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110 かわいく見えるじゃねえかよ~!
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※21日に、少し加筆しました。
買い物と薬草採集を終え、チームポチは分院の練習場へ帰った。採集した薬草は、直接レミの店へ卸した。ポイントは加算されないが、ギルドに卸すより、手数料がかからない分お得。
ギルドのポイントは、達成したクエストの等級、および卸した素材の価格で計算される。
青の森の薬草では、ろくにポイント稼ぎにはならないし、寺子屋生は、あくまで戦闘の実戦訓練がメインだ。
ちなみに、寺子屋生は、全員Fランクで登録されている。
「昼飯までまだ時間がある。
槍使いは摸擬戦。弓使いは的当て。
リンダ先生呼んでくる」
ケーンは簡潔に指示し、教官室へ向かった。
「リンダ先生! ポチです」
ケーンはノックの後、ドアの前でそう言った。
「入れ」の返事の後、部屋へ入る。
「ポチか…。変な名前だな?」
リンダは、にこやかに出迎えた。
「日本で伝統的な犬の名前です。
俺、どっちかといえばイヌ科でしょ?」
「なるほど…、女には変に人懐っこいよな?
確かにイヌ科だ。
だけど、女になつけない思春期の男の気持ち、少しは気を使ってやれ」
リンダは皮肉る。ケーンが今朝『いじめられる』と、教官室へ来た。
話を聞けば、ケーンが男子寺子屋生をからかったらしい。
ケーンなら、四人ぐらい簡単にボコれるが、ここへ逃げてきたのもおちょくりの一環だ。
男友達、作れないぞ、というのが、リンダの感想。
「まあ、それも修行でしょ?
彼女つくりてぇ~。
男にとって、元気やる気の源ですよ」
ケーンは軽く流す。だって、気持ちいいんだもん! リア充自慢。
「まあ、ほどほどにな。
ところで、あの四人、どう見てる?」
リンダは表情を改め、教育者の顔で聞く。
「アリスは、ものになると思いますね。
一番機転が利くし、弓の素質もある。
魔法は見てませんが、器的にはでかそう。
他の三人も、さすが選ばれた人材だ。
順調に伸びれば、Aクラスには届くでしょう」
ケーンの言葉に、リンダは満足そうにうなずく。自分の評価と重なる。
「で?」
「訓練、見てもらえませんか?
槍は摸擬戦、弓は的当ての訓練やらせてます」
「ポチがみたら大丈夫だろ?」
「給料分働いてくださいよ」
「はいはい。雇い主には逆らえません。
ケーン、本当に感謝してる。
私とメアリーに、新しい生き場所を与えてくれて。
行こうか?」
「はい!
先生!」
リンダは思う。おそろしいほどの、なりきり力だ。
くそ~!
ケーンのくせに、かわいく見えてくるじゃねぇかよ!
ケーンとリンダは練習場へ。寺子屋生たちは、訓練の手を止めて、リンダに注目。
「続けろ」
「はい!」
と、リンダに応え、再開する。
「ポチ、弓を見てやれ。
弓はやったことない」
リンダはそう指示し、槍の二人の方へ歩み寄る。対魔王戦で、ケーンの実力は把握している。
ケーンは、遠距離で弓、騎馬戦では槍を使い分けていた。どちらも技術的には異才を感じさせた。スピード自体はSランク相当にしか見えない。
だが、元勇者パーティのリンダだからわかる。一つ一つの技は、一見地味だが、洗練されきっていた。
技の正確さ、攻撃をかわす見切り。
名人の域に達している。
実際ケーンと自分が戦ったら、身体能力の圧倒的な差で勝てるだろうが、技術自体は負けていると認めざるをえない。
「はい!」
ケーンはそう応え、弓の二人へ。
「アリス、ナーラ、昨日見た感想な。
基本はがっちりできてる。
動く的にもバッチリ当てられる。
問題は連射速度だ。
ゴブリンぐらいならちょろいけど、防御が堅い敵や、一対多の戦闘では、致命的な弱点がある。
つまり、矢継が遅い」
「それはそうだと思うけど、ポチは弓も使えるの?」
アリスは不満顔で言う。ケーンの剣術はすごいと思うけど、弓の素人には言われたくない。
「ちょっと貸してみろよ」
ケーンはアリスの弓と矢壺を借りて…、
ヒュン、ヒュン、ヒュン。三連射。
三つの的のど真ん中へ当てていた。
アリスとナーラは口をあんぐり。
すごい! 矢を継ぐ動作、一切のよどみなし!
やっぱり惚れてまうやろが!
目がハートマークになった、アリスとナーラだった。
「ポチ、弓でもやれるんじゃない?」
アリスがぽつりともらす。
「戦ってる実感が薄いだろ?
