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11 ブラックの崇高なる魂に敬意を
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ケーン主従は、朝市をのぞいてみた。昨日のようなギルドの混雑はいやだし、「掘り出し者」がいるかもしれない。
結論から言えば、ケーンの基準にかなう「掘り出し者」はいなかった。
美人やかわいい子はいる。だが、強者の匂いがしない。癒される~、と感じる女性も。
「ケーン様、古道具屋に、寄ってもよろしいでしょうか?」
ブラックが聞く。
「大したもの、ないと思うぞ。
何買いたいんだ?」
ケーンは全然気乗りしない。異世界ファンタジー小説、古道具屋で掘り出し物を見つけるのは、定番といえば定番だが、夜空城には国宝級や伝説、神話級のアーティファクトが転がっている。
いや、転がってはいないが、いつでも呼び出し可能だ。
「昨日冒険者の遺体を見つけました。
ゴブリンどもに襲われたようです。
装備を残しておくのも、まずいかと思いまして」
「青の森の冒険者なら、大した装備は持っていなかっただろ?」
要するに、「もったいない」の精神であること、ケーンは見抜いていた。
「さようでございますが……」
「いいよ。寄ってみよう」
ケーンはブラックのドケチ魂に妥協した。
「全部で銀貨一枚ってところだな」
古道具屋のオヤジは、ブラックが並べた剣や槍を一瞥してそう言った。
「それは安すぎる!」
ブラックはこめかみに青筋を浮かべた。彼の心づもりでは、最低銀貨二枚。
「おやっさん。この髪飾り、いくら?」
ケーンは古びた髪飾りを手に取った。
「ん……。そうだな、金貨一枚!」
オヤジは、めいっぱいふっかけてみた。どうせ冷やかしだろうし。
「へ~、案外安いんだな。
買った」
「へっ……。本当にいいのか?」
オヤジはびっくりして聞く。
「いいよ。ほら」
ケーンは金貨をオヤジに渡す。
「お兄ちゃん、銀貨二枚で買い取ってやるよ!」
大儲けした、と錯覚したオヤジは、気分を良くしてブラックに大盤振る舞い。適正価格は銀貨二枚とみていたが。
「清浄! ブラック、この髪飾り、ちゃんとした店で売ってみたら?
一応防御結界が付与されている。
多分金貨十枚ぐらい?」
ケーンが魔法をかけたら、髪飾りはぴかぴかに。
「さようでございますか!」
ブラックは、オヤジが出した銀貨二枚をふんだくり、超ご機嫌だった。
「ちょっと待った!」
オヤジは、かけていたイスから身を乗り出した。
「あんた古道具屋に向かないんじゃない?
もっと目利きの力つけろ」
ケーンはそう言ってブラックを目で促した。
「そんな……」
膝から崩れ落ちる、古道具屋のオヤジだった。
「ケーン様、この調子で古道具屋を回りましょう!」
ブラックは、かわいいお目々をキラキラさせる。
「そんなめんどくさいこと、やだ。
どうしてそんなに金儲けしたい?」
ケーンはあきれ口調で言う。
「どうして……?
どうしてでございましょう?」
ブラックは考え込んだ。請求すれば、夜の王宮からいくらでも経費は下りる。
必要な物も。
特に買いたい物なんてないし……。
どうしてなんだろう?
真剣に考えこむ、一千年物の神馬だった。
「どうでもいいよ。ギルドへ行くぞ!」
ケーンは苦笑して促した。ブラック、それは多分趣味の領域だよ。
趣味は理屈じゃない。ブラックのドケチ魂を、そっと見守ることに決めたケーンだった。
結論から言えば、ケーンの基準にかなう「掘り出し者」はいなかった。
美人やかわいい子はいる。だが、強者の匂いがしない。癒される~、と感じる女性も。
「ケーン様、古道具屋に、寄ってもよろしいでしょうか?」
ブラックが聞く。
「大したもの、ないと思うぞ。
何買いたいんだ?」
ケーンは全然気乗りしない。異世界ファンタジー小説、古道具屋で掘り出し物を見つけるのは、定番といえば定番だが、夜空城には国宝級や伝説、神話級のアーティファクトが転がっている。
いや、転がってはいないが、いつでも呼び出し可能だ。
「昨日冒険者の遺体を見つけました。
ゴブリンどもに襲われたようです。
装備を残しておくのも、まずいかと思いまして」
「青の森の冒険者なら、大した装備は持っていなかっただろ?」
要するに、「もったいない」の精神であること、ケーンは見抜いていた。
「さようでございますが……」
「いいよ。寄ってみよう」
ケーンはブラックのドケチ魂に妥協した。
「全部で銀貨一枚ってところだな」
古道具屋のオヤジは、ブラックが並べた剣や槍を一瞥してそう言った。
「それは安すぎる!」
ブラックはこめかみに青筋を浮かべた。彼の心づもりでは、最低銀貨二枚。
「おやっさん。この髪飾り、いくら?」
ケーンは古びた髪飾りを手に取った。
「ん……。そうだな、金貨一枚!」
オヤジは、めいっぱいふっかけてみた。どうせ冷やかしだろうし。
「へ~、案外安いんだな。
買った」
「へっ……。本当にいいのか?」
オヤジはびっくりして聞く。
「いいよ。ほら」
ケーンは金貨をオヤジに渡す。
「お兄ちゃん、銀貨二枚で買い取ってやるよ!」
大儲けした、と錯覚したオヤジは、気分を良くしてブラックに大盤振る舞い。適正価格は銀貨二枚とみていたが。
「清浄! ブラック、この髪飾り、ちゃんとした店で売ってみたら?
一応防御結界が付与されている。
多分金貨十枚ぐらい?」
ケーンが魔法をかけたら、髪飾りはぴかぴかに。
「さようでございますか!」
ブラックは、オヤジが出した銀貨二枚をふんだくり、超ご機嫌だった。
「ちょっと待った!」
オヤジは、かけていたイスから身を乗り出した。
「あんた古道具屋に向かないんじゃない?
もっと目利きの力つけろ」
ケーンはそう言ってブラックを目で促した。
「そんな……」
膝から崩れ落ちる、古道具屋のオヤジだった。
「ケーン様、この調子で古道具屋を回りましょう!」
ブラックは、かわいいお目々をキラキラさせる。
「そんなめんどくさいこと、やだ。
どうしてそんなに金儲けしたい?」
ケーンはあきれ口調で言う。
「どうして……?
どうしてでございましょう?」
ブラックは考え込んだ。請求すれば、夜の王宮からいくらでも経費は下りる。
必要な物も。
特に買いたい物なんてないし……。
どうしてなんだろう?
真剣に考えこむ、一千年物の神馬だった。
「どうでもいいよ。ギルドへ行くぞ!」
ケーンは苦笑して促した。ブラック、それは多分趣味の領域だよ。
趣味は理屈じゃない。ブラックのドケチ魂を、そっと見守ることに決めたケーンだった。
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