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58 ローランの講義
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ローランの新人魔法講義をのぞくと、
「お二人とも、俊也さんのお情けを頂いて、内心とまどっていると思います。急に魔力量が増え、どう扱っていいのかわからない。
セックスの機会を一度に抑えているのは、まず魔法の基礎を徹底的に鍛えるためです。
今後セックスするたび、あなた方は急に、恐ろしいほどの力を持ってしまいます。
数で喩えたら、十の四倍は四十。四十の四倍は百六十。百六十の四倍は六百四十。
魔力量はなんとなく程度でしか計測できませんが、今上げた数値は古参嫁の実感です。
基礎ができていなければ、思わぬ事故に直結します。
早くセックスローテーションに加わりたいなら、基礎力を身につけることです」
ローランの言葉通り、俊也は二人を一度抱いた。これもローランの言葉通り、「もっと新人を味わいた~い!」という、俊也の願望を無視し、一度ずつにとどめていた。
俊也はアンリの時、これまでに一番の苦労をした。極度に緊張したら、アンリは石化してしまう。
石化解除のために、色々な工夫をしなければならなかった。おかげで俊也のナンパ能力は、2ランク上がった。
そんなのどうでもいいよ、と思われたならその通り。ローランの講義に話を戻そう。
「ルラさんたちと相談しました。今館の戦力は、非常にバランスがとれていますが、強いて言えば、武器を使った近接戦要員が、レジさんとブルーさんだけだということです。
ルマンダさんは妊娠していますから、前衛には置けません。
また、レジさんの存在は、なるべく見せたくない。
そこで提案です。
アンリさんに、その接近戦の、エキスパートになっていただきたい。
潜在能力的にも、一番向いていると判断しました。
中級程度まで魔法を覚えたら、ブルーさんに師事していただきたい。いかがですか?」
ローランはアンリに振る。
「私もそれが最善だと思います。でも~…」
「レジさんが怖い? わかります。私も基礎体力をつけるために、レジさんに二度抱かれました。
あの方は、騎乗位以外危険です。
俊也さん形態の方が多いから、レジさんが夢中になったら、力加減を間違えることがあります。
もちろん、ワイルドな趣があって、とってもいいんですよ。
ですが、俊也さん形態の方が、安心だということは認めます。愛撫も優しい、しかも濃い」
「そうなんですよ。でも、騎乗位、頑張ってみます。防御力がついたら、レジさんでも普通に対応できると聞きました」
ローランは笑顔でうなずく。
「アンさんです。SAの戦力として、もう一つ不安なのは、特殊工作要員の不足です。
得意なのは、フラワーさんだけですし、しかも今妊娠中です。
トラップ敷設、トラップ発見・解除、魅了、恐慌、その特殊魔法は、使い方によって、相当以上に有効な武器となります。
あなたに向いていると判断しましたが、どうですか?」
「なるほど~、やってみます。フラワーさんに師事しろということですね?
セックスのお相手は、俊也さん形態中心」
アンが応える。
「その通りです。早速初等魔法の実践に移ります。アンリさんは、おさらいのつもりで……」
てな感じ。メンバー自体が強力で、新人もこのまま順調に成長すれば、既存メンバー並みの戦力となるだろう。しかもSAに油断はない。家族計画以外には。
どこかのおバカが、突撃してくれなければ、山場のない中途半端な物語となってしまう。
乞う! 濃い目のやられキャラ!
