改訂 勇者二世嫁探しの旅

nekomata-nyan

文字の大きさ
87 / 170

87 チューはおいしい魚です

しおりを挟む
※ 総子ちゃん、忘れてました!
  仕方ないので、12時過ぎにちょっぴり変更。 
 

 ケーンと嫁一同は、新嫁メイの歓迎会をにぎにぎしく開催。

 夜の王宮シェフが、腕によりをかけまくったごちそうが、ずらりとテーブルに並んだ。

「ケーンさん、これはなんですか?
何かの魚を、衣に包んで揚げたようですが」
 メイがフォークに料理を突き刺して聞く。

「それはチューという魚のてんぷら。
頭を落としてるけど、口の先がとんがってるんだ。
こんなふうに」
 ケーンが唇を突き出す。それは、鱚(きす)という地球の魚に酷似している。
もちろん、ケーンは両方とも魚名の由来を知らないけど、なんとなくそんな感じ。魚偏に喜ぶ。実にいい感じの言葉!

「変な顔!」
 メイはころころと笑う。

そして、不意に涙がこぼれてきた。

やさしくおどける旦那様。なんのとりえもない自分を、温かく迎えてくれたお嫁さん達。

今の幸福感が、なんだか痛い。

「ごめんなさい!」
 メイは涙を左手でぬぐい、パク。

「淡白な魚ですね。
口のなかでほろほろとほどける」

「それ、天つゆにつけて食べるんだ。
こんなふうに」
 ケーンは、エビのてんぷらを箸でつまみ、もみじおろしが入った天つゆに浸し、ぱく。

「そうなんですか。
あっさりし過ぎてると思いました。
こうですね」
 メイはケーンに倣う。

「おいしい……。
これ、川魚ですか?
湖、とか?
臭みが感じられないけど」

「海の魚だよ。
遠浅の海によく住んでる」

「海? 聞いたことだけはあります!
でかくて、水がしょっぱいとか?」

「ケーン、せっかく転移魔法が使える嫁が、二人もおるんや。
ウチも海釣りしてみたい!」

「みんな海を見たことないの?」
 ケーンは少し驚いて聞く。

「転移魔法、ペガサスにアイテムボックス、とんでもテント。
長旅の苦労、あんたは知らんやろけど、大変なんやで?」 
 ユリの言葉に、ぶんぶんとうなずくメイだった。メイはこの中で、長旅の苦労を一番知っていた。
 
 ほとんどの嫁は内陸部で生まれ育った。海を実際見た経験がある嫁は、総子だけだ。

 

◇ ◇ ◇


「キキョウ、人の気配感じないけど、大丈夫?」
 ケーンと嫁一同の転移を終えてケーンが聞く。ただし、月のもののため、総子だけは同行していない。

「大丈夫です。半径一キロ以内、人はいません」
 キキョウが自信満々で応える。

「お任せを。空から見張ってます。
あなた」
 ホワイトが夫を促す。ホワイトとブラックは、ペガサスに姿を変え、飛び立った。

「じゃ、みんな!
着替えて!」
 嬉々として水着を取り出すケーンだった。

 状況はご想像通り。第一回、ケーンファミリー海水浴&大釣り大会の幕が、切って落とされた。

「私はこれ一択!」
 真っ先に水着を選んだのは、ジャンヌだった。

「ジャンヌ、わかってるね!」
 ケーンは、じんわりと感動。今のジャンヌに、似合うかどうかは別として。

「ウチはこれやな……」
 ユリは、大サービスのTバックワンピース水着。

嫁たちは、それぞれ、ケーンが喜びそうな水着を選んでいく。もっとも、ケーンは自分が喜びそうな水着しか用意してないけど。

 嫁たちは、スポポンポーンと全裸に。水着を身につけ……。

「ケーン様、日焼け止めイベントを」
 正妻がケーンの心境を慮る。ケーンの寵を得た嫁たちに、本来日焼け止めローションは不要なのだが。
 第一、魔素圏を通ってきた光線は、お肌に有害な紫外線を和らげる。

「キキョウ、わかってる~~~!」
 日焼け止めローションを、べたべたと手のひらに広げ、イベントに取り組むケーンだった。
 エッチのときと、一味も二味も違う感触。

ビキニやワンピースの水着を、ちょっぴりずらし、なでなで…トゥルン、トゥルン!
 この作業、一生続けてもいい!

 ちなみに、誰の水着が一番エロいかと言えば、ジャンヌが選んだそれだった。
 水着のデザイン自体は一番エロくない。露出面積で言えば。

 ところが! 想像してみてください。

大人ボディーのジャンヌが。

 胸に「6年2組 じゃんぬ」という、名札がおっぱいのボリュームでパツンパツン。
 胸の谷間、ばっちりですよ!

 その水着は……、

 皆まで言うな?

 はい、そうですね……。ジャンヌの実年齢にふさわしいあれです。


「そ~れ! よいしょ!」
 黒Tバックのユリが、竿を大きく振って…、おっぱいがプルン!
 同時にお尻もプルン!
 プルン、プルンですよ!

 レミもプルン、プルンですよ!

 他の嫁は…プルプル? 大人ボディージャンヌは、その中間。

「リールをゆっくり巻く。
あたりがあったらぶるぶると伝わるから。
うまくいけば、何匹も一度にかかる」
 ケーンは嫁一同をまんべんなく見る必要がある。彼は「見てるだけ」の義務を果たしている。

「エサは超キモイけど、あんなのにかかるんですか?」
 テレサのヒカリちゃんが聞く。ヒカリちゃんは、テレサに光のビキニを授けた。
 光のレオタードの、ビキニバージョンだとイメージしてください。ただし、肝心の部分は、光に包まれ、ケーンでさえ見えない。

 もう一つ「ただし」がつく。それはそれで変にエロイ。

「イソメーという軟体動物なんだけど、チューの大好物なんだ」

「まあ、タチ食う虫も好き好き、言うからな」
 ユリがリールをゆっくり巻きながら言う。

ちなみに、「タチ」とは、この世界で男性のアレを指すスラングだ。男性のアレによく似た植物。
 その慣用句の意味は、日本の慣用句と微妙に違う。ブオトコと濃厚接触をする美女美少女に、あきれてからかうとき、しばしば用いられる。

「ユリ、今晩抜きな。
他の皆様、まとめて面倒みちゃう!」

「ケーン、ウチが悪かった!
ケーンのタチ、なんぼでも食うたる!」
 健康的なシチュエーションのわりに、結構きわどい会話だった。

「マジで口、とんがってますね……」
 チューを三匹、釣りあげたレミが言う。

「ケーンさんのゆうべの顔と、似てる?」
 メイは二匹砂浜に上げている。残念なことに、岸に上げる直前一匹逃げられてしまった。

「やった~! 五匹!」
 テレサのヒカリちゃんは大満足。キキョウは四匹、ユリとジャンヌは三匹だった。

「ケーン、ご褒美!」
 テレサのヒカリちゃんは、チューをまねて唇を突き出す。

 リクエストにお応えして、ケーンは唇を突き出し、チュッ!

 チューは、おいしい魚だった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる

歩く魚
恋愛
 かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。  だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。  それは気にしてない。俺は深入りする気はない。  人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。  だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。  ――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。

タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。 しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。 ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。 激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。

貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…

美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。 ※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。 ※イラストはAI生成です

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

処理中です...