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第65話 熱中
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「バウバウ……バウバウ!!」
「っ!!?? ……パーズ……おはよう………………っ!!!!???? やっべ……ごめん、パーズ。直ぐに朝ごはん作るよ」
とある朝、バトムスは器用にドアを開けて部屋に入ってきたパーズによって起こされた。
因みに時刻は……既に十時。
夜更かしする道具がないということもあって、基本的に十時前には就寝し、基本的に七時に……遅くても八時、八時半に起きる。
にもかかわらず、今日は起きたら十時。
明らかに寝過ぎである。
(あぁ~~~……ここ最近、鍛冶を頑張り過ぎてるかもな~)
目玉焼きを作りながら、ここ最近の事を振り返るバトムス。
鍛冶の師であるジョランから身体強化の能力が付与されたマジックアイテムを装備するなら、鍛冶を行っても良いと許可を貰ったバトムス。
その日の内に家を作る際に世話になった人物の元へ向かった。
当然、何事かと思われるが、バトムスが上客であったことは覚えており、サラッと建設の話へと移る。
今度は鍛冶場を作ってほしいと言われ、当然驚かないわけがないのだが……バトムスが普通の子供じゃないというのは把握済み。
落ち着いて鍛冶場建設の話に戻り、数日後には材料を集め始め、徐々に話を詰めていく。
そして更にそこから日数が経ち……ようやく完成。
出来上がった自身の鍛冶場に目を輝かせ、その日の内に何かを造り始めた。
結果……その日は自分の体力など無視して限界まで鍛冶を続けた結果……家まで戻る事は出来たが、そのままリビングで倒れてしまった。
それ以降も騎士のジーニスたちとの訓練、モンスターの狩り……そして錬金術の練習も欠かさず行っている。
適当にやっておらず……寧ろ超集中して取り組んでいた。
そして鍛冶場に戻ってくると、その日の残っている全ての時間を鍛冶の、武器造りの時間に使ってしまう。
「さすがに籠り過ぎてる……かな?」
「バウ?」
実際のところ、時を忘れて鍛冶場に籠り続けているということはない。
これまで通り戦闘訓練、モンスターの狩りに錬金術の練習も並行して行い続けている。
ただ、余った時間を全て鍛冶の時間に使ってしまっているだけ。
実際のところ、バトムスが造れるのは、まだまだ短剣擬きとしか言えない物ばかり。
言ってしまえば、ただのがらくたである。
それでも、今のバトムスにはそれを造るのが楽しくて楽しくて仕方なかった。
(新しく買ってもらったゲームに熱中してる感じ……に近いのか?)
ゲームと鍛冶を比べるのはいかがなものかと思わなくもないが、実際のところその熱中具合は似ていた。
しかし、鍛冶はゲームと違って終わりがない。
中々終わりがないゲーム……それこそ対戦が出来るゲームなどは果てしなく遊べるが、鍛冶や錬金術に関しては一年二年、四年五年……十年十五年と、果てしなく終わりがない。
バトムスにとって、これ以上ない最高の趣味と言える。
「あぁ、でもここ最近雨降ってたからモンスターと戦えてなかったな」
雨の中でも戦わなければ、一流の戦士や騎士になれないだろ!!!! とバトムスにツッコむ者は誰もいない。
毎日真面目に戦闘訓練には取り組んでいるものの、彼がその道に進むことがないということは、もうアブルシオ辺境伯家の者であれば全員が知っている周知の事実。
「久しぶりに行くか」
朝食を食べ終えた後、手の空いている騎士に頼んで同行してもらい、普段探索している近隣の森へと向かった。
「ここ最近は鍛冶に夢中になっているようだが、成果のほどはどうだ」
「全然ですね!!!!」
全く成果が出ていないにも関わらず、笑顔で「全然ですね!!!!」と答えるバトムス。
一見、矛盾している様に思えるが……同行している騎士はその矛盾に覚えがあった。
「そこまで笑顔になるほど楽しめているという事か」
「へっへっへ、そんなところです」
「そうか……それは良かったな」
成果が出ていないという現状よりも、鍛冶を繰り返すことに対して感じる楽しさの方が上回っている。
それはその道を進む者にとって、非常に好ましい傾向であった。
「では、これから手に入れる素材も、鍛冶で使うようにしていくのだな」
「ん~~~~……鍛冶で使える素材となるモンスターを倒せるのは、もう少し先になりそうですけど、そうしていきたいとは思ってます」
今のところ、バトムスが倒せるであろうモンスターの中で、鍛冶の素材として使えるのは人型の狼モンスター、コボルトというEランクの怪物。
世間一般的にはそこまで強くはない部類のモンスターではあるが、まだ子供であるバトムスにとっては十分強敵。
ゴブリンと違って鋭い爪や牙といった完全な凶器を持っており、体格もゴブリンより大きい。
そのため、バトムスとしてはソロで行動しているコボルトとしか戦いたくない。