三幹部は……、
「退屈! ルラ、どうにかならない?」
魔法の指導からも締め出され、暇を持て余しているエレンは、ルラにぼやく。
「俊也がダメって言うんだもん」
ルラもうんざり顔で応える。
「仕方ないでしょ? 妊娠初期は流産しやすいそうだし」
フラワーがなだめる。
「もう~! 爆裂熱球!」
どか~ん! エレンが上級攻撃魔法を放つ。
「降雨!」
ルラも魔法を放ち、エレンの魔法で立ちこめた砂塵を鎮める。
「乾風!」
フラワーは、「降雨」魔法でぬかるんだ地面を乾かす。
「ちょっとすっきり。後四五発いくよ!」
エレンは魔法訓練場に向け、ヤバい魔法を連発した。ルラとフラワーも、さっきの手順通り魔法を放つ。
散歩代わりに、練習場で魔法を放つことは、三人にとって欠かせないガス抜きだ。ストレスや、たまりすぎた魔力を発散する意味で。
湖のそばの魔法練習場は、すでに山の形をとどめていなかった。深刻な自然破壊については、目をつぶるしかなかった。
館から、魔法講座班がやってきた。
「また派手にぶっ放してますね。
みなさん、これが上級魔法のもたらす結果です。
その気になったら、カント程度の町、一瞬で廃墟にしてしまいます。
幹部のお三方は、魔法操作にも長けているから、平気で上級魔法を放っていますが、少し扱いを間違えたら、とんでもないことになります。
基本が大切なこと、おわかりですね?」
講師のローランが教訓を垂れる。
「私では、どうあがいても無理ですよ」
アンリが、あきれ返った顔で言う。
「認識が甘いですよ!
俊也さんの力は強大です。
まあ、アンリさんはレジさん中心ですが」
アンリさん、庶民出身としては、多分突出した魔力レベルだろう。だが、貴族とは比べるべくもない。しかしながら、上位魔法を放てる程度の実力はつくはず。上位魔法を誤ったら大惨事を引き起こす。
温厚なローランが、厳しい言い方を選んだのはその意味からだ。
「質問! 私の勘では、館周辺の山々、水や植物属性の魔石が豊富だと思います。
あの崩したところ、探してもいいですか?」
アンはこの館へ来て以来、うずうずしていた。あの魔法訓練場、ほぼ間違いなくお宝の山…元山のはず。
「マジで! 探してみよう!」
エレンの瞳の中に¥マークが浮かんだ。
「三幹部の方は控えてください。
転んだりしたら大変です。
皆さん、私が大きい岩石は砕きます。
さっそく探しましょう!」
エレンの意気込みを、あっけなく鎮火させるローランだった。
「お二人とも、俊也さんのお情けを頂いて、内心とまどっていると思います。急に魔力量が増え、どう扱っていいのかわからない。
セックスの機会を一度に抑えているのは、まず魔法の基礎を徹底的に鍛えるためです。
今後セックスするたび、あなた方は急に、恐ろしいほどの力を持ってしまいます。
数で喩えたら、十の四倍は四十。四十の四倍は百六十。百六十の四倍は六百四十。
魔力量はなんとなく程度でしか計測できませんが、今上げた数値は古参嫁の実感です。
基礎ができていなければ、思わぬ事故に直結します。
早くセックスローテーションに加わりたいなら、基礎力を身につけることです」
ローランの言葉通り、俊也は二人を一度抱いた。これもローランの言葉通り、「もっと新人を味わいた~い!」という、俊也の願望を無視し、一度ずつにとどめていた。
俊也はアンリの時、これまでに一番の苦労をした。極度に緊張したら、アンリは石化してしまう。
石化解除のために、色々な工夫をしなければならなかった。おかげで俊也のナンパ能力は、2ランク上がった。
そんなのどうでもいいよ、と思われたならその通り。ローランの講義に話を戻そう。
「ルラさんたちと相談しました。今館の戦力は、非常にバランスがとれていますが、強いて言えば、武器を使った近接戦要員が、レジさんとブルーさんだけだということです。
ルマンダさんは妊娠していますから、前衛には置けません。
また、レジさんの存在は、なるべく見せたくない。
そこで提案です。
アンリさんに、その接近戦の、エキスパートになっていただきたい。
潜在能力的にも、一番向いていると判断しました。
中級程度まで魔法を覚えたら、ブルーさんに師事していただきたい。いかがですか?」
ローランはアンリに振る。
「私もそれが最善だと思います。でも~…」
「レジさんが怖い? わかります。私も基礎体力をつけるために、レジさんに二度抱かれました。
あの方は、騎乗位以外危険です。
俊也さん形態の方が多いから、レジさんが夢中になったら、力加減を間違えることがあります。
もちろん、ワイルドな趣があって、とってもいいんですよ。
ですが、俊也さん形態の方が、安心だということは認めます。愛撫も優しい、しかも濃い」
「そうなんですよ。でも、騎乗位、頑張ってみます。防御力がついたら、レジさんでも普通に対応できると聞きました」
ローランは笑顔でうなずく。
「アンさんです。SAの戦力として、もう一つ不安なのは、特殊工作要員の不足です。
得意なのは、フラワーさんだけですし、しかも今妊娠中です。
トラップ敷設、トラップ発見・解除、魅了、恐慌、その特殊魔法は、使い方によって、相当以上に有効な武器となります。
あなたに向いていると判断しましたが、どうですか?」
「なるほど~、やってみます。フラワーさんに師事しろということですね?
