万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?

Gai

文字の大きさ
764 / 1,103

憧れない?

しおりを挟む
「どうだ。貴族なんだからそれぐらい当然の役目だろって思うかもしれないけど、国を跨いだりしたら結構面倒な問題に発展するだろ」

「そ、そうです、ね……というか、ラガスさん……そんなにその面倒な令息? をボコボコにしたんですか?」

「まぁ……そうだな。キッチリ再度面倒な気が起きないぐらいボコボコにした。でも、俺らが帰るって分かったタイミングで無理矢理屋敷から出ようとして、屋敷内で魔法をぶっ放してたな」

「…………そういう話を聞くと、やっぱり貴族ってヤバいなって思っちゃいますね」

はは、そうだろうな……実際は令息じゃなくて王子なんだけどな。
さすがに本当の事を全部言ったらな……面倒な刺客を差し向けられるのは嫌だからな。

「だろうな。俺としては、そもそもの教育から変えないとその溝はどうこう出来ないと思ってる。けどな、悪い奴ばっかじゃないんだぞ」

名誉回復ってわけじゃないけど、こういう奴がいるってのも知っておいてほしい。

「俺の学友に、とある令嬢に本気で惚れ込んでいた奴が居たんだ。子供の頃に一目惚れしたらしくて、そのまま一応婚約って形になったんだ」

「……ちょっと含みがある言い方ですね。もしかして、無理矢理ですか?」

ん~~~~~……そこそこ鋭い!!!!

絶対にそうじゃないとは言えないな。

「親の爵位に関しては、男の親の方が上だった。ただな、そいつは長男じゃなかったから、相手の親の立場がどうたらこうたらって深く考え、悩む必要がなかった。寧ろ、婚約を申し込まれた令嬢の親は飛び跳ねて喜んだだろうな」

「ラガスさんがそこまで褒める? ってことは、その令息は婚約者になった令嬢の事を大切にしてたんですね」

「話を聞く限り、そこら辺の恋人と変わりないぞ。まぁ、学園に入学するまではデートとか出来ず、近況を手紙で報告し合うことが多かったらしいけどな」

文通? で合ってるよな。
前世ならそんな事をしてる若者はもう殆どいないだろうけど、文通でしか味わえない青い春ってのもありそうだな。

「同じ学園に入学してからは、デートに誘って王都をメインに動いていたらしい……人によって楽しい、楽しくないの差はあるだろうけど、真っ当な付き合いをしてたと思うぞ」

「……そういう事もしてなかった感じですか?」

「あいつの想い、覚悟的に絶対にしてない……というか出来なかっただろうな」

年頃の男子で、そういう事をしたくない奴はいないだろ……っていうのはブーメランになるな。

何はともあれ、本気で好きだったからこそ……自分に心を動かしてからじゃないと、手を出せなかっただろうな。
親の権力が相手の親より上だからって理由で迫ろうものなら、完全にあいつの理想とかけ離れる。

「向こう側に元々想い人がいてな。それを俺のダチも知ってたからこそ、下手に手を出さなかったんだよ」

「……もしかして、その想い人というのは平民、ですか?」

「本当に鋭いな。女の勘ってやつ?」

「そんなところです」

「恐ろしいな……まっ、その想い人も想い人で、全くその令嬢の事を諦めてなかったんだ」

そこから決闘、そして結末までを実名を出さずに伝えると……三人の内の二名、男二人が急に涙を流し始めた。

「お、おい。大丈夫か?」

「いや、あれっす……これは、あれです。男泣きってやつっす」

「お、同じく。その……ラガスさんの学友の心境を、イメージすると……すいません」

「それは別に構わないけど」

やっぱり、男の方はあいつの気持ちに、行動に共感出来るみたいだな。

「……女性の私としても、なんだか……素直に婚約者になった令嬢の方に対して、良かったとは思えませんね」

「おろ、そうなのか? 女性は今回みたいなストーリーが好みだと思っていたけど」

「…………まだ大人の女性と言えるほど経験は積んでませんけど、なんか……腑に落ちないというか、やっぱりその令嬢側を素直におめでとうとは言えませんね」

ふむ。そんな風に感じる人もいるんだな。
っと、そろそろ訓練再開だな。
しおりを挟む
感想 128

あなたにおすすめの小説

ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜

KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞 ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。 諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。 そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。 捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。 腕には、守るべきメイドの少女。 眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。 ―――それは、ただの不運な落下のはずだった。 崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。 その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。 死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。 だが、その力の代償は、あまりにも大きい。 彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”―― つまり平和で自堕落な生活そのものだった。 これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、 守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、 いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。 ―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。

