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94 ニンニン!
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女の子の名はミネット。猟師の父親と二人暮らしだそうだ。
その父親が、突然胸を押えて苦しみだした。ミネットは、どうしていいかわからない。
町へ行って治癒魔導師に助けてもらおう。そう思いついて、馬を飛ばした。
途中追剥二人に襲われたわけ。
「ローラン、行ってあげて。俺、馬に乗れないからブルーが護衛に。ここで待ってる」
俊也は、ほとんど無駄だろうと思ったが、できるだけのことをするしかなかった。
「胸を押えてのたうちまわるように」
おそらく心筋梗塞だ。今から駆けつけても間に合わないだろう。
「おい! 俺たちどうするんだよ! 治癒魔導師だろ! なんとかしろよ!」
盗賊の一人がブーイング。全然自分たちの立場が、分かってないようだ。
「暴れると怖いから、縛りあげようか?」
俊也は盗賊たちを冷やかな目で見る。
ローランとブルーは、予備の馬に乗り、ミネットと共に馬を走らせた。
「やめろよ! 腕が折れ曲がってんだぞ! どこへ行くんだよ~!」
「エンラン、うるさいからこいつら眠らせて」
俊也はそう吐き捨てた。
「永遠に?」
「めんどくさかったらどうぞ」
俊也はエンランの頭を、右手でぽんっと軽くたたき、馬車に帰った。
エンランは表情をふにゃっと崩し、何か魔法をかけていた。
永遠に眠らせる魔法ではないだろう。
多分。
馬車で寝ていたナイトは、ユーノの鼻で起こされた。
「どうしますか? ブルーさん、あの子連れてきちゃいましたよ」
ユーノは素っ裸の俊也に、苦笑を浮かべて言う。
「そうなると思った。もう夕方か。仕方ないから野営しよう。邪魔に……」
「動かしてないのは、この馬車だけです。空地へ動かします。寝ててもいいですよ」
ユーノはそう言って、御者台に向かった。
俊也は思う。お荷物七人になっちゃった。
ラッキーセブンだ、わ~い!
仕方ないか……。俊也はまた眠りに落ちた。
一方、遠征に参加しなかった嫁たちは…、
「琴で~す!」(琴音)
画面、俊也の部屋。
「カナで~す!」(カナ)
「ねえねえ、カナちゃん、大魔導師に会っちゃったんだって?」(琴)
「そうなのよ~! 私も少し魔力があるんだって」(カ)
「お~! 修行ですな?」(琴)
「修行ですね!」(カ)
「というわけで、これから魔法の世界へ飛びます」(琴)
「方法は内緒です!」(カ)
「おっと、忘れてはいけない。魔法の国だから生配信できません」(琴)
「そこで今朝の朝刊。注目!」(カ)
一面日付アップ。
「この朝刊、随時映しますので」(琴)
「帰ったら夕刊映しますので」(カ)
画面、湖の館近辺。
「あっという間に、秋の終わりですね~」(琴)
「日本では五月連休初日。この通り」(カ)
カナ、朝刊を示す。
「季節は約半年、時間は半日の誤差があります」(琴)
「すてきな洋館ですね」(カ)
「固そうで食べられませんね」(琴)
「琴ちゃん、悪いけどそのノリ、付いていけない」(カ)
「さあ、魔法の国の秘密の館だ! 突撃!」(琴)
「その前に…あれはなんだ!」(カ)
アンリ、くのいち姿でトンボを切る。
「$&#%*……」
「私は、くのいちだと言っております」(琴)
「魔法、忍法……なんか、微妙にずれてないでしょうか?」(カ)
「法つながり。よしとしよう」(琴)
「うん、よしとしよう。ニンニン」(カ、忍法の定番、九字の一つを切る。それでわからなければ、両手でチョキをつくる。チョキのはさみは、危ないから閉じようね。左のはさみを、右の手のひらで包みます。あ~ら不思議、あなたは今から忍者です)
「くのいちが、抜刀術を披露してくれるそうです」(琴)
「日本刀ではありませんが、魔法の国の銘刀です。どうぞ!」(カ)
アンリ、直径三十センチ、つまり、丸太ぐらいの樹木をばっさばさ斬る、斬る、斬る!
