暗い水の中を壊して逃げていく

Me-ya

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第1章 昨日までの日常、モノトーンのふたり

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-自分の性癖を自覚してからの俺は治朗に逆らう事を止めた。

それと同時に治朗や治朗の友人達に呼び出される回数が多くなった。

人が多く行き交う場所や集まる場所でこっそり治朗に抱かれたり、治朗の友人達に身体を弄られる日々が続く。

バレそうで、バレない。

そのスリルがたまらなくいい。

休日の寮の治朗の部屋で昼間、廊下を行き交う人の声を聞きながら誰が部屋に入ってくるかも分からない状態で治朗に激しく抱かれたり。

誰もいないとはいえ、どこから見られるかも分からない屋上で全裸になって尻を何度も叩かれながら四つん這いで歩き回らされたり。

クラスの中、休み時間、皆がいる前でプロレス技をかけるふりをしながら田野上に乳首を弄られた時は-その時にはもう、乳首を触られただけで感じるように躾けられていた俺は-喘ぎ声を我慢するのに苦労したし。

ロッカーの中、全裸で縛られ、尻にバイブを突っ込まれ、1日中放置された時はさすがに終わったと思った。

猿轡をされてなければ喘ぎ声がロッカーの外まで聞こえて、俺の恥ずかしい姿を皆に見られていただろう。

それを想像しただけで俺のペニスは痛いほど勃ち上がり、根元を縛られていなければイッてしまっていただろう。

こんな俺の姿を。

皆は知らない。

俺が治朗に抱かれている事を。

皆は知らない。

俺が治朗の仲間に身体を弄られて喘いでいる姿を。

皆は知らない。

この、秘密のスリルがたまらなく俺を興奮させる。

それを治朗に見抜かれた。

俺自身も知らなかった俺を治朗のせいで知ってしまった。

治朗はわざわざそういった場所で俺を抱き、俺の耳にその事を囁き、俺を昂ぶらせた。

そして、俺は。

抱かれて感じる身体に作り変えられてしまった。

治朗に。

治朗は俺の感じるツボをよく知っている。

俺自身も知らなかった俺を引きずり出す。

もう、戻れない。

心は彰を求めているのに、身体は治朗を求めている。

-この事がバレたら、彰を失うかもしれない。

そう思うのに。

治朗に抗う事ができない。

-彰が好きなのに。

止めなければ。

分かっているけど、止める事ができない。

-治朗なんか好きじゃないのに。

治朗から与えられる快感に狂わされる。

手放す事ができない。

彰に対する罪悪感と後ろめたさが俺の中で大きくなっていく。

それを忘れる為に、俺はますます治朗との行為にのめり込んでいく。

そして、彰に対する罪悪感が…後ろめたさが…また積もっていく。

まるで負のループ。

でも。

彰に対しての罪悪感とか後ろめたさとは別に。

彰に言えない秘密を抱える事に暗い興奮を覚えるのも事実で。

俺が治朗に抱かれて喘いでいるなんて事を知ったら、彰はどう思うだろうか。

いや、それより。

-俺が後ろの刺激だけでイクと知ったら彰は………。
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