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75 ルマンダ画伯の評価
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俊也はカナにたっぷりと埋め合わせしてもらい、夕方銀座にでかけた。
もちろん、初対面JKに対し、おもいきりエッチな施術を施した「埋め合わせ」だ。「きわどい」という形容では、とても追いつかないような濃厚接触。
しかも、嫁の目の前で。
心ならずも、俊也とカナは猛烈に刺激されていた。
都合三発にわたる「埋め合わせ」だった。考えてみたら、「埋め合わせ」なんとなく卑猥な響きが……。
それでも俊也の心は弾んでいる。今日会うのは、有能美人秘書、という感じの静香さん。
成熟した色香を、知性と教養でコーティングしてみました、的な?
俊也に、ほとんど、下心はないが、気分が弾むのもやむなし。
でしょ?
今日早じまいし、画廊の静香さんが夕食をごちそうしてくれるという。
俊也はルマンダや嫁から、許可をもらっている。あの絵、全部売っていいと。まだ日本での資金はかなり残っている。
売り急ぐつもりはないが、全部売らないでは、今後の信用問題となる。とりあえず反響を聞いてから、考えるつもりだ。
「今晩は」
「いらっしゃいませ。ずいぶん早かったですね」
この店の実質的経営者、朝日野静香が笑顔で迎えてくれた。
静香のお色気は、どの嫁たちとも違っている。うまく言えないが、どこか醒めたものが感じられる。
肉体的には、成熟しきっている。だけど、そんな自分を突き放しているような……。
彼女は自分が超魅力的な女であることを知っている。だが、積極的にその魅力を生かす気がないというか、そんな気がした。
どんな事情があるのかわからないが、女の魅力を「飼殺してきた」というのが、俊也の直感だった。
「やっぱり気になっちゃいまして。どうですか、反響?」
俊也は無難な話題を振った。
「コロ〇で困ってたんだけど、店を再開してから大変だったのよ。
ルラちゃんを是非売ってほしいって。
十分看板娘として働いてもらった。ほら、あの通り」
静香が目で示した先を追ったら、上品な紳士と淑女が、ルラの絵に見入っていた。
「あの~、古めかしい服装と、新しいの、どっちが好評ですか?
聞いてほしいと頼まれたので」
俊也は内心ほっとしながら、そう聞いた。思った通りあの絵は受け入れられた!
「そうね……。やっぱり年齢によって違うみたい」
でしょうね、と俊也は納得。
「朝日野さん、やっぱり売ってもらえないんですか?」
ルラの絵に見入っていた男性が、声をかけてきた。
「交渉しようと思ってます。その作品、ずいぶんお気に入りのようですが、残念ながらそれはお売りできません。
まことに申し訳ございません」
その作品は、俊也が静香に売ったものだった。
俊也は感激。本当に大事にしてくれている。
「そうですか……。他の作品は?
ずいぶん多彩なモデルですね?
どの作品も引かれるな~」
「今回個展を開いたのは、真に絵がお好きなお客様に、作者を知ってほしかったからです。
販売の方は、鋭意努力して交渉します」
静香は見事に流す。
「あの~、お客様は、どの絵がお好きでしょう?
ずいぶん絵がお好きなようですから、できれば教えていただけないでしょうか?