落ちこぼれの【無属性】魔術師、実は属性そのものを定義する「概念魔法」の創始者だった

風船色
ファンタジー
「魔法とは才能(血筋)ではなく、記述されるべき論理(ロジック)である」 王立魔導学院で「万年最下位」の烙印を押された少年、アリスティア・レイロード。属性至上主義のこの世界で、火すら出せない彼は「無属性のゴミ」と蔑まれ、ついに卒業試験で不合格となり国外追放を言い渡される。 しかし、彼を嘲笑う者たちは知らなかった。アリスティアが、既存の属性魔法など比較にならないほど高次の真理――世界の現象を数式として捉え、前提条件から書き換える『概念魔法(コンセプト・マジック)』の使い手であることを。 追放の道中、彼は石ころに「硬度:無限」の概念を付与し、デコピン一つで武装集団を粉砕。呪われた最果ての森を「快適な居住空間」へと再定義し、封印されていた銀嶺竜の少女・ルナを助手にして、悠々自適な研究生活をスタートさせる。 一方、彼を捨てた王国は、属性魔法が通用しない未知の兵器を操る帝国の侵攻に直面していた。「助けてくれ」と膝をつくかつての同級生や国王たちに対し、アリスティアは冷淡に告げる。 「君たちの誇りは、僕の昼寝より価値があるのか?」 これは、感情に流されない徹底した合理主義者が、己の知的好奇心のために世界の理を再構築していく、痛快な魔導ファンタジー。

【完結】魔法大戦 〜失われた古代魔法で無双する!〜

加瀬 一葉
ファンタジー
 王立魔法学校。高等部に編入してきた冴えない生徒ラフィト。エリートが集うこの学校で、辺境出身のラフィトは落ちこぼれの劣等生なのだが……。  実は彼は、失われたはずの古代魔法を操る一族の末裔。魔族の脅威が増す時代に、ラフィトは人類を救うことができるのか?  過去と現在が交錯する、魔法ファンタジー。

この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました

okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。

転生したら『塔』の主になった。ポイントでガチャ回してフロア増やしたら、いつの間にか世界最強のダンジョンになってた

季未
ファンタジー
【書き溜めがなくなるまで高頻度更新!♡٩( 'ω' )و】 気がつくとダンジョンコア(石)になっていた。 手持ちの資源はわずか。迫りくる野生の魔物やコアを狙う冒険者たち。 頼れるのは怪しげな「魔物ガチャ」だけ!? 傷ついた少女・リナを保護したことをきっかけにダンジョンは急速に進化を始める。 罠を張り巡らせた塔を建築し、資源を集め、強力な魔物をガチャで召喚! 人間と魔族、どこの勢力にも属さない独立した「最強のダンジョン」が今、産声を上げる!

世の中は意外と魔術で何とかなる

ものまねの実
ファンタジー
新しい人生が唐突に始まった男が一人。目覚めた場所は人のいない森の中の廃村。生きるのに精一杯で、大層な目標もない。しかしある日の出会いから物語は動き出す。 神様の土下座・謝罪もない、スキル特典もレベル制もない、転生トラックもそれほど走ってない。突然の転生に戸惑うも、前世での経験があるおかげで図太く生きられる。生きるのに『隠してたけど実は最強』も『パーティから追放されたから復讐する』とかの設定も必要ない。人はただ明日を目指して歩くだけで十分なんだ。 『王道とは歩むものではなく、その隣にある少しずれた道を歩くためのガイドにするくらいが丁度いい』 平凡な生き方をしているつもりが、結局騒ぎを起こしてしまう男の冒険譚。困ったときの魔術頼み!大丈夫、俺上手に魔術使えますから。※主人公は結構ズルをします。正々堂々がお好きな方はご注意ください。

異世界に転生した俺は英雄の身体強化魔法を使って無双する。~無詠唱の身体強化魔法と無詠唱のマジックドレインは異世界最強~

北条氏成
ファンタジー
宮本 英二(みやもと えいじ)高校生3年生。 実家は江戸時代から続く剣道の道場をしている。そこの次男に生まれ、優秀な兄に道場の跡取りを任せて英二は剣術、槍術、柔道、空手など様々な武道をやってきた。 そんなある日、トラックに轢かれて死んだ英二は異世界へと転生させられる。 グランベルン王国のエイデル公爵の長男として生まれた英二はリオン・エイデルとして生きる事に・・・ しかし、リオンは貴族でありながらまさかの魔力が200しかなかった。貴族であれば魔力が1000はあるのが普通の世界でリオンは初期魔法すら使えないレベル。だが、リオンには神話で邪悪なドラゴンを倒した魔剣士リュウジと同じ身体強化魔法を持っていたのだ。 これは魔法が殆ど使えない代わりに、最強の英雄の魔法である身体強化魔法を使いながら無双する物語りである。

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。 12/23 HOT男性向け1位

処理中です...