弓はつまんないんだもん!」
「そういう問題?」
「そういう問題」
澄まして弓と矢壺を、アリスに返すケーンだった。
買い物と薬草採集を終え、チームポチは分院の練習場へ帰った。採集した薬草は、直接レミの店へ卸した。ポイントは加算されないが、ギルドに卸すより、手数料がかからない分お得。
ギルドのポイントは、達成したクエストの等級、および卸した素材の価格で計算される。
青の森の薬草では、ろくにポイント稼ぎにはならないし、寺子屋生は、あくまで戦闘の実戦訓練がメインだ。
ちなみに、寺子屋生は、全員Fランクで登録されている。
「昼飯までまだ時間がある。
槍使いは摸擬戦。弓使いは的当て。
リンダ先生呼んでくる」
ケーンは簡潔に指示し、教官室へ向かった。
「リンダ先生! ポチです」
ケーンはノックの後、ドアの前でそう言った。
「入れ」の返事の後、部屋へ入る。
「ポチか…。変な名前だな?」
リンダは、にこやかに出迎えた。
「日本で伝統的な犬の名前です。
俺、どっちかといえばイヌ科でしょ?」
「なるほど…、女には変に人懐っこいよな?
確かにイヌ科だ。
だけど、女になつけない思春期の男の気持ち、少しは気を使ってやれ」
リンダは皮肉る。ケーンが今朝『いじめられる』と、教官室へ来た。
話を聞けば、ケーンが男子寺子屋生をからかったらしい。
ケーンなら、四人ぐらい簡単にボコれるが、ここへ逃げてきたのもおちょくりの一環だ。
男友達、作れないぞ、というのが、リンダの感想。
「まあ、それも修行でしょ?
彼女つくりてぇ~。
男にとって、元気やる気の源ですよ」
ケーンは軽く流す。だって、気持ちいいんだもん! リア充自慢。
「まあ、ほどほどにな。
ところで、あの四人、どう見てる?」
リンダは表情を改め、教育者の顔で聞く。
「アリスは、ものになると思いますね。
一番機転が利くし、弓の素質もある。
魔法は見てませんが、器的にはでかそう。
他の三人も、さすが選ばれた人材だ。
順調に伸びれば、Aクラスには届くでしょう」
ケーンの言葉に、リンダは満足そうにうなずく。自分の評価と重なる。
「で?」
「訓練、見てもらえませんか?
槍は摸擬戦、弓は的当ての訓練やらせてます」
「ポチがみたら大丈夫だろ?」
「給料分働いてくださいよ」
「はいはい。雇い主には逆らえません。
ケーン、本当に感謝してる。
私とメアリーに、新しい生き場所を与えてくれて。
行こうか?」
「はい!
先生!」
リンダは思う。おそろしいほどの、なりきり力だ。
くそ~!
ケーンのくせに、かわいく見えてくるじゃねぇかよ!
ケーンとリンダは練習場へ。寺子屋生たちは、訓練の手を止めて、リンダに注目。
「続けろ」
「はい!」
と、リンダに応え、再開する。
「ポチ、弓を見てやれ。
弓はやったことない」
リンダはそう指示し、槍の二人の方へ歩み寄る。対魔王戦で、ケーンの実力は把握している。
ケーンは、遠距離で弓、騎馬戦では槍を使い分けていた。どちらも技術的には異才を感じさせた。スピード自体はSランク相当にしか見えない。
だが、元勇者パーティのリンダだからわかる。一つ一つの技は、一見地味だが、洗練されきっていた。
技の正確さ、攻撃をかわす見切り。
名人の域に達している。
実際ケーンと自分が戦ったら、身体能力の圧倒的な差で勝てるだろうが、技術自体は負けていると認めざるをえない。
「はい!」
ケーンはそう応え、弓の二人へ。
「アリス、ナーラ、昨日見た感想な。
基本はがっちりできてる。
動く的にもバッチリ当てられる。
問題は連射速度だ。
ゴブリンぐらいならちょろいけど、防御が堅い敵や、一対多の戦闘では、致命的な弱点がある。
つまり、矢継が遅い」
「それはそうだと思うけど、ポチは弓も使えるの?」
アリスは不満顔で言う。ケーンの剣術はすごいと思うけど、弓の素人には言われたくない。
「ちょっと貸してみろよ」
ケーンはアリスの弓と矢壺を借りて…、
ヒュン、ヒュン、ヒュン。三連射。
三つの的のど真ん中へ当てていた。
アリスとナーラは口をあんぐり。
すごい! 矢を継ぐ動作、一切のよどみなし!
やっぱり惚れてまうやろが!
目がハートマークになった、アリスとナーラだった。
「ポチ、弓でもやれるんじゃない?」
アリスがぽつりともらす。
「戦ってる実感が薄いだろ?
弓はつまんないんだもん!」
「そういう問題?」
「そういう問題」
澄まして弓と矢壺を、アリスに返すケーンだった。
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