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第121話 称賛に値する行動?
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「……今更ですけど、こんなに奢ってもらって良いんすか?」
「気にしなくて良いの! うちの買い物に付き合ってもらってる訳だしね!」
買い物という割にはあまりタリアが何かを買うことはなく、時折二人で露店の食べ物を食べ……食べ歩きの方がメインになっていた。
「ちょっと休憩しよっか」
そう言うと、タリアは本当に偶に訪れるカフェに入った。
「タリアさんもこういった場所に来るんですね」
「……まぁね」
今日だけではなく、偶に来ているのは間違いない。
ただ、珍しく喧嘩をせずにファエリナと会話をした際に教えてもらった店。
リラックス出来る店内の装飾にメニューがあり、珍しくファエリナに感謝したものの……それはそれでこれはこれ。
喧嘩相手のお勧め店に通い詰めるのもなんだか……という面倒なプライド故、本当に偶にしか訪れていない。
「…………なんかあったんですか?」
「えっ」
「いや、その……なんか、悩んでる様に見えて」
本当の姉弟の様に、とまではいかずとも、バトムスとタリアの仲は非常に良好。
そのため、バトムスは姉弟子のいつもと違う表情や雰囲気を感じ取っていた。
「はは、顔に出ちゃってたか~~~……んっとねぇ………………その、この前森でモンスター相手に、自作を振り回してたんだよ」
周知の事実ということもあり、バトムスは「それはタリアさんの仕事じゃなくないですか?」とはツッコまない。
「んで、一人で動いている冒険者がオークに襲われててさ、とりあえず助けたんだよ」
「……そこで、何か問題が起こったんすか?」
タリアの強さはそこら辺の冒険者よりも上……どころか上位に食い込むほどのものであるため、オーク程度に負けることはまずない。
そんなバトムスの考え通り、戦闘に関しては全く問題は無かった。
「問題って言うか……問題、かな? その…………助けた冒険者の男の子に、告白されたんだよ」
「…………………………なる、ほど」
理解するのに少々時間は掛かったものの、バトムスはとりあえずその光景をイメージは出来た。
(助けられて、その場で告白か……流れで言ってしまったのか、感情が爆発したのかは知らないけど、なんか凄いな)
バトムスは自分が出会った事のない男の子に賞賛を覚えた。
何故なら……バトムスは前世も含め、告白という行動を行ったことがない。
今世ではまだいないものの、前世では異性として好きという感情を持った相手が、一人か二人はいた。
ただ、関りがない、自分に自信がない……そういった理由が諸々重なり、結局人生で一度も告白をしたことがなかった。
「あっ、嘘だと思ったっしょ」
「いや、思ってないっすよ。他の人がどう思ってるのかは知らないっすけど、俺はタリアさんのこと女性として魅力があるって思うんで」
「……ふふ~~~~ん。乗せられてやろうじゃんか!!!」
弟弟子からの褒め言葉に気分が良くなり、食事を追加。
バトムスは晩飯が入らなくなるんじゃないか? と思いつつも、提供される料理の美味さに舌鼓を打ち、ぺろりと平らげてしまう。
「ってもさ、うちは告白とか初めてされてさ……なんか、もっと強くなったら考えてやるよ、みたいなこと言ったんだったかな? って感じで適当に流しちゃったんだけど……」
「それで正しかったのか、って悩んでると」
「そうなんだよね~~~~」
タリアが助けた少年に取った行動は、大人のお姉さんと言える対応であり、決して悪いものではなかった。
「…………タリアさんから見て、その男の子はありだったんですか?」
「……今の時点じゃあ、特にそういう対処には捉えられない、かな」
「でも、悪い気はしなかったと」
「いや、まぁそりゃあれだよ。多分……まだ十五になってないか? って感じのガキんちょからの告白だったし、向こうがなんか……勢いが爆発して? みたいなことも考えられるけど……まぁ、バトムスの言う通りかなって感じではあった」
(…………なんと言うか、乙女な顔してるな~~)
バトムスにとって、タリアは仲の良い姉、先輩ということもあり、そういった部分の顔しかこれまで見たことがなかった。
だからこそ、乙女な表情を浮かべているタリアは、非常に新鮮であった。
「……俺としては、特に悩む必要はないんじゃないかと思うっすけど、タリアさんは何をやってしまったって思ったんですか」
「どうすれば良いか解んなかったからさ、こう……明確に断ってなかったんだよ。だから、そのせいであの男の子の感情って言うか視野っていうか、そういうのを狭めたりしてないかって」
「あぁ~~~~~~……なる、ほど~~~…………そういう事なら、悩むのも解らなくはないっすね」
