【R18】猫は異世界で昼寝した

nekomata-nyan

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4 ラッキー? 生乳治療

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 落ち着いたルラと猫又ナイト&プラスアルファー(もちろん俊也のことだよ)は、今後起こり得るであろう問題について話し合った。

まず、ナイトの体を安定させるのが、先決だということで落ち着いた。

現在の形態は三つだ。

第一形態は言葉が話せない猫。

猫又は、『猫の経(へ)上がりて』と、『徒然草』に記載されている通り、超長生きした猫が、妖怪に変化した結果だ。

ナイトが猫又に「出世」して以来、以前の猫になることはなかった。だが、現在はどういった加減か、思考以外、完全に「普通の猫」の体に還るケースもある。
その形態はペットとして一番自然だが、全く妖力が発揮できず、無防備だという点が大問題。

第二形態は、マッパ状態の俊也。これはもちろん論外、と猫又ナイトとルラは判断する。

プラスアルファー(もちろん俊也のことだよ)は、猛烈に抗議したが、あえなく却下された。

理想は今の第三形態。つまり、人語が話せる妖怪猫。

これは尻尾を一本隠すだけで、ナイトがしゃべらなければそれですむ。

ただ、この形態の難点は、魔力が高い者に、妖力が隠しきれないことだ。

幸い、侍女の中で、その妖力をはっきり感じられるのは、ルラ専属の侍女ルマンダただ一人だと思われる。

彼女は完全に信用できる。

それに、侍女にも協力者がいたら、ずいぶん心強い。彼女だけには事情を話そうと、ルラは心積もりしていた。

「今の形が、一番安定なさっているように思うのですが。
気絶なさっても猫又のままです」

「そうだな。眠ったらわからんが。このまま眠ってよいか?」
 ナイトは大あくびした。ルラの柔らかな太ももは超気持ちいい。
 俊也のために頭をあそこに……。

「ちょっとお待ちください。あなた方の形態は、三つなのでしょうか?」
 ナイトの邪念は妨げられた。

「ん? そうだな。あるにはあるが、この身体では無理だ。
他には見当もつかない」

「実験してみましょう。鼻と鼻をくっつけたら、人間の体に還る。
これは確定でしょう。
キスして、よろしいでしょうか?」
 ルラは真顔で聞く。

ルラは変身の秘密が、女性との接触にあるのではないかという仮説を立てていた。
鼻ツンで猫又。
さらに濃い接触ならば?

「おう! よいとも、よいとも。優しくしてね」
 ナイトは目を閉じる。

ルラは大いにためらいがあった。プリンには、しょっちゅうやっていたが、ナイト様は何を召し上がっているか、わからないから。
さっきねずみや小鳥がどうのこうの。

でも、鼻ツン以上の効果がありそうな予感がある。

チュッ。ルラは軽く口付けした。

「ひゃっほ~! あれ?」
 俊也に近い生物が、ルラを思い切り抱きしめた。ルラはぐったりと気を失っているようだ。

その生物はびっくりして飛びのいた。

「いてっ!」
 思い切り天井に頭をぶつけた。

何これ? スゲージャンプ力。

その生物は鏡で自分の姿を見た。

なんだこれ? 

かっこいい、といえるか微妙。体は引き締まった人間そのもの。顔も人間的だ。

ただ…ネコ目猫耳だった。

オス、というか、男じゃ需要まるでなし。

尻尾はやはり二本。

そうだ、ルラは大丈夫だろうか?
 
俊也猫又ミックスは、慌ててルラに駆け寄ろうとして、どすん。壁にぶち当たってしまった。

ミックスはようやく理解した。身体能力がべらぼうに上がっている。

用心深く、そ~っとルラに近づく。多分、その気がないのに、仕返ししてしまった形になったのだ。

『今なら大丈夫だ。
ルラの上を脱がせて、なめてやれ。
きっと肋骨を骨折している』
 猫又の声が頭に響いた。そうか、上を脱がせてなめれば大丈夫……、
できるか~!

『急げ! 心停止した!』
 ヤバ! ミックスは慌ててルラの上半身を裸にした。え~い、まだるっこしい、けどいい……。ルラ、服は破かないからね。

グファ!