「すごいですね!」(琴)
「でも、魔法ではありませんね!」(カ)
「#$%&!」(ア)
「私も少しなら使えると、訴えております!」(琴)
「あんまりうまくないらしいですから、本命に突撃!」(カ)
画面、訓練場。
「なんかひどいことになってますね」(琴)
画面、ぐちゃぐちゃの練習場。
「ここで魔法を練習しているそうです。師匠の皆さん、どうぞ!」(カ)
ルラ、エレン、フラワー。キャップをかぶり、サングラス、マスク姿で登場。
「彼女たちは、生きている超高性能兵器です」(琴)
「みんな超美人なんですよ。だけど、顔出しNGは仕方ない」(カ)
「さっそく魔法を、ご披露していただきます」(琴)
「正面の森に注目!」(カ)
「風刃乱舞!」(ルラ、魔法発動)
前方の森林、無数の風の刃でぐちゃぐちゃに。
「火球爆裂!」(フラワー、魔法発動)
前方の岩、破砕。
「豪雨襲来!」(エレン、魔法発動)
超局所的豪雨、爆発の砂塵を抑える。
「皆さん! 見ましたか!」(琴)
「今朝の朝刊です!」(カ、朝刊日付を示しながら)
「次回は『カナ、魔法を修行する』!」(琴)
「この映像は、トリックなのか! 解けるものなら解いてみろ!」(カ)
「おっと~、出ました! 視聴者への挑戦状!」(琴)
「日本へ帰りま~す!」(カ)
「ニンニン!」(琴、九字の一つを切る)
画面、俊也の部屋へ。以下生配信。
「日本へ帰ってきました!」(琴)
「いかがでしたか? 御覧の通り、日本の夜です」(カ)
「外は真っ暗でしょうが!」(琴)
「この夜景は見覚えあるでしょう?」(カ)
画面、窓からの景色。下町の夜景。
「約束通り、今日の夕刊」(琴、夕刊の日付見せる)
「『カナ、魔法を修行する』お楽しみに」(カ)
終了。
嫁たちは、琴音を巻きこんで、いや、琴音に巻き込まれて、こそこそ動いていた。もちろん、その事実を俊也は知らない。
その父親が、突然胸を押えて苦しみだした。ミネットは、どうしていいかわからない。
町へ行って治癒魔導師に助けてもらおう。そう思いついて、馬を飛ばした。
途中追剥二人に襲われたわけ。
「ローラン、行ってあげて。俺、馬に乗れないからブルーが護衛に。ここで待ってる」
俊也は、ほとんど無駄だろうと思ったが、できるだけのことをするしかなかった。
「胸を押えてのたうちまわるように」
おそらく心筋梗塞だ。今から駆けつけても間に合わないだろう。
「おい! 俺たちどうするんだよ! 治癒魔導師だろ! なんとかしろよ!」
盗賊の一人がブーイング。全然自分たちの立場が、分かってないようだ。
「暴れると怖いから、縛りあげようか?」
俊也は盗賊たちを冷やかな目で見る。
ローランとブルーは、予備の馬に乗り、ミネットと共に馬を走らせた。
「やめろよ! 腕が折れ曲がってんだぞ! どこへ行くんだよ~!」
「エンラン、うるさいからこいつら眠らせて」
俊也はそう吐き捨てた。
「永遠に?」
「めんどくさかったらどうぞ」
俊也はエンランの頭を、右手でぽんっと軽くたたき、馬車に帰った。
エンランは表情をふにゃっと崩し、何か魔法をかけていた。
永遠に眠らせる魔法ではないだろう。
多分。
馬車で寝ていたナイトは、ユーノの鼻で起こされた。
「どうしますか? ブルーさん、あの子連れてきちゃいましたよ」
ユーノは素っ裸の俊也に、苦笑を浮かべて言う。
「そうなると思った。もう夕方か。仕方ないから野営しよう。邪魔に……」
「動かしてないのは、この馬車だけです。空地へ動かします。寝ててもいいですよ」
ユーノはそう言って、御者台に向かった。
俊也は思う。お荷物七人になっちゃった。
ラッキーセブンだ、わ~い!