感想も含めて」
俊也は我慢できずにそう話しかけた。
その客は一瞬意外な顔をしたが、すぐ笑顔になった。
「本当にいいんですか? うちの主人が語り始めたら、もうとまらなくなりますよ」
男性客と、連れだって絵を見ていた女性が言う。
やっぱり夫婦か……。二人とも、五十前後だろうか? セレブ感がすっかり板についていると俊也は感じた。
「望むところです。勉強させて下さい」
「そうですか。いいでしょう」
男性客は破顔一笑。大歓迎だったようだ。
「まず、この絵です。朝日野さんにはずいぶんご迷惑をかけましたが、時間が許せば会いに来ていました。
そうなんですよ。会いに来てたんです。
この絵に限らず、この作者、ルマンダさんの絵は、みんな生きてるんですよ。
僕はこの絵のモデルが、今絵から抜け出して、目の前に現われても驚きません。
みんなそうです。
そして、深い愛情を感じます。
見守るような、尽くすような、そんなルマンダさんの気持ちがわかります。
ルラさんというそうですね。この絵のモデル。
この人は、ルマンダさんにとって特別な人です。絶対間違いありません。
そして僕は思うんですよ。
同じルラさんがモデルのあの絵。
全然印象が違います。
あの絵には、ルラさんの憂いが一切消えている。
服装が全然違うから?
絶対そうじゃありません。
どこか人を拒絶するような、威厳が影をひそめています。
非常に悔しいですが、だれか愛する人ができたんでしょう。
ひょっとしたら、その人との子を、お腹に宿しているかもしれない。
エレンさん、フラワーさん、そして作者のルマンダさん。
これは母親の目です。
慈しみの目です。
男として、本当に悔しい。誰が射止めたんでしょうね」
以下、その男性は、滔々(とうとう)と絵を語ってくれた。
俊也はこそばゆいやら嬉しいやら。
俊也は決心した。金額は問わない。静香さんに売った絵以外で、この人に買ってもらおう。
それにしても、この人何者? 正確に絵の本質を見ている気がする。
「あなた、もう閉店時間よ。いいかげんになさったら」
夫人が穏やかに苦言を呈した。
「もう一つだけお聞きします。
古風な服のルラさん以外なら、どの人を心の恋人に選びますか?」
俊也はそう聞いた。
「迷いますね。一生をかけても答えは出ないかもしれない。
強いて言えば……、この素晴らしい作品を生んでくれた、ルマンダさんです」
「ずいぶん申し訳ありませんでした。
巨乳美女がお好きだったんですね。
朝日野さん、どうか主人の恋を実現させて下さい」
夫人が皮肉交じりのジョークで、和やかに場を締めてくれた。
もちろん、初対面JKに対し、おもいきりエッチな施術を施した「埋め合わせ」だ。「きわどい」という形容では、とても追いつかないような濃厚接触。
しかも、嫁の目の前で。
心ならずも、俊也とカナは猛烈に刺激されていた。
都合三発にわたる「埋め合わせ」だった。考えてみたら、「埋め合わせ」なんとなく卑猥な響きが……。
それでも俊也の心は弾んでいる。今日会うのは、有能美人秘書、という感じの静香さん。
成熟した色香を、知性と教養でコーティングしてみました、的な?
俊也に、ほとんど、下心はないが、気分が弾むのもやむなし。
でしょ?
今日早じまいし、画廊の静香さんが夕食をごちそうしてくれるという。
俊也はルマンダや嫁から、許可をもらっている。あの絵、全部売っていいと。まだ日本での資金はかなり残っている。
売り急ぐつもりはないが、全部売らないでは、今後の信用問題となる。とりあえず反響を聞いてから、考えるつもりだ。
「今晩は」
「いらっしゃいませ。ずいぶん早かったですね」
この店の実質的経営者、朝日野静香が笑顔で迎えてくれた。
静香のお色気は、どの嫁たちとも違っている。うまく言えないが、どこか醒めたものが感じられる。
肉体的には、成熟しきっている。だけど、そんな自分を突き放しているような……。
彼女は自分が超魅力的な女であることを知っている。だが、積極的にその魅力を生かす気がないというか、そんな気がした。
どんな事情があるのかわからないが、女の魅力を「飼殺してきた」というのが、俊也の直感だった。
「やっぱり気になっちゃいまして。どうですか、反響?」
俊也は無難な話題を振った。
「コロ〇で困ってたんだけど、店を再開してから大変だったのよ。
ルラちゃんを是非売ってほしいって。
十分看板娘として働いてもらった。ほら、あの通り」
静香が目で示した先を追ったら、上品な紳士と淑女が、ルラの絵に見入っていた。
「あの~、古めかしい服装と、新しいの、どっちが好評ですか?
