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89 大騒動の種はまかれた
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愚痴をたれる三幹部。生真面目に反応するカナ。四人の表情を見つめながら、ルマンダは、ひたすらその表情を頭に焼き付けていた。
ルマンダは下書きのスケッチはしない。絵を描くときは、モデルさえ見ない。
見たことを無心で絵に再現する。それが彼女の方法だった。
みなさん、いつもぼやいてますが、それが幸せというものなんですよ。
不幸のかけらも見えません。
あなたがたは立派に俊也さんのお役に立ってます。
あなた方を不幸にさせないことが、俊也さんの幸せなんです。
そんなことを思いながら。
私の絵が金貨五百枚か。がんばろ~と……。ルマンダにも、不幸のかけらが全然見えなかった。
ちなみに、俊也はめんどくさいので、十万円イコール金貨一枚と言っている。
実際は単純比較できない。貨幣は物が買えて初めて貨幣の価値を持つ。
物の価値が、地球とこの世界では、それこそ物によって全然違うから。
たとえば、ウイスキーの空き瓶。
地球では資源ごみ。こちらではそこそこの価値を持つ。
そこそことしか言えないのは、前述のように、場所によって全然違うから。
たとえば、ラブミーテンダーでは、空きビンの卸だけで、年平均金貨一枚の利益がある。
俊也流の為替相場で言えば十万円。ベテラン採掘工夫の平均年収が金貨十五枚。
つまり、百五十万円。農・畜産生産量、鉱物資源と採掘量が飛びぬけているイスタリアだから、それほど稼げる。
貧しい国ならその五分の一でも不満はないだろう。もちろん物価が全然違うが。
この世界の経済事情は、このあたりで置いておく。退屈な三人の妊婦は、地球で何かひと儲け。それを企んでいることだけは記しておく。
三人の悩みは、地球に関する情報が、きわめて少ないことだった。
自分たちの才覚を、全然活かせないことが、じれったいのだ。
いわば、社長と部下が有能すぎて、暇と才能を持て余す重役みたいなものだ。
「カナちゃん、こっちでいて、激しい動き抜きで、短時間で、そんな感じのバイトない?」
エレンが真顔で聞く。
「いわば引きこもりですからね……。そうだ! 〇チューバー!
当たったらぼろ儲けできますよ。
顔出しなしで簡単魔法。
さて、このトリック、君に見抜けるかな?
いけそう!
トリックなんてないから、見抜けるわけありません!」
案外目の付けどころがいい、擬似おバカキャラすれすれだった。
それはどんなキャラだと聞かれたら、こう答えよう。「君はやればできるはずだ」と言われ続け「マジでやらなかったからできない」が、「擬似おバカ」。
「すれすれ」は、そこそこやったから、そこそこできる。
合わせて擬似おバカキャラすれすれ。
カナは俊也に「やればできる」と言われ続け、俊也にからかわれたり、からかうのが楽しく、マジでやらなかった。
俊也に軽蔑されるのは嫌だから、そこそこやった。
結果、「人並み」の高校へ無事入学を果たせた。
そこそこかわいい、あるあるキャラそのものだから、彼女は男女を問わず人気があった。
ラノベに登場するような美男美女。そんな感じの男女は案外敬遠されがち。えてして人気者は、ハイクラスちょいおちが多いものです。
閑話休題。カナが提案した〇チューブ発信、後々大騒動につながっていきます。
「〇チューブって、あれでしょ?