仕方ないか……。俊也はまた眠りに落ちた。
一方、遠征に参加しなかった嫁たちは…、
「琴で~す!」(琴音)
画面、俊也の部屋。
「カナで~す!」(カナ)
「ねえねえ、カナちゃん、大魔導師に会っちゃったんだって?」(琴)
「そうなのよ~! 私も少し魔力があるんだって」(カ)
「お~! 修行ですな?」(琴)
「修行ですね!」(カ)
「というわけで、これから魔法の世界へ飛びます」(琴)
「方法は内緒です!」(カ)
「おっと、忘れてはいけない。魔法の国だから生配信できません」(琴)
「そこで今朝の朝刊。注目!」(カ)
一面日付アップ。
「この朝刊、随時映しますので」(琴)
「帰ったら夕刊映しますので」(カ)
画面、湖の館近辺。
「あっという間に、秋の終わりですね~」(琴)
「日本では五月連休初日。この通り」(カ)
カナ、朝刊を示す。
「季節は約半年、時間は半日の誤差があります」(琴)
「すてきな洋館ですね」(カ)
「固そうで食べられませんね」(琴)
「琴ちゃん、悪いけどそのノリ、付いていけない」(カ)
「さあ、魔法の国の秘密の館だ! 突撃!」(琴)
「その前に…あれはなんだ!」(カ)
アンリ、くのいち姿でトンボを切る。
「$&#%*……」
「私は、くのいちだと言っております」(琴)
「魔法、忍法……なんか、微妙にずれてないでしょうか?」(カ)
「法つながり。よしとしよう」(琴)
「うん、よしとしよう。ニンニン」(カ、忍法の定番、九字の一つを切る。それでわからなければ、両手でチョキをつくる。チョキのはさみは、危ないから閉じようね。左のはさみを、右の手のひらで包みます。あ~ら不思議、あなたは今から忍者です)
「くのいちが、抜刀術を披露してくれるそうです」(琴)
「日本刀ではありませんが、魔法の国の銘刀です。どうぞ!」(カ)
アンリ、直径三十センチ、つまり、丸太ぐらいの樹木をばっさばさ斬る、斬る、斬る!
「すごいですね!」(琴)
「でも、魔法ではありませんね!」(カ)
「#$%&!」(ア)
「私も少しなら使えると、訴えております!」(琴)
「あんまりうまくないらしいですから、本命に突撃!」(カ)
画面、訓練場。
「なんかひどいことになってますね」(琴)
画面、ぐちゃぐちゃの練習場。
「ここで魔法を練習しているそうです。師匠の皆さん、どうぞ!」(カ)
ルラ、エレン、フラワー。キャップをかぶり、サングラス、マスク姿で登場。
「彼女たちは、生きている超高性能兵器です」(琴)
「みんな超美人なんですよ。だけど、顔出しNGは仕方ない」(カ)
「さっそく魔法を、ご披露していただきます」(琴)
「正面の森に注目!」(カ)
「風刃乱舞!」(ルラ、魔法発動)
前方の森林、無数の風の刃でぐちゃぐちゃに。
「火球爆裂!」(フラワー、魔法発動)
前方の岩、破砕。
「豪雨襲来!」(エレン、魔法発動)
超局所的豪雨、爆発の砂塵を抑える。
「皆さん! 見ましたか!」(琴)
「今朝の朝刊です!」(カ、朝刊日付を示しながら)
「次回は『カナ、魔法を修行する』!」(琴)
「この映像は、トリックなのか! 解けるものなら解いてみろ!」(カ)
「おっと~、出ました! 視聴者への挑戦状!」(琴)
「日本へ帰りま~す!」(カ)
「ニンニン!」(琴、九字の一つを切る)
画面、俊也の部屋へ。以下生配信。
「日本へ帰ってきました!」(琴)
「いかがでしたか? 御覧の通り、日本の夜です」(カ)
「外は真っ暗でしょうが!」(琴)
「この夜景は見覚えあるでしょう?」(カ)
画面、窓からの景色。下町の夜景。
「約束通り、今日の夕刊」(琴、夕刊の日付見せる)
「『カナ、魔法を修行する』お楽しみに」(カ)
終了。
嫁たちは、琴音を巻きこんで、いや、琴音に巻き込まれて、こそこそ動いていた。もちろん、その事実を俊也は知らない。
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