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第143話 問題は、ない
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「~~~~♪」
夕食時、バトムスは非常に上機嫌な様子で夕食を食べていた。
「ふふ。随分とご機嫌だね。何か良い事でもあったのかな?」
「っ、えっと……そうですね。とても素晴らしい武器を見つけてしまって、つい大人買いをしてしまいました」
同席で夕食を食べているギデオンは、バトムスが王都の観光を満喫してくれているようで、非常に嬉しかった。
今回バトムスを王都に行かないかと誘ったのは、ルチアが複数の学園が主催するトーナメントに参加するから……ではなく、上の人物からの命があったから。
そのため、少しでもバトムスが王都を楽しんでくれていると知り、ほっと一安心するギデオン。
「そうなんだね。いったいどんな武器を購入したんだい」
「刀という武器を購入しました」
「刀…………確か、別の大陸で生まれた刃が薄く、斬ることに特化した武器、だったかな」
「はい、そうです。それを専門で扱う店があり、こう……一目惚れしたと言いますか」
「ふふ。それで大人買いしてしまったんだね」
武器に一目惚れするという感覚はギデオンも解る。
つい大人買いしてしまう気持ちも……解らなくもない。
ただ、気になるところがあった。
(ノウザスとライラの表情が少し強張っているね……もし、バトムスが問題を起こしてしまった、問題に絡まれてしまったのなら、ここまで明るい表情になっていない筈)
ビジネスパートナーであり、友人としての側面もある。
そのため、バトムスの表情から今日一日の間に、問題と呼べるような出来事はなかったと解る。
しかし、ノウザスとライラの表情が気になるのも事実。
豪華な夕食を食べ終えた後、ギデオンは自身の部屋に二人を呼んだ。
「特に怒ろうとか、そういった理由はない。ただ、二人の表情が少し気になってね。バトムスの護衛を行っている間、何があったのか教えてほしい」
「……ふぅーーーー。かしこまりました」
ノウザスとしても、問題と呼べる問題ではないとは思っているため、呼吸を整え……バトムスの護衛を行っていた際に、何があったのかを話した。
「ふ、ふふふ」
「ぎ、ギデオン様?」
「ふふふふふ。はぁ~~~~、二人とも、そんなに気にする必要はないよ」
「そ、そうでしたか」
「まぁ、確かに話を聞く限り大人買いならぬ富豪買いってところではあるけどね」
全ての買い物を合計すると、約黒曜金貨三枚。
ギデオンであっても、まずプライベートで使うことのない金額である。
一人の少年がそれだけの金額を使用したとなれば大きな話題になりそうだが、幸いにも超大金を使用したのは一件のみ。
その店には幸いにもバトムスたち以外の客はいない。
刀剣の質を二人から聞いた限り、客の情報をむやみやたら振りまかない店だと判断。
「それにしても、個室でやり取りするのは良い判断だったね。流石バトムス。それに、ノウザスも上手く対応してくれてありがとう」
「いえ。ギデオン様が事前に用意していたくださったからこその対応です」
ノウザスは新米騎士たちと比べれば高い地位に就いているが、それでも普段からアブルシオ辺境伯家の家紋が記されたブローチを持つのを許可されてはいない。
だが、今回は特例で万が一の事態に備えて有することを許可された。
「素早く使用したのはノウザスの判断力あってだよ。しかし…………うん、確かに二人があぁいった顔をしちゃうのも解る額だね」
元々冷静ではあるが、改めて今回の買い物でバトムスが使用した金額を考えると、無意識に体が震えてしまう。
ギデオンは……アブルシオ辺境伯家は、バトムスが前世のアイデアで得た利益の一部を仲介料として貰っているため、ある程度バトムスの懐に入る額が解る。
(あの工房も……間違いなく黒曜金貨が必要になった、よね…………けど……それでも、大丈夫ではある、か)
バトムスの懐には永久的に金が入る。
物に関してはともかく、料理に関してはこの先ずっと消費され続けられる物であるため、バトムスは十代前半にして不労所得を獲得したようなもの。
加えて仮に……仮に、何かしらの大事件が起きたとしてその収入源が無くなってしまったとしても、バトムスにはルーキーより数段上の戦闘力と探索力がある。
住まいに関しては既に購入しているため、気にしなければならないのは食費と趣味に掛ける金のみ。
「とりあえず、二人が心配する必要はないから安心して」
「「はっ!!」」
二人が退室した後、背もたれに体重を預け、執事であるシャルトが淹れた紅茶を飲む。
「ふぅ~~~~~~~…………シャルトは驚いたかい?」
「そうですね。バトムス君は興味があることには投資を惜しまない性格であるのは承知していましたが、使うとしても素材の購入に使用すると予想していました」
「確かにそうだね。今は使えずとも、もっと腕を高めた時にと購入しそうだったけど、まさか武器そのものに大金を使用するとはね………………刀、か」
情報は知っていた。
実際に使い手が戦う姿も見たことがある。
それでも自分で使ってみようとはならなかったが……あのバトムスが興味津々、爆発状態ならばと、ギデオンもノウザスと同じく刀に薄っすらと興味を持つのだった。
