万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?

Gai

文字の大きさ
777 / 1,103

気にし過ぎない

しおりを挟む
ギルドへの報告を終えた後は、またいつもの様にルーキーたちと酒場で夕食を食べるのだが……転移トラップを踏んでしまった奴のテンションがやや低かった。

「しっかり食べてるか?」

「あっ、はい。勿論です。食べないと、動けないですから」

……完全に意気消沈してるわけではなさそうだな。

「あの一件は特に気にしなくて良い」

「っ!? ……そ、そういう訳にはいきません」

「別に良いんだよ。ただ、忘れなければ良い」

「???」

何が違うのか、って言いたげな顔だ。

「うっかり転移トラップを踏んでしまった。それに引きずられて、ダンジョン探索の最中に臆病過ぎる状態になられても困る」

「その……と、トラウマというレベルのあれは、ありません」

「それは良かった。多分嘘ではないんだろうけど、そういう問題じゃない。あの時、なんで転移トラップを発動してしまったんだ?」

「……敵の攻撃を受け、踏ん張ることが出来ず、弾き飛ばされてしまったからです」

「そうだよな。ちゃんとそうなった流れの要因がある。なら、そこを改善すれば良いと思わないか?」

「っ……そうですね」

気にし続けることが逃げだとは思わない。

でも、それが原因で一瞬の判断が遅れ……それが結果として最悪のケースに繋がるかもしれない。

「あの状況では、他のメンバーと一緒に戦ってたんだ。ほんの数秒の間は戦線を任せて、全力で回避しても良かった。もしくは、これからじっくり技術を磨いて、上手く受け流せるようになるのもありだ」

「選択肢が、多いですね」

「はは、確かにそうかもな。それなら、自分がどういった冒険者に……どういった戦闘スタイルを目指したいのか、そういったイメージから選択肢を絞っていけば良い」

受け流すだけじゃなく……あれを力で押し返す、逆に弾き飛ばすってのも一つの選択肢だ。
まっ、それなら今以上に筋肉を鍛えてパワーファイターにならないとだけどな。

「……ティールさんって、元々教師の真似事とかしてたんですか?」

「急な質問だな。偶にそういう質問をされて答えることはあった」

元々シュラやメリルたちと意見交換をすることが多かった。

一番本格的にそれっぽい事をしたのは……リーベからの依頼に応える時だったか?

「まぁ……場合によるが、それは俺じゃなくて教師に訊くべきなんじゃないかって時もあったけどな」

「それだけティールさんが頼りにされてたって事ですね」

「頼りに、なぁ…………最初の頃は、あんまりそんな感じじゃなかったぞ」

「そうなんですか?」

「そうだよ。俺、セルシアとパートナーなんだ」

「…………えっ」

おぅおぅ、面白いぐらい固まったな。

なんだ、もしかしてハンター界隈の方では、あんまり知られてないのか?

「魔力の波長がジャストフィットする関係? って奴だ」

「……実際に、合う人っているんですね」

「調べる範囲を広げれば、もっといそうだけどな」

確証はないけど、多分……貴族の面子を保つためだろうな。
いや、万が一平民と貴族がパートナー関係になったら、それはそれで困るって話でもあるのか?

……仕方ない部分はあるんだろうけど、政治ってのは面倒だな。

「俺は男爵家の出身。んで、セルシアは公爵家の出身なんだ……後はなんとなく解るだろ」

「えっと……嫉妬に駆られた他の令息たちから襲われたとか?」

「結構マジでそんな感じだ」

本当に、あれにはビックリしたな。

同じ立場なら俺もクソ苛立つとは思うけど、公式の場で違法なお薬を使って自身を強化して殺しにくるとか……流石にそれを使うのは人気のない場所とかにしたら? って思ったな~~。

「一番びっくりしたのは、セルシアの自称友人? ライバル? 的な令嬢から本気で眼の仇にされたことだな」

「せ、セルシアさんて同性の人からも人気があったんですね」

人気、なぁ~~~~……だとしたら、クソ面倒なファンとしか言いようがないな、あの氷令嬢は。
しおりを挟む
感想 128

あなたにおすすめの小説

腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。

灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。 彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。 タイトル通りのおっさんコメディーです。