セックスのお相手は、俊也さん形態中心」
アンが応える。
「その通りです。早速初等魔法の実践に移ります。アンリさんは、おさらいのつもりで……」
てな感じ。メンバー自体が強力で、新人もこのまま順調に成長すれば、既存メンバー並みの戦力となるだろう。しかもSAに油断はない。家族計画以外には。
どこかのおバカが、突撃してくれなければ、山場のない中途半端な物語となってしまう。
乞う! 濃い目のやられキャラ!
三幹部は……、
「退屈! ルラ、どうにかならない?」
魔法の指導からも締め出され、暇を持て余しているエレンは、ルラにぼやく。
「俊也がダメって言うんだもん」
ルラもうんざり顔で応える。
「仕方ないでしょ? 妊娠初期は流産しやすいそうだし」
フラワーがなだめる。
「もう~! 爆裂熱球!」
どか~ん! エレンが上級攻撃魔法を放つ。
「降雨!」
ルラも魔法を放ち、エレンの魔法で立ちこめた砂塵を鎮める。
「乾風!」
フラワーは、「降雨」魔法でぬかるんだ地面を乾かす。
「ちょっとすっきり。後四五発いくよ!」
エレンは魔法訓練場に向け、ヤバい魔法を連発した。ルラとフラワーも、さっきの手順通り魔法を放つ。
散歩代わりに、練習場で魔法を放つことは、三人にとって欠かせないガス抜きだ。ストレスや、たまりすぎた魔力を発散する意味で。
湖のそばの魔法練習場は、すでに山の形をとどめていなかった。深刻な自然破壊については、目をつぶるしかなかった。
館から、魔法講座班がやってきた。
「また派手にぶっ放してますね。
みなさん、これが上級魔法のもたらす結果です。
その気になったら、カント程度の町、一瞬で廃墟にしてしまいます。
幹部のお三方は、魔法操作にも長けているから、平気で上級魔法を放っていますが、少し扱いを間違えたら、とんでもないことになります。
基本が大切なこと、おわかりですね?」
講師のローランが教訓を垂れる。
「私では、どうあがいても無理ですよ」
アンリが、あきれ返った顔で言う。
「認識が甘いですよ!
俊也さんの力は強大です。
まあ、アンリさんはレジさん中心ですが」
アンリさん、庶民出身としては、多分突出した魔力レベルだろう。だが、貴族とは比べるべくもない。しかしながら、上位魔法を放てる程度の実力はつくはず。上位魔法を誤ったら大惨事を引き起こす。
温厚なローランが、厳しい言い方を選んだのはその意味からだ。
「質問! 私の勘では、館周辺の山々、水や植物属性の魔石が豊富だと思います。
あの崩したところ、探してもいいですか?」
アンはこの館へ来て以来、うずうずしていた。あの魔法訓練場、ほぼ間違いなくお宝の山…元山のはず。
「マジで! 探してみよう!」
エレンの瞳の中に¥マークが浮かんだ。
「三幹部の方は控えてください。
転んだりしたら大変です。
皆さん、私が大きい岩石は砕きます。
さっそく探しましょう!」
エレンの意気込みを、あっけなく鎮火させるローランだった。
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