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月面基地、訓練施設。エルファード艦船の内部が再現されている。
総子は警護ロボットと対峙。
ロボットの武器は、特殊警棒と肩のバルカン砲。艦船の先進性に比べたら、ずいぶん原始的な装備だと言える。
艦船外部装甲は堅牢に作られているが、内部はそれほどでもない。したがって、警護ロボットには、強力な火器が装備できないのだ。
バルカン砲の弾丸では、総子の装備を突破できない。そのことは、すでにわかっている。
特殊警棒を使ったロボットの攻撃力は、さすがに強力だ。オーガキング並みの打撃を放ち、しかも敏捷性はオーガキングの数倍。装甲はミスリルゴーレム相当。
それでも…、いや、それだから……。
シュッ、ヒュン。
総子は風のごとく距離を詰め、ロボットの電脳が格納された胸部を居合一閃。
パチン。総子は納刀。ロボットの胸部は寸断され、ずれ落ちた。
フレア斬を用いるまでもない。つまりは、相手にならない。
「なんかあっけないというか……。
サーシャちゃん、主電脳に聞いて。
ロボットが強化されてる可能性は?」
総子はモニター室のサーシャに聞く。
「エルファード星人…、というか、エルファードの電脳たちは、無駄なことを徹底的に省きます。
転移魔法と、ミスリル並みの装甲を、簡単に破れる技術と武器なんて想定していません。
つまり、強化されている可能性は限りなく低いです」
サーシャは自信満々で応える。
電脳たちの思考は、あくまでも経験則に基づく。
想像力は、地球の素人ラノベライターにも及ばない。
せいぜいこの物語の記者並み?
「そうなんだ?」
総子は、物足りないものを感じながら、訓練室を出た。
この結果は、総子だけでない。戦闘班全員ロボットと対戦し、同様だった。
多分ユリの戦闘力でも、武器次第で容易に勝てるだろう。
数か月後のこと。月面基地小会議場。ケーンと嫁たちが一堂に会する。
「さてと、転移と戦闘訓練、一通り終わったな。
もちろん油断大敵やけど、作戦成功率は百パーに近い。
そう言うて、ええんちゃう?」
ユリがまず総括。
「そうですね。これからやることは、子作りと子育て?」
キキョウが、にんまりとケーンを見る。
レミとメイはすでに出産を終え、ケーンは二児の父親となった。二人とも男子。現在夜の王宮で、アイドルとなっている。
ケーンは、二人の息子を連れて行くつもりだが、果たして放してくれるだろうか?
「子作りは任せて!」
ケーンは、腕を組んでふんぞり返る。
「サーシャちゃん、旅の途中に強敵はいないの?」
メイサが聞く。
「アンジェラ以外、この星系に生命体はいません。
戦闘の方はあきらめてください」
サーシャは苦笑して応える。戦闘班は、みんな戦闘狂だ。
「早く片付けて帰ってよね!
私だけおいてけぼりなんだから!」
ヒカリちゃんのテレサが、涙目で訴える。
ケーンと嫁たちは、苦笑しながらうなずく。
「さて、まだ出発まで一年少々はあるな。
ケーン、『やり残した』ことがあるやろ?
どうするつもりや?」
ユリが振る。『やり残したこと』とは、アリスのことを指している。
「アリスはパーティのリーダーだ。
多分、ついてくるとは言わないと思う。
待ってもらうか、別の恋をさがすか。
あの子に任せるしかない」
ケーンは、何年もこの星を空けると思わなかった。アリスに手を出さなかった、自分をほめてやりたい。
「もう他の女に、手を出しなさんな」
ユリが釘をさす。
「わかってるよ。『のじゃロリ』と、『メガネっ娘』はあきらめる。
じゃ、希望があれば、保護区で遊んで。
アリスと話してくる。
ジャスミン、パーティと待ち合わせてるんだろ? 俺も付いていく」
ケーンがジャスミンに振る。ジャスミンは笑顔でうなずく。
「ご主人様、私も行くニャ!」
ミーちゃんは、ケーン指導の下、『語尾ニャ』習慣にすっかり慣れた。
もちろん、ケーンはラノベ的慣習に則ったわけだ。
「了解。転移!」
ケーンと二人の嫁は、ライラックに転移した。
「さて、保護区でもうちょい腕を磨こか」
ユリが提案する。「保護区」とは、素材採取の場。ケンイチとミレーユの、趣味の需要を満たすため、夜の女神が亜空間に作った。もちろん、ケンイチの戦闘狂嫁の、ひまつぶしの場でもある。
そこは、いうならば、ダンジョン型サファリーパークである。
スライムからヘビモスまで。理性や知性を持たない魔物が、各種取り揃えられている。
ケーンが何度もお花畑を見たのは、そこで戦闘訓練を強制された結果である。
管理区の管理責任者には、夜の女王が古龍をスカウトした。
バイオレットとガーネットの、飲み友でもあるその古龍は、もちろんメス。龍族の王家とは、血縁関係が薄いブラックドラゴンだが、おそらく女王より強いはずだ。
「なんだか懐かしいです。
みなさん、行きましょう!」
キキョウも、そのダンジョンで腕を磨いた。レミとメイを除いた嫁たちは、キキョウの呼びかけに応え転移した。
「ミレーユ様、転移、お願いします」
レミが通信機を通して、ミレーユに呼びかける。
『了解』
モニターに映ったミレーユは短く応え、レミとメイを夜の王宮に転移させた。
ちなみに、レミの伯母サマンサは、一か月前、安らかに生を終えた。
レミは息子の顔を見せられたこと、救いだと思っている。
総子は警護ロボットと対峙。
ロボットの武器は、特殊警棒と肩のバルカン砲。艦船の先進性に比べたら、ずいぶん原始的な装備だと言える。
艦船外部装甲は堅牢に作られているが、内部はそれほどでもない。したがって、警護ロボットには、強力な火器が装備できないのだ。
バルカン砲の弾丸では、総子の装備を突破できない。そのことは、すでにわかっている。
特殊警棒を使ったロボットの攻撃力は、さすがに強力だ。オーガキング並みの打撃を放ち、しかも敏捷性はオーガキングの数倍。装甲はミスリルゴーレム相当。
それでも…、いや、それだから……。
シュッ、ヒュン。
総子は風のごとく距離を詰め、ロボットの電脳が格納された胸部を居合一閃。
パチン。総子は納刀。ロボットの胸部は寸断され、ずれ落ちた。
フレア斬を用いるまでもない。つまりは、相手にならない。
「なんかあっけないというか……。
サーシャちゃん、主電脳に聞いて。
ロボットが強化されてる可能性は?」
総子はモニター室のサーシャに聞く。
「エルファード星人…、というか、エルファードの電脳たちは、無駄なことを徹底的に省きます。
転移魔法と、ミスリル並みの装甲を、簡単に破れる技術と武器なんて想定していません。
つまり、強化されている可能性は限りなく低いです」
サーシャは自信満々で応える。
電脳たちの思考は、あくまでも経験則に基づく。
想像力は、地球の素人ラノベライターにも及ばない。
せいぜいこの物語の記者並み?
「そうなんだ?」
総子は、物足りないものを感じながら、訓練室を出た。
この結果は、総子だけでない。戦闘班全員ロボットと対戦し、同様だった。
多分ユリの戦闘力でも、武器次第で容易に勝てるだろう。
数か月後のこと。月面基地小会議場。ケーンと嫁たちが一堂に会する。
「さてと、転移と戦闘訓練、一通り終わったな。
もちろん油断大敵やけど、作戦成功率は百パーに近い。
そう言うて、ええんちゃう?」
ユリがまず総括。
「そうですね。これからやることは、子作りと子育て?」
キキョウが、にんまりとケーンを見る。
レミとメイはすでに出産を終え、ケーンは二児の父親となった。二人とも男子。現在夜の王宮で、アイドルとなっている。
ケーンは、二人の息子を連れて行くつもりだが、果たして放してくれるだろうか?
「子作りは任せて!」
ケーンは、腕を組んでふんぞり返る。
「サーシャちゃん、旅の途中に強敵はいないの?」
メイサが聞く。
「アンジェラ以外、この星系に生命体はいません。
戦闘の方はあきらめてください」
サーシャは苦笑して応える。戦闘班は、みんな戦闘狂だ。
「早く片付けて帰ってよね!
私だけおいてけぼりなんだから!」
ヒカリちゃんのテレサが、涙目で訴える。
ケーンと嫁たちは、苦笑しながらうなずく。
「さて、まだ出発まで一年少々はあるな。
ケーン、『やり残した』ことがあるやろ?
どうするつもりや?」
ユリが振る。『やり残したこと』とは、アリスのことを指している。
「アリスはパーティのリーダーだ。
多分、ついてくるとは言わないと思う。
待ってもらうか、別の恋をさがすか。
あの子に任せるしかない」
ケーンは、何年もこの星を空けると思わなかった。アリスに手を出さなかった、自分をほめてやりたい。
「もう他の女に、手を出しなさんな」
ユリが釘をさす。
「わかってるよ。『のじゃロリ』と、『メガネっ娘』はあきらめる。
じゃ、希望があれば、保護区で遊んで。
アリスと話してくる。
ジャスミン、パーティと待ち合わせてるんだろ? 俺も付いていく」
ケーンがジャスミンに振る。ジャスミンは笑顔でうなずく。
「ご主人様、私も行くニャ!」
ミーちゃんは、ケーン指導の下、『語尾ニャ』習慣にすっかり慣れた。
もちろん、ケーンはラノベ的慣習に則ったわけだ。
「了解。転移!」
ケーンと二人の嫁は、ライラックに転移した。
「さて、保護区でもうちょい腕を磨こか」
ユリが提案する。「保護区」とは、素材採取の場。ケンイチとミレーユの、趣味の需要を満たすため、夜の女神が亜空間に作った。もちろん、ケンイチの戦闘狂嫁の、ひまつぶしの場でもある。
そこは、いうならば、ダンジョン型サファリーパークである。
スライムからヘビモスまで。理性や知性を持たない魔物が、各種取り揃えられている。
ケーンが何度もお花畑を見たのは、そこで戦闘訓練を強制された結果である。
管理区の管理責任者には、夜の女王が古龍をスカウトした。
バイオレットとガーネットの、飲み友でもあるその古龍は、もちろんメス。龍族の王家とは、血縁関係が薄いブラックドラゴンだが、おそらく女王より強いはずだ。
「なんだか懐かしいです。
みなさん、行きましょう!」
キキョウも、そのダンジョンで腕を磨いた。レミとメイを除いた嫁たちは、キキョウの呼びかけに応え転移した。
「ミレーユ様、転移、お願いします」
レミが通信機を通して、ミレーユに呼びかける。
『了解』
モニターに映ったミレーユは短く応え、レミとメイを夜の王宮に転移させた。
ちなみに、レミの伯母サマンサは、一か月前、安らかに生を終えた。
レミは息子の顔を見せられたこと、救いだと思っている。
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