現代日本にダンジョンができて、探索の様子を発信する!」
ラノベコミックスにドはまり中のルラが乗った。
「今私たちが戦闘したら、俊也さんに怒られちゃうよ」
フラワーが、現実的な見解を述べた。
「だけど、楽して円が手に入る。魅力的だね?」
エレンは瞳に¥マークを浮かべながら言う。
「魔物と戦わなくても、訓練を映すだけで大うけ間違いなしです!」
擬似おバカすれすれはそそる。
「やってみようか?」
ルラがみんなをうかがう。
「やろう!」
こうして、騒動の種はまかれた。
ルマンダは下書きのスケッチはしない。絵を描くときは、モデルさえ見ない。
見たことを無心で絵に再現する。それが彼女の方法だった。
みなさん、いつもぼやいてますが、それが幸せというものなんですよ。
不幸のかけらも見えません。
あなたがたは立派に俊也さんのお役に立ってます。
あなた方を不幸にさせないことが、俊也さんの幸せなんです。
そんなことを思いながら。
私の絵が金貨五百枚か。がんばろ~と……。ルマンダにも、不幸のかけらが全然見えなかった。
ちなみに、俊也はめんどくさいので、十万円イコール金貨一枚と言っている。
実際は単純比較できない。貨幣は物が買えて初めて貨幣の価値を持つ。
物の価値が、地球とこの世界では、それこそ物によって全然違うから。
たとえば、ウイスキーの空き瓶。
地球では資源ごみ。こちらではそこそこの価値を持つ。
そこそことしか言えないのは、前述のように、場所によって全然違うから。
たとえば、ラブミーテンダーでは、空きビンの卸だけで、年平均金貨一枚の利益がある。
俊也流の為替相場で言えば十万円。ベテラン採掘工夫の平均年収が金貨十五枚。
つまり、百五十万円。農・畜産生産量、鉱物資源と採掘量が飛びぬけているイスタリアだから、それほど稼げる。
貧しい国ならその五分の一でも不満はないだろう。もちろん物価が全然違うが。
この世界の経済事情は、このあたりで置いておく。退屈な三人の妊婦は、地球で何かひと儲け。それを企んでいることだけは記しておく。
三人の悩みは、地球に関する情報が、きわめて少ないことだった。
自分たちの才覚を、全然活かせないことが、じれったいのだ。
いわば、社長と部下が有能すぎて、暇と才能を持て余す重役みたいなものだ。
「カナちゃん、こっちでいて、激しい動き抜きで、短時間で、そんな感じのバイトない?」
エレンが真顔で聞く。
「いわば引きこもりですからね……。そうだ! 〇チューバー!
当たったらぼろ儲けできますよ。
顔出しなしで簡単魔法。
さて、このトリック、君に見抜けるかな?
いけそう!
トリックなんてないから、見抜けるわけありません!」
案外目の付けどころがいい、擬似おバカキャラすれすれだった。
それはどんなキャラだと聞かれたら、こう答えよう。「君はやればできるはずだ」と言われ続け「マジでやらなかったからできない」が、「擬似おバカ」。
「すれすれ」は、そこそこやったから、そこそこできる。
合わせて擬似おバカキャラすれすれ。
カナは俊也に「やればできる」と言われ続け、俊也にからかわれたり、からかうのが楽しく、マジでやらなかった。
俊也に軽蔑されるのは嫌だから、そこそこやった。
結果、「人並み」の高校へ無事入学を果たせた。
そこそこかわいい、あるあるキャラそのものだから、彼女は男女を問わず人気があった。
ラノベに登場するような美男美女。そんな感じの男女は案外敬遠されがち。えてして人気者は、ハイクラスちょいおちが多いものです。
閑話休題。カナが提案した〇チューブ発信、後々大騒動につながっていきます。
「〇チューブって、あれでしょ?
現代日本にダンジョンができて、探索の様子を発信する!」
ラノベコミックスにドはまり中のルラが乗った。
「今私たちが戦闘したら、俊也さんに怒られちゃうよ」
フラワーが、現実的な見解を述べた。
「だけど、楽して円が手に入る。魅力的だね?」
エレンは瞳に¥マークを浮かべながら言う。
「魔物と戦わなくても、訓練を映すだけで大うけ間違いなしです!」
擬似おバカすれすれはそそる。
「やってみようか?」
ルラがみんなをうかがう。
「やろう!」
こうして、騒動の種はまかれた。
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