360 / 1,133
重ねて重ねる
何故かメイドさんと戦うことになった……いや、ちゃんとそこそこの報酬は貰うんだけどさ。
でも……なんで当主様じゃなくてメイドのオラリスさんと戦うんだ?
当主様だったらまぁ……なんとなく解らんでもないけど、メイドさんが戦う理由は全く解らん。
もしてしてあまり自分の手は使わず、駒を使って情報を得たいタイプの人なのか?
とりあえず表向きは優しい感じだったけど、当然裏はあってもおかしくないか。
なんて考えてると当主様が近くまでやって来た。
「オラリスはね、イーリスが生まれた時から世話をしているメイドなんだ」
「生まれた時から……あぁ~~~、なるほど。俺とイーリスとの戦いを観て色んな感情が溢れ出したということですか?」
「鋭いね。大体そんな感じだよ。私も妻もなるべくイーリスとの時間を取るようにして来たけど、一番長く一緒にいたのはオラリスかもしれない」
一番長く成長を見てきた……それだけイーリスのことを良く知っている。
俺に対して敵討ちとかそういう感情はないだろうけど……いや、ちょっとはあるか。
結局リザード公爵が俺の技を出来る限り調べたいのかもしれない。
その相手として自ら志願した、その可能性はありそうだよな。
まぁ……そういうのって理屈じゃないんだろうな。
俺が反則を使った訳じゃない、イーリスを侮辱してもいない。それは向こうも解ってるだろ。
でも、大切に思っている人が完膚なきまでに倒された……そんな光景を見せられて黙っていられる訳がない。
そんなところだろう……自分がその立場だったら、俺も堪えられるかどうかマジで解らない。
「オラリスはまだニ十歳ぐらいで一流と呼べる実力は持っていないけど……学生と比べたらその実力は遥かに上だと思うよ」
「……そうみたいですね」
それはなんとなく解かる。
ニコニコしてて優しそうな雰囲気を醸し出してるお姉さんだが、きっと闘争本能が表に出ればヤバそうな感じだ。
……いや、決めつけは良くないか。
でも、ずっとニコニコしながら戦い続けられるのもそれはそれで怖いって話だな。
「それでも負ける気はありませんけどね」
白金貨一枚と二振りでワンセットのランク七の短剣は超欲しいし。
「そうかい……楽しみにしてるよ」
……何を楽しみにしてるのかは知らないが、あんたが欲しい情報を殆ど見せるつもりはない。
瞬で終わらせるからな。
「それでは、審判は私が務めさせてもらうよ。模擬戦……始め!!!!」
合図と共に身体強化、脚力強化のアビリティを使用。
そして魔闘気で全身を強化。
それに加え……獣魔法で重ねて強化。
「ラビットフット」
アイテムリングから取り出し、装備している武器は狼牙瞬雷。
使用者の素早さを上昇させる効果が付与されている。
そして体術技……縮地を使用。
その結果……俺は雷の様に移動し、オラリスさんの視界から消えた。
「ッ!!!!」
「予測の仕方は良かったけど……そこまでですよ」
少々強化し過ぎたのでオラリスさんの直ぐ後ろで止まることは出来なかった。
止まった位置からでは狼牙瞬雷の刃が届かない。
届かないなら……そう、伸ばせば良い。
狼牙瞬雷の刃から雷の魔力が刃となって伸び、オラリスの首筋に触れる寸前で止まった。
「あんたがそこから動くのと、俺が刃を伸ばすの……どちらが速いだろうな」
「……参りました」
「そこまでっ! いやぁ~~~……まさか本当に一瞬で終わるとは予想外だったよ」
本当にそう思ってるのか怪しいところだ。
でも、オラリスさんとしてはこの結果に対して心底驚いてるみたいだな。
ニコニコ顔じゃなくて現状を受け止められないって表情をしてる。
「魔弾を使うのかなって思ってたけど、体術とその武器だけで決着を着けるとは……うん、やっぱり君と同年代の子は可哀そうだね。全て良いところは君やパートナーさんに持っていかれてしまう」
それには完全同意だ。
他の連中がこれから努力を惜しまず訓練を続けてきたとしても……とりあえず俺の代のシングルスとダブルスは絶対に譲らないからな。
てか、こんな簡単な勝負で白金貨一枚と高品質の武器を貰っても良いものか……良いよな、向こうだって色々と調べるつもりだっただろうし。
一瞬で終わったから殆ど情報は得られなかっただろうけど。
でも……なんで当主様じゃなくてメイドのオラリスさんと戦うんだ?
