僕が玩具になった理由

Me-ya

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ずれてゆくこわれてゆく-優紀の章-

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眞司は会長が服を着て、図書室を出て行く間もずっと僕から目を離さない。

そして、会長が出て行くのを待っていたように扉が閉まると僕の方へ近付いて来る。

僕は本棚の陰で蹲ったまま、近付いて来る眞司から目が離せない。

あれ程憧れた眞司が目の前に居る。

僕を見詰めて、僕の方へ近付いて来る。

それなのに、僕の躰は緊張と恐怖で震えている。

眞司は僕の目の前で足を止めると、唇に人差し指を当てて悪戯っぽく片目を瞑って言った。

「さっき見た事、誰にも秘密な?」

僕は眞司を見詰めたまま、無言でコクコクと頷く。

そしてそのまま立ち去って行くだろうと思っていた眞司は、その場に立って僕を見下ろしたままだ。

あれ程憧れて遠くからずっと見ていた眞司が目の前に居る。

僕は緊張でガチガチに固まったまま、眞司からギクシャクと目を逸らした。

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