改訂 勇者二世嫁探しの旅

nekomata-nyan

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54 レミの幼馴染

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 翌朝。レミはケーンに断りを入れ、友人を訪ねることにした。このプリズナの町で、レミは生まれ育った。

 両親の墓参りは、昨日町へ着いてすぐに済ませている。レミは現在の恵まれた境遇を、墓前で報告した。
その墓に、父親の遺体は入っていない。
 生前の愛用品を何点か埋めているだけだ。
田舎の村へ行商に出かけた父親の馬車が、残っていたと聞く。
 馬車の馬は消えていた。積み荷もきれいになくなっていた。レミは魔物ではなく、盗賊に襲われたのではないかと、想像しているが、確証はない。
通りがかりの者が、馬や積み荷を盗っていった可能性もわずかながらある。
 
 そんな両親の墓に、恵まれすぎているかもしれない、と思いながら、うれしい報告ができた。
 薬師の修行が一段落し、子供が生まれたら見せに来よう。レミはそう考えている。

 レミは雑貨店のドアを開けた。その店の主人に、友人のメグが嫁いだと、風の噂で聞いていた。レミはメグの夫とも幼馴染だ。少し粗暴なところがあったので、レミはいっしょに遊んだことはないが。

「ごめんください」
 レミはやせ細った女性に声をかけた。もしかして、メグ? 記憶の中の友人の面影はあるが、ずいぶんやつれているように見える。
「いらっしゃい……。
レミ?
レミだよね!」
 疲れた女性の表情がほころんだ。

「そうよ。メグ、ほんと久しぶり」
 レミは女性に歩みより、軽くハグをかわした。

「少しやせた?」
 レミは現在のメグが気になり、そう遠慮気味に聞いた。記憶の中のメグは、小太りで愛嬌ある丸顔だった。
「そうかもしれないね……」
 そう言って、メグは深くため息をついた。
「マックは元気なの?」
 レミは、また遠慮がちに聞く。この店、以前は繁盛していた記憶がある。だが、今は品ぞろえが貧弱だ。空き棚が目につく。店の空気自体もよどんでいる感じ。
 はやっている店には、活気が感じられるものだ。

「まあ、そこそこね……。
ところで、急にどうしたの?」
メグはあいまいに答えて聞く。レミの服は、地味ながらずいぶんいい仕立てだと感じた。

「前の夫と死別したこと知ってる?」
 メグはうなずく。伯母さんの薬屋を、レミが手伝っていることも、メグは知っていた。個人の小さな店だということも。

「再婚したの。その夫と旅のついでに、両親の墓参り。
メグにも会いたかったし」
「そうなんだ……」
 そう言って、メグは再びため息をついた。レミはきっと、裕福な夫と巡り会っている。着ているものから、そのことがうかがえるし、何より雰囲気が「私幸せです」って感じ。

「立ち入ったこと、聞いていい?」
 レミは我慢できずにそう言った。
「マックのことだよね?
はぁ~~~……」
 メグは三度目のため息をついた。

「おい! マックはいるか?」
 柄の悪そうな三人の男が、店に入ってきた。
「夫はこの三日、帰ってきません」
 メグは声を震わせて答えた。

「逃げやがったな……。まあいい。
借金の期限、明日だということ、わかってるな?」
 男の言葉に、メグはうなずく。

「引っ越しの支度は、できてるだろうな?」
 男の言葉に、メグはうなだれて応えられない。

「貸し付けの形で、この店の土地と建物はいただく。
ただな、借金には、利子というものがつく。
まあ、お前さんの体売っても、利子にならないだろうけど。
明後日また来る。
マックが帰ったら、いい働き口紹介してやると伝えろ」
 メグは、力なくうなずいた。
 三人の男は、冷笑を残して店を出て行った。

「メグ!」
 大よそを察したレミは、メグの両肩を抱いた。
「バカな旦那、賭け事で大きな借金作ったの。
どうしよう!」
 メグはレミに抱き付いて泣きじゃくった。
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