502 / 1,103
逃げたとしても
しおりを挟む
リーベの恋愛惨劇はあまり細かく説明せず、いったいどういった流れでリーベがとある少年とアザルトさんの人生を懸けて戦うことになり、どのような強さを身に着けたのかを説明した。
「まさか羅門を使えるようになっているとは……なるほど、確かにラガス君が猛者だと断言するのも納得出来る」
「正直、自分もリーベと一緒に訓練をするようになったばかりの頃は、羅門を習得出来るとは思っていませんでした」
羅門という名の限界突破アビリティは誰でも習得出来るものではなく、肉体的な強さにプラスして優れた体術を会得している者しか身に付けられない。
まさに才ある者が努力を積み重ねた先に得られるアビリティ。
……と言ってしまうと、羅門を習得している自分が体術の才能がある断言するようで恥ずかしいが、間違っていない筈。
とにかく、そんなアビリティを短期間で習得したリーベは間違いなく才能を開花させ、学生の中では強者と呼べる部類に至っている。
「ラガス君の指導が良かったから、という考えはまた別かな」
「別ですね。自分の訓練内容が他の生徒たちと比べてハードかもしれませんが、それに付いて来れるかどうかは本人次第です」
個人的な感想だが、本当に俺の指導の是非は関係無い。
どう考えてもリーベのライド君には負けたくないという強い思いが原動力となり、ハードな訓練にも付いてきた。
その結果、今まで眼を向けていなかった才能が開花して学生の中ではトップクラスの力を手に入れた。
とはいっても、主体にしていた剣術の腕がしょぼいのかと言われれば、そんなことはないんだよな。
「ただ、お話しした通り……リーベと戦った相手側の生徒は平民という出自から考えると、飛び抜けた力を持っていました」
「ふむ、そうだな。話を聞く限り……セルシアと同等の実力を持っていると考えて良さそうだ」
「そう、かもしれません」
親であるロウレット公爵様の前で絶対にそうだと断言は出来ないが、才能という点であれば……僅かに上回っているかもしれない。
限界突破のアビリティなんて、俺だけでなくシュラやメリルも習得出来ていない。
それに加えて珍しい光魔法を、戦闘用にがっつり使えてた。
剣術の腕も並ではなく……オールマイティなメリルより上だったか?
とにかく、貴族からすれば「なんなんだこいつは!!!」と思われる存在ではあるな。
「ラガス君なら、彼に勝てるかな」
「……はい、勝てます」
どっからどう見ても物語の主人公みたいな奴だが、それでも現時点では負けない。
というか、よっぽどのことがない限りこれからも負けないと思う。
潜在能力は高いだろうけど、手札の数なら負けない自信がある。
「ただ、ライド君はこれからまだまだ強くなると思いますし、ロウレット公爵様の頭の片隅に入れておいて損はない人物かと」
「ふっふっふ、そうだな……有益な情報を聞かせてもらったよ」
ライド君が将来ハンターになるなら、ロウレット公爵様が彼を使う可能性はゼロではない。
彼にとっても、リーベ家に返さなければいけない金を稼ぐ良い機会になるだろう。
それにしても……多分、リーベ君は戦闘のこと以外に関して凄いバカ、って雰囲気ではなかったんだよな。
三年生になる頃には自分が置かれた現実に気付くと思うんだけど……どうするんだろ?