ななな、生乳だよ、ナマチチ!

かわいいおっぱいにひるんだが、思い切って左の乳首をなめた。れろれろくりんくりん……。

『わざとか! 心臓はもっと中ほどだ!』
 
そうだった! ミックスはルラの心臓を透視する。

なんとなくできそうな気がしていたが、できてしまった。折れた肋骨が、心臓につながる血管を圧迫しているようだ。

このあたりだな。ミックスはルラの心臓に当たる部分を丁寧になめた。

ドクン、という感覚があり、すぐに正常運転にもどった。折れていたはずの肋骨も元通り。

気づいて赤くうっ血した腕と背中をなめる。すぐに真っ白なもち肌に変わった。

この際だ……。必要以上になめくりまわした。直接関係ない乳輪や乳首をことさら丁寧に。
 幸いなことに、ミックスの舌は、ざらざら猫舌ではなかった。バター猫でもどんと来いだ!


「う~ん……」
 ルラは意識を取り戻した。

「ごめん! 脱がしたのはあくまで治療だから!」
 我を取り戻したミックスは土下座。ぼ~っとしていたルラは、上半身がマッパであることに気づいた。

腕でおっぱいを隠し、ぼそっと言った。

「私に、何したの?」

「心臓が止まってたんだ。だから……」

「だから?」

「ちち…治癒魔法を使った。この魔法は直接しないとダメなんだ」

「直接…何をしたの?」

「なめました! ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。緊急事態だったこと、嘘偽りは全くない! 
マジで君の心臓止まってたんだよ」
 ルラは服を着ながら考えた。本当に嘘はないようだ。

プッ…。土下座する何かの尻尾は、しょぼんと垂れていた。

股間のあれも、反省しきり、って感じ。猫耳もいかにも申し訳なさそうに、ぴくぴく動いている。

「キスの効果はわかった。ほぼ人間の体に帰り、身体能力が極端に上昇するのね? 
尻尾と猫目・猫耳がついて、特定マニアには受けるかもしれない。
これ、重要。
妖力は使えるのね?」
 ミックスは、どうだろうと思った。癒しのなめ技は使えたけど。

え~っと、尻尾で丸書いて…肉球スタンプ…て、肉球じゃない! ええい!

「着衣!」

 気づいたら、ルラが用意してくれた服に身を包んでいた。上着はパツパツで、ズボンは、裾を巻き上げなければ引きずりそうだったが、ぴったりフィット。
どうなっているのか、尻尾もきちんと出ている。

「なんか、人間の時よりカッコイイ! 
私もあなたを失神させたから、これでチャラね。
これからもよろしく…って、この形態なんと呼べばいい?」

「そうだね……。レジェンド…とでも?」
 俊也の中二病レベル4発症。

「了解、レジ。よろしくね」
 ルラは右手を伸ばして握手を求めた。レジェンドとレジじゃ、全然意味が違うだろうが。

「いらっしゃいませ~。カードはお持ちでしょうか?」
レジは苦笑で握手に応えた。

「あのね、鼻ツンで人間でしょ? 
唇チューでレジ。
セックスしたらどうなるのかな? 
試してみる?」

「試してみる!」
 レジはすかさず答えた。

「バカ…ジョークです!」

「わかってます。俺の本音はマジだけど」

「わかってない! リラーナ家では……」

「リラーナ家では?」
「なんでもない!」
 ルラは赤面してごまかした。

リラーナ家の家訓に曰く。当家の息女は、裸を見せた男とは婚姻すべし。唇チューも同様。

もちろん、婚姻する男以外には、貞操を厳しく守れの意味だ。

裸は上半身だけだし、唇チューは猫又形態だった。

おっぱい近辺?をなめられたのは…緊急避難としよう。

全体の流れから考えたら、微妙……。

それにしても、セックスしたら、マジでどうなるのだろう? 意外に素の俊也…だったりして。  

 そこはかとなく、試してみたいかも。なめ治療が施されたおっぱい周辺は、いまだほてりが残っていた。

 レジは感じていた。濃くて甘い匂いが……。なんだかくらくらする。
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