聞いてほしいと頼まれたので」
俊也は内心ほっとしながら、そう聞いた。思った通りあの絵は受け入れられた!
「そうね……。やっぱり年齢によって違うみたい」
でしょうね、と俊也は納得。
「朝日野さん、やっぱり売ってもらえないんですか?」
ルラの絵に見入っていた男性が、声をかけてきた。
「交渉しようと思ってます。その作品、ずいぶんお気に入りのようですが、残念ながらそれはお売りできません。
まことに申し訳ございません」
その作品は、俊也が静香に売ったものだった。
俊也は感激。本当に大事にしてくれている。
「そうですか……。他の作品は?
ずいぶん多彩なモデルですね?
どの作品も引かれるな~」
「今回個展を開いたのは、真に絵がお好きなお客様に、作者を知ってほしかったからです。
販売の方は、鋭意努力して交渉します」
静香は見事に流す。
「あの~、お客様は、どの絵がお好きでしょう?
ずいぶん絵がお好きなようですから、できれば教えていただけないでしょうか?
感想も含めて」
俊也は我慢できずにそう話しかけた。
その客は一瞬意外な顔をしたが、すぐ笑顔になった。
「本当にいいんですか? うちの主人が語り始めたら、もうとまらなくなりますよ」
男性客と、連れだって絵を見ていた女性が言う。
やっぱり夫婦か……。二人とも、五十前後だろうか? セレブ感がすっかり板についていると俊也は感じた。
「望むところです。勉強させて下さい」
「そうですか。いいでしょう」
男性客は破顔一笑。大歓迎だったようだ。
「まず、この絵です。朝日野さんにはずいぶんご迷惑をかけましたが、時間が許せば会いに来ていました。
そうなんですよ。会いに来てたんです。
この絵に限らず、この作者、ルマンダさんの絵は、みんな生きてるんですよ。
僕はこの絵のモデルが、今絵から抜け出して、目の前に現われても驚きません。
みんなそうです。
そして、深い愛情を感じます。
見守るような、尽くすような、そんなルマンダさんの気持ちがわかります。
ルラさんというそうですね。この絵のモデル。
この人は、ルマンダさんにとって特別な人です。絶対間違いありません。
そして僕は思うんですよ。
同じルラさんがモデルのあの絵。
全然印象が違います。
あの絵には、ルラさんの憂いが一切消えている。
服装が全然違うから?
絶対そうじゃありません。
どこか人を拒絶するような、威厳が影をひそめています。
非常に悔しいですが、だれか愛する人ができたんでしょう。
ひょっとしたら、その人との子を、お腹に宿しているかもしれない。
エレンさん、フラワーさん、そして作者のルマンダさん。
これは母親の目です。
慈しみの目です。
男として、本当に悔しい。誰が射止めたんでしょうね」
以下、その男性は、滔々(とうとう)と絵を語ってくれた。
俊也はこそばゆいやら嬉しいやら。
俊也は決心した。金額は問わない。静香さんに売った絵以外で、この人に買ってもらおう。
それにしても、この人何者? 正確に絵の本質を見ている気がする。
「あなた、もう閉店時間よ。いいかげんになさったら」
夫人が穏やかに苦言を呈した。
「もう一つだけお聞きします。
古風な服のルラさん以外なら、どの人を心の恋人に選びますか?」
俊也はそう聞いた。
「迷いますね。一生をかけても答えは出ないかもしれない。
強いて言えば……、この素晴らしい作品を生んでくれた、ルマンダさんです」
「ずいぶん申し訳ありませんでした。
巨乳美女がお好きだったんですね。
朝日野さん、どうか主人の恋を実現させて下さい」
夫人が皮肉交じりのジョークで、和やかに場を締めてくれた。
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