「しかし、将来有望なハンター君は出発そうそう借金まみれ、ということになるね」
「は、ははは。そ、そうなんですよね~~~~。その……あれですよね、人の婚約者を奪った代償といったところですね」
俺もジークからセルシアを奪った人だからあんまり大声で言えないけど、結果的にライド君も借金まみれの道を選んだわけだから……仕方ない結果ではあるよな。
「……私としては、そこから逃げても仕方ないと思えてしまうがね」
「ッ!!!」
おっと…………ロウレット公爵様がそうおっしゃるのは全く予想してなかった。
「勿論、アザルト家のご令嬢は逃げては駄目だがね。だが、そのライド君はそこまで大きな借金を背負う事になるとは知らなかったのだろう」
「……そうですね。リーベとの決闘が終わるまで知らなかったかと」
「それならば、男として情けないと思われるかもしれないが、同情する者の方が多いかもしれぬ」
ライドが平民、あまり貴族の事情について知らないという点を考慮すれば……やっぱりそうなのかな。
「まさか羅門を使えるようになっているとは……なるほど、確かにラガス君が猛者だと断言するのも納得出来る」
「正直、自分もリーベと一緒に訓練をするようになったばかりの頃は、羅門を習得出来るとは思っていませんでした」
羅門という名の限界突破アビリティは誰でも習得出来るものではなく、肉体的な強さにプラスして優れた体術を会得している者しか身に付けられない。
まさに才ある者が努力を積み重ねた先に得られるアビリティ。
……と言ってしまうと、羅門を習得している自分が体術の才能がある断言するようで恥ずかしいが、間違っていない筈。
とにかく、そんなアビリティを短期間で習得したリーベは間違いなく才能を開花させ、学生の中では強者と呼べる部類に至っている。
「ラガス君の指導が良かったから、という考えはまた別かな」
「別ですね。自分の訓練内容が他の生徒たちと比べてハードかもしれませんが、それに付いて来れるかどうかは本人次第です」
個人的な感想だが、本当に俺の指導の是非は関係無い。
どう考えてもリーベのライド君には負けたくないという強い思いが原動力となり、ハードな訓練にも付いてきた。
その結果、今まで眼を向けていなかった才能が開花して学生の中ではトップクラスの力を手に入れた。
とはいっても、主体にしていた剣術の腕がしょぼいのかと言われれば、そんなことはないんだよな。
「ただ、お話しした通り……リーベと戦った相手側の生徒は平民という出自から考えると、飛び抜けた力を持っていました」
「ふむ、そうだな。話を聞く限り……セルシアと同等の実力を持っていると考えて良さそうだ」
「そう、かもしれません」
親であるロウレット公爵様の前で絶対にそうだと断言は出来ないが、才能という点であれば……僅かに上回っているかもしれない。
限界突破のアビリティなんて、俺だけでなくシュラやメリルも習得出来ていない。
それに加えて珍しい光魔法を、戦闘用にがっつり使えてた。
剣術の腕も並ではなく……オールマイティなメリルより上だったか?
とにかく、貴族からすれば「なんなんだこいつは!!!」と思われる存在ではあるな。
「ラガス君なら、彼に勝てるかな」
「……はい、勝てます」
どっからどう見ても物語の主人公みたいな奴だが、それでも現時点では負けない。
というか、よっぽどのことがない限りこれからも負けないと思う。
潜在能力は高いだろうけど、手札の数なら負けない自信がある。
「ただ、ライド君はこれからまだまだ強くなると思いますし、ロウレット公爵様の頭の片隅に入れておいて損はない人物かと」
「ふっふっふ、そうだな……有益な情報を聞かせてもらったよ」
ライド君が将来ハンターになるなら、ロウレット公爵様が彼を使う可能性はゼロではない。
彼にとっても、リーベ家に返さなければいけない金を稼ぐ良い機会になるだろう。
それにしても……多分、リーベ君は戦闘のこと以外に関して凄いバカ、って雰囲気ではなかったんだよな。
三年生になる頃には自分が置かれた現実に気付くと思うんだけど……どうするんだろ?
