僕が玩具になった理由

Me-ya

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ずれてゆくこわれてゆく-優紀の章-

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「一緒に住むか」

「………え?」

眞司に指示され引っ越しの手伝いをしている時、不意に言われた言葉に僕は思わず聞き返してしまった。

-昨夜、殴られ蹴られ気を失うまで犯されて…まだ躰の節々が痛いし、縛られた後も生々しく残っているし、躰の中…切れた処も奥も…尿道だってまだ痛い。

…少し微熱もあるかもしれない…。

本当は今日1日寝ていたい。

だが、朝早くから引っ越しをするからと叩き起こされ、手伝わされている。

だから…つい、ぼんやりしていて…眞司の言葉を聞き逃してしまった。

「だから、一緒に住むかって言ったんだよ。その方が何かと便利だしな」

「………え………」

「その方が何かと便利だろ…尿道も毎日、開発してやらないとだし…壊れないように…アハハ…昨夜の優紀、サイコーだったぜ。スイッチ入れた途端、白目剥いて『壊れる~、ちんぽが壊れる~』だもんな』

眞司がゲラゲラ笑っている姿を、僕はボンヤリ見ていた。

…どうやら僕が眞司と一緒に住む事は決定事項らしい…。

僕が家族と一緒に住んでいるなんて事は眞司の頭の中にはないんだろうな…眞司が腹を抱えて未だにゲラゲラ笑っている姿を見詰めながら、ボンヤリと家族の顔を思い浮かべていた。

…弟ばかり可愛がる両親。

まるで僕など居ないかのように。

そして、勝ち誇ったかのように僕を見る弟。

あの家から僕が居なくなっても、誰も困らない。

…いや、居ない事に気付きもしないかもしれない。


(…って、家族の事なんかどうでもいい)

-今日から僕は眞司と一緒に住む。

今まで以上に眞司の傍に居る事ができる。

それは僕にとっては、まるで夢みたいな話だった。

…たとえ、便利に使われているとしても。

たとえ、利用されているだけだとしても。

たとえ、金蔓としか思われていなくても。

たとえ…ペットとしてしか思われていなくても。

眞司の傍に居られるのなら…。

(それでいい…)
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