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10 宿の部屋にテント?
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ケーンは借りた宿の、部屋の中に張ったテントから出てきた。
なぜなら、テントの中の方が、はるかに快適だからだ。
空間拡張魔法でテントの中は広々。
複数プレイ可能なキングサイズベッドにゆったりソファー。
冷暖房完備でバス・シャワートイレ・キッチン付き。
宿は中クラスのようだが、共同トイレにもちろん風呂なし。
おぼっちゃま育ちのケーンにとって、ゴミだめに等しい。
「ケーン様、おはようございます。
朝の光も悪くないですな」
ブラックは、宿備え付けのベッドから立ち上がった。
彼は普通に宿のベッドで休んでいた。
「おかしい。宿の娘とのフラグが立たなかった」
ケーンは相変わらずご機嫌斜め。
この宿は、おっちゃんとおばちゃんが経営していた。
快活美少女や、可憐ロリ美少女はいなかった。今夜は宿をチェンジしよう。
「今日もペンペンソウですか?
素材持ち込みでは、ランクが上がりませんでしたし」
ブラックは王宮のシェフが腕を振るった朝食を、ケーンのためにとり出す。
小さいテーブルの上に、ほかほかご飯、豆腐とわかめの味噌汁、焼き魚、卵焼き、納豆、焼き海苔が並べられた。
ケーンの母ちゃんが、夫のために地球から取り寄せた素材を元にして、夜空城で生産したものだ。
ケンイチの食の好みは和食。
ケンイチが夜空城から離れられない原因の一つは、妻に餌付けされたこともある。
ケーン的には食事なんてどうでもいいのだが。
夜空城で和食を食べるのは、ケンイチとケーンだけだ。
いわば父ちゃん孝行のため、ケーンは食事につきあっていた。
「ペンペンソウね……。超つまんない」
ケーンはぶすっとした顔で、ぼそぼそと朝食をとり始めた。
「いっそ上級冒険者と、パーティを組みますか?
構成員の平均で、クエストは受注できるようですから」
「それもいいんだけど、なんかさ、ブラック、注目されすぎじゃない?
巨乳の受付嬢、目がハートマークだったぞ」
ケーンは箸で納豆をかきまぜる。
「そうでしょうか?」
ブラックはきょとんとして言う。無駄なデカ乳なんて彼にはお呼びでない。
「アイテムバック、あれ、まずかったんじゃない?
よくわかんないけど、下々にとっては、多分超高級品だよ。
あれって量だけはたんまり入るし」
「そうでしょうか?
オートソートされないし、防腐機能だけ。
容量制限も無限ではありませんから、大丈夫だと思ったのですが」
「まあいいんだけどさ、男の冒険者は、みんなバッグ見てたぞ。
女の冒険者は、お前のもっこりに釘付けだったけど」
「まあ、馬ですから、もっこりだけはケーン様に……、いや、なんでもありません!
なんでもありませんてばぁ~!」
ケーンは糸引き納豆を、ブラックの頭に垂らした。
なぜなら、テントの中の方が、はるかに快適だからだ。
空間拡張魔法でテントの中は広々。
複数プレイ可能なキングサイズベッドにゆったりソファー。
冷暖房完備でバス・シャワートイレ・キッチン付き。
宿は中クラスのようだが、共同トイレにもちろん風呂なし。
おぼっちゃま育ちのケーンにとって、ゴミだめに等しい。
「ケーン様、おはようございます。
朝の光も悪くないですな」
ブラックは、宿備え付けのベッドから立ち上がった。
彼は普通に宿のベッドで休んでいた。
「おかしい。宿の娘とのフラグが立たなかった」
ケーンは相変わらずご機嫌斜め。
この宿は、おっちゃんとおばちゃんが経営していた。
快活美少女や、可憐ロリ美少女はいなかった。今夜は宿をチェンジしよう。
「今日もペンペンソウですか?
素材持ち込みでは、ランクが上がりませんでしたし」
ブラックは王宮のシェフが腕を振るった朝食を、ケーンのためにとり出す。
小さいテーブルの上に、ほかほかご飯、豆腐とわかめの味噌汁、焼き魚、卵焼き、納豆、焼き海苔が並べられた。
ケーンの母ちゃんが、夫のために地球から取り寄せた素材を元にして、夜空城で生産したものだ。
ケンイチの食の好みは和食。
ケンイチが夜空城から離れられない原因の一つは、妻に餌付けされたこともある。
ケーン的には食事なんてどうでもいいのだが。
夜空城で和食を食べるのは、ケンイチとケーンだけだ。
いわば父ちゃん孝行のため、ケーンは食事につきあっていた。
「ペンペンソウね……。超つまんない」
ケーンはぶすっとした顔で、ぼそぼそと朝食をとり始めた。
「いっそ上級冒険者と、パーティを組みますか?
構成員の平均で、クエストは受注できるようですから」
「それもいいんだけど、なんかさ、ブラック、注目されすぎじゃない?
巨乳の受付嬢、目がハートマークだったぞ」
ケーンは箸で納豆をかきまぜる。
「そうでしょうか?」
ブラックはきょとんとして言う。無駄なデカ乳なんて彼にはお呼びでない。
「アイテムバック、あれ、まずかったんじゃない?
よくわかんないけど、下々にとっては、多分超高級品だよ。
あれって量だけはたんまり入るし」
「そうでしょうか?
オートソートされないし、防腐機能だけ。
容量制限も無限ではありませんから、大丈夫だと思ったのですが」
「まあいいんだけどさ、男の冒険者は、みんなバッグ見てたぞ。
女の冒険者は、お前のもっこりに釘付けだったけど」
「まあ、馬ですから、もっこりだけはケーン様に……、いや、なんでもありません!
なんでもありませんてばぁ~!」
ケーンは糸引き納豆を、ブラックの頭に垂らした。
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