、面倒なやり取りであるのは間違いない。
別のパターン、一から部隊を育てるとなると……一応メリットがある。
その道に進みたいという子供集めて育て上げれば、彼らの忠誠心をリゼード家に向けることが出来る。
スカウトして部隊を作り上げると、契約書を作成して契約したとしても、何かしらの抜け道を使われて裏切られる、なんて可能性はゼロではない。
そのため、しっかりと忠誠心が雇う家に向いているというのは、雇っている貴族としても有難い関係となる。
だが、当然ながらデメリットも存在する。
第一に、一から作るとなると、部隊の候補となる者たちを育て上げる時間がかかる。
候補たちの年齢にもよるが、一年や二年で実際に影の部隊として使えるようになるのは、稀も稀。
三年四年……五年六年と、みっちり育て上げることで、実践でも問題なく送り出せる者たちを育て上げることが出来る。
当然、その間に候補生たちの生活費は、カロウスたちが支払わなければならない。
そして、彼らが実践で使える人間になれば、彼らに支払う給料も必要となる。
そこに関しては貴族によって考え方が変わるが、カロウスやリットはそういったやりがい搾取のような真似はしたくない。
「解ってるみたいですよ。部隊を育て上げる、教官として必要な人を雇う金などに必要な額が、あればできる限り負担すると書いてあります」
「ふむ……」
「おそらくですが、全て出すと書けば、僕たちが止めるから敢えてできる限りと書いたはずです」
「っ!! そうだったか……しかし、ラガス君はそれほどの額を稼いでいるのか?」
「手紙に記されている内容として、既に十体以上……三十以上になるでしょうか。それほどのBランクモンスターを討伐し、Aランクのモンスターに関しても数体ほど討伐しています」
「…………」
改めてラガスたちが討伐したモンスターの強さ、数を聞かされ、先輩騎士は思わず固まってしまった。
「加えて、五十階層もあるダンジョンを攻略していたようなので、その探索で手に入れた空箱から良い物、ぎっしりと入っていた銀貨や金貨なども手に入れてるでしょう」
手紙には墓場に関する内容がそれなりに細かく記されており、是非カロウス兄さんも興味があれば探索してみてくださいとも書かれていた。
「そ、それもそうか」
「それと先輩、ラガスは自身の作品である魔靴の依頼を受けてます」
「っ、それもあったか……そうか……それらを含めれば」
ハンターとしての活動で手に入れた金や物、素材はすべてラガスの物になるわけではない。
ただ、四等分してもラガスの懐にも相当な金が入る。
それらの金額を考慮すれば、一から部隊を作り上げるのも不可能ではない。
「……ここ最近の卒業生たちの中で、一番稼いでるんじゃないか?」
「はは!! 間違いなくそうでしょうね……それに、ご丁寧に自分たちの武器を新調したので、その辺りは気にしなくて大丈夫ですと書かれているんですよ」
「はっはっは!!!! 逃げ道を塞がれてしまっていたか」
援助してくれるのはカロウスとしても嬉しいところだが、兄としてはそこまで可愛い弟に頼るわけにはいかないという思いがある。
だが、そんな兄の思いを弟は先読みしていた。
(さて……父さんはこれにどう返すんだろうな)
手紙には、しっかりと同じような内容を父親にも送っていると記されていた。
ただ、ストーカー被害に対する対応策に関して、一つ問題点となるところがあった。
「対応策としては妥当な内容だと思うが、ラガス君はその部隊を作ることになった際、どれほどの費用が掛かるのかちゃんと解っているのか?」
新しい部隊を作るとなると、金貨数十枚どころか数百枚でも足りないほどの金が必要になる。
既に部隊として必要な戦力を有している者たちをスカウトする形であれば、まずその者たちとの交渉という面倒な手間が発生する。
現時点でそれ相応の技術、実力が備わっている者を雇うとなれば当然の費用、労力と言えるのだが……それはそれとして、面倒なやり取りであるのは間違いない。
別のパターン、一から部隊を育てるとなると……一応メリットがある。
その道に進みたいという子供集めて育て上げれば、彼らの忠誠心をリゼード家に向けることが出来る。
スカウトして部隊を作り上げると、契約書を作成して契約したとしても、何かしらの抜け道を使われて裏切られる、なんて可能性はゼロではない。
そのため、しっかりと忠誠心が雇う家に向いているというのは、雇っている貴族としても有難い関係となる。
だが、当然ながらデメリットも存在する。
第一に、一から作るとなると、部隊の候補となる者たちを育て上げる時間がかかる。
候補たちの年齢にもよるが、一年や二年で実際に影の部隊として使えるようになるのは、稀も稀。
三年四年……五年六年と、みっちり育て上げることで、実践でも問題なく送り出せる者たちを育て上げることが出来る。
当然、その間に候補生たちの生活費は、カロウスたちが支払わなければならない。
そして、彼らが実践で使える人間になれば、彼らに支払う給料も必要となる。
そこに関しては貴族によって考え方が変わるが、カロウスやリットはそういったやりがい搾取のような真似はしたくない。
「解ってるみたいですよ。部隊を育て上げる、教官として必要な人を雇う金などに必要な額が、あればできる限り負担すると書いてあります」
「ふむ……」
「おそらくですが、全て出すと書けば、僕たちが止めるから敢えてできる限りと書いたはずです」
「っ!! そうだったか……しかし、ラガス君はそれほどの額を稼いでいるのか?」
「手紙に記されている内容として、既に十体以上……三十以上になるでしょうか。それほどのBランクモンスターを討伐し、Aランクのモンスターに関しても数体ほど討伐しています」
「…………」
改めてラガスたちが討伐したモンスターの強さ、数を聞かされ、先輩騎士は思わず固まってしまった。
「加えて、五十階層もあるダンジョンを攻略していたようなので、その探索で手に入れた空箱から良い物、ぎっしりと入っていた銀貨や金貨なども手に入れてるでしょう」
手紙には墓場に関する内容がそれなりに細かく記されており、是非カロウス兄さんも興味があれば探索してみてくださいとも書かれていた。
「そ、それもそうか」
「それと先輩、ラガスは自身の作品である魔靴の依頼を受けてます」
「っ、それもあったか……そうか……それらを含めれば」
ハンターとしての活動で手に入れた金や物、素材はすべてラガスの物になるわけではない。
ただ、四等分してもラガスの懐にも相当な金が入る。
それらの金額を考慮すれば、一から部隊を作り上げるのも不可能ではない。
「……ここ最近の卒業生たちの中で、一番稼いでるんじゃないか?」
「はは!! 間違いなくそうでしょうね……それに、ご丁寧に自分たちの武器を新調したので、その辺りは気にしなくて大丈夫ですと書かれているんですよ」
「はっはっは!!!! 逃げ道を塞がれてしまっていたか」
援助してくれるのはカロウスとしても嬉しいところだが、兄としてはそこまで可愛い弟に頼るわけにはいかないという思いがある。
だが、そんな兄の思いを弟は先読みしていた。
(さて……父さんはこれにどう返すんだろうな)
手紙には、しっかりと同じような内容を父親にも送っていると記されていた。
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