改訂 勇者二世嫁探しの旅

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27 ケルベロスの短剣とキマイラスーツ

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ユリは、ガンバルベアのクエストを選び、受注カードをはがした。

ガンバルベアは、よほどの装備がなければ、ワンパンチで冒険者を倒すほど力は強い。

だが、群れを作らず、敏捷性はないから、二人でも大丈夫だと判断した。

「ケーン、これでいくで」

「ああ、いいよ…。どうでも」
 ケーンは気のない返事。

ユリは、またため息をついた。
なんでCランクと組まなあかんねん! 

まあ、ウチのせいやけど。

ウチも因果な家系に生まれたもんや。

ユリはケーンと出会ってしまったことに、後悔していた。もっとも、彼と出会わなければ、間違いなく死んでいた。

ユリは、もう一つ大きなため息をついた。


 ケーンとユリは、ガンバルベアが出没する黄の森を目指す。

黄の森は、ガンバルベアなどの、中ランクモンスターが多く出没する。

「着替えるから見張っといて。
キマイラスーツ、体のラインがばっちり見えてまうけど、しゃ~ないわ。
ドロップアイテムでは、魔防も物理防御も最高クラスや」
 ユリはそう言って、草陰に入る。

「のぞいたらあかんで」
 ユリは男性恐怖症に近い。男性冒険者と組む場合は、おっぱいが目立たない装備を選んでいた。

女冒険者が圧倒的に少ないこの業界で、彼女のおっぱいは、常に内輪もめの原因になっていたし、何度レイプされかけたか、わからないほどだ。

体を餌にできたら、もっとスムーズにクエストがこなせただろうが、それだけは嫌だった。

彼女の魂は、少年のものだったから。

「嫌がる女の裸なんて見ないよ」
 ケーンは草陰に背を向けて、そう応える。彼は誇り高き男だ。その言葉に嘘はない。

ユリは毛皮のドレスを脱ぎ捨てた。そのドレスも初心者クラスのものだ。
そして、キマイラスーツを身につける。全身にぴったりフィットし、超動きやすそう。

そやけど、やっぱりな……。おっぱいのつんつんや、下手したら、下の十八禁シルエットまで見えるで。

ユリは毛皮のドレスをナイフで裂き、腰まわりと胸を隠せるよう工夫する。

草むらから出ると、ケーンはリザードマンの革鎧を装備していた。

ブラックバッグの中にあったもので、一番ましなものだ。

「自分、得意な武器はなんや? 
一番攻撃力が強そうなん、ケルベロスの短剣やけど、間合いがな……」

「なんでも使えるよ。
お前が使わないなら、短剣でいい」

「さよか。
うちの得意武器は槍や。これ、騎士が装備する槍みたいやけど、どこで手に入れた?」
 ユリは目を付けていた槍を手に取る。

「覚えてない。多分オークが騎士から分捕ったんじゃない? ちゃっちゃと狩ろうぜ」
 ケーンはそう言ってケルベロスの短剣を装備する。

魔力と敏捷性に優れた者にとって、これもドロップアイテムの中では最高レベルの武器だ。
抜群に魔力が付与しやすく、切れ味は最高。

だが、その反面、敵の攻撃をかわし、超接近戦に持ち込んでこそ、その威力が発揮されるという特性がある。

つまり、常に危険と背中合わせの武器だということだ。

「ウチ、治癒系魔法は使えんで。自分は?」
 ユリは不安になって聞く。

「魔法なら何でも使えるよ。
だけど、魔力量は超寂しくなってるみたいだ。
無駄に怪我するな。
ポーションや魔力ポーション、そんなにないよ」

「了解。じゃ、行こうか」
 今の資金で、もっとましな装備は買える。だが、いい装備は当然ながら高い。

生活費を考えたら、とりあえず、なんとかやりくりするしかない。

ユリは開き直り、森の奥へと続く道へ歩みを進めた。
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