「しかし、将来有望なハンター君は出発そうそう借金まみれ、ということになるね」
「は、ははは。そ、そうなんですよね~~~~。その……あれですよね、人の婚約者を奪った代償といったところですね」
俺もジークからセルシアを奪った人だからあんまり大声で言えないけど、結果的にライド君も借金まみれの道を選んだわけだから……仕方ない結果ではあるよな。
「……私としては、そこから逃げても仕方ないと思えてしまうがね」
「ッ!!!」
おっと…………ロウレット公爵様がそうおっしゃるのは全く予想してなかった。
「勿論、アザルト家のご令嬢は逃げては駄目だがね。だが、そのライド君はそこまで大きな借金を背負う事になるとは知らなかったのだろう」
「……そうですね。リーベとの決闘が終わるまで知らなかったかと」
「それならば、男として情けないと思われるかもしれないが、同情する者の方が多いかもしれぬ」
ライドが平民、あまり貴族の事情について知らないという点を考慮すれば……やっぱりそうなのかな。
97
あなたにおすすめの小説
落ちこぼれの【無属性】魔術師、実は属性そのものを定義する「概念魔法」の創始者だった
風船色
ファンタジー
「魔法とは才能(血筋)ではなく、記述されるべき論理(ロジック)である」
王立魔導学院で「万年最下位」の烙印を押された少年、アリスティア・レイロード。属性至上主義のこの世界で、火すら出せない彼は「無属性のゴミ」と蔑まれ、ついに卒業試験で不合格となり国外追放を言い渡される。
しかし、彼を嘲笑う者たちは知らなかった。アリスティアが、既存の属性魔法など比較にならないほど高次の真理――世界の現象を数式として捉え、前提条件から書き換える『概念魔法(コンセプト・マジック)』の使い手であることを。
追放の道中、彼は石ころに「硬度:無限」の概念を付与し、デコピン一つで武装集団を粉砕。呪われた最果ての森を「快適な居住空間」へと再定義し、封印されていた銀嶺竜の少女・ルナを助手にして、悠々自適な研究生活をスタートさせる。
一方、彼を捨てた王国は、属性魔法が通用しない未知の兵器を操る帝国の侵攻に直面していた。「助けてくれ」と膝をつくかつての同級生や国王たちに対し、アリスティアは冷淡に告げる。
「君たちの誇りは、僕の昼寝より価値があるのか?」
これは、感情に流されない徹底した合理主義者が、己の知的好奇心のために世界の理を再構築していく、痛快な魔導ファンタジー。
【完結】魔法大戦 〜失われた古代魔法で無双する!〜
加瀬 一葉
ファンタジー
王立魔法学校。高等部に編入してきた冴えない生徒ラフィト。エリートが集うこの学校で、辺境出身のラフィトは落ちこぼれの劣等生なのだが……。
実は彼は、失われたはずの古代魔法を操る一族の末裔。魔族の脅威が増す時代に、ラフィトは人類を救うことができるのか?
過去と現在が交錯する、魔法ファンタジー。
この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました
okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。
世の中は意外と魔術で何とかなる
ものまねの実
ファンタジー
新しい人生が唐突に始まった男が一人。目覚めた場所は人のいない森の中の廃村。生きるのに精一杯で、大層な目標もない。しかしある日の出会いから物語は動き出す。
神様の土下座・謝罪もない、スキル特典もレベル制もない、転生トラックもそれほど走ってない。突然の転生に戸惑うも、前世での経験があるおかげで図太く生きられる。生きるのに『隠してたけど実は最強』も『パーティから追放されたから復讐する』とかの設定も必要ない。人はただ明日を目指して歩くだけで十分なんだ。
『王道とは歩むものではなく、その隣にある少しずれた道を歩くためのガイドにするくらいが丁度いい』
平凡な生き方をしているつもりが、結局騒ぎを起こしてしまう男の冒険譚。困ったときの魔術頼み!大丈夫、俺上手に魔術使えますから。※主人公は結構ズルをします。正々堂々がお好きな方はご注意ください。
異世界に転生した俺は英雄の身体強化魔法を使って無双する。~無詠唱の身体強化魔法と無詠唱のマジックドレインは異世界最強~
北条氏成
ファンタジー
宮本 英二(みやもと えいじ)高校生3年生。
実家は江戸時代から続く剣道の道場をしている。そこの次男に生まれ、優秀な兄に道場の跡取りを任せて英二は剣術、槍術、柔道、空手など様々な武道をやってきた。
そんなある日、トラックに轢かれて死んだ英二は異世界へと転生させられる。
グランベルン王国のエイデル公爵の長男として生まれた英二はリオン・エイデルとして生きる事に・・・
しかし、リオンは貴族でありながらまさかの魔力が200しかなかった。貴族であれば魔力が1000はあるのが普通の世界でリオンは初期魔法すら使えないレベル。だが、リオンには神話で邪悪なドラゴンを倒した魔剣士リュウジと同じ身体強化魔法を持っていたのだ。
これは魔法が殆ど使えない代わりに、最強の英雄の魔法である身体強化魔法を使いながら無双する物語りである。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる