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内なる闘争心を感じた
「というかドレッグさん、ラガス・リゼードが超強いってのは解ったが……今回の件で同行することになったあのお姉さんは何者なんだ」
近衛騎士であるオルアは既にフェリスから違和感を感じ取っていた。
それはオルアだけではなく、近衛騎士全員……フェリスがただの人間ではないと勘付いていた。
「……正直なところ、私には分らない。ただ、騎士として生きてきた感が告げている……私たちより遥かに強い存在だとな」
「ッ!!! ……ラガス・リゼードやセルシア嬢のような例外的存在がいるから否定は出来ないが、それは本当か?」
今回の件で集まった五人は全員優秀な近衛騎士だが、その中でも実戦的な強さはドレッグが頭一つ抜けている。
そのドレッグが自分より遥かに強いと告げた。
この事実に同じ近衛騎士としては驚かずにはいられない。
「ラガス殿の知人のようだが……いったいどのような知り合いなのか、見当がつかないがな」
「……少々気になったので、鑑定を使ってみたいと思いましたが、その……覗いてはならないと強く感じました」
フィーラが持つ鑑定のアビリティレベルは五。商人として十分にやっていけるレベル。
だが、戦う者としての本能が脳に告げた。
目の前の人物を除いてはならない。除けば……碌な目に合わない。
実際はそんなことにならないのだが、これが全く関係無い人物から覗かれれば、フェリスも少々怒るかもしれない。
だが……そもそもフェリスのステータスを視ようとしても、覗くことができない。
「フィーラのそういうところは信用出来るのよね……確かに普通の女性って感じではなかったけど、いまいち正体がみえてこない」
「……俺は、その人から獣人の様な気配を感じた」
「? おいおいヤガス、あのお姉さんはわざわざ獣人であることを隠してるってのか??」
この国でわざわざ獣人であることを隠す必要はない。
国によっては人族以外の人種を迫害するような最悪な状況も存在するが、ガルガント王国にそのような風潮は存在しない。
「いや、そういう訳ではないのだが……獣人族の多くは胸の内に強い闘争心を秘めている。その闘争心をフェリスさんからも感じ取ったのだ」
「…………ふむ、もしかしたら」
「ドレッグさん、何か分かったんですか?」
「確証はないが、もしかしたらフェリス殿はラガス殿の従魔であるルーフェイス……ブラックウルフの母親、じゃないかと思ってね」
「「「「ッ!!!!」」」」
ドレッグの考察に歩いていた者は思わず足が止まりそうになったが、なんとか気を持ち直して馬車に遅れないように歩き続ける。
「それは……さ、さすがに話が飛び過ぎではないでしょうか」
「そうかな。ラガス殿の従魔……報告ではブラックウルフだが、私には一般的なブラックウルフよりも力強い存在だと感じた」
現在ルーフェイスはいつも通りブラックウルフの外見のまま中でのんびりとしている。
そんなルーフェイスを一目見て、ドレッグは他のブラックウルフとは何か違うと感じた。
「それじゃあ、あのブラックウルフはそもそもブラックウルフではない、ってのか?」
「実際のところどうなのかは分からない。もしかしたら旅の途中にラガス殿が教えてくれるかもしれないが……フェリスもルーフェイス殿も強者なのは間違いな」
「…………あのドレッグさん、一つ訊いてもいいですか」
「あぁ、勿論だ。何か疑問に感じたのか?」
「えっと、その……今回アルガ王国へ向かうのに、私たちは護衛として必要なのでしょうか」
これに関してはフィーラだけではなく、ドレッグを含めて一回は疑問に感じた内容だった。
ラガスは言わずもがな、超強い。
ラガスのパートナーであるセルシアも学生レベルを超えた強さを持つ。
そしてラガスの従者である二人は前日の大会で強敵を押しのけて優勝を掻っ攫った。
そこに加えてブラックウルフにしては疑わしい素貯砂を持つルーフェイスに加えて、近衛騎士の中でも上位に入る実力を持つドレッグが戦わずして勝てないと判断した人物、フェリス。