夕食時、バトムスは非常に上機嫌な様子で夕食を食べていた。
「ふふ。随分とご機嫌だね。何か良い事でもあったのかな?」
「っ、えっと……そうですね。とても素晴らしい武器を見つけてしまって、つい大人買いをしてしまいました」
同席で夕食を食べているギデオンは、バトムスが王都の観光を満喫してくれているようで、非常に嬉しかった。
今回バトムスを王都に行かないかと誘ったのは、ルチアが複数の学園が主催するトーナメントに参加するから……ではなく、上の人物からの命があったから。
そのため、少しでもバトムスが王都を楽しんでくれていると知り、ほっと一安心するギデオン。
「そうなんだね。いったいどんな武器を購入したんだい」
「刀という武器を購入しました」
「刀…………確か、別の大陸で生まれた刃が薄く、斬ることに特化した武器、だったかな」
「はい、そうです。それを専門で扱う店があり、こう……一目惚れしたと言いますか」
「ふふ。それで大人買いしてしまったんだね」
武器に一目惚れするという感覚はギデオンも解る。
つい大人買いしてしまう気持ちも……解らなくもない。
ただ、気になるところがあった。
(ノウザスとライラの表情が少し強張っているね……もし、バトムスが問題を起こしてしまった、問題に絡まれてしまったのなら、ここまで明るい表情になっていない筈)
ビジネスパートナーであり、友人としての側面もある。
そのため、バトムスの表情から今日一日の間に、問題と呼べるような出来事はなかったと解る。
しかし、ノウザスとライラの表情が気になるのも事実。
豪華な夕食を食べ終えた後、ギデオンは自身の部屋に二人を呼んだ。
「特に怒ろうとか、そういった理由はない。ただ、二人の表情が少し気になってね。バトムスの護衛を行っている間、何があったのか教えてほしい」
「……ふぅーーーー。かしこまりました」
ノウザスとしても、問題と呼べる問題ではないとは思っているため、呼吸を整え……バトムスの護衛を行っていた際に、何があったのかを話した。
「ふ、ふふふ」
「ぎ、ギデオン様?」
「ふふふふふ。はぁ~~~~、二人とも、そんなに気にする必要はないよ」
「そ、そうでしたか」
「まぁ、確かに話を聞く限り大人買いならぬ富豪買いってところではあるけどね」
全ての買い物を合計すると、約黒曜金貨三枚。
ギデオンであっても、まずプライベートで使うことのない金額である。
一人の少年がそれだけの金額を使用したとなれば大きな話題になりそうだが、幸いにも超大金を使用したのは一件のみ。
その店には幸いにもバトムスたち以外の客はいない。
刀剣の質を二人から聞いた限り、客の情報をむやみやたら振りまかない店だと判断。
「それにしても、個室でやり取りするのは良い判断だったね。流石バトムス。それに、ノウザスも上手く対応してくれてありがとう」
「いえ。ギデオン様が事前に用意していたくださったからこその対応です」
ノウザスは新米騎士たちと比べれば高い地位に就いているが、それでも普段からアブルシオ辺境伯家の家紋が記されたブローチを持つのを許可されてはいない。
だが、今回は特例で万が一の事態に備えて有することを許可された。
「素早く使用したのはノウザスの判断力あってだよ。しかし…………うん、確かに二人があぁいった顔をしちゃうのも解る額だね」
元々冷静ではあるが、改めて今回の買い物でバトムスが使用した金額を考えると、無意識に体が震えてしまう。
ギデオンは……アブルシオ辺境伯家は、バトムスが前世のアイデアで得た利益の一部を仲介料として貰っているため、ある程度バトムスの懐に入る額が解る。
(あの工房も……間違いなく黒曜金貨が必要になった、よね…………けど……それでも、大丈夫ではある、か)
バトムスの懐には永久的に金が入る。
物に関してはともかく、料理に関してはこの先ずっと消費され続けられる物であるため、バトムスは十代前半にして不労所得を獲得したようなもの。
加えて仮に……仮に、何かしらの大事件が起きたとしてその収入源が無くなってしまったとしても、バトムスにはルーキーより数段上の戦闘力と探索力がある。
住まいに関しては既に購入しているため、気にしなければならないのは食費と趣味に掛ける金のみ。
「とりあえず、二人が心配する必要はないから安心して」
「「はっ!!」」
二人が退室した後、背もたれに体重を預け、執事であるシャルトが淹れた紅茶を飲む。
「ふぅ~~~~~~~…………シャルトは驚いたかい?」
「そうですね。バトムス君は興味があることには投資を惜しまない性格であるのは承知していましたが、使うとしても素材の購入に使用すると予想していました」
「確かにそうだね。今は使えずとも、もっと腕を高めた時にと購入しそうだったけど、まさか武器そのものに大金を使用するとはね………………刀、か」
情報は知っていた。
実際に使い手が戦う姿も見たことがある。
それでも自分で使ってみようとはならなかったが……あのバトムスが興味津々、爆発状態ならばと、ギデオンもノウザスと同じく刀に薄っすらと興味を持つのだった。
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