できればゴブリンやホーンラビット。強くてもコボルト……と願っていると、森影の奥から嫌な鼻息がバトムスたちの耳に入った。
「っ!!?? ……パーズ……おはよう………………っ!!!!???? やっべ……ごめん、パーズ。直ぐに朝ごはん作るよ」
とある朝、バトムスは器用にドアを開けて部屋に入ってきたパーズによって起こされた。
因みに時刻は……既に十時。
夜更かしする道具がないということもあって、基本的に十時前には就寝し、基本的に七時に……遅くても八時、八時半に起きる。
にもかかわらず、今日は起きたら十時。
明らかに寝過ぎである。
(あぁ~~~……ここ最近、鍛冶を頑張り過ぎてるかもな~)
目玉焼きを作りながら、ここ最近の事を振り返るバトムス。
鍛冶の師であるジョランから身体強化の能力が付与されたマジックアイテムを装備するなら、鍛冶を行っても良いと許可を貰ったバトムス。
その日の内に家を作る際に世話になった人物の元へ向かった。
当然、何事かと思われるが、バトムスが上客であったことは覚えており、サラッと建設の話へと移る。
今度は鍛冶場を作ってほしいと言われ、当然驚かないわけがないのだが……バトムスが普通の子供じゃないというのは把握済み。
落ち着いて鍛冶場建設の話に戻り、数日後には材料を集め始め、徐々に話を詰めていく。
そして更にそこから日数が経ち……ようやく完成。
出来上がった自身の鍛冶場に目を輝かせ、その日の内に何かを造り始めた。
結果……その日は自分の体力など無視して限界まで鍛冶を続けた結果……家まで戻る事は出来たが、そのままリビングで倒れてしまった。
それ以降も騎士のジーニスたちとの訓練、モンスターの狩り……そして錬金術の練習も欠かさず行っている。
適当にやっておらず……寧ろ超集中して取り組んでいた。
そして鍛冶場に戻ってくると、その日の残っている全ての時間を鍛冶の、武器造りの時間に使ってしまう。
「さすがに籠り過ぎてる……かな?」
「バウ?」
実際のところ、時を忘れて鍛冶場に籠り続けているということはない。
これまで通り戦闘訓練、モンスターの狩りに錬金術の練習も並行して行い続けている。
ただ、余った時間を全て鍛冶の時間に使ってしまっているだけ。
実際のところ、バトムスが造れるのは、まだまだ短剣擬きとしか言えない物ばかり。
言ってしまえば、ただのがらくたである。
それでも、今のバトムスにはそれを造るのが楽しくて楽しくて仕方なかった。
(新しく買ってもらったゲームに熱中してる感じ……に近いのか?)
ゲームと鍛冶を比べるのはいかがなものかと思わなくもないが、実際のところその熱中具合は似ていた。
しかし、鍛冶はゲームと違って終わりがない。
中々終わりがないゲーム……それこそ対戦が出来るゲームなどは果てしなく遊べるが、鍛冶や錬金術に関しては一年二年、四年五年……十年十五年と、果てしなく終わりがない。
バトムスにとって、これ以上ない最高の趣味と言える。
「あぁ、でもここ最近雨降ってたからモンスターと戦えてなかったな」
雨の中でも戦わなければ、一流の戦士や騎士になれないだろ!!!! とバトムスにツッコむ者は誰もいない。
毎日真面目に戦闘訓練には取り組んでいるものの、彼がその道に進むことがないということは、もうアブルシオ辺境伯家の者であれば全員が知っている周知の事実。
「久しぶりに行くか」
朝食を食べ終えた後、手の空いている騎士に頼んで同行してもらい、普段探索している近隣の森へと向かった。
「ここ最近は鍛冶に夢中になっているようだが、成果のほどはどうだ」
「全然ですね!!!!」
全く成果が出ていないにも関わらず、笑顔で「全然ですね!!!!」と答えるバトムス。
一見、矛盾している様に思えるが……同行している騎士はその矛盾に覚えがあった。
「そこまで笑顔になるほど楽しめているという事か」
「へっへっへ、そんなところです」
「そうか……それは良かったな」
成果が出ていないという現状よりも、鍛冶を繰り返すことに対して感じる楽しさの方が上回っている。
それはその道を進む者にとって、非常に好ましい傾向であった。
「では、これから手に入れる素材も、鍛冶で使うようにしていくのだな」
「ん~~~~……鍛冶で使える素材となるモンスターを倒せるのは、もう少し先になりそうですけど、そうしていきたいとは思ってます」
今のところ、バトムスが倒せるであろうモンスターの中で、鍛冶の素材として使えるのは人型の狼モンスター、コボルトというEランクの怪物。
世間一般的にはそこまで強くはない部類のモンスターではあるが、まだ子供であるバトムスにとっては十分強敵。
ゴブリンと違って鋭い爪や牙といった完全な凶器を持っており、体格もゴブリンより大きい。
そのため、バトムスとしてはソロで行動しているコボルトとしか戦いたくない。
できればゴブリンやホーンラビット。強くてもコボルト……と願っていると、森影の奥から嫌な鼻息がバトムスたちの耳に入った。
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