【R18】猫は異世界で昼寝した

nekomata-nyan

文字の大きさ
64 / 230

64 オジサン認定?

しおりを挟む
 事前工作も整い、嫌がらせ作戦決行のため、俊也たちは館を出発。

 幾分緊張した表情の、部隊メンバーを紹介する。

隊長  俊也(猫又ナイト)

副隊長 ユーノ(作戦参謀・攻撃魔法担当)

隊員  ローラン(回復系責任者)

隊員  ブルー(有事の切り込み隊長) 

隊員  イザベル(ブルーの支援)

遊撃  アンリ(道案内・食事担当)

数を可能な限り絞った陣容と言える。



 季節はすでに雪解けを終えていた。雪の季節に動きにくいのは敵も同じこと。

俊也は暇なとき里帰りし、馬車改良のため様々な部品を町工場に発注していた。

ガソリン車は使いたくない。できるだけ軽く、頑丈で乗り心地がよい馬車。
そんな虫のいい理想を目指し、コツコツと馬車を改良した。

まず、フレームはカーボン。軽量かつ頑丈。文句なし。

車体に鉄板は重いので不採用。アルミニュームを使ってみる。

強度に不安はあったが、カーボンのフレームを増やし、薄い板を張り詰めたら快適。

荷台のフローリングには、朝陽お勧めのトゥルース×ーパーを敷き詰める。

超快適! そして御者席には、軽量座イスを溶接した上に、ハニカム構造の敷物。
卵を上に乗せ座っても、卵が割れないとされているやつ。
怖いので試してないが、快適は快適。

一番苦労したのは、足まわりだった。サスペンションなどの部品は、車の解体屋を回り、二台分手に入れた。

アルミホイール付きラジアルタイヤは、猫又大先生の奮闘により、細く、直径の大きな形状に変形してもらった。

幌はテントを改良したもの。

この世に二台しかない、カスタム馬車の出来上がり。

道路自体が最悪なので、決して乗り心地がいいとは言えないが、もちろん、旧来の馬車よりずっと快適だ。
 
ただし、超目立つ。隠密行動や戦闘には絶対不向きだ。

おいおい、子供が付いて走ってくるよ……。

「おじちゃ~ん、かっこいい! …馬車は」
「おねえさん~、僕も乗っけて!」
 
俊也は手綱を操るアンリを見た。はっきり言わせてもらおう!

俺の方が若い!

「ガキどもめが! 汚ない手で触ったら、おじちゃん怒っちゃうよ!」

「あ~、『おじちゃん』認めた~」
 アンリが、ぼそっとつぶやく。

「アンリ、遠征中のエッチ抜きな。他の皆さん、喜んでくれると思うよ」

「おい! ガキども! このお方をどなたと心得る。
先の副将軍、ゴローコーで、ありゃせらりゅりゅじょ!」

「アンリさんや、そのブーム、とっくに終わってるから。
かむ癖、できるだけ矯正しよう」
 俊也はアンリの肩を、ぽんぽんと叩いた。アンリは真っ赤になってうつむいた。

「とりあえず、御者は前を向こうか。
馬が自動運転してくれるけど、危険だと思う」
 アンリは師(ブルー)を見習い、無謀なジョークに挑戦。

大失敗の結果に終わってしまった。


「あの~……」
「たまには、俊也形態もいいだろ? 今晩お相手よろしく」
 俊也はアンリのほっぺにチューした。

アンリはとたんに顔をほころばせ、馬に鞭を入れようとした。

「鞭、ヤバい!」
 俊也は安全のため慌てて制止した。アンリの振りあげた鞭を取り上げる。

「最初に力加減、覚えような。調子に乗った時は特に危険」

「はい……気をつくます(『つく』は発音のまま)」
 最近ムキムキの仲間入りをしたアンリ。体力や力はブルーに一歩近づいている。剣技も相当上達している。

 ただ口の回転だけは、以前のままだった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...