余命半年の僕は、君を英雄にするために「裏切り者」の汚名を着る

深渡 ケイ
ファンタジー
魔力を持たない少年アルトは、ある日、残酷な未来を知ってしまう。 最愛の幼馴染であり「勇者」であるレナが、半年後に味方の裏切りによって惨殺される未来を。 未来を変える代償として、半年で全身が石化して死ぬ呪いを受けたアルトは、残された命をかけた孤独な決断を下す。 「僕が最悪の裏切り者となって、彼女を救う礎になろう」 卓越した頭脳で、冷徹な「悪の参謀」を演じるアルト。彼の真意を知らないレナは、彼を軽蔑し、やがて憎悪の刃を向ける。 石化していく体に走る激痛と、愛する人に憎まれる絶望。それでも彼は、仮面の下で血の涙を流しながら、彼女を英雄にするための完璧なシナリオを紡ぎ続ける。 これは、誰よりも彼女の幸せを願った少年が、世界一の嫌われ者として死んでいく、至高の献身の物語。

婚約破棄で悪役令嬢を辞めたので、今日から素で生きます。

黒猫かの
恋愛
「エリー・オルブライト! 貴様との婚約を破棄する!」 豪華絢爛な夜会で、ウィルフレッド王子から突きつけられた非情な宣告。 しかし、公爵令嬢エリーの心境は……「よっしゃあ! やっと喋れるわ!!」だった。

なぜ、私に関係あるのかしら?

シエル
ファンタジー
「初めまして、アシュフォード公爵家一女、セシリア・アシュフォードと申します」 彼女は、つい先日までこの国の王太子殿下の婚約者だった。 そして今日、このトレヴァント辺境伯家へと嫁いできた。 「…レオンハルト・トレヴァントだ」 非道にも自らの実妹を長年にわたり虐げ、婚約者以外の男との不適切な関係を理由に、王太子妃に不適格とされ、貴族学院の卒業式で婚約破棄を宣告された。 そして、新たな婚約者として、その妹が王太子本人から指名されたのだった。 「私は君と夫婦になるつもりはないし、辺境伯夫人として扱うこともない」 この判断によって、どうなるかなども考えずに… ※ 中世ヨーロッパ風の世界観です。 ※ ご都合主義ですので、ご了承下さい、 ※ 画像はAIにて作成しております

史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます

白い彗星
ファンタジー
魔力の溢れる世界。記憶を失っていた少女は、最強魔導士に弟子入りをする! いずれ師匠を超える魔導士になると豪語する少女は、魔導を極めるため魔導学園へと入学する。様々な出会いが、少女を満たしていく。 しかし、平穏な学園生活を望む彼女の気持ちとは裏腹に様々な事件に巻き込まれて…!? 初めて出会う種族、友達、そして転生者。 思わぬ出会いの数々が、彼女を高みへと導いていく。 その中で明かされていく、少女の謎とは……? 果たして彼女は、師匠をも超える魔導士になれるのか!? 最強の魔導士を目指す少女の、青春学園ファンタジーここに開幕! 毎日更新継続中です。ほのぼの学園系の中にシリアスもあるよ! 小説家になろう、ノベルピア、カクヨムでも連載しています!

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。 子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。 「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」 冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。 しかし、マリエールには秘密があった。 ――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。 未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。 「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。 物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立! 数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。 さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。 一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて―― 「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」 これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、 ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー! ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

『外見しか見なかったあなたへ。私はもう、選ぶ側です』

鷹 綾
恋愛
「お前のようなガキは嫌いだ」 幼く見える容姿を理由に、婚約者ライオネルから一方的に婚約を破棄された 公爵令嬢シルフィーネ・エルフィンベルク。 その夜、嫉妬に狂った伯爵令嬢に突き落とされ、 彼女は一年もの間、意識不明の重体に陥る――。 目を覚ました彼女は、大人びた美貌を手に入れていた。 だが、中身は何ひとつ変わっていない。 にもかかわらず、 かつて彼女を「幼すぎる」と切り捨てた元婚約者は態度を一変させ、 「やり直したい」とすり寄ってくる。 「見かけが変わっても、中身は同じです。 それでもあなたは、私の外見しか見ていなかったのですね?」 静かにそう告げ、シルフィーネは過去を見限る。 やがて彼女に興味を示したのは、 隣国ノルディアの王太子エドワルド。 彼が見ていたのは、美貌ではなく―― 対話し、考え、異論を述べる彼女の“在り方”だった。 これは、 外見で価値を決められた令嬢が、 「選ばれる人生」をやめ、 自分の意思で未来を選び直す物語。 静かなざまぁと、 対等な関係から始まる大人の恋。 そして―― 自分の人生を、自分の言葉で生きるための物語。 ---

処理中です...