執事なんかやってられるか!!! 生きたいように生きる転生者のスローライフ?

Gai

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第145話 要因は

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『皆さん、お待たせしました。それではいよいよ四つの学園から選出されたエリートたちによるトーナメントを開催します。さて……長ったらしい挨拶は抜きにして、早速未来の騎士、魔術師たちに登場してもらいましょう!!!!!!!』

司会者の言葉に、闘技場のボルテージは一気に噴火。

「っ!!!!!?????」

当然、バトムスが座っているエリアの者たちもテンション爆上がり状態となり、まるで闘技場全体が揺れていると感じるほどの熱気に包まれる。

(し、心臓止まるかと思った~~~~)

騒ぐことを知らないバトムスではない。
しかし、前世ではアーティストのライブなどに参加したことがないため、その場が揺れる、燃え上がると感じるほどの熱気を知らない。

それはシエルも同じく、ビクっ!!!!! っと震え上がり、前に倒れそうになった。

「す、凄いね、バトムスっ!!??」

「あ、あぁ、そうだな…………うん、ヤバい」

語彙力が完全に消えてしまう程圧倒されるバトムス。
そんな中、中等部のトーナメントに参加する各学園の中等部の一年生たちが入り口から現れる。

(ん~~~……どいつもこいつも羨ましい程の美形……いや、割と厳つい面した奴もいるな……うげっ!!! あの学生、百八十は越えてるよな……もしかして、百九十に届いてるか? 中学一年の身長じゃないだろ。って、あの女子生徒が持つ魔力量とかも普通じゃねぇな)

バトムスは戦闘職を目指す貴族令息や令嬢たちの平均スペックは解らない。
それでも、今舞台に上がっている者たちは、司会者が口にしていた通り、学生たちの中でもエリートと呼ばれる存在なのは解る。

だからこそ、その中でもとび抜けた何かを持つ者は更に目立つ。

(おっ、お嬢じゃねぇか………………ふ~~~~ん……こう視ると、あれだな。お嬢は学生の中じゃあ、結構戦い慣れてるんだな)

超高性能なスカウターを有しているバトムスではないが、それでもそれなりに戦う者たちと関わってきたため、その人々の戦い慣れている濃度、練度の様なものがなんとなく解るようになっていた。

そんなバトムスから視て、ルチアはエリート一年生たちの中でも、戦いの練度という点に関しては、明確に頭一つ抜けていると感じた。

だが、それもその筈。
家の中で一番意識していた存在、バトムスが幼い頃からモンスター相手に戦っていた。

となると、どうしても早く自分も戦いたいという思いが湧き上がり、結果としてルチアは当初ギデオンが考えていた段階よりも早く実戦を行うようになった。

「バトムス、ルチア様だよ!!!」

「あぁ、そうだな」

「……バトムス、お前から視てルチア様は優勝出来そうか?」

「それ、俺よりもノウザスさんやライラさんの方が解るんじゃないですか」

いくらバトムスが幼い頃からモンスターと戦い続けていたとしても、まだノウザスたちには及ばない。

「かもしれないが、俺としてはお前の考えが気になるんだ」

「私も同じね」

「はぁ~~~~、そうですか。別に答えるのは構いませんけど……ん~~~~~~~~………………俺、トーナメントで戦った人たちが、戦いで負った傷は治療されるのか、消費された魔力は回復しても良いのかとか解らないですけど、組み合わせ次第なのは当然として…………四割ぐらいはあるんじゃないですか」

「ふむ、四割か………………ふふ、俺も同じぐらいだ」

「私もよ」

「それは良かったです」

ノウザス、ライラも当然ながらルチアの優勝を願っている。

ただ、それはそれとして冷静に分析した場合、ルチアが優勝出来る確率はおおよそ四割程度。
五割を越えない要因は……バトムスの親友であるアルことアルフォンスが大きな要因となっている。

(学園に入学してからも、濃密な訓練を続けてたんだろうな……お嬢にとっちゃ、キツイ相手だからな~~~~)

少なからず異性として好意を持っているから、という話ではない。

ルチアが使用する得物は大剣。
対して、アルフォンスが使用する武器は細剣。

武器の相性はアルフォンスの方がやや有利と言える。
勿論、ルチアの大剣がぶち当たれば、アルフォンスを細剣ごと粉砕するのは可能。

ただし、それは当たればの話。

(お嬢が重鈍じゃないのは知ってるし、技術力が低いとは思ってねぇ。ただ……アルフォンスの奴が、触れるのを許すかどうか…………とりあえず、当たるとしたら決勝戦の方が良いだろうな)

今回のトーナメント、勝てば次の試合までに傷の治療は行われ、魔力もポーションを飲んで回復することが出来る。
ただ……何かしらの道具を使用し、体力を回復させるのは禁じられている。

そのため、傷を負い……ダメージを負ったとしても、体力を消耗しなければ連戦に耐え続けることが、理論上可能。

(他にもそれなりに強そうな奴がいるけど、お嬢なら……気合で負けなきゃ、なんとかなんだろ)

選手宣誓などのあれこれが終了し、直ぐに一回戦目の第一試合が始まった。
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