執事なんかやってられるか!!! 生きたいように生きる転生者のスローライフ?

Gai

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第16話 どういった子?

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「いらっしゃいませ。やぁ、バトムス君」

「どうも」

「今日はお友達と……一緒なのかな?」

アブルシオ辺境伯家の魔術師に一度連れてきてもらったカフェに訪れたバトムスたち。
従業員はバトムスの後ろにバトムスと同じ年頃の少年を見て、友達を連れて来たのかと思ったが……その更に後ろにはダンディな老紳士と力強さを感じさせる女性がいた。

「ば、バトムス君。もしかして、個室に案内した方が良い感じかな?」

「そうですね。お願いします」

小声でやり取りをした後、従業員は四人を個室へと案内。

「………………なんだか、とても良いね。こう……森の中にいる感じがする」

案内された個室は特別な木材を使用して造られており、中に入った者たちにリラックス効果を与える。

「良いところでしょう。俺も毎日は来れないけど、イライラが溜まった時とかに偶に来てるんだ」

その際には、モンスターと戦う際に同行してもらっている現役騎士たちにお礼も込めて店の紅茶やサンドイッチなどの料理を奢っている。

「バトムス君は、休日はこうして街を散策したりして過ごしてるのかな」

「そうだな……そういう時もあるけど、基本的には体を動かしたり、知人に錬金術師や鍛冶師の人がいるんだけど、その人たちの職場を見学させてもらったりしてるんだ」

今のところ、街の外にはモンスターと戦うという理由以外で出る予定はない。

これから先、歳を重ねて体が大きくなり、強さを増しても……旅行といった形で外に出ることはあっても、完全に現在暮らしている街から何年も出ていく予定はない。

基本的に生まれた街で、アブルシオ辺境伯家が治める街で生涯を終えようと思っている。
だからこそ、バトムスは戦闘以外に関する技術にも興味を持ち始めていた。

「鍛冶に、錬金術の職場、か…………いったいどんな感じだったのか、教えてもらっても良いかな」

「勿論。でも、上手く伝えられるかどうか……なんて言うか、その一つの作品を造るのに、とにかく集中してたって感じかな」

飛び散る火花を一切気にすることなく鎚を振るい、一寸の狂いもなく素材を調合していく。

その辺りの差は人によるものの、バトムスが職場を見学させってもらった鍛冶師と錬金術師は、どんな制作物であっても己の作品に魂を込めて造っているタイプの職人だった。

「親は鍛冶や錬金術に関係無い仕事をしてるんだけど、とにかくこう……職人たちが何かを造る光景に時間を忘れて魅入ってしまうほどの凄さがあったかな」

「……それは、ちょっと是非とも見たくなってきたね」

アルフォンスの立場上、コネを使えば職人たちの職場、仕事をする様子を見ることは出来るため……本気で職人たちが何かを造り上げる光景を見たいと思い始めた。

(おそらくアルフォンス様と同じ年齢で、あの様な感想が出てくると…………やはり、有名な商家の子供なのではないだろうか)

ダンディな初老男性はバトムスを観察し続けた結果、間違いなく高等教育を受けているという確信を持った。

(アルフォンス様がこれほど楽しく同年代の子供と会話をしている姿を見るのも久しい…………是非とも引き入れたい逸材かもしれぬ)

初老男性は、バトムスが高等教育を受けていると思う以外にも、あることに気付いていた。
まだ七歳という幼さではあるが、訓練を積んでいる者の雰囲気が零れていた。

バトムス本人は、自分からそういった雰囲気が零れていると気付いていないが、初老男性は戦闘経験が豊富であるため、僅かな違いに気付いていた。

(アルフォンス様と普通に会話が出来て、戦える雰囲気も感じる……もしかして、貴族の隠し子?)

提供された紅茶の味を楽しみながら、女性騎士はバトムスがもしや貴族の隠し子ではないのかと疑っていた。
ある程度良い意味で貴族らしい貴族であれば、出来てしまった隠し子と産んだ女性が生活に困らないように金銭面の支援を行う。

隠し子を産んだ母親がまともであれば、散在することなく子供の為にお金を使うという選択肢を取れる。

この時代でも、家庭教師といった職は存在する。
戦闘に関しても冒険者ギルドに依頼を出せば、戦闘技術を教えてもらうことも可能。

(言葉遣いは普通の子供に……いえ、まず話し方自体が普通の子供じゃない。そう考えると、本当に予想通りなのかしら)

女性騎士の予想は遠からずもといったところ。

バトムスは貴族の子供ではないが、貴族に仕える執事とメイドの間から生まれた子供。
そのため、受けている教育内容に関しては、当然ながら一般的な平民の子供たちと比べて圧倒的にレベルが高い。

この子は本当に、いったいどういった人物なのか。

大人二人がそんな事を考え続けてる間、子供二人は美味い紅茶とサンドイッチなどを食べながら、夕食前になるまで会話を楽しんでいた。
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