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その結果に、口は出さない
試合には勝ったが、勝負に負けた。
そんな結果になってしまったが、一人の女性が全く納得していなかった。
(リーベの気持ちは、解らなくない。でも、これで終わりで良い……訳がない)
ラガスのパートナーであるセルシア。
彼女が今回の決闘に関して、一番納得がいっていなかった。
リーベがフィーラ・アザルトと将来を共にすることを諦めたことにたいして、口を出すつもりはない。
だが、今回の決闘でアザルトに対して何も罰が無いということ関しては、到底納得出来ない。
(リーベは頑張った……でも、あの女は自分の我儘を、押し通そうとした、だけ。しかも、周囲の人間に、迷惑を掛ける我儘)
リーベの実家からアザルト家が受けていた支援の額は相当な量であり、まだ成人していない子供が払える金額ではない。
子供ながらに大金を有しているラガスでも払える金額ではない……一個人がなんとか出来る問題ではないのだ。
(相手が屑なら、我儘を押し通してでも、逃げたい気持ちは解る。でも、リーベは違う……あなたの為に、何度も壁を超えようと、した。けど、あなたは現実から、目を逸らした)
自分はラガスというパートナーに出会えたことに感謝している。
婚約者だったジークのことはあまり好きではなかった。
だからといって、こいつと結婚はしたくないと我儘をぶつけようとは思っていなかった。
仕方ないと思っていた……好きではなかったが、心の底から嫌いだと感じていない。
おそらくリーベを嫌う女子はいないだろう。
自分が進もうと思っている道に安定した生活を捨てて、付いて来ようと……尽くそうとしてくれる。
そんな男を、何故そこまで嫌うのか……避けるのか。
セルシアは全くもって理解出来ない。
(……その笑顔、いつまでも続くと、思わない方が良い)
普段は滅多に怒ることのない公爵家のお嬢様が、今回ばかりは心の底から怒りのマグマが煮え滾っていた。
「ッ!!!」
後ろから殺気を感じ、ゾクッと背筋が震えた。
ラガスはパートナーの怒りを感じ取り、フィーラ・アザルトに心の中で合掌を送った。
(ま、マジでキレてるな。同じ貴族の令嬢としてはアザルトさんの態度や考えが心底気に入らないみたいだな……ご愁傷様だな)
とりあえず今までの様な生活は送れない。それだけは確信が持てた。
「……リーベ、お前は親父さんに今回の件は自分の独断で決めたって言ったんだろうけど……実際に向こう側は無傷で済むと思うか?」
「俺は……特に何もするつもりはない。今回の件は全て父に伝える……その結果、二人がどうなるかは解らない。だが、その結果に口を出すつもりはない」
「なるほど、ね」
アザルトへの優しさが消えた訳ではない。だが、同時に冷たさも生まれた。
(三男とはいえ、侯爵家の令息との婚約を蹴ったんだ……これまで通りの生活を送るのは無理に等しいだろうな。二人はそれを理解しているのか?)
ライドは頭の片隅にこれから降りかかるかもしれない試練が残っているが、フィーラの頭には……少なくとも今はこれから降りかかる不幸な現実などは入っていない。
(それにどうやらセルシアが二人に……正確にはアザルトさんにか。制裁を加えようとしているから……一先ず、学園から追い出されるのは決定か?)
この先二人にどんな運命が待ち受けているのか、この件に関わっているラガスでも解らない。
解らないが……きっとロクな未来しか訪れないことだけは解る。
(しかしそうなると……ザックスたち心配だな)
ライドの傍にはいつも一緒に動いているラガスにとって腐れ縁の三人がいる。
三人がライドとフィーラに不幸が降りかかったからといって、見捨てる様には思えない。
(あいつらまでその不幸に巻き込まれるのは防ぎたいところだが……三人に意志が俺の言葉で変わるとは思えない)
新しい地で、新しくできた友。
そんな友を三人が裏切る訳がない。
それが解っているので、ラガスはザックスたちにとやかく言うのは止めた。
(さてさて、いったいセルシアはどんな天罰をアザルトさんに下すのか……寮に帰ったら聞いてみよう)
そんな結果になってしまったが、一人の女性が全く納得していなかった。
(リーベの気持ちは、解らなくない。でも、これで終わりで良い……訳がない)
ラガスのパートナーであるセルシア。
彼女が今回の決闘に関して、一番納得がいっていなかった。
リーベがフィーラ・アザルトと将来を共にすることを諦めたことにたいして、口を出すつもりはない。
だが、今回の決闘でアザルトに対して何も罰が無いということ関しては、到底納得出来ない。
(リーベは頑張った……でも、あの女は自分の我儘を、押し通そうとした、だけ。しかも、周囲の人間に、迷惑を掛ける我儘)
リーベの実家からアザルト家が受けていた支援の額は相当な量であり、まだ成人していない子供が払える金額ではない。
子供ながらに大金を有しているラガスでも払える金額ではない……一個人がなんとか出来る問題ではないのだ。
(相手が屑なら、我儘を押し通してでも、逃げたい気持ちは解る。でも、リーベは違う……あなたの為に、何度も壁を超えようと、した。けど、あなたは現実から、目を逸らした)
自分はラガスというパートナーに出会えたことに感謝している。
婚約者だったジークのことはあまり好きではなかった。
だからといって、こいつと結婚はしたくないと我儘をぶつけようとは思っていなかった。
仕方ないと思っていた……好きではなかったが、心の底から嫌いだと感じていない。
おそらくリーベを嫌う女子はいないだろう。
自分が進もうと思っている道に安定した生活を捨てて、付いて来ようと……尽くそうとしてくれる。
そんな男を、何故そこまで嫌うのか……避けるのか。
セルシアは全くもって理解出来ない。
(……その笑顔、いつまでも続くと、思わない方が良い)
普段は滅多に怒ることのない公爵家のお嬢様が、今回ばかりは心の底から怒りのマグマが煮え滾っていた。
「ッ!!!」
後ろから殺気を感じ、ゾクッと背筋が震えた。
ラガスはパートナーの怒りを感じ取り、フィーラ・アザルトに心の中で合掌を送った。
(ま、マジでキレてるな。同じ貴族の令嬢としてはアザルトさんの態度や考えが心底気に入らないみたいだな……ご愁傷様だな)
とりあえず今までの様な生活は送れない。それだけは確信が持てた。
「……リーベ、お前は親父さんに今回の件は自分の独断で決めたって言ったんだろうけど……実際に向こう側は無傷で済むと思うか?」
「俺は……特に何もするつもりはない。今回の件は全て父に伝える……その結果、二人がどうなるかは解らない。だが、その結果に口を出すつもりはない」
「なるほど、ね」
アザルトへの優しさが消えた訳ではない。だが、同時に冷たさも生まれた。
(三男とはいえ、侯爵家の令息との婚約を蹴ったんだ……これまで通りの生活を送るのは無理に等しいだろうな。二人はそれを理解しているのか?)
ライドは頭の片隅にこれから降りかかるかもしれない試練が残っているが、フィーラの頭には……少なくとも今はこれから降りかかる不幸な現実などは入っていない。
(それにどうやらセルシアが二人に……正確にはアザルトさんにか。制裁を加えようとしているから……一先ず、学園から追い出されるのは決定か?)
この先二人にどんな運命が待ち受けているのか、この件に関わっているラガスでも解らない。
解らないが……きっとロクな未来しか訪れないことだけは解る。
(しかしそうなると……ザックスたち心配だな)
ライドの傍にはいつも一緒に動いているラガスにとって腐れ縁の三人がいる。
三人がライドとフィーラに不幸が降りかかったからといって、見捨てる様には思えない。
(あいつらまでその不幸に巻き込まれるのは防ぎたいところだが……三人に意志が俺の言葉で変わるとは思えない)
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そんな友を三人が裏切る訳がない。
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