当主様だったらまぁ……なんとなく解らんでもないけど、メイドさんが戦う理由は全く解らん。
もしてしてあまり自分の手は使わず、駒を使って情報を得たいタイプの人なのか?
とりあえず表向きは優しい感じだったけど、当然裏はあってもおかしくないか。
なんて考えてると当主様が近くまでやって来た。
「オラリスはね、イーリスが生まれた時から世話をしているメイドなんだ」
「生まれた時から……あぁ~~~、なるほど。俺とイーリスとの戦いを観て色んな感情が溢れ出したということですか?」
「鋭いね。大体そんな感じだよ。私も妻もなるべくイーリスとの時間を取るようにして来たけど、一番長く一緒にいたのはオラリスかもしれない」
一番長く成長を見てきた……それだけイーリスのことを良く知っている。
俺に対して敵討ちとかそういう感情はないだろうけど……いや、ちょっとはあるか。
結局リザード公爵が俺の技を出来る限り調べたいのかもしれない。
その相手として自ら志願した、その可能性はありそうだよな。
まぁ……そういうのって理屈じゃないんだろうな。
俺が反則を使った訳じゃない、イーリスを侮辱してもいない。それは向こうも解ってるだろ。
でも、大切に思っている人が完膚なきまでに倒された……そんな光景を見せられて黙っていられる訳がない。
そんなところだろう……自分がその立場だったら、俺も堪えられるかどうかマジで解らない。
「オラリスはまだニ十歳ぐらいで一流と呼べる実力は持っていないけど……学生と比べたらその実力は遥かに上だと思うよ」
「……そうみたいですね」
それはなんとなく解かる。
ニコニコしてて優しそうな雰囲気を醸し出してるお姉さんだが、きっと闘争本能が表に出ればヤバそうな感じだ。
……いや、決めつけは良くないか。
でも、ずっとニコニコしながら戦い続けられるのもそれはそれで怖いって話だな。
「それでも負ける気はありませんけどね」
白金貨一枚と二振りでワンセットのランク七の短剣は超欲しいし。
「そうかい……楽しみにしてるよ」
……何を楽しみにしてるのかは知らないが、あんたが欲しい情報を殆ど見せるつもりはない。
瞬で終わらせるからな。
「それでは、審判は私が務めさせてもらうよ。模擬戦……始め!!!!」
合図と共に身体強化、脚力強化のアビリティを使用。
そして魔闘気で全身を強化。
それに加え……獣魔法で重ねて強化。
「ラビットフット」
アイテムリングから取り出し、装備している武器は狼牙瞬雷。
使用者の素早さを上昇させる効果が付与されている。
そして体術技……縮地を使用。
その結果……俺は雷の様に移動し、オラリスさんの視界から消えた。
「ッ!!!!」
「予測の仕方は良かったけど……そこまでですよ」
少々強化し過ぎたのでオラリスさんの直ぐ後ろで止まることは出来なかった。
止まった位置からでは狼牙瞬雷の刃が届かない。
届かないなら……そう、伸ばせば良い。
狼牙瞬雷の刃から雷の魔力が刃となって伸び、オラリスの首筋に触れる寸前で止まった。
「あんたがそこから動くのと、俺が刃を伸ばすの……どちらが速いだろうな」
「……参りました」
「そこまでっ! いやぁ~~~……まさか本当に一瞬で終わるとは予想外だったよ」
本当にそう思ってるのか怪しいところだ。
でも、オラリスさんとしてはこの結果に対して心底驚いてるみたいだな。
ニコニコ顔じゃなくて現状を受け止められないって表情をしてる。
「魔弾を使うのかなって思ってたけど、体術とその武器だけで決着を着けるとは……うん、やっぱり君と同年代の子は可哀そうだね。全て良いところは君やパートナーさんに持っていかれてしまう」
それには完全同意だ。
他の連中がこれから努力を惜しまず訓練を続けてきたとしても……とりあえず俺の代のシングルスとダブルスは絶対に譲らないからな。
てか、こんな簡単な勝負で白金貨一枚と高品質の武器を貰っても良いものか……良いよな、向こうだって色々と調べるつもりだっただろうし。
一瞬で終わったから殆ど情報は得られなかっただろうけど。
あなたにおすすめの小説
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました
taki210
ファンタジー
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件
『穢らわしい娼婦の子供』
『ロクに魔法も使えない出来損ない』
『皇帝になれない無能皇子』
皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。
だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。
毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき……
『なんだあの威力の魔法は…?』
『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』
『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』
『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』
そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。
異世界転生ファミリー
くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?!
辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。
アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。
アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。
長男のナイトはクールで賢い美少年。
ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。
何の不思議もない家族と思われたが……
彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~
ヒミヤデリュージョン
ファンタジー
帝国辺境でただ静かに生き延びたいだけの少年・ヴァン。
彼に正義感はない。あるのは、母が遺したノートに記された、物理法則を応用した「高圧魔力」の理論と、徹底した費用対効果至上主義だけだ。
敵国三千の精鋭が灰燼城に迫る絶望的状況。ヴァンは剣を振るわず、心理戦と補給線攪乱だけで、たった三日で敵軍を撤退させる。
この効率的すぎる勝利は帝国の中枢に届き、彼は最高峰の帝国軍事学院への招待状を手に入れる。
「英雄になりたいわけじゃない。ただ、母の死の真相と父の秘密を知るため、生き残らなきゃならないだけだ」
無口最強の仮面メイド・シンカク、命を取引に差し出した狼耳少女・アイリ。彼は常にコスパの高い道を選び、母の遺したノートの謎、そして生まれて一度も会ったことのない父・帝国大元帥のいる帝都の闇へと踏み込んでいく。
正義も英雄も、損をするなら意味がない。合理主義が英雄譚を侵食していく、反英雄ミリタリー学園ファンタジー。
転生貴族のスローライフ
マツユキ
ファンタジー
現代の日本で、病気により若くして死んでしまった主人公。気づいたら異世界で貴族の三男として転生していた
しかし、生まれた家は力主義を掲げる辺境伯家。自分の力を上手く使えない主人公は、追放されてしまう事に。しかも、追放先は誰も足を踏み入れようとはしない場所だった
これは、転生者である主人公が最凶の地で、国よりも最強の街を起こす物語である
*基本は1日空けて更新したいと思っています。連日更新をする場合もありますので、よろしくお願いします
伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります
竹桜
ファンタジー
武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。
転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。
【1/20本編堂々完結!】自力で帰還した錬金術師の爛れた日常
ちょす氏
ファンタジー
「この先は分からないな」
帰れると言っても、時間まで同じかどうかわからない。
さて。
「とりあえず──妹と家族は救わないと」
あと金持ちになって、ニート三昧だな。
こっちは地球と環境が違いすぎるし。
やりたい事が多いな。
「さ、お別れの時間だ」
これは、異世界で全てを手に入れた男の爛れた日常の物語である。
※物語に出てくる組織、人物など全てフィクションです。
※主人公の癖が若干終わっているのは師匠のせいです。
ゆっくり投稿です。