周囲の客たちは「いや、なんでまだ子供の君が解るんだよ!!!」とツッコミたかったが、あまり大きな声を出して良い場所ではないため、バトムスの発言に誰もツッコまなかった。
「気にしなくて良いの! うちの買い物に付き合ってもらってる訳だしね!」
買い物という割にはあまりタリアが何かを買うことはなく、時折二人で露店の食べ物を食べ……食べ歩きの方がメインになっていた。
「ちょっと休憩しよっか」
そう言うと、タリアは本当に偶に訪れるカフェに入った。
「タリアさんもこういった場所に来るんですね」
「……まぁね」
今日だけではなく、偶に来ているのは間違いない。
ただ、珍しく喧嘩をせずにファエリナと会話をした際に教えてもらった店。
リラックス出来る店内の装飾にメニューがあり、珍しくファエリナに感謝したものの……それはそれでこれはこれ。
喧嘩相手のお勧め店に通い詰めるのもなんだか……という面倒なプライド故、本当に偶にしか訪れていない。
「…………なんかあったんですか?」
「えっ」
「いや、その……なんか、悩んでる様に見えて」
本当の姉弟の様に、とまではいかずとも、バトムスとタリアの仲は非常に良好。
そのため、バトムスは姉弟子のいつもと違う表情や雰囲気を感じ取っていた。
「はは、顔に出ちゃってたか~~~……んっとねぇ………………その、この前森でモンスター相手に、自作を振り回してたんだよ」
周知の事実ということもあり、バトムスは「それはタリアさんの仕事じゃなくないですか?」とはツッコまない。
「んで、一人で動いている冒険者がオークに襲われててさ、とりあえず助けたんだよ」
「……そこで、何か問題が起こったんすか?」
タリアの強さはそこら辺の冒険者よりも上……どころか上位に食い込むほどのものであるため、オーク程度に負けることはまずない。
そんなバトムスの考え通り、戦闘に関しては全く問題は無かった。
「問題って言うか……問題、かな? その…………助けた冒険者の男の子に、告白されたんだよ」
「…………………………なる、ほど」
理解するのに少々時間は掛かったものの、バトムスはとりあえずその光景をイメージは出来た。
(助けられて、その場で告白か……流れで言ってしまったのか、感情が爆発したのかは知らないけど、なんか凄いな)
バトムスは自分が出会った事のない男の子に賞賛を覚えた。
何故なら……バトムスは前世も含め、告白という行動を行ったことがない。
今世ではまだいないものの、前世では異性として好きという感情を持った相手が、一人か二人はいた。
ただ、関りがない、自分に自信がない……そういった理由が諸々重なり、結局人生で一度も告白をしたことがなかった。
「あっ、嘘だと思ったっしょ」
「いや、思ってないっすよ。他の人がどう思ってるのかは知らないっすけど、俺はタリアさんのこと女性として魅力があるって思うんで」
「……ふふ~~~~ん。乗せられてやろうじゃんか!!!」
弟弟子からの褒め言葉に気分が良くなり、食事を追加。
バトムスは晩飯が入らなくなるんじゃないか? と思いつつも、提供される料理の美味さに舌鼓を打ち、ぺろりと平らげてしまう。
「ってもさ、うちは告白とか初めてされてさ……なんか、もっと強くなったら考えてやるよ、みたいなこと言ったんだったかな? って感じで適当に流しちゃったんだけど……」
「それで正しかったのか、って悩んでると」
「そうなんだよね~~~~」
タリアが助けた少年に取った行動は、大人のお姉さんと言える対応であり、決して悪いものではなかった。
「…………タリアさんから見て、その男の子はありだったんですか?」
「……今の時点じゃあ、特にそういう対処には捉えられない、かな」
「でも、悪い気はしなかったと」
「いや、まぁそりゃあれだよ。多分……まだ十五になってないか? って感じのガキんちょからの告白だったし、向こうがなんか……勢いが爆発して? みたいなことも考えられるけど……まぁ、バトムスの言う通りかなって感じではあった」
(…………なんと言うか、乙女な顔してるな~~)
バトムスにとって、タリアは仲の良い姉、先輩ということもあり、そういった部分の顔しかこれまで見たことがなかった。
だからこそ、乙女な表情を浮かべているタリアは、非常に新鮮であった。
「……俺としては、特に悩む必要はないんじゃないかと思うっすけど、タリアさんは何をやってしまったって思ったんですか」
「どうすれば良いか解んなかったからさ、こう……明確に断ってなかったんだよ。だから、そのせいであの男の子の感情って言うか視野っていうか、そういうのを狭めたりしてないかって」
「あぁ~~~~~~……なる、ほど~~~…………そういう事なら、悩むのも解らなくはないっすね」
周囲の客たちは「いや、なんでまだ子供の君が解るんだよ!!!」とツッコミたかったが、あまり大きな声を出して良い場所ではないため、バトムスの発言に誰もツッコまなかった。
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