本当に自分たちの護衛が必要なのかと疑ってしまう面子が揃っている。
近衛騎士であるオルアは既にフェリスから違和感を感じ取っていた。
それはオルアだけではなく、近衛騎士全員……フェリスがただの人間ではないと勘付いていた。
「……正直なところ、私には分らない。ただ、騎士として生きてきた感が告げている……私たちより遥かに強い存在だとな」
「ッ!!! ……ラガス・リゼードやセルシア嬢のような例外的存在がいるから否定は出来ないが、それは本当か?」
今回の件で集まった五人は全員優秀な近衛騎士だが、その中でも実戦的な強さはドレッグが頭一つ抜けている。
そのドレッグが自分より遥かに強いと告げた。
この事実に同じ近衛騎士としては驚かずにはいられない。
「ラガス殿の知人のようだが……いったいどのような知り合いなのか、見当がつかないがな」
「……少々気になったので、鑑定を使ってみたいと思いましたが、その……覗いてはならないと強く感じました」
フィーラが持つ鑑定のアビリティレベルは五。商人として十分にやっていけるレベル。
だが、戦う者としての本能が脳に告げた。
目の前の人物を除いてはならない。除けば……碌な目に合わない。
実際はそんなことにならないのだが、これが全く関係無い人物から覗かれれば、フェリスも少々怒るかもしれない。
だが……そもそもフェリスのステータスを視ようとしても、覗くことができない。
「フィーラのそういうところは信用出来るのよね……確かに普通の女性って感じではなかったけど、いまいち正体がみえてこない」
「……俺は、その人から獣人の様な気配を感じた」
「? おいおいヤガス、あのお姉さんはわざわざ獣人であることを隠してるってのか??」
この国でわざわざ獣人であることを隠す必要はない。
国によっては人族以外の人種を迫害するような最悪な状況も存在するが、ガルガント王国にそのような風潮は存在しない。
「いや、そういう訳ではないのだが……獣人族の多くは胸の内に強い闘争心を秘めている。その闘争心をフェリスさんからも感じ取ったのだ」
「…………ふむ、もしかしたら」
「ドレッグさん、何か分かったんですか?」
「確証はないが、もしかしたらフェリス殿はラガス殿の従魔であるルーフェイス……ブラックウルフの母親、じゃないかと思ってね」
「「「「ッ!!!!」」」」
ドレッグの考察に歩いていた者は思わず足が止まりそうになったが、なんとか気を持ち直して馬車に遅れないように歩き続ける。
「それは……さ、さすがに話が飛び過ぎではないでしょうか」
「そうかな。ラガス殿の従魔……報告ではブラックウルフだが、私には一般的なブラックウルフよりも力強い存在だと感じた」
現在ルーフェイスはいつも通りブラックウルフの外見のまま中でのんびりとしている。
そんなルーフェイスを一目見て、ドレッグは他のブラックウルフとは何か違うと感じた。
「それじゃあ、あのブラックウルフはそもそもブラックウルフではない、ってのか?」
「実際のところどうなのかは分からない。もしかしたら旅の途中にラガス殿が教えてくれるかもしれないが……フェリスもルーフェイス殿も強者なのは間違いな」
「…………あのドレッグさん、一つ訊いてもいいですか」
「あぁ、勿論だ。何か疑問に感じたのか?」
「えっと、その……今回アルガ王国へ向かうのに、私たちは護衛として必要なのでしょうか」
これに関してはフィーラだけではなく、ドレッグを含めて一回は疑問に感じた内容だった。
ラガスは言わずもがな、超強い。
ラガスのパートナーであるセルシアも学生レベルを超えた強さを持つ。
そしてラガスの従者である二人は前日の大会で強敵を押しのけて優勝を掻っ攫った。
そこに加えてブラックウルフにしては疑わしい素貯砂を持つルーフェイスに加えて、近衛騎士の中でも上位に入る実力を持つドレッグが戦わずして勝てないと判断した人物、フェリス。
本当に自分たちの護衛が必要なのかと疑ってしまう面子が揃っている。
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