僕が玩具になった理由

Me-ya

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たどりついた道程-逃避の章-

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「…落ち着いたか?」 

リビングのソファーに腰掛けて、頭を抱えている俺の前のテーブルに珈琲が入ったコップを置くと、自分も珈琲を飲みながらソファーに座り、和巳は俺を見る。

「………優紀は?」

「部屋で寝かせている…安心しろ、怪我の手当ては済ませた」

「…悪い」

「何の為にお前は優紀をお前の兄貴の元から、取り返して逃げてきたんだ…まったく」

和巳の呆れたような声に、俺は頭を抱えたまま、上げる事ができない。

「以前の事を反省したからじゃないのかよ…」

「………そうだよ、そうだけど…優紀が兄貴を呼ぶ度に…何か…ここが…胸が…苦しくなって…何か…ドス黒いものが溜まってきて…気が付いたら…」

「………嫉妬か」

(……嫉妬!?)

和巳の言葉に、俺は吃驚して顔を上げる。

「…嫉妬って…何、言ってんだ…んな事…あるわけ…」

「…優紀が自分じゃなく、兄貴を呼んだからムカついたんだろ。嫉妬だよ…気付けよ。それより、今夜はお前、俺の部屋で寝ろ。優紀が居る部屋には入るな」 

「…えっ?」

「当たり前だろ。また、あんな事をやられたら困るからな」

「……………」

和巳の言葉に、俺は言葉もなく…唇を噛んで俯